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【番外編】27.決戦
しおりを挟む皆の予想通り、レン様のガチ構成により、理事長であるサリー戦はまもなく、終盤を迎えようとしていた。
『どうして? どうしてどうしテどうシテどウシテドウシテドウシテェェェェェ!』
サリーが最終形態、植物と花を肉体に、サリーの女郎蜘蛛化を主体とした怪物"アバンチュラ"になった。
レン様がすぐに携帯を取り出す。
「レン様?」
「くぅ! 気持ち悪いデザインだけどディランが好きそう。ちょっと写真撮らせて」
カシャッ。
「送信っと。多分うちのディランと今後バルド社長とも繋がりそう。ゲーム会社だっけ?」
「はい、インペリアライズという会社です。ホラーゲームもですが、他にも色んなジャンルのゲームを出していらっしゃいます」
「クリエイターにとって、映画やアニメ、漫画のメディアが凄く創作意欲を掻き立てられるんだけど、昨今はインターネット動画が多いじゃん」
「はい」
「しかも無料で見れて、そこから俺もゲーム実況で、ゲームの世界観に触れてさ。こんな綺麗で幻想的でストーリー性もある、ゲームって、攻略もだけど、戦闘システムやキャラクターも考えられて・・・」
「うんうん」
「僕もディランも、正直舐めてたんだよね、ゲームっていう創作物の偉大さに。本当に知ることが出来て良かった。動画で見るのと、自分で実際にやるのとでは、全然違う。それも凄く楽しい」
「そう言って頂けて、嬉しいです」
「今度、ディランと一緒にやるよ」
「! それは楽しみですね!」
コメント欄も喜びでいっぱいだ。
「さ! 最後だよ! 行くぞーっ!」
「行けぇ!」
ボスがパワーを溜め、攻撃をして来ないターンもあり、次に訪れる溜め攻撃を見はかり、パーティー全員のガードのタイミングを見る。そして、終わったらバフをかけ、攻撃の繰り返し。
そして、ついに、サリーのHPが0になった。
「やった!」
しかし、ムービーが突如入る。
『許さないゆるさないユルサナイぜったいにゆるさないぃぃぃ! あと一つ! おまえの魂で千! ミルフィオリを完成、させるノダぁぁぁ!』
「えっ!?」
まさかの主人公即死ムービー。
主人公の目下影から、無数の鋭利な植物の茎が出現し、主人公が串刺しにされたのだ。
「う、う、うわぁぁぁぁぁ!」
キャラクター達と動揺に、レン様もガチ叫び。
『ふは、ふはははははははあぁぁはははははハハハハハハッ!』
主人公が血に染まった。
「そ、そんな・・・」
誰もが"絶望"を抱いた、その時だった。
『そうか、おまえの"本体"はココ、だったのか』
「えっ?」
主人公がそう告げると、自身の影に、レン様がこっそり第二装備として身に着けていたIH専用のフライパンで攻撃した。
『ギャァッ!』
「ま、まさかっ!」
サリーは最初から、ずっと一緒に"いた"。
主人公が最初から召喚していた"幽霊"だったのだ。
主人公は、植物から解放され、倒れた本体のサリーが手にしていたスッポンを取り上げると、そのサリーの顔面に、スッポンをスッポンスッポンしたのだ。
『これで、終わりだ!』
キュポンッ!
『ギャァァァァァっ!』
スッポンされたサリーが消えていくのと同時に、怪物アバンチュラも掻き消えた。
『主人公、ありがとう・・・』
妹のサーシャも微笑みながら消えていく。
すると、暗闇に包まれていた学園も、呪いに解放され、太陽の光に照らされた。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
僕達は、状況が呑み込めず、エンドロールを見ていた。
「・・・す、凄かったね?」
「・・・呆気に取られてました」
「・・・ふふ、口開いてる」
「そういうレン様は、よだれ、出てます」
「あら嫌だ」
「主人公、あんな串刺しにされても、生きて、ましたよね? それが逆に怖いんですけど」
「そ! そうだそうだわ! 最初から主人公って謎多いもんね? 霊媒師? そっち関係の職種らしいけど」
「あ、エンドロール終わりましたよ」
エンドロールに目を向ける。
ふとまたムービーが入る。
『主人公様、この度もご依頼を解決して下さって、誠にありがとうございました』
謎の黒装束のご老人が登場だ。
『いえ』
『大層なお怪我をされたそうで、大丈夫だったのですか?』
『えぇ、この通り、ピンピンしてます』
ご老人はゴクリと息を呑む。
『・・・お噂は本当だったのですね』
「あ」
主人公、初めての満面の笑み。
その色白い顔に、血色の悪い唇に垣間見えた"牙"、そして。
『私、死なないんで』
そう告げた瞬間、紅く光った瞳。
『・・・恐れ入ります。また、貴方様のお力を借りるかもしれませんが、どうぞ、よろしくお願い致します』
『はい、金さえ出して貰えれば、いくらでも引き受けましょう』
世の中は金次第。
と左手指で丸の字を作って、画面が暗転した。
そして、タイトル画面に戻ったのだった。
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