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12話
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マサカリ山の五合目より上に住むダブルAランクの魔物、マサカリカツイダベア。
そのため五合目より上はほぼ未調査。マサカリカツイダベアが人里に降りてきそうな時だけ対処していたのが現状だった。
そんな未開の地に足を踏み入れて、早三日が過ぎようとしていた。
あらかたの地形把握は出来た方かな。これからは採取とマサカリカツイダベアの先遣調査の方をやるとするか。
探索の結果、七合目付近では七色虫が多く取れる事がわかった。
そしてまれに七色コガネという虫も採取できた。聞いた事ないけど何の虫だろう?
採取もある程度は出来たから今度はマサカリカツイダベアを調査しよう。
探してみたものの中々見つからず、次の日になってようやくマサカリカツイダベアを発見出来た。
そもそもの個体数も少ないのだろうか・・・まぁ今はそんな事考えなくてもいいか。
さっそく鑑定眼で弱点を見てみよう。
弱点がいくつも見える。首元、心臓、右脇腹。
これが偽装弱点・・・普通の先遣調査員では、これ以上の接近は厳しいだろうが、今のボクには二刀流の盾がある。
マサカリカツイダベアに接近すると、あっちも気づいたみたいで襲いかかってきた。
まずは右手の大きなマサカリの爪の振り下ろし。
ガキンッ
ボクはアダマン鯛のウロコの盾で受け止める。
二刀流の盾のおかげで防御力はかなり高いはずなのに手が痺れるほどの強力な一撃。
これを何度も受け止めるのはなかなかしんどそうだな。
マサカリカツイダベアは受け止められた事に驚いていたが、バックステップをして距離を取り再び襲いかかってくる。
今度は右手の大きなマサカリの爪の右フック。
ボクは左腕のアダマン鯛のウロコの盾で防ぐ。
振り下ろしの時ほどの威力はないがなかなかの重い一撃。と同時に襲いかかってくる左手の小さなマサカリの爪の左フック。
ボクは右腕の果肉カニの甲羅の盾で防ぐ。
再びマサカリカツイダベアはバックステップをして距離を取る。
オヌシナカナカヤルナと言わんとばかりに少しばかりの間。
その間にボクは鑑定眼・開眼を使い偽装弱点を見破る。本当の弱点は右脇腹か。
そしてすぐに鑑定眼・心眼を使い、過去を見る。
マサカリカツイダベア同士の争いのシーンが見える。
右手のマサカリの振り下ろしからの右フックと左フック。
そして次に右手のマサカリの振り下ろしと同時に放たれる左手のマサカリのアッパー。
相手のマサカリカツイダベアは右手のマサカリに気を取られていて、左手のマサカリのアッパーに気付けずにやられてしまった。
マサカリカツイダベアの次の行動が読めてくる。
マサカリカツイダベアは右手のマサカリの爪を振り上げて襲いかかってくる。
やはりそうくるよね。
ボクは左腕のアダマン鯛のウロコの盾でガッチリ受け止める。
最初の一撃ほどの威力はない。となると次は下から左手のマサカリの爪だ。
マサカリカツイダベアは同時に左手のマサカリのアッパーを放つ。
ボクはそれを素早く避けて、マーキング玉を右脇腹にぶつけてマーキングをする。
フィニッシュブローを避けられたマサカリカツイダベアは驚くと同時に弱点でもある右脇腹になにかをやられて怒り狂っている。
ボクはこれ以上やりあう必要はないと思い、素早く戦線を離脱した。
これがダブルAランクの魔物の実力か・・・やはり強いな。
それから三日間は採取をしながらマサカリカツイダベアを探したが、マサカリカツイダベアを見つける事は出来なかった。
もちろんマーキングをしたマサカリカツイダベアとは鉢合わせしないように磁石のような探知魔法で居場所を確認しながら探索した。
そろそろ山を下りるとするか。
そう思い少し山を下るとマサカリカツイダベア同士が争ってるのが見えた。
と思ったがよく見ると違う。一体はマサカリカツイダベアだがもう一体、イヤもう1人は人間だ。
赤毛の髪の毛で真紅の鎧を着たクマのように大きな体格。
剣斧と呼ばれる大きな剣を二刀流で扱う圧倒的な攻撃力。
しかもその大きな剣斧を軽やかに扱い、的確に弱点を狙って攻撃する繊細な技術。
こんな事を出来るのは鍛治勇者しかいない。
そしてあっという間にマサカリカツイダベアは動かなくなった。
鍛治勇者はアイテム収納袋にマサカリカツイダベアを収納するとこちらを振り向いた。
「そこにいるのは誰だ」
荒々しく今にも襲いかかってきそうな雰囲気にボクはビクッとしたが鍛治勇者の前に姿を現した。
「先日、ギルドの南支部長が変わりました。その際に一緒に来た先遣調査員のホクトと申します。今は先遣調査のための下見をしておりました」
「ホクト・・・どこかで聞いた事があるような気もするが思い出せん。今さら先遣調査員が1人増えたところでオレの仕事は何も変わりはしないだろう。邪魔だけはするな」
そう言うと同時に鍛治勇者は急いで山を駆け下りて姿が見えなくなった。
ボクも山を下りてギルドに戻るとするか。
そのため五合目より上はほぼ未調査。マサカリカツイダベアが人里に降りてきそうな時だけ対処していたのが現状だった。
そんな未開の地に足を踏み入れて、早三日が過ぎようとしていた。
あらかたの地形把握は出来た方かな。これからは採取とマサカリカツイダベアの先遣調査の方をやるとするか。
探索の結果、七合目付近では七色虫が多く取れる事がわかった。
そしてまれに七色コガネという虫も採取できた。聞いた事ないけど何の虫だろう?
採取もある程度は出来たから今度はマサカリカツイダベアを調査しよう。
探してみたものの中々見つからず、次の日になってようやくマサカリカツイダベアを発見出来た。
そもそもの個体数も少ないのだろうか・・・まぁ今はそんな事考えなくてもいいか。
さっそく鑑定眼で弱点を見てみよう。
弱点がいくつも見える。首元、心臓、右脇腹。
これが偽装弱点・・・普通の先遣調査員では、これ以上の接近は厳しいだろうが、今のボクには二刀流の盾がある。
マサカリカツイダベアに接近すると、あっちも気づいたみたいで襲いかかってきた。
まずは右手の大きなマサカリの爪の振り下ろし。
ガキンッ
ボクはアダマン鯛のウロコの盾で受け止める。
二刀流の盾のおかげで防御力はかなり高いはずなのに手が痺れるほどの強力な一撃。
これを何度も受け止めるのはなかなかしんどそうだな。
マサカリカツイダベアは受け止められた事に驚いていたが、バックステップをして距離を取り再び襲いかかってくる。
今度は右手の大きなマサカリの爪の右フック。
ボクは左腕のアダマン鯛のウロコの盾で防ぐ。
振り下ろしの時ほどの威力はないがなかなかの重い一撃。と同時に襲いかかってくる左手の小さなマサカリの爪の左フック。
ボクは右腕の果肉カニの甲羅の盾で防ぐ。
再びマサカリカツイダベアはバックステップをして距離を取る。
オヌシナカナカヤルナと言わんとばかりに少しばかりの間。
その間にボクは鑑定眼・開眼を使い偽装弱点を見破る。本当の弱点は右脇腹か。
そしてすぐに鑑定眼・心眼を使い、過去を見る。
マサカリカツイダベア同士の争いのシーンが見える。
右手のマサカリの振り下ろしからの右フックと左フック。
そして次に右手のマサカリの振り下ろしと同時に放たれる左手のマサカリのアッパー。
相手のマサカリカツイダベアは右手のマサカリに気を取られていて、左手のマサカリのアッパーに気付けずにやられてしまった。
マサカリカツイダベアの次の行動が読めてくる。
マサカリカツイダベアは右手のマサカリの爪を振り上げて襲いかかってくる。
やはりそうくるよね。
ボクは左腕のアダマン鯛のウロコの盾でガッチリ受け止める。
最初の一撃ほどの威力はない。となると次は下から左手のマサカリの爪だ。
マサカリカツイダベアは同時に左手のマサカリのアッパーを放つ。
ボクはそれを素早く避けて、マーキング玉を右脇腹にぶつけてマーキングをする。
フィニッシュブローを避けられたマサカリカツイダベアは驚くと同時に弱点でもある右脇腹になにかをやられて怒り狂っている。
ボクはこれ以上やりあう必要はないと思い、素早く戦線を離脱した。
これがダブルAランクの魔物の実力か・・・やはり強いな。
それから三日間は採取をしながらマサカリカツイダベアを探したが、マサカリカツイダベアを見つける事は出来なかった。
もちろんマーキングをしたマサカリカツイダベアとは鉢合わせしないように磁石のような探知魔法で居場所を確認しながら探索した。
そろそろ山を下りるとするか。
そう思い少し山を下るとマサカリカツイダベア同士が争ってるのが見えた。
と思ったがよく見ると違う。一体はマサカリカツイダベアだがもう一体、イヤもう1人は人間だ。
赤毛の髪の毛で真紅の鎧を着たクマのように大きな体格。
剣斧と呼ばれる大きな剣を二刀流で扱う圧倒的な攻撃力。
しかもその大きな剣斧を軽やかに扱い、的確に弱点を狙って攻撃する繊細な技術。
こんな事を出来るのは鍛治勇者しかいない。
そしてあっという間にマサカリカツイダベアは動かなくなった。
鍛治勇者はアイテム収納袋にマサカリカツイダベアを収納するとこちらを振り向いた。
「そこにいるのは誰だ」
荒々しく今にも襲いかかってきそうな雰囲気にボクはビクッとしたが鍛治勇者の前に姿を現した。
「先日、ギルドの南支部長が変わりました。その際に一緒に来た先遣調査員のホクトと申します。今は先遣調査のための下見をしておりました」
「ホクト・・・どこかで聞いた事があるような気もするが思い出せん。今さら先遣調査員が1人増えたところでオレの仕事は何も変わりはしないだろう。邪魔だけはするな」
そう言うと同時に鍛治勇者は急いで山を駆け下りて姿が見えなくなった。
ボクも山を下りてギルドに戻るとするか。
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