死神×少女+2【続編】

桜咲かな

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第20話『魂の再生』

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ドサッ!!

「きゃあっ!」
「うぉっ!?」

アヤメが着地したのは、魔界で自室の豪華な椅子に座る魔王の膝の上だった。
咄嗟に魔王はアヤメの腰を抱いて支え、膝の上に乗せたまま向き合う形になった。

「亜矢……?何だよ、突然現れやがって」

驚きと不可解さの交じった深紅の瞳をアヤメに向けた。
魔王は今、目の前にいる少女が亜矢だと思っている。アヤメだとは夢にも思わない。
アヤメは魔王の腰の後ろに両腕を回すと、強く抱き返した。
そして、頬を赤く染めながら、喜びに満ちた笑顔で魔王の顔を見上げた。

「会いたかった、オラン……愛してる」

亜矢から言われるはずもないその言葉に驚いた魔王は一瞬、思考を停止させた。
次には、この状況を理解しようと思考を巡らせたが、確かな答えは出ない。
答えよりも先に、魔王の口から自然と出た、その名前。

「………アヤメ……か……?」

目でもなく、心でもなく………魂が、アヤメの存在を認めていた。




それは、ずっと、ずっと追い求めていた、遠い昔に失ったはずの愛しい少女の姿。
ふわっと微かに、彼女から菖蒲あやめの花の香りを感じた。
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