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第二章
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【二】
レン・クジョウ影武者の道を歩み始めてついに一か月が経った。レン様が一か月ご褒美に何か一つお願い事を聞いてくれることになった。俺のモチベーションを高める為だろう。そんなことをしなくても、結構楽しんでいる。なんてったってタダで色々学べるんだ。これほど自分磨きするのにありがたいことはない。
ぬふふ。俺に新たな目標が出来たのだ。
「リョウ様」
「はい、ジャスミン先生」
ヒト族マナー講師のジャスミン・ヤマダ先生。赤い眼鏡に紫色のド派手な先生だ。厳しいけれど、たまに褒めてくれるから成長してる感があって、本当に教え上手だと尊敬している。
「最近さらに美しく、品が出てきましたざます。何か心境の変化を感じるざますが・・・、好きな殿方でも出来たざますか?」
さすが先生、勘が鋭い。
正確には、俺の目標、いや野望が出来たが正しい。エッチをまたしてみたい。あれは知識も必要だけど場数もあるだろう。今は身動きが取れないし、となると、だ。
影武者の仕事を終えたら、娼館で裏方もだけど表にも出させて貰いたい。となると、品が合って美人でないといけない。幸いヒト族は見目がよく作られているから、後は自分でどう磨くか。幸いにも、ここには自分磨きするのに最適な環境、金、時間がある。
「えぇ、そんなところです先生、へへ」
あざとい可愛い子アピール。以前の俺のガサツさをなるべく抑え込んで、たまに疲れるけど、猫被りの練習もしておかないと。
「そうざますか、いいことです。それで? レン様からのご褒美は、一体に何にするざますか?」
きっとこのご褒美作戦も、このジャスミン先生の提案だろうと思う。
「俺、実は料理が好きなんです」
「まぁ」
「それでこの別荘にもっといいキッチンを設備して貰いたいのと、たまに気晴らしに近くのお店で材料を買いに行きたいんです」
大きな拍手で返された。
「そうですか、そういうことならわたくしからお伝えして差し上げるざます」
「ありがとうございます」
「では、その際には、わたくしにも何か料理を作って欲しいざます」
「勿論です先生」
そうして次の日、別荘に業者さんが入りキッチンの大改造。レン様からまだ外出は許可できなくてごめんねの手紙と、代わりにと沢山の新鮮なお野菜やお肉の入った段ボールが五箱も届いた。また欲しい食材はメイド帳のレベッカさんに申告して欲しいとの旨だった。
「うっわ、ナニコレ・・・」
ヒト族にはない野菜が沢山あった。紫色の人参や黒いトマト・・・か? これは調理し甲斐がありそうだ。俺は超がつくほどの野菜好きだ。一日三食はアレが食べたい。
「早速♪」
とりあえずヒト族の野菜、人参、きゅうり、たまねぎ、紅大根を切って、サラダ豆を用意する。
「うーん、ドレッシングは・・・」
レモンとはちみつ、塩にオリーブオイルを使った塩レモンドレッシングを作って、口の大きい瓶に一番に注ぐ。そして人参、きゅうりに紅大根、サラダ豆、最後にサラダ菜を詰め込んで蓋をする。
「完成~瓶サラダっ!」
瓶も幾つか頼んでおこう。これを冷蔵庫で冷やして、食べたいときに振って盛り付けて食べるのが最高なのだ。
コンコン。
「ん?」
「どーもー」
「ゲッ」
あのヤリ逃げ野郎ことディランが来た。いつキッチンに入った? 扉がなくリビングと直結だから分からなかった、というのが言い訳だ。というかよくもまぁ来られたもんだなぁおい?
「何その”ゲッ”は?」
侮蔑の眼差しを送ってやった。
「もう忘れたのですかディラン様。早々に俺をレイプして逃げたことを」
今日は鳥の照り焼きにしよう。自分で家事をすることにしたので、シェフや掃除婦さんやらは帰って貰った。自分のことは自分でやる。まぁ最低限の護衛はつけられたけれど。
「何か人減ったくさくない?」
俺の発言はスルーですか?
冷蔵庫に解凍して置いた鳥の胸肉を出す。
「自分のことは自分でやる主義なんで」
瓶サラダ作ったけど、ブロッコリーも食べたくなったので茹でる。
「ふぅん・・・」
「・・・・・・」
黙々と夕食の準備をする。ブロッコリーを切って、沸騰させた鍋に入れる。
「おれ、ブロッコリー、苦手なんだよね」
はい? 何を言ってんんだこの熊は。可愛いお耳がピルピル動いている。熊人は確かお魚と野菜が好きだっけ。って俺には関係ないだろ。
「俺一人で食べるんで。というかここに来る理由がないですよね?」
何がスケジュール帳に印だ。別の印だったわ何が王冠マークじゃ。把握できなかった俺も俺だけどさ。来訪予定も何も無い、一切合切この熊人とは関係ない。何故来たし? ここにいるし?
「・・・もしかして、怒ってる?」
何を言ってるんだこの熊は。
「おっかしぃな~、皆おれに抱いてくれてありがとうって感謝するのに」
こっれだから色男は!
「おれのこと、知ってるよな?」
「知ってますが何か?」
まじまじと見つめられた。
「おれに取り入ろうとか、気に入られようとか、愛人になりたいとか、ないの?」
ほんっとにクソだなおい。
「おれってさ、容姿端麗、権力に金もあるよ?」
成金ムーヴ噛ませに来たこれ。
もうだめだ。この人に対して猫被りを辞めよう、いい人ぶるのは辞めよう。
「あーもういい止めだ止め。逆に聞きたい。貴方は俺の処遇知ってるよな? 身元不明の教養のない孤児だ。それをなんで貴方みたいな人が俺なんかに気にかける?」
きょとんって顔をされた。
「そんなの、ぬか漬けが美味しかったからに決まってるだろ」
雷が落ちた。この人はさっきから何を言ってるんだ!?
「は、はぁ? ぬか漬け?」
娼館でつまみ食いしたあれかよ。
「そう。おれ、偏食の美食家なわけ、グルメなわけ。絶対一日五食は美味しいもの、特に野菜を食べたいわけ」
知らないっての、おたくの食事事情は。
「ねねね、さっき冷蔵庫の中に瓶サラダあった」
いけない。狙われている!?
「俺のだから」
「なっ、なんで? なんでそんなにおれに冷たくするの?」
こいつはおかしい。
「あんたがいきなりレイプしたからだろうがこのイケメン熊がぁ! あんたにはあんたの世界があんだろ! ここじゃない! とっとと帰んな!」
「気持ち良かっただろーっ!? よがってただろ!? じゃぁいいじゃないかよ!」
「はぁーっ!? 開き直るなこの節操無し!あんたなら抱く相手は選り取り見取りだろうが。なんで俺なわけよ」
何なんこの会話。
両手を取られ、ギュッと握られた。
「後ろからが嫌だったのか? じゃあちゃんと前から、君の顔見て挿入してあげるから」
プチン。
「ああああああんたはぁぁぁーっ!? さっきから何斜め上からもの喋ってんだぁ勘違いもいい加減にしろこの色魔ぁーっ!」
「ぐはっ」
思い切り頭突きをかましてやった。くぅ、こいつも怪力が使えたらいいのに! なんで使えないんだぁ! この億劫なバ怪力こそ、今、必要だろうよ!?
「エッチのやり方に異議してんじゃないの。いきなり相手の許可なく心も無いのに性欲処理エッチするなって言ってんの。あんたがあのディランだから許される行為だ、普通の一般人なら人生終わってるよ。俺だったらこの怪力であそこを再起不能に握り潰してる」
「ヒッ」
ようやく理解してくれたのか、青ざめ武者震いをし出す。
本当におっかしな人だ。芸術家肌は変人だと聞くけど、なるほど、納得した。彼らの常識は何処かズレている。
「・・・無理強いしてごめん、謝る」
ほう、ようやく、か。
「・・・遅すぎ。よくもまぁその面見せに来れたもんだ」
少し意地悪を添えた。
「じゃぁ次はベッドでちゃんとするから、瓶サラダ、頂戴?」
バンッ! バンバンッ!
まな板台パン。
「人の話聞いてたっ!? なぁんで!? 次!? 次って何よ!? もうエッチはしないっての! ここは娼館じゃあないよ!? 俺は前は裏方だったけど、娼婦じゃあないわけ!」
冷蔵庫から瓶サラダを出して、ディランに差し出した。所謂”犠牲”だ、”贄”だ。
「はい、あげるからもう来なくていいよ」
「えぇっ!? お礼は?」
「おおおおお礼をぉ! エッチだけだと思うなこのっ、この色欲がぁ!」
俺はベルを慣らした。
「お呼びですかリョウ様」
瞬時にレベッカさんが来てくれる。
「ディラン様がお帰りです、見送ってあげてください」
「・・・畏まりました」
「え、ちょ、リョウ!?」
言うに事欠いて呼び捨てっ!?
俺は笑顔を取り繕って笑った。
「さようならディラン様」
もうさすがに、はは、会うこともない。
さようなら、俺の瓶サラダ第一号。いいんだ、また作ればいい。
俺の災難は終わらなかった。
今日はレン・クジョウ影武者の中間試験だ。この一か月で何処までレン様に近づけたか、レン様を知る御親友に見てもらうのだ。
「ってぇ! うっそ、何で!?」
何故また目の前にディランがいる!?
「え、おれが親友だもん。だからここへ来られるんだよ。中間試験で無くても、様子を見てあげて欲しいって。喜ばせてあげて欲しいって言われたからエッチしてあげたのに、何か怒られたし」
こいつはぁっ!
「・・・でもリョウに怒られたって言ったらレンにも当たり前だってお尻・・・叩かれたんだよ! 何で? 皆エッチ好きだろ?」
なるほど、お尻を叩けばいいのか。
よほど性欲がお高い熊人と認知した。
だがしかし、レン様の親友で試験監督と言うわけだ。レン様に報告がいく。いつから中間試験なのかは分からない。それとももう始まっているのかもしれない。
レン・クジョウの仮面を被ることにした。以前にレン様と親友の会話という映像を見せられた。親友の顔はモザイクだったけど、なるほど、あれはディランだったのか。
ディランとの話し方を思い出せ。ディランに対峙して、その碧い瞳を見つめ、その美しい顔にある両頬をつねった。
「あんたのエッチは、終わって早々ソファが汚れるからって、相手の子を風呂に放り投げて、はいさようなら? っざけんじゃないよ!? そんなぞんざいな扱いをして! 逆にされたらどう思うの? 今度そんなことしたら絶交だから。顔がいいからってそんなことが許されると思ってんの? ”ボク”なら、業界から追い出すことも可能だよ~?」
「ふぇっ!?」
「いいの~? 謝って、彼に、謝って」
「ごめんなさい~優しくするから~もうそんなことしないって誓います~」
可愛いモフモフのお耳が物凄くピルピル震えている。頬を引っ張るのをやめてあげた。
「・・・・・・」
どうした? 何故そんなに笑っている?
「・・・へへ」
怖い! 気持ちが悪い!
「なななな何!? 何笑ってんの!?」
「え、あー、おれさぁ、こうやって怒られたこと、あんまりないから。ほら、皆、おれを聖人かなんかと思ってて、よいしょよいしょするんだ。でも君は違う。それが、だから、嬉しくて」
皆ディランというコネクションに嫌われたくはないよな。
「怒られてんだよ? 何が嬉しいの?」
にっこーとにんまりとにたぁっともディランはほくそ笑む。クッソ、べ、べべべ別にぃ? 可愛いだなんて思ってないし!
「怒ってくれるってことは、相手のことを思ってくれての行動だって知ってる。君は、おれを聖人ディランじゃなくて、おれ個人のただのディランとして接してくれてるんだよね?」
「・・・・・・?」
おれはただヤリ逃げされたから不快で怒っただけで。それが彼にはどうしてそう思われたのか、はて?
「! あ、分かった。お・・・ボクが聖人ディランを知らないからだ! だからヤリ逃げ最低熊人野ろ・・・げほん、印象が悪い人だと思ったんだ」
「っ!! や、やヤリ逃げクソ最低熊野郎!?」
ん? 何か一言増えてね?
「情緒が足りないってこと。相手の子と朝を一緒に迎えてあげる。まぁあんたは忙しいだろうから、せめて置手紙を置くとか。アフターケアで花束を後日送るとか。それが面倒くさいんなら、多数の相手とエッチはしない。まぁ、熊人の世界は一夫多妻制もいいのなら、キープという枠組みも作れるか」
ディランは左右に頭を振った。
「おれは一途だよ」
ほ、ほほぅ?
「・・・・・・」
「え? 何、何その目ぇ!」
「人をレイプして風呂に放り投げておいて、どの口が一途って言うのかなって」
「ひぃーんっ! だからごめんなさいってばぁ! 今度! お詫びに美味しい野菜のレストラン連れてってあげる! ご馳走する!」
何? それは・・・いい話だ、聞こう。
「本当? 嘘じゃない? レン様に言って外出許可、取ってくれるわけ?」
何度も上下に頭を振るディラン。
「うんうんうん勿論!」
果たして、この男は約束というものを守れるだろうか。
「・・・約束破ったら」
俺はいつになく満面の笑みをディランに向けた。にっこにっこにっこー☆
「”絶交”、だからね」
「ひっ! は、はいっ!」
「それで? 中間試験は? 何をやるの?」
「え、あ、あぁ、もう合格だよ。何だろ、一人称変えただけでもうレンみたい。でもレンは怖く睨んだり頬を抓ったり絶交って脅さないけど、雰囲気も似てる。後は・・・」
いやあんたレンに尻ひっぱたかれただろうよ。
「なぁに? 絶交、されたいわけ? されたいなら」
「ああああ後は可愛げ! もう少しきょるんって、ぷりちーでしょボク? みたいな」
きしょい。俺にはキツイ。
「可愛い子ぶるってこと?」
「そうそう」
「・・・・・・吐きそう」
「で、出来るって! 可愛いんだから!」
「そりゃぁね、あんた達に好かれるように見目麗しく作られて生まれて来るんだから」
って何今度は? ディランがわなわなと口を震わせている。
「お、おれの口説き台詞にメロメロにならないっ!?」
こいつは一体何を言ってんだ?
「はぁ? いつ口説いたのさ?」
「へぇっ!? いや今かわ、可愛いって! ハッ、今も言わせた!」
・・・・・・ため息しか出ない。
「そぁんな当たり前の、上辺だけの台詞に旨キュンするヒト族じゃないんだよボクは」
「レンは頬を染めて、まんざらでもない顔するのに!」
盲点。
「っあぁ~そうか、レン様はそうするよなぁ。しまったぁ、照れる練習しないと」
「・・・・・・」
ディランが眉根を寄せて、まじまじと見つめて来た。
「何? 今度は」
「・・・・・・いや、君、変わってるなって思って・・・」
おっめぇに! 言われたかねぇよ!
「・・・そっくりそのままその台詞、返すわ。
あ、なぁ、前アタッシュケースに雑誌いっぱい入ってたじゃん? 見せてよ。ファッションも勉強じゃんね」
「よく見てるね? いいよ」
ディランがアタッシュケースから沢山の雑誌を取り出し、テーブルに並べた。
「これが女性誌、男性誌、釣り、アウトドアに娯楽、料理に、音楽に漫画・・・」
「うわぁ・・・凄いうっはぁ!」
凄いあらゆる分野属性の情報量。
「見たい読ませて、また次来る時持って来てよ」
「え?」
「ボクのモチベーションが上がるからいいでしょこういう勉強も! うっわ、料理雑誌? うっわ、勉強になるわー」
「え、あの、来ていいのか?」
はぁ、俺もお人よしだ。だけどこんな情報を貰えるなら彼を有効活用せずにはいられまい。
「・・・これでチャラにしてあげるからいいよ。ディランはレン様の親友だし、評価にも繋がるし」
「・・・仕事、熱心だね」
「お互い様でしょそれ」
またえっへーとにっこにっこと笑う。
「うん。持って来る」
「お願いね」
「あ、おれもお願いが」
「? お願い?」
瓶サラダの瓶を・・・五つ、テーブルに乗せた。それと見覚えのあるスケッチブック。
「おかわり、と、その、まだ絵、続き、描けてなくて・・・さ」
ちゃかししてるなぁ。
「サラダはともかく、また手ぇ出そうもんならしばくよ」
何故目を輝かせるのだディランよ・・・。
「しば・・・、えふん、で、でも勃っちゃたら、絵ぇ、描けなくなる。画集、遅れちゃうことになるし」
「喝っ! ななななぁんで勃つ前提なわけっ!」
「だって、おれの好みの体型だったし、綺麗だし・・・、雄だし」
「ディランは男が好きなのか。好みの体型・・・? あのくびれとお尻の黄金比がどうのとかの話?」
「そう! 君はまさに究極! エッチの相性も良かったし。熊人は性欲が強くて、発散しないと暴走しちゃうし・・・。特におれの種、
ポーラーベアは、その・・・」
もじもじとし始めるディラン氏。
「え・・・」
熊人には三つの種に分かれる。
一つ目、グリズリー種別名ハイイログマ。
血の気が多く、争うことが大好きな、結構凶暴な種。
二つ目、ツキノワグマ。
ヒト族に人気な温厚な種。穏やかな性格でヒト族を護る意思が強いというのが人気の理由。
そして三つ目だ。
ポーラーベア別名ホッキョクグマ。
グリズリー種とツキノワグマを足して二で割った性格。温厚で真っ白な可愛い見目に反しキレると怖いとされ、何を考えているか分からない絶滅危惧種。もう今は中々見られないらしい。生き残りには子孫繁防衛本能が強くなり、年中発情期になっているらしい。
「絶滅危惧種っ!? あの!?」
「本当は銀髪なんだけど、ほら、バレるとよくないから、真っ紅に染めてツキノワグマ風にしてるんだよ」
そうだったのか。知らなかった。
「ポーラーはほんと数少ないし、王族とも繋がりがあるからさ、色々バレたら大変なんだよね」
そうか! 現熊人王は銀髪だ。
「ってぇ、そんなことボクに話して大丈夫なわけ!?」
「だって、君は現熊人王レディアン・ベルモンドの許婚だろ」
ま、まさか、え?
「え、その反応。聞かされて無かったのか」
「許婚に嫌われたいとは言ってたけど、しまった、肝心な相手のこと聞いてなかった!」
まぁさぁかぁ! 許婚が現熊人王だと!?
「レレレレレレン様ってほんと何者っ!?」
ヒト族王族は獣人第一位種獅子族の許婚であると決められてはいるが。確か熊人も獣人ヒエラルキーで第3位以内に入ってるような。
「ね、ね? おれの事情分かってくれた?」
何故故に当たり前かのように俺の腰を引き寄せ、抱き寄せ次は俺の頭にぐりぐり頬を擦りつけて来る。
「急な過度スキンシップ過多!」
押し退けようともダメだ。怪力が通じないんだった。
「ね、ね? 飽きるまでおれのエッチの相手、してくれない?」
「かーっ!」
おま、おまおまおまおまっ! こいつ! 飽きるまで!? 飽きるまで言うた!?
いやでも待て。
いずれ俺は娼館へ戻る予定だ。エッチの場数を踏むには得策ではないか?
「・・・飽きる、まで、な?」
「うんうん」
「その代わり、エッチのやり方、教えてくれる?」
「えっ!? ど、どしたの急に!?」
「この仕事が終わったら、俺は野良のヒト族に戻る。また娼館で今度は表でも働いて、いつか獣人に見受けして貰うんだ」
「そっ、れで? それで体を売るの?」
「レイプマンに言われたくないね」
「すいません」
ため息が零れた。
「結局、身元の分からない孤児の生き方なんて知れてるってことだよ。孤児院の幼馴染の熊人がいたんだけど、彼は引き取られていった。その凄く嬉しかったのもあったけど、凄く、寂しかったのも覚えてる」
あいつもカッコ良かったな。グリズリー種で、名前はエリック。この名前も孤児院で付けられたものだから、もう名前は変わってしまっているだろうけど。元気にしているといいけど。
「・・・・・・」
空気が悪くなってしまった。
「君にはお金が必要なんだね」
「そうだね」
「分かった。エッチの時、君を買おう。一回十万ベルでどうかな?」
「えっ!? じゅ、十万ベルっ!?」
前の娼館で働いて来た時の一か月分やないかい!
「ごめん、足りない?」
「違う違う! いやそんな俺にそんな価値があるとは思えな」
「価値はおれが決める。なら、交渉成立だね。じゃぁ早速」
「へっ!? 今、今から!?」
確かにさっきから腰に硬いものが当てられているけども。
「ダメ?」
そ、そんな潤んだ瞳で見つめたって・・・。
「君とのあの逢瀬が忘れられなくて、作品のアイディアが浮かぶし、気持ちいし」
「あっ」
もうスカートに手が潜り込んで、紐パンツを解かれた。手が早い早過ぎる!
「ベベベベッドじゃなきゃ嫌だから」
そう言うとすぐさま抱き抱えられた。ポスっと俺をベットに組み敷き、ご満足の笑み。
「えへへ、いただきまぁす」
「開き直るの早いなぁおいっ!」
二度もあれば三度目もある。
「ふぁ、あぁ、あんっ、あ、あぁ、あいっ」
ディランの口と舌で、俺の蕾をある程度解された後早々に、鋭利な凶器を挿入された。今度は仰向けに、両ひざをこれでもかとばかりにがばっと開かされた。ぐちょぐちょと卑猥な音が疲れる度に聞こえるし、視界的に、気持ちよさようにディランが腰を打ち付けてる姿を見ると、お腹の圧迫感より優越感が勝る。
「きもちぃ?」
「ぅん、あっ、はぁ、あんっ」
腰が勝手に動いてしまう。
「・・・チュー、してもいい?」
この男は俺のファーストキスまで奪おうとしている。まぁ、今回はちゃんと確認を取って来たから・・・よ、良しとする。
「・・・ぃい、よ、うむっ、んんっ」
熱い舌がいきなり俺の口腔を弄った。軽いキスじゃないディープな方かよ!
「ぷはっ、も、いきな、り、あぁっ」
ディランは自身の手を重ねて俺の両腕の自由を奪うと、一気に腰を細かく早く振りつけて来た。
「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、アァ・・・」
ベッドがその律動に合わせて激しく軋む。
「ふぁ、あ、あす、ご、ぃぁ、あ、あ、あ」
重く圧し掛かり、ディランが仰け反り大きく腰を打ち付けた。
「アアアア・・・ッ、クッ! ガァッ」
「んあぁぁぁぁぁぁ・・・あぁぁぅっく!」
一際大きく凶器を奥へ差し込むと、ディランは雄叫びをしながら、腰を震わせた。
「んぁんっ、あ、あぁ・・・あぁ・・・」
激しくどぶっと中に熱い迸りを感じ、俺も絶頂した。射精が一番気持ちがいい。一番初めは勢いよく吐瀉され、次に穿たれながらドピュドピュと小刻みに注がれる快感。
「ふぁ・・・いぃ・・・あぁんっ」
与えられる快感に、体が跳ね、痙攣が止まらない。射精が終わるまで止められない。
「ふぁっ?」
急に上半身を起こされた。
「ふぁん、あ、まだ、イッて、る、あぁぁ、ん、あぁ」
ディランのあぐらに座る形での挿入。下から突き刺さる。
「ふぁ、ふかぃ、あぁ、また、きちゃ、あぁう、あぁ」
両脚が面白く上下に跳ねる。
「んむ、あむ、んむ」
「やぁ! どうじ、に、そこ、らめぇ!」
乳首を吸われ、甘噛みされた。下から激しく突かれのせいで、一気に大きな快感が押し寄せる。
「アァァァ、また、だす、アァァァ」
「ひぃあぁぁぁぁんぁ、あ、あ、あ、あ」
腰をホールドされ、激しく浸かれもう敏感過ぎる奥を貫かれた。締め付ける俺の膣の肉襞をもろともしない、激しい抽挿にうっとりしてしまう。
「あぅぁうぁうぁうあいくいくいくいっ」
「アアアアアアアアッ、ウガッ、フッ!」
「ひぃあっ!」
ビクンッと後ろへ俺の上半身が仰け反った。
ごぶっと結合部で泡が吹いた。もう入りきらない量の精液がぶち込まれている。
「ぁ・・・あ・・・す、ご、あぁ・・・」
「フゥ・・・フゥ・・・フゥ・・・」
俺の胸に顔を埋め。射精中になおも必死で腰を揺らすディラン。お尻に、股に溢れて白濁したものが伝うのが分かる。
まだ、俺の中にいるものが硬く、滾っている。
「こ、こんなに、出して、まだ、足りないの?」
「・・・ぅん。リョウの中、きもちぃ」
初めて偽物君じゃなく、俺の名前を呼ばれた。べ別に? 嬉しくてまた凶器を締め付けたわけじゃないから。
「・・・中にいたいのか?」
「ぅん、いたい。もっと、出したい」
俺の胸にグリグリ顔を擦りつけて、可愛いなんて、可愛いなんて! 思ってな・・・。
「・・・だぁめ?」
くっそ、上目遣い禁止だろこれぇ!
「って、あん、も、動かして、る! ばか」
「うん、えへへ」
こんちくしょー! 可愛いなんて!
可愛いだろ馬鹿野郎ーっ!
それからもう何回したか、覚えてない。
ピチチチチチ。
鳥のさえずりが聞こえた。
「・・・ん~・・・」
良く寝た。気が付いたら熟睡。また気持ち良くて失神してそのまま寝ちゃったのか。
目が覚めて、ふといつもと温さが違うことに気が付いた。
「っ!?」
俺の隣にディランがいる。
「・・・・・・」
しかも違うんだな、腕枕は俺の腕ちゃうねん。ディラン、あんたの腕で寝る・・・ってもうぅいいや。腕枕というより、ちゃんと枕の上に頭が乗ってるから、性格には首枕になってんだよな。よく痛くないな。
そっと腕を引き抜いて起き上がった。
「っ・・・てて・・・」
体が怠い。主に腰が痛いし。お尻の穴がまだジンジンする。でもきちんと拭いてくれたようで、肌が綺麗だった。
「・・・・・・」
よぉく見ると、結構童顔なんだ。まつ毛が長いしまぁどうしてこんないい男が俺なんかと朝チュン。
テーブルの瓶サラダの瓶が視界に入った。俺より多忙な人だ、仕方が無いから作ってあげよう。
作ってあげて、保冷バックに入れて差し上げた。まだ朝も早かったので、二度寝することにした。
ピピピピピピッ。
ハッ。
いつもの時計が鳴った。
「ん~っ、くぁ~っ!」
ふと隣を見るともうディランの姿は無かった。テーブルの保冷バックも綺麗さっぱり無くなっている。
「ふぁ・・・ん?」
サイドテーブルに何か置いてある。
「手紙?」
なになに?
親愛なるおれのリョウへ
美味しいサラダありがとう。
また雑誌を持って来るね。
P・S リョウごく美味しかった。ので、また食べに来ます。
しろくまより
「・・・・・・」
そっと手紙を閉じた。
何がしろくまだ。
「・・・くっ、そ・・・」
可愛いやないかい!
レン・クジョウ影武者の道を歩み始めてついに一か月が経った。レン様が一か月ご褒美に何か一つお願い事を聞いてくれることになった。俺のモチベーションを高める為だろう。そんなことをしなくても、結構楽しんでいる。なんてったってタダで色々学べるんだ。これほど自分磨きするのにありがたいことはない。
ぬふふ。俺に新たな目標が出来たのだ。
「リョウ様」
「はい、ジャスミン先生」
ヒト族マナー講師のジャスミン・ヤマダ先生。赤い眼鏡に紫色のド派手な先生だ。厳しいけれど、たまに褒めてくれるから成長してる感があって、本当に教え上手だと尊敬している。
「最近さらに美しく、品が出てきましたざます。何か心境の変化を感じるざますが・・・、好きな殿方でも出来たざますか?」
さすが先生、勘が鋭い。
正確には、俺の目標、いや野望が出来たが正しい。エッチをまたしてみたい。あれは知識も必要だけど場数もあるだろう。今は身動きが取れないし、となると、だ。
影武者の仕事を終えたら、娼館で裏方もだけど表にも出させて貰いたい。となると、品が合って美人でないといけない。幸いヒト族は見目がよく作られているから、後は自分でどう磨くか。幸いにも、ここには自分磨きするのに最適な環境、金、時間がある。
「えぇ、そんなところです先生、へへ」
あざとい可愛い子アピール。以前の俺のガサツさをなるべく抑え込んで、たまに疲れるけど、猫被りの練習もしておかないと。
「そうざますか、いいことです。それで? レン様からのご褒美は、一体に何にするざますか?」
きっとこのご褒美作戦も、このジャスミン先生の提案だろうと思う。
「俺、実は料理が好きなんです」
「まぁ」
「それでこの別荘にもっといいキッチンを設備して貰いたいのと、たまに気晴らしに近くのお店で材料を買いに行きたいんです」
大きな拍手で返された。
「そうですか、そういうことならわたくしからお伝えして差し上げるざます」
「ありがとうございます」
「では、その際には、わたくしにも何か料理を作って欲しいざます」
「勿論です先生」
そうして次の日、別荘に業者さんが入りキッチンの大改造。レン様からまだ外出は許可できなくてごめんねの手紙と、代わりにと沢山の新鮮なお野菜やお肉の入った段ボールが五箱も届いた。また欲しい食材はメイド帳のレベッカさんに申告して欲しいとの旨だった。
「うっわ、ナニコレ・・・」
ヒト族にはない野菜が沢山あった。紫色の人参や黒いトマト・・・か? これは調理し甲斐がありそうだ。俺は超がつくほどの野菜好きだ。一日三食はアレが食べたい。
「早速♪」
とりあえずヒト族の野菜、人参、きゅうり、たまねぎ、紅大根を切って、サラダ豆を用意する。
「うーん、ドレッシングは・・・」
レモンとはちみつ、塩にオリーブオイルを使った塩レモンドレッシングを作って、口の大きい瓶に一番に注ぐ。そして人参、きゅうりに紅大根、サラダ豆、最後にサラダ菜を詰め込んで蓋をする。
「完成~瓶サラダっ!」
瓶も幾つか頼んでおこう。これを冷蔵庫で冷やして、食べたいときに振って盛り付けて食べるのが最高なのだ。
コンコン。
「ん?」
「どーもー」
「ゲッ」
あのヤリ逃げ野郎ことディランが来た。いつキッチンに入った? 扉がなくリビングと直結だから分からなかった、というのが言い訳だ。というかよくもまぁ来られたもんだなぁおい?
「何その”ゲッ”は?」
侮蔑の眼差しを送ってやった。
「もう忘れたのですかディラン様。早々に俺をレイプして逃げたことを」
今日は鳥の照り焼きにしよう。自分で家事をすることにしたので、シェフや掃除婦さんやらは帰って貰った。自分のことは自分でやる。まぁ最低限の護衛はつけられたけれど。
「何か人減ったくさくない?」
俺の発言はスルーですか?
冷蔵庫に解凍して置いた鳥の胸肉を出す。
「自分のことは自分でやる主義なんで」
瓶サラダ作ったけど、ブロッコリーも食べたくなったので茹でる。
「ふぅん・・・」
「・・・・・・」
黙々と夕食の準備をする。ブロッコリーを切って、沸騰させた鍋に入れる。
「おれ、ブロッコリー、苦手なんだよね」
はい? 何を言ってんんだこの熊は。可愛いお耳がピルピル動いている。熊人は確かお魚と野菜が好きだっけ。って俺には関係ないだろ。
「俺一人で食べるんで。というかここに来る理由がないですよね?」
何がスケジュール帳に印だ。別の印だったわ何が王冠マークじゃ。把握できなかった俺も俺だけどさ。来訪予定も何も無い、一切合切この熊人とは関係ない。何故来たし? ここにいるし?
「・・・もしかして、怒ってる?」
何を言ってるんだこの熊は。
「おっかしぃな~、皆おれに抱いてくれてありがとうって感謝するのに」
こっれだから色男は!
「おれのこと、知ってるよな?」
「知ってますが何か?」
まじまじと見つめられた。
「おれに取り入ろうとか、気に入られようとか、愛人になりたいとか、ないの?」
ほんっとにクソだなおい。
「おれってさ、容姿端麗、権力に金もあるよ?」
成金ムーヴ噛ませに来たこれ。
もうだめだ。この人に対して猫被りを辞めよう、いい人ぶるのは辞めよう。
「あーもういい止めだ止め。逆に聞きたい。貴方は俺の処遇知ってるよな? 身元不明の教養のない孤児だ。それをなんで貴方みたいな人が俺なんかに気にかける?」
きょとんって顔をされた。
「そんなの、ぬか漬けが美味しかったからに決まってるだろ」
雷が落ちた。この人はさっきから何を言ってるんだ!?
「は、はぁ? ぬか漬け?」
娼館でつまみ食いしたあれかよ。
「そう。おれ、偏食の美食家なわけ、グルメなわけ。絶対一日五食は美味しいもの、特に野菜を食べたいわけ」
知らないっての、おたくの食事事情は。
「ねねね、さっき冷蔵庫の中に瓶サラダあった」
いけない。狙われている!?
「俺のだから」
「なっ、なんで? なんでそんなにおれに冷たくするの?」
こいつはおかしい。
「あんたがいきなりレイプしたからだろうがこのイケメン熊がぁ! あんたにはあんたの世界があんだろ! ここじゃない! とっとと帰んな!」
「気持ち良かっただろーっ!? よがってただろ!? じゃぁいいじゃないかよ!」
「はぁーっ!? 開き直るなこの節操無し!あんたなら抱く相手は選り取り見取りだろうが。なんで俺なわけよ」
何なんこの会話。
両手を取られ、ギュッと握られた。
「後ろからが嫌だったのか? じゃあちゃんと前から、君の顔見て挿入してあげるから」
プチン。
「ああああああんたはぁぁぁーっ!? さっきから何斜め上からもの喋ってんだぁ勘違いもいい加減にしろこの色魔ぁーっ!」
「ぐはっ」
思い切り頭突きをかましてやった。くぅ、こいつも怪力が使えたらいいのに! なんで使えないんだぁ! この億劫なバ怪力こそ、今、必要だろうよ!?
「エッチのやり方に異議してんじゃないの。いきなり相手の許可なく心も無いのに性欲処理エッチするなって言ってんの。あんたがあのディランだから許される行為だ、普通の一般人なら人生終わってるよ。俺だったらこの怪力であそこを再起不能に握り潰してる」
「ヒッ」
ようやく理解してくれたのか、青ざめ武者震いをし出す。
本当におっかしな人だ。芸術家肌は変人だと聞くけど、なるほど、納得した。彼らの常識は何処かズレている。
「・・・無理強いしてごめん、謝る」
ほう、ようやく、か。
「・・・遅すぎ。よくもまぁその面見せに来れたもんだ」
少し意地悪を添えた。
「じゃぁ次はベッドでちゃんとするから、瓶サラダ、頂戴?」
バンッ! バンバンッ!
まな板台パン。
「人の話聞いてたっ!? なぁんで!? 次!? 次って何よ!? もうエッチはしないっての! ここは娼館じゃあないよ!? 俺は前は裏方だったけど、娼婦じゃあないわけ!」
冷蔵庫から瓶サラダを出して、ディランに差し出した。所謂”犠牲”だ、”贄”だ。
「はい、あげるからもう来なくていいよ」
「えぇっ!? お礼は?」
「おおおおお礼をぉ! エッチだけだと思うなこのっ、この色欲がぁ!」
俺はベルを慣らした。
「お呼びですかリョウ様」
瞬時にレベッカさんが来てくれる。
「ディラン様がお帰りです、見送ってあげてください」
「・・・畏まりました」
「え、ちょ、リョウ!?」
言うに事欠いて呼び捨てっ!?
俺は笑顔を取り繕って笑った。
「さようならディラン様」
もうさすがに、はは、会うこともない。
さようなら、俺の瓶サラダ第一号。いいんだ、また作ればいい。
俺の災難は終わらなかった。
今日はレン・クジョウ影武者の中間試験だ。この一か月で何処までレン様に近づけたか、レン様を知る御親友に見てもらうのだ。
「ってぇ! うっそ、何で!?」
何故また目の前にディランがいる!?
「え、おれが親友だもん。だからここへ来られるんだよ。中間試験で無くても、様子を見てあげて欲しいって。喜ばせてあげて欲しいって言われたからエッチしてあげたのに、何か怒られたし」
こいつはぁっ!
「・・・でもリョウに怒られたって言ったらレンにも当たり前だってお尻・・・叩かれたんだよ! 何で? 皆エッチ好きだろ?」
なるほど、お尻を叩けばいいのか。
よほど性欲がお高い熊人と認知した。
だがしかし、レン様の親友で試験監督と言うわけだ。レン様に報告がいく。いつから中間試験なのかは分からない。それとももう始まっているのかもしれない。
レン・クジョウの仮面を被ることにした。以前にレン様と親友の会話という映像を見せられた。親友の顔はモザイクだったけど、なるほど、あれはディランだったのか。
ディランとの話し方を思い出せ。ディランに対峙して、その碧い瞳を見つめ、その美しい顔にある両頬をつねった。
「あんたのエッチは、終わって早々ソファが汚れるからって、相手の子を風呂に放り投げて、はいさようなら? っざけんじゃないよ!? そんなぞんざいな扱いをして! 逆にされたらどう思うの? 今度そんなことしたら絶交だから。顔がいいからってそんなことが許されると思ってんの? ”ボク”なら、業界から追い出すことも可能だよ~?」
「ふぇっ!?」
「いいの~? 謝って、彼に、謝って」
「ごめんなさい~優しくするから~もうそんなことしないって誓います~」
可愛いモフモフのお耳が物凄くピルピル震えている。頬を引っ張るのをやめてあげた。
「・・・・・・」
どうした? 何故そんなに笑っている?
「・・・へへ」
怖い! 気持ちが悪い!
「なななな何!? 何笑ってんの!?」
「え、あー、おれさぁ、こうやって怒られたこと、あんまりないから。ほら、皆、おれを聖人かなんかと思ってて、よいしょよいしょするんだ。でも君は違う。それが、だから、嬉しくて」
皆ディランというコネクションに嫌われたくはないよな。
「怒られてんだよ? 何が嬉しいの?」
にっこーとにんまりとにたぁっともディランはほくそ笑む。クッソ、べ、べべべ別にぃ? 可愛いだなんて思ってないし!
「怒ってくれるってことは、相手のことを思ってくれての行動だって知ってる。君は、おれを聖人ディランじゃなくて、おれ個人のただのディランとして接してくれてるんだよね?」
「・・・・・・?」
おれはただヤリ逃げされたから不快で怒っただけで。それが彼にはどうしてそう思われたのか、はて?
「! あ、分かった。お・・・ボクが聖人ディランを知らないからだ! だからヤリ逃げ最低熊人野ろ・・・げほん、印象が悪い人だと思ったんだ」
「っ!! や、やヤリ逃げクソ最低熊野郎!?」
ん? 何か一言増えてね?
「情緒が足りないってこと。相手の子と朝を一緒に迎えてあげる。まぁあんたは忙しいだろうから、せめて置手紙を置くとか。アフターケアで花束を後日送るとか。それが面倒くさいんなら、多数の相手とエッチはしない。まぁ、熊人の世界は一夫多妻制もいいのなら、キープという枠組みも作れるか」
ディランは左右に頭を振った。
「おれは一途だよ」
ほ、ほほぅ?
「・・・・・・」
「え? 何、何その目ぇ!」
「人をレイプして風呂に放り投げておいて、どの口が一途って言うのかなって」
「ひぃーんっ! だからごめんなさいってばぁ! 今度! お詫びに美味しい野菜のレストラン連れてってあげる! ご馳走する!」
何? それは・・・いい話だ、聞こう。
「本当? 嘘じゃない? レン様に言って外出許可、取ってくれるわけ?」
何度も上下に頭を振るディラン。
「うんうんうん勿論!」
果たして、この男は約束というものを守れるだろうか。
「・・・約束破ったら」
俺はいつになく満面の笑みをディランに向けた。にっこにっこにっこー☆
「”絶交”、だからね」
「ひっ! は、はいっ!」
「それで? 中間試験は? 何をやるの?」
「え、あ、あぁ、もう合格だよ。何だろ、一人称変えただけでもうレンみたい。でもレンは怖く睨んだり頬を抓ったり絶交って脅さないけど、雰囲気も似てる。後は・・・」
いやあんたレンに尻ひっぱたかれただろうよ。
「なぁに? 絶交、されたいわけ? されたいなら」
「ああああ後は可愛げ! もう少しきょるんって、ぷりちーでしょボク? みたいな」
きしょい。俺にはキツイ。
「可愛い子ぶるってこと?」
「そうそう」
「・・・・・・吐きそう」
「で、出来るって! 可愛いんだから!」
「そりゃぁね、あんた達に好かれるように見目麗しく作られて生まれて来るんだから」
って何今度は? ディランがわなわなと口を震わせている。
「お、おれの口説き台詞にメロメロにならないっ!?」
こいつは一体何を言ってんだ?
「はぁ? いつ口説いたのさ?」
「へぇっ!? いや今かわ、可愛いって! ハッ、今も言わせた!」
・・・・・・ため息しか出ない。
「そぁんな当たり前の、上辺だけの台詞に旨キュンするヒト族じゃないんだよボクは」
「レンは頬を染めて、まんざらでもない顔するのに!」
盲点。
「っあぁ~そうか、レン様はそうするよなぁ。しまったぁ、照れる練習しないと」
「・・・・・・」
ディランが眉根を寄せて、まじまじと見つめて来た。
「何? 今度は」
「・・・・・・いや、君、変わってるなって思って・・・」
おっめぇに! 言われたかねぇよ!
「・・・そっくりそのままその台詞、返すわ。
あ、なぁ、前アタッシュケースに雑誌いっぱい入ってたじゃん? 見せてよ。ファッションも勉強じゃんね」
「よく見てるね? いいよ」
ディランがアタッシュケースから沢山の雑誌を取り出し、テーブルに並べた。
「これが女性誌、男性誌、釣り、アウトドアに娯楽、料理に、音楽に漫画・・・」
「うわぁ・・・凄いうっはぁ!」
凄いあらゆる分野属性の情報量。
「見たい読ませて、また次来る時持って来てよ」
「え?」
「ボクのモチベーションが上がるからいいでしょこういう勉強も! うっわ、料理雑誌? うっわ、勉強になるわー」
「え、あの、来ていいのか?」
はぁ、俺もお人よしだ。だけどこんな情報を貰えるなら彼を有効活用せずにはいられまい。
「・・・これでチャラにしてあげるからいいよ。ディランはレン様の親友だし、評価にも繋がるし」
「・・・仕事、熱心だね」
「お互い様でしょそれ」
またえっへーとにっこにっこと笑う。
「うん。持って来る」
「お願いね」
「あ、おれもお願いが」
「? お願い?」
瓶サラダの瓶を・・・五つ、テーブルに乗せた。それと見覚えのあるスケッチブック。
「おかわり、と、その、まだ絵、続き、描けてなくて・・・さ」
ちゃかししてるなぁ。
「サラダはともかく、また手ぇ出そうもんならしばくよ」
何故目を輝かせるのだディランよ・・・。
「しば・・・、えふん、で、でも勃っちゃたら、絵ぇ、描けなくなる。画集、遅れちゃうことになるし」
「喝っ! ななななぁんで勃つ前提なわけっ!」
「だって、おれの好みの体型だったし、綺麗だし・・・、雄だし」
「ディランは男が好きなのか。好みの体型・・・? あのくびれとお尻の黄金比がどうのとかの話?」
「そう! 君はまさに究極! エッチの相性も良かったし。熊人は性欲が強くて、発散しないと暴走しちゃうし・・・。特におれの種、
ポーラーベアは、その・・・」
もじもじとし始めるディラン氏。
「え・・・」
熊人には三つの種に分かれる。
一つ目、グリズリー種別名ハイイログマ。
血の気が多く、争うことが大好きな、結構凶暴な種。
二つ目、ツキノワグマ。
ヒト族に人気な温厚な種。穏やかな性格でヒト族を護る意思が強いというのが人気の理由。
そして三つ目だ。
ポーラーベア別名ホッキョクグマ。
グリズリー種とツキノワグマを足して二で割った性格。温厚で真っ白な可愛い見目に反しキレると怖いとされ、何を考えているか分からない絶滅危惧種。もう今は中々見られないらしい。生き残りには子孫繁防衛本能が強くなり、年中発情期になっているらしい。
「絶滅危惧種っ!? あの!?」
「本当は銀髪なんだけど、ほら、バレるとよくないから、真っ紅に染めてツキノワグマ風にしてるんだよ」
そうだったのか。知らなかった。
「ポーラーはほんと数少ないし、王族とも繋がりがあるからさ、色々バレたら大変なんだよね」
そうか! 現熊人王は銀髪だ。
「ってぇ、そんなことボクに話して大丈夫なわけ!?」
「だって、君は現熊人王レディアン・ベルモンドの許婚だろ」
ま、まさか、え?
「え、その反応。聞かされて無かったのか」
「許婚に嫌われたいとは言ってたけど、しまった、肝心な相手のこと聞いてなかった!」
まぁさぁかぁ! 許婚が現熊人王だと!?
「レレレレレレン様ってほんと何者っ!?」
ヒト族王族は獣人第一位種獅子族の許婚であると決められてはいるが。確か熊人も獣人ヒエラルキーで第3位以内に入ってるような。
「ね、ね? おれの事情分かってくれた?」
何故故に当たり前かのように俺の腰を引き寄せ、抱き寄せ次は俺の頭にぐりぐり頬を擦りつけて来る。
「急な過度スキンシップ過多!」
押し退けようともダメだ。怪力が通じないんだった。
「ね、ね? 飽きるまでおれのエッチの相手、してくれない?」
「かーっ!」
おま、おまおまおまおまっ! こいつ! 飽きるまで!? 飽きるまで言うた!?
いやでも待て。
いずれ俺は娼館へ戻る予定だ。エッチの場数を踏むには得策ではないか?
「・・・飽きる、まで、な?」
「うんうん」
「その代わり、エッチのやり方、教えてくれる?」
「えっ!? ど、どしたの急に!?」
「この仕事が終わったら、俺は野良のヒト族に戻る。また娼館で今度は表でも働いて、いつか獣人に見受けして貰うんだ」
「そっ、れで? それで体を売るの?」
「レイプマンに言われたくないね」
「すいません」
ため息が零れた。
「結局、身元の分からない孤児の生き方なんて知れてるってことだよ。孤児院の幼馴染の熊人がいたんだけど、彼は引き取られていった。その凄く嬉しかったのもあったけど、凄く、寂しかったのも覚えてる」
あいつもカッコ良かったな。グリズリー種で、名前はエリック。この名前も孤児院で付けられたものだから、もう名前は変わってしまっているだろうけど。元気にしているといいけど。
「・・・・・・」
空気が悪くなってしまった。
「君にはお金が必要なんだね」
「そうだね」
「分かった。エッチの時、君を買おう。一回十万ベルでどうかな?」
「えっ!? じゅ、十万ベルっ!?」
前の娼館で働いて来た時の一か月分やないかい!
「ごめん、足りない?」
「違う違う! いやそんな俺にそんな価値があるとは思えな」
「価値はおれが決める。なら、交渉成立だね。じゃぁ早速」
「へっ!? 今、今から!?」
確かにさっきから腰に硬いものが当てられているけども。
「ダメ?」
そ、そんな潤んだ瞳で見つめたって・・・。
「君とのあの逢瀬が忘れられなくて、作品のアイディアが浮かぶし、気持ちいし」
「あっ」
もうスカートに手が潜り込んで、紐パンツを解かれた。手が早い早過ぎる!
「ベベベベッドじゃなきゃ嫌だから」
そう言うとすぐさま抱き抱えられた。ポスっと俺をベットに組み敷き、ご満足の笑み。
「えへへ、いただきまぁす」
「開き直るの早いなぁおいっ!」
二度もあれば三度目もある。
「ふぁ、あぁ、あんっ、あ、あぁ、あいっ」
ディランの口と舌で、俺の蕾をある程度解された後早々に、鋭利な凶器を挿入された。今度は仰向けに、両ひざをこれでもかとばかりにがばっと開かされた。ぐちょぐちょと卑猥な音が疲れる度に聞こえるし、視界的に、気持ちよさようにディランが腰を打ち付けてる姿を見ると、お腹の圧迫感より優越感が勝る。
「きもちぃ?」
「ぅん、あっ、はぁ、あんっ」
腰が勝手に動いてしまう。
「・・・チュー、してもいい?」
この男は俺のファーストキスまで奪おうとしている。まぁ、今回はちゃんと確認を取って来たから・・・よ、良しとする。
「・・・ぃい、よ、うむっ、んんっ」
熱い舌がいきなり俺の口腔を弄った。軽いキスじゃないディープな方かよ!
「ぷはっ、も、いきな、り、あぁっ」
ディランは自身の手を重ねて俺の両腕の自由を奪うと、一気に腰を細かく早く振りつけて来た。
「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、アァ・・・」
ベッドがその律動に合わせて激しく軋む。
「ふぁ、あ、あす、ご、ぃぁ、あ、あ、あ」
重く圧し掛かり、ディランが仰け反り大きく腰を打ち付けた。
「アアアア・・・ッ、クッ! ガァッ」
「んあぁぁぁぁぁぁ・・・あぁぁぅっく!」
一際大きく凶器を奥へ差し込むと、ディランは雄叫びをしながら、腰を震わせた。
「んぁんっ、あ、あぁ・・・あぁ・・・」
激しくどぶっと中に熱い迸りを感じ、俺も絶頂した。射精が一番気持ちがいい。一番初めは勢いよく吐瀉され、次に穿たれながらドピュドピュと小刻みに注がれる快感。
「ふぁ・・・いぃ・・・あぁんっ」
与えられる快感に、体が跳ね、痙攣が止まらない。射精が終わるまで止められない。
「ふぁっ?」
急に上半身を起こされた。
「ふぁん、あ、まだ、イッて、る、あぁぁ、ん、あぁ」
ディランのあぐらに座る形での挿入。下から突き刺さる。
「ふぁ、ふかぃ、あぁ、また、きちゃ、あぁう、あぁ」
両脚が面白く上下に跳ねる。
「んむ、あむ、んむ」
「やぁ! どうじ、に、そこ、らめぇ!」
乳首を吸われ、甘噛みされた。下から激しく突かれのせいで、一気に大きな快感が押し寄せる。
「アァァァ、また、だす、アァァァ」
「ひぃあぁぁぁぁんぁ、あ、あ、あ、あ」
腰をホールドされ、激しく浸かれもう敏感過ぎる奥を貫かれた。締め付ける俺の膣の肉襞をもろともしない、激しい抽挿にうっとりしてしまう。
「あぅぁうぁうぁうあいくいくいくいっ」
「アアアアアアアアッ、ウガッ、フッ!」
「ひぃあっ!」
ビクンッと後ろへ俺の上半身が仰け反った。
ごぶっと結合部で泡が吹いた。もう入りきらない量の精液がぶち込まれている。
「ぁ・・・あ・・・す、ご、あぁ・・・」
「フゥ・・・フゥ・・・フゥ・・・」
俺の胸に顔を埋め。射精中になおも必死で腰を揺らすディラン。お尻に、股に溢れて白濁したものが伝うのが分かる。
まだ、俺の中にいるものが硬く、滾っている。
「こ、こんなに、出して、まだ、足りないの?」
「・・・ぅん。リョウの中、きもちぃ」
初めて偽物君じゃなく、俺の名前を呼ばれた。べ別に? 嬉しくてまた凶器を締め付けたわけじゃないから。
「・・・中にいたいのか?」
「ぅん、いたい。もっと、出したい」
俺の胸にグリグリ顔を擦りつけて、可愛いなんて、可愛いなんて! 思ってな・・・。
「・・・だぁめ?」
くっそ、上目遣い禁止だろこれぇ!
「って、あん、も、動かして、る! ばか」
「うん、えへへ」
こんちくしょー! 可愛いなんて!
可愛いだろ馬鹿野郎ーっ!
それからもう何回したか、覚えてない。
ピチチチチチ。
鳥のさえずりが聞こえた。
「・・・ん~・・・」
良く寝た。気が付いたら熟睡。また気持ち良くて失神してそのまま寝ちゃったのか。
目が覚めて、ふといつもと温さが違うことに気が付いた。
「っ!?」
俺の隣にディランがいる。
「・・・・・・」
しかも違うんだな、腕枕は俺の腕ちゃうねん。ディラン、あんたの腕で寝る・・・ってもうぅいいや。腕枕というより、ちゃんと枕の上に頭が乗ってるから、性格には首枕になってんだよな。よく痛くないな。
そっと腕を引き抜いて起き上がった。
「っ・・・てて・・・」
体が怠い。主に腰が痛いし。お尻の穴がまだジンジンする。でもきちんと拭いてくれたようで、肌が綺麗だった。
「・・・・・・」
よぉく見ると、結構童顔なんだ。まつ毛が長いしまぁどうしてこんないい男が俺なんかと朝チュン。
テーブルの瓶サラダの瓶が視界に入った。俺より多忙な人だ、仕方が無いから作ってあげよう。
作ってあげて、保冷バックに入れて差し上げた。まだ朝も早かったので、二度寝することにした。
ピピピピピピッ。
ハッ。
いつもの時計が鳴った。
「ん~っ、くぁ~っ!」
ふと隣を見るともうディランの姿は無かった。テーブルの保冷バックも綺麗さっぱり無くなっている。
「ふぁ・・・ん?」
サイドテーブルに何か置いてある。
「手紙?」
なになに?
親愛なるおれのリョウへ
美味しいサラダありがとう。
また雑誌を持って来るね。
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そっと手紙を閉じた。
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