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【番外編】4.お断りさせて、頂きます
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ーバァンっ!
「っ!?」
突然このゲーム部屋の扉が開かれた。
え、あのお方は・・・。
まさかしろくま王の影武者だったなんて。
銀髪だったけれど、元の赤髪に戻されても尚、王だった名残か威厳さがあってカッコいい。
「はぁ~っ!? 何でレディアンが来るの!?」
「相変わらず酷いなレンよ。私が来ちゃダメなのか」
またコメントが荒れる。レディアンさんの声がモロばっちり入っていたようだ。
「み、皆ちょっと一度目の休憩入るね、あぁ、うん、空気察して貰えると・・・うん」
一旦ミュートにした。
それでも物凄いコメントが滝の如く流れる流れる。
「・・・・・・」
ふと視線を感じた。レディアンさんにまじまじと見られている。いけない! つい配信を優先してしまった。きちんとご挨拶を!
「あっ、初めまして。黒ずきん・・・はバーチャルネームだから、えと、アーニャ・クロエと申します」
「・・・アーニャ・・・」
「・・・? はい」
「・・・何と言う可愛い響きだ」
「・・・・・・え?」
俺の前にレン様が立ちはだかる。
「レディアン? 彼と交際したいのなら、俺を通して貰える?」
「えっ?」
え? どういう・・・。
「むむ、何故レンを通さねばならないのだ」
「そんなのあんたが老若男女超天然タラシだからに決まってるだろっ!? だから言ったんだ。お気に入りの子がもしも出来たら、おまえのその優柔不断さがいずれその子を傷つけるって」
「まだひと目見ただけだ」
「うっそ、俺はすぐに分かった。熊人って、自分にあった雌を見るとそのかわゆいまんまるのお耳がピルるんだ。その腰の帷子も、まだ人の姿だから反応が薄いけど若干動じた。勃っただろ!」
「・・・・・・勃ってない」
「その間が肯定してんだよ。このしろくま王妃を舐めるなよ? どんだけ溺愛してると思ってんの? あんたらの性欲の凄さは身に染みて分かってんの」
「・・・むぅ」
あの威厳さで『むぅ』とか! か、可愛いんだな熊人は・・・。確かに可愛い耳がピルピル動いている。
俺は察した。
なるほど。レディアンさんは少しこんな俺にだが、興味がおありだと。
ヒト族は獣人族に愛される容姿になっているから、ただ好みの顔だったのだろう。
ズイッとレン様を押し退けて、レディアンさんが俺の両手を取る。
「私は君の容姿が凄く気に入った。どうだろう? 一度食事でも」
注目。”容姿”。
レディアンさんの後ろであちゃーと項垂れるレン様も可愛い。
不器用なお人、いやお熊人さんだ。
「ふふ、この容姿が目の保養になりますなら、お受けしますよ」
温かい手を握り返した。
「おおおレンよ! ほら見ろ! 求愛オッケーだぞ」
え? 求愛?
「お馬鹿。黒ずきんさんの方が精神年齢が上だっての、大分大人なの! ったく」
「うむ。ディランに君達の様子を見て来いと頼まれたが、これなら安心して報告出来そうだ」
そうだよね。俺にそんな気は無くても、大事な王妃と二人きりにさせるのは心配だよね。
「・・・念の為聞くけど、どうやって報告すんの?」
「ん? アーニャは私のハレムの一人になったから安心しろとだな報グハッ!」
レディアンさんにレン様の容赦のない渾身の腹パンがキまる。
こ、こんなにヒト族って、強いっけ?
「ほんとにこのエロ熊はぁ! ご、ごめんね黒ずきんさん。こういう熊だから、軽く流して貰えると・・・」
「あ、はい。僕は全然気にしてないんで、大丈夫ですから」
僕は愛されない性質のようだし。
「・・・・・・、そう? その無理強いはさすがにされないと思うけど、何かあったら股間のもの潰すから」
「ヒッ!」
股間を押さえるレディアンさんが面白かった。
「俺の見てない所でレディアンから何かあったら、逐一連絡してね」
「あ、はい。大丈夫です」
「・・・・・・」
「? レン様?」
「ぁ、あぁごめん。・・・何か、黒ずきんさんって放っておけないというか」
「・・・? はい?」
近い。レン様が近い。
「庇護欲を煽られるというか」
「? レ、レン様、お顔、お顔がとっても近いです」
「ん~? 歳の差気にしないならうちのエト、どう?」
「はぃっ!?」
何でそうなるんだぁ!?
「あはは、冗談が50%、本気が50%だよぉ」
「全然冗談じゃないですかぁ!」
「む、むむむ。いいい、いちゃつくのならそう王に報グハッ!」
「あんたは余計なこと言うんじゃないよ!」
スパルタ?
こ、こんなに熊人に当たりがキツイのか? それともレディアンさんにだけ?
「黒ずきんさん、いやアーニャさん」
「あ、呼び捨てでお願いします是非に」
「あ、そう? じゃぁアーニャ」
ここは天国か。
「熊人を愛したらきちんと自分の身を護らないといけない。この性欲熊達は理性のタガがすぐ外れる。すぐエッチにもつれこまれるから」
「ぁ、は、はい」
「信じられるのは己の拳だけ。もしもレディアンに好意があるのなら、俺が鍛えてあげるから」
あれ? このお話、体育会系だっけ?
「ちなみにレディアンのハレムは百人ぐらいいるから」
あっ、察し。
そうだよね。影武者だったと言えど、元王だもんね。
「あぁ、規模が多すぎて先が見えないですね。すいません、やっぱりお断りさせて頂きますね」
「なぬゥッ!」
「はい、じゃぁお帰り、ディランにはアーニャにフラれたと、俺から報告しておくから」
レディアンさんはお魚のようにお口をパクパクとさせている。
「フラれたなんて、そのお口から言えないもんね? 元、王様」
バタンッと扉を、そしてガチャリと施錠する音がした。
「よし、お菓子食べて本編行こうーっ!」
切り替え、・・・早いですね。
「っ!?」
突然このゲーム部屋の扉が開かれた。
え、あのお方は・・・。
まさかしろくま王の影武者だったなんて。
銀髪だったけれど、元の赤髪に戻されても尚、王だった名残か威厳さがあってカッコいい。
「はぁ~っ!? 何でレディアンが来るの!?」
「相変わらず酷いなレンよ。私が来ちゃダメなのか」
またコメントが荒れる。レディアンさんの声がモロばっちり入っていたようだ。
「み、皆ちょっと一度目の休憩入るね、あぁ、うん、空気察して貰えると・・・うん」
一旦ミュートにした。
それでも物凄いコメントが滝の如く流れる流れる。
「・・・・・・」
ふと視線を感じた。レディアンさんにまじまじと見られている。いけない! つい配信を優先してしまった。きちんとご挨拶を!
「あっ、初めまして。黒ずきん・・・はバーチャルネームだから、えと、アーニャ・クロエと申します」
「・・・アーニャ・・・」
「・・・? はい」
「・・・何と言う可愛い響きだ」
「・・・・・・え?」
俺の前にレン様が立ちはだかる。
「レディアン? 彼と交際したいのなら、俺を通して貰える?」
「えっ?」
え? どういう・・・。
「むむ、何故レンを通さねばならないのだ」
「そんなのあんたが老若男女超天然タラシだからに決まってるだろっ!? だから言ったんだ。お気に入りの子がもしも出来たら、おまえのその優柔不断さがいずれその子を傷つけるって」
「まだひと目見ただけだ」
「うっそ、俺はすぐに分かった。熊人って、自分にあった雌を見るとそのかわゆいまんまるのお耳がピルるんだ。その腰の帷子も、まだ人の姿だから反応が薄いけど若干動じた。勃っただろ!」
「・・・・・・勃ってない」
「その間が肯定してんだよ。このしろくま王妃を舐めるなよ? どんだけ溺愛してると思ってんの? あんたらの性欲の凄さは身に染みて分かってんの」
「・・・むぅ」
あの威厳さで『むぅ』とか! か、可愛いんだな熊人は・・・。確かに可愛い耳がピルピル動いている。
俺は察した。
なるほど。レディアンさんは少しこんな俺にだが、興味がおありだと。
ヒト族は獣人族に愛される容姿になっているから、ただ好みの顔だったのだろう。
ズイッとレン様を押し退けて、レディアンさんが俺の両手を取る。
「私は君の容姿が凄く気に入った。どうだろう? 一度食事でも」
注目。”容姿”。
レディアンさんの後ろであちゃーと項垂れるレン様も可愛い。
不器用なお人、いやお熊人さんだ。
「ふふ、この容姿が目の保養になりますなら、お受けしますよ」
温かい手を握り返した。
「おおおレンよ! ほら見ろ! 求愛オッケーだぞ」
え? 求愛?
「お馬鹿。黒ずきんさんの方が精神年齢が上だっての、大分大人なの! ったく」
「うむ。ディランに君達の様子を見て来いと頼まれたが、これなら安心して報告出来そうだ」
そうだよね。俺にそんな気は無くても、大事な王妃と二人きりにさせるのは心配だよね。
「・・・念の為聞くけど、どうやって報告すんの?」
「ん? アーニャは私のハレムの一人になったから安心しろとだな報グハッ!」
レディアンさんにレン様の容赦のない渾身の腹パンがキまる。
こ、こんなにヒト族って、強いっけ?
「ほんとにこのエロ熊はぁ! ご、ごめんね黒ずきんさん。こういう熊だから、軽く流して貰えると・・・」
「あ、はい。僕は全然気にしてないんで、大丈夫ですから」
僕は愛されない性質のようだし。
「・・・・・・、そう? その無理強いはさすがにされないと思うけど、何かあったら股間のもの潰すから」
「ヒッ!」
股間を押さえるレディアンさんが面白かった。
「俺の見てない所でレディアンから何かあったら、逐一連絡してね」
「あ、はい。大丈夫です」
「・・・・・・」
「? レン様?」
「ぁ、あぁごめん。・・・何か、黒ずきんさんって放っておけないというか」
「・・・? はい?」
近い。レン様が近い。
「庇護欲を煽られるというか」
「? レ、レン様、お顔、お顔がとっても近いです」
「ん~? 歳の差気にしないならうちのエト、どう?」
「はぃっ!?」
何でそうなるんだぁ!?
「あはは、冗談が50%、本気が50%だよぉ」
「全然冗談じゃないですかぁ!」
「む、むむむ。いいい、いちゃつくのならそう王に報グハッ!」
「あんたは余計なこと言うんじゃないよ!」
スパルタ?
こ、こんなに熊人に当たりがキツイのか? それともレディアンさんにだけ?
「黒ずきんさん、いやアーニャさん」
「あ、呼び捨てでお願いします是非に」
「あ、そう? じゃぁアーニャ」
ここは天国か。
「熊人を愛したらきちんと自分の身を護らないといけない。この性欲熊達は理性のタガがすぐ外れる。すぐエッチにもつれこまれるから」
「ぁ、は、はい」
「信じられるのは己の拳だけ。もしもレディアンに好意があるのなら、俺が鍛えてあげるから」
あれ? このお話、体育会系だっけ?
「ちなみにレディアンのハレムは百人ぐらいいるから」
あっ、察し。
そうだよね。影武者だったと言えど、元王だもんね。
「あぁ、規模が多すぎて先が見えないですね。すいません、やっぱりお断りさせて頂きますね」
「なぬゥッ!」
「はい、じゃぁお帰り、ディランにはアーニャにフラれたと、俺から報告しておくから」
レディアンさんはお魚のようにお口をパクパクとさせている。
「フラれたなんて、そのお口から言えないもんね? 元、王様」
バタンッと扉を、そしてガチャリと施錠する音がした。
「よし、お菓子食べて本編行こうーっ!」
切り替え、・・・早いですね。
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