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【番外編】1.ホラーゲームに目覚めるレン氏
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どうも。
ホラーゲーム実況を主に生業としてます、個人勢バーチャルライバーの黒ずきんです。
以前にあの有名なレン・クジョウ氏とのコラボを実現させた、初めてのライバーです。
レン・クジョウ氏は王族になってしまったけれど、SNSでまだ繋がっていたから、またコラボしたくて連絡を取ってみた。べっつに数字が良かったからとかいう理由じゃねぇっ・・・ないわけでもないけど、やっぱり一番は、彼の素の反応が面白過ぎたから。あんな美形であんな芸人みたいな反応、反則じゃない? そりゃぁしろくま王も虜になるってもんだよ。それにレン氏は頗る”勘”がいい。ゲームって、そういうのが大事なんだよ。視てる視聴者をイライラさせないし考えながらかつ楽しんでゲーム出来てる。しかもリアルタイムの生配信で。録画ならテロップ入れたりのカットなりの編集と言う名の魔法でやってしまえばいい。それって、簡単そうに見えて僕らにはとっても難しい仕事なんだ。それを皆が視たいんだ。
まぁ、お忙しいだろうし返事も来ないだろうと思っていたけど、予想外のいい返事が返って来た。
また二度目のコラボが決まり、しかもレン様はこういった動画配信に興味があったりで、ゲーム実況をしてみたいと考えていたらしく、王宮の一室にまさかのゲーム実況部屋をこしらえているという。そこで配信をすることになった。
ヒト族の僕が、まさか熊獣人の王宮に足を踏み入れることになるなんて。
「あーっ! くよ、くよじゅきんしゃん!」
「っ!?」
配信の約束当日の今日、今、わざわざリムジンでお迎えがあり、こここここに来てしまった訳だけれども!
ポポポポポポポポテテテテテテテテテテテッ! とそれはもう見事な四つん這いで小さな可愛い国宝級のしろくまがマッハで歩み寄ってきた。
「はっ、はは初めまして、エト様」
ディラン王とご結婚されて誕生された第一王子のエト様だ。SNSで王が自ら上げる写真や動画が、可愛すぎ鼻血で出血多量だどの愛くるしさ爆炎上! で人気のしろくまベビーだ。生は本当にクるものがある。もふもふ感が半端ない。あぁ、財布の紐が緩くなるのが確実だ。
「っぁい! エトえしゅっ!」
可愛い右手が上がる。ぷっくらもにもにの桃色の肉球が見える。
よし、しろくまファンクラブ、入ろう。
「あっ! こらエトーっ!」
この声は。
金色の刺繍が施されたレッドカーペットから、あの、レン・クジョウ氏がお見えだ。髪色は元々は栗色らしく、以前より濃い目の化粧じゃないのが好感を持てた。王族になったけど、皆と同じ普通の一児の母であり、好きなことはしたいし、以前と変わらない! (SNS記事参照)とより人気を集めておられる。
「えとがくよじゅきんしゃんみっけたの!」
「はいはい、凄いね。お久しぶりです黒ずきんさん」
「おっおおおお久しぶりです! こっ、この度は再度のコラボ配信にご協力頂けて大変ありがとうございましゅ」
ばかぁんっ! 嚙んじゃったぁぁっ!
「ましゅ? かぁわいぃねぇ。おかお、まっかっかぁ」
「ふふ、あはははは! 可愛いねぇ黒すきんさん!」
「・・・うぅ・・・」
顔が熱い。人生でこんなに緊張することがあっただろうか。
「ごめんね」
「え?」
「大分気を使わせてしまうかもだけど、俺のゲーム部屋に入ったら、黒ずきんさんは先輩になるから、よろしくね」
「ぅえ、え、先輩っですか!?」
「そうそう。俺が配信始めようとしてるの、知ってる?」
「あ、はい、それはもう! SNSフォローさせてもらってますんで」
「あ! そうそう! 俺も黒すきんさんをフォローしたいんだけどやり方が分からなくて。というかそういう、そもそもSNSを使いこなせてなくて、それを含めて黒ずきんさんに指導して貰いたいんだ」
「! ぅええええっ!? 僕なんかでいいんですかっ!?」
「むしろ頼みたいんだよぉ! そういう友達いないし、王妃になってそんなお願い・・・ねぇ? 頼める人しないし。そしたら黒ずきんさんから連絡が来て、友達いたーっ! ってなって」
な、何だと? い、今、僕・・・。
「と、友達・・・?」
「はっ!? ごめん違った!? ごめん図々し・・・」
「いいいいいいえ! 嬉しくて!」
どうしよう。ホントに嬉しい。
レン様はふにゃりと微笑まれた。会うのは二回目だけど、また一段とお綺麗になられたと思う。
「じゃ、時間が惜しいからはよ行こう! レベッカ」
「はい」
「わっ」
メイドさんと思しき女性が僕のすぐ隣に現れた。
「お呼びでしょうかレン様」
「エトをお願い、おねむの時間だから」
確かに。さっきまで目がルンルンだった王子が、うとうととしている。
「うんとご飯食べさせたから、今のうちにゲームしようゲーム!」
「あ、は、はいっ」
レン様はレベッカさんに王子を預けると、一目散に歩みだした。
慌ててついていくと、中庭を抜けた草原にこじんまりとした白い家が見えた。
まさか。
「レレレレレレン様まさか」
「あーうん、あれね。ゲーム部屋ならぬゲーム家! ゲームするだけの家! あ、でもキッチンあるし生活できるよー?」
「す、凄い・・・」
「入って入って」
扉を開けるとチリンチリンとベルが鳴る。
「失礼します・・・がっ!」
入るなり、目の前に超巨大なモニターが四台、超巨大な・・・これは企業様用のコンピューターが二台がお迎えしてくれた。
「こんだけスペックあればスムーズにゲームできるかなぁ」
「出来ます出来過ぎです凄過ぎです。これじゃぁ僕、自分の家でゲーム実況出来なくなるほどにいい環境です」
「ほんと? 良かった」
やっぱり王族は・・・凄い。こんなお方と友達で、いいのだろうか。
「よし、じゃぁ先輩! ゲームやろゲームぅ!」
「はっ、はい。よろしくお願いします」
こんな環境があれば、ゲーム自体作れるのでは?
そう思ってしまった。
ホラーゲーム実況を主に生業としてます、個人勢バーチャルライバーの黒ずきんです。
以前にあの有名なレン・クジョウ氏とのコラボを実現させた、初めてのライバーです。
レン・クジョウ氏は王族になってしまったけれど、SNSでまだ繋がっていたから、またコラボしたくて連絡を取ってみた。べっつに数字が良かったからとかいう理由じゃねぇっ・・・ないわけでもないけど、やっぱり一番は、彼の素の反応が面白過ぎたから。あんな美形であんな芸人みたいな反応、反則じゃない? そりゃぁしろくま王も虜になるってもんだよ。それにレン氏は頗る”勘”がいい。ゲームって、そういうのが大事なんだよ。視てる視聴者をイライラさせないし考えながらかつ楽しんでゲーム出来てる。しかもリアルタイムの生配信で。録画ならテロップ入れたりのカットなりの編集と言う名の魔法でやってしまえばいい。それって、簡単そうに見えて僕らにはとっても難しい仕事なんだ。それを皆が視たいんだ。
まぁ、お忙しいだろうし返事も来ないだろうと思っていたけど、予想外のいい返事が返って来た。
また二度目のコラボが決まり、しかもレン様はこういった動画配信に興味があったりで、ゲーム実況をしてみたいと考えていたらしく、王宮の一室にまさかのゲーム実況部屋をこしらえているという。そこで配信をすることになった。
ヒト族の僕が、まさか熊獣人の王宮に足を踏み入れることになるなんて。
「あーっ! くよ、くよじゅきんしゃん!」
「っ!?」
配信の約束当日の今日、今、わざわざリムジンでお迎えがあり、こここここに来てしまった訳だけれども!
ポポポポポポポポテテテテテテテテテテテッ! とそれはもう見事な四つん這いで小さな可愛い国宝級のしろくまがマッハで歩み寄ってきた。
「はっ、はは初めまして、エト様」
ディラン王とご結婚されて誕生された第一王子のエト様だ。SNSで王が自ら上げる写真や動画が、可愛すぎ鼻血で出血多量だどの愛くるしさ爆炎上! で人気のしろくまベビーだ。生は本当にクるものがある。もふもふ感が半端ない。あぁ、財布の紐が緩くなるのが確実だ。
「っぁい! エトえしゅっ!」
可愛い右手が上がる。ぷっくらもにもにの桃色の肉球が見える。
よし、しろくまファンクラブ、入ろう。
「あっ! こらエトーっ!」
この声は。
金色の刺繍が施されたレッドカーペットから、あの、レン・クジョウ氏がお見えだ。髪色は元々は栗色らしく、以前より濃い目の化粧じゃないのが好感を持てた。王族になったけど、皆と同じ普通の一児の母であり、好きなことはしたいし、以前と変わらない! (SNS記事参照)とより人気を集めておられる。
「えとがくよじゅきんしゃんみっけたの!」
「はいはい、凄いね。お久しぶりです黒ずきんさん」
「おっおおおお久しぶりです! こっ、この度は再度のコラボ配信にご協力頂けて大変ありがとうございましゅ」
ばかぁんっ! 嚙んじゃったぁぁっ!
「ましゅ? かぁわいぃねぇ。おかお、まっかっかぁ」
「ふふ、あはははは! 可愛いねぇ黒すきんさん!」
「・・・うぅ・・・」
顔が熱い。人生でこんなに緊張することがあっただろうか。
「ごめんね」
「え?」
「大分気を使わせてしまうかもだけど、俺のゲーム部屋に入ったら、黒ずきんさんは先輩になるから、よろしくね」
「ぅえ、え、先輩っですか!?」
「そうそう。俺が配信始めようとしてるの、知ってる?」
「あ、はい、それはもう! SNSフォローさせてもらってますんで」
「あ! そうそう! 俺も黒すきんさんをフォローしたいんだけどやり方が分からなくて。というかそういう、そもそもSNSを使いこなせてなくて、それを含めて黒ずきんさんに指導して貰いたいんだ」
「! ぅええええっ!? 僕なんかでいいんですかっ!?」
「むしろ頼みたいんだよぉ! そういう友達いないし、王妃になってそんなお願い・・・ねぇ? 頼める人しないし。そしたら黒ずきんさんから連絡が来て、友達いたーっ! ってなって」
な、何だと? い、今、僕・・・。
「と、友達・・・?」
「はっ!? ごめん違った!? ごめん図々し・・・」
「いいいいいいえ! 嬉しくて!」
どうしよう。ホントに嬉しい。
レン様はふにゃりと微笑まれた。会うのは二回目だけど、また一段とお綺麗になられたと思う。
「じゃ、時間が惜しいからはよ行こう! レベッカ」
「はい」
「わっ」
メイドさんと思しき女性が僕のすぐ隣に現れた。
「お呼びでしょうかレン様」
「エトをお願い、おねむの時間だから」
確かに。さっきまで目がルンルンだった王子が、うとうととしている。
「うんとご飯食べさせたから、今のうちにゲームしようゲーム!」
「あ、は、はいっ」
レン様はレベッカさんに王子を預けると、一目散に歩みだした。
慌ててついていくと、中庭を抜けた草原にこじんまりとした白い家が見えた。
まさか。
「レレレレレレン様まさか」
「あーうん、あれね。ゲーム部屋ならぬゲーム家! ゲームするだけの家! あ、でもキッチンあるし生活できるよー?」
「す、凄い・・・」
「入って入って」
扉を開けるとチリンチリンとベルが鳴る。
「失礼します・・・がっ!」
入るなり、目の前に超巨大なモニターが四台、超巨大な・・・これは企業様用のコンピューターが二台がお迎えしてくれた。
「こんだけスペックあればスムーズにゲームできるかなぁ」
「出来ます出来過ぎです凄過ぎです。これじゃぁ僕、自分の家でゲーム実況出来なくなるほどにいい環境です」
「ほんと? 良かった」
やっぱり王族は・・・凄い。こんなお方と友達で、いいのだろうか。
「よし、じゃぁ先輩! ゲームやろゲームぅ!」
「はっ、はい。よろしくお願いします」
こんな環境があれば、ゲーム自体作れるのでは?
そう思ってしまった。
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