本を読み、私は考える

MIA

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『二木先生』 夏木志朋・著

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『普通』と違うと言われる男子高生と、ある『秘密』をもつ先生の物語。

少数派。
とはいったもので。
世の中には自分が周りとは違うことに気付き、苦しみ、何とか『普通』の輪の中に入ろうと必死に藻掻く人間がいる。
作中に出てくる少年もそんな人間の1人だ。
そして、先生も。
世間から外れた世界を心の奥底に持つ人間の1人。

集団意識が強い、特に学校というコミュニティでは足並みが揃わないことを悪とする。
そんなリアルな情景をとても上手く表現されているこの作品は、読了後に『普通』とは何だろうと思わず考えさせられました。

見えているものや、感じることが他者と違っても。もしもそれが、いわゆる非常識だったとしても。
それで周りに迷惑をかけないようにとセーブしてコントロールして生きれるのならば、非難されるいわれはないはずなのに…。

人はつくづく、周りに敏感で。
そして、人を気にする暇を持て余す生き物だとも思ってしまう。

私としては、自分の世界を言葉や文章や絵画、音楽などと表現できる才能は羨ましい限りです。

人は誰にも踏み込まれたくないラインがあるし、入ってほしくない部屋があるものだと思っています。
作中にはそこに土足でズカズカと入ってくる人間も描かれているが、これがまた腹のたつこと。
他者への尊重とは、その人の領域を認め、大人しく部屋の外にいるべき行動だと染み染みと思ってしまったり。

こいつはこういう人間。

その決めつけこそが『悪意なき攻撃』なのではないか…と。


物語のラストは読む人によっては少し物足りなく感じるかもしれません。
スッキリ!とはいかないけれど、私はこの作品の結びにとてもセンスを感じました。
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