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第二章 契約開始編
一緒にお買い物
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「ねえね、暁人サン。これも買いましょうよー」
そう言って、咲良はカゴの中にどっさりとお菓子を入れた。
どれどれ。チョコレートに、ポテトチップス、それにクッキーまで……。
どんだけ食べんだよ、こいつ。
「却下だ」
「えーなんで。お菓子が一杯あれば盛り上がんじゃん」
「ダメなものはダメだ。つうか、こんな量いつ食べるんだよ?」
「夕食を食べたあと。それに、明日も一緒に食べることになるだろーし。すこーしぐらい多めに買うぐらい、いいじゃんか。俺が払うんだし」
「だとしてもだな……って、なんで俺が明日お前ん家に行く前提になってんだよ。今日いっぱい作るし、足りんだろ」
「え──」
不満を口にしながら、咲良は唇を尖らせる。
「俺だって、バイトがあるんだ。しょっちゅうお前ん家に行くわけにはいかないんだよ。何回説明すればわかるんだ」
「何回説明されたって、納得できないものは納得できない」
「はぁ─、ガキかよ……」
「ガキでもいいし。暁人サンが構ってくれるなら」
「ほら、さっさと買い物を済ませないと日が暮れるぞ」
大学生にもなって駄々をこねまくっている咲良を残し、さっさとお肉コーナーへと向かうのだった。
*
色々とありつつも、ほぼ全ての買い物を済ませた。あとは──。
「ピーマンだけだな……」
ぼそっと呟いた言葉に、咲良が間抜けな声を上げる。
なんだ、と言いながら振り返ると、冷や汗をだらだらと垂らした咲良の姿があった。
「どうしたんだよ、咲良」
「いや、なんでもない」
そう言いながら、咲良は俺から視線をそっと外す。
もしかして。
「咲良、ピーマンが苦手なのか?」
「そんなわけ……っ」
いつも飄々とした態度を貫いている咲良が声を荒げた。
間違いない。こいつ、ピーマンが苦手だ。俺の弟たちとまったく同じ反応をしている。
「じゃあ、今日はピーマンの肉詰めだな」
「げ、やめてよ。暁人サン」
こうして、俺と咲良の買い物は終了するのだった。
そう言って、咲良はカゴの中にどっさりとお菓子を入れた。
どれどれ。チョコレートに、ポテトチップス、それにクッキーまで……。
どんだけ食べんだよ、こいつ。
「却下だ」
「えーなんで。お菓子が一杯あれば盛り上がんじゃん」
「ダメなものはダメだ。つうか、こんな量いつ食べるんだよ?」
「夕食を食べたあと。それに、明日も一緒に食べることになるだろーし。すこーしぐらい多めに買うぐらい、いいじゃんか。俺が払うんだし」
「だとしてもだな……って、なんで俺が明日お前ん家に行く前提になってんだよ。今日いっぱい作るし、足りんだろ」
「え──」
不満を口にしながら、咲良は唇を尖らせる。
「俺だって、バイトがあるんだ。しょっちゅうお前ん家に行くわけにはいかないんだよ。何回説明すればわかるんだ」
「何回説明されたって、納得できないものは納得できない」
「はぁ─、ガキかよ……」
「ガキでもいいし。暁人サンが構ってくれるなら」
「ほら、さっさと買い物を済ませないと日が暮れるぞ」
大学生にもなって駄々をこねまくっている咲良を残し、さっさとお肉コーナーへと向かうのだった。
*
色々とありつつも、ほぼ全ての買い物を済ませた。あとは──。
「ピーマンだけだな……」
ぼそっと呟いた言葉に、咲良が間抜けな声を上げる。
なんだ、と言いながら振り返ると、冷や汗をだらだらと垂らした咲良の姿があった。
「どうしたんだよ、咲良」
「いや、なんでもない」
そう言いながら、咲良は俺から視線をそっと外す。
もしかして。
「咲良、ピーマンが苦手なのか?」
「そんなわけ……っ」
いつも飄々とした態度を貫いている咲良が声を荒げた。
間違いない。こいつ、ピーマンが苦手だ。俺の弟たちとまったく同じ反応をしている。
「じゃあ、今日はピーマンの肉詰めだな」
「げ、やめてよ。暁人サン」
こうして、俺と咲良の買い物は終了するのだった。
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