剣と銃がついたデカイ武器を振り回す女の子は好きですか!?

ウィリアム・ブロック

文字の大きさ
58 / 114

58話:東京首都防衛戦①

しおりを挟む
 ガンシップに衛士達が乗り込み、飛翔していく。そして空から空挺して、デストロイヤーと戦い始める。先程までの議論は棚上げして衛士達は一致団結して東京に出現したデストロイヤーと対決していた。

「ほら、行くわよ。金色一葉」
「あ、はい」

 松村優珂は金色一葉を連れてガンシップから身を躍らせる。
 一葉は正確な射撃でデストロイヤーを狙撃しながら降りていく。反対に優珂は大量の魔力に物を合わせたビームマグナムでデストロイヤーを薙ぎ払う。魔力ビームが近くを通った建物は融解してしまう。しかし優珂は気にせず魔力ビームを撃ち続けてデストロイヤーを駆逐する。

 着地点のデストロイヤーを掃討した二人は息を吐く。そして一葉に優珂はストライクイーグル・バンシィを見せつけながら言う。

「どう? 私の力は。これがXM3の力よ。貴方より素早く、確実にデストロイヤーを倒したわ」

 優珂の顔には加虐的な笑みが浮かんでいる。

「優珂さん。貴方の戦法は荒っぽすぎる。もっと建物の被害に配慮した戦いはできないないんですか?」
「はぁ? 建物の被害を気にして人が死んだら意味ないでしょうが。私がアンタについてきたのはね、教える為よ」
「教える? 何をですか?」
「イェーガーの生徒総会で言った青臭い理念がいかに非現実かってね。確か」

 優珂は馬鹿にしたような声真似で言う。

『人に犠牲を強いる戦い方では、本当に大切なものは守れない。私は、この世界の全ての人を守りたい。そして共に戦う仲間を守りたい。そこにある想いを守りたい。私は何一つ諦めずに戦いたい』だっけ。綺麗事の理想論がいかに無価値か教えてあげる!!」

 優珂はデストロイヤーの群れに向かって特攻する。

「デストロイモード発動!!」

 ストライクイーグル・バンシィが変化して、黄金の光が噴出する。そして銃と剣がパージされる。優珂は数十はいるデストロイヤーの群れに向かってビームマグナムのトリガーを引き絞る。

 ドゥン!! と衝撃波が放たれて黄金の光がデストロイヤーを焼き尽くす。道路が一瞬で焼け焦げて、黒い跡が残る。無数のラージ級さえ一撃で粉砕して爆散させた。残ったスモール級を黄金の刃で切り裂いていく。

「見たかしら!? これが力! 力がなければ貴方は無力なの!!」
「民間人がいたらどうするんですか!」
「いないわよ。いや、正確にはいたけど食われてた」

 優珂の言葉に一葉は首を捻る。

「どういう事ですか?」
「違和感感じなかった? ここら辺、あまりにも綺麗すぎるって。東京の市街地よ? デストロイヤー襲われて血なり、死体なりが転がっていてもおかしくない」
「確かに……」
「で、調べてみたら、デストロイヤーが人を食っていたわ。あのラージ級のやつ。防衛構想前に情報が出たばかりの特型デストロイヤー『アンジェラス』、『ジェミノス』『クリオン』の3種ね」
「人を食うデストロイヤー! すぐに本部に連絡を!」
「もうしたわ。すぐに指令が」

 その時だった。二人の端末に連絡が入る。そして東京の地図が表示されて自分と他の衛士、そしてデストロイヤーの分布が現れる。

『こちら司令部より各衛士へ。三種類の特型デストロイヤーが確認され、三箇所に砦を築いている。そのデストロイヤーは人や味方のデストロイヤーを捕食して進化する個体であり、早急な対処が求められる。そこでXM3型強化衛士である一ノ瀬真昼、宮川高城!松村優珂の場所に集合して、それぞれの衛士は砦に攻撃を開始せよ』

 司令部からの説明に一葉は驚く。指揮能力や戦闘能力が高いとされるお台場だけではなく、XM3強化衛士だから勝てると見込まれている状況に驚いた。

(司令部は既に強化衛士の性能を知っている?)

 企業連盟並びに一柳梨璃の最終目的はXM3型強化衛士の七割以上の配備だ。当然、その情報は衛士だけでなく大人の間でも共有され、その強さは示されている。むしろ防衛構想まで衛士には秘匿されていたことが異常なのだ。

 衛士という少女を戦わせることに罪悪感を覚える。死んでほしくない。だけど強化衛士になってくれ、なんて頼めない。そんな大人の葛藤で通達が遅れた結果、首都防衛構想でのお披露目となった。

『また一定時間内に殲滅できず、デストロイヤーが進化する兆しを見せれば人造量産型衛士を投入して撃破する。その場は総員、戦闘区域から退避してほしい』
「人造量産衛士……あの自爆兵器扱いの!? そんな非人道的な」
「誰かがやらなくてはいけないことを、誰かがやってくれたのよ。その恩恵を受ける私たちが非難できる立場じゃないわ」
「しかし、これはあまりにも」
「これが現実よ。金色一葉」

 二人は地面を突き破って現れたデストロイヤーに対応する。斬撃でデストロイヤーを切り刻む。マギリフレクターを使ったゴリ押しでデストロイヤーを真っ二つにする。

「これが最善の方法。理想を語る貴方と真昼様の違い」
「そうやって妥協して、良い世界が作れるますか?」
「なに?」
「理想を語らず! 目指さず! 最善だと思い込んで努力を放棄する! それが本当に最善といえるんですか!」

 その言葉に優珂は頭に血が昇る。

「理想を語って犬死するのが正しいって言うの!? 理想を想いながらも現実的なプランを遂行する! それが……! それが……人間の限界よ」
「だとしても理想は掲げるべきです」
「このクソ頭でっかちめ、それが出来たら苦労しないのよ。出来ない理想を掲げて失敗すれば、それこそ士気はガタ落ちでおしまいよ。だからこそできることを一つづつやっていく」
「確かにその通りです。だから私は理想を掲げる盾の乙女となります。最善の道は貴方達が切り開いてくれる。私は理想に縋る者の受け皿になる。器になります」

 その言葉に優珂は目を見開く。

「アンタ、全部受け止めるつもりなの? 真昼様と反対する意見、そのどちらも」
「はい。真昼様が提唱した強化は受けません。しかし特攻爆弾は許されない。たとえクローンたとしても」
「そういう反対意見の纏め役になるわけだ。随分と茨の道が好きなのね」
「理想を実現するためには安いものかと」
「ちっ、色々考えてるじゃない。確かに反対意見を黙殺すれば爆発する。そうならないように一つに纏めるわけか。でもそれの最後は」
「わかっています。もし戦況が悪化した場合、私たちの存在は邪魔だと思う人が多くなるでしょう。そして人類の反逆者として処分される。でも私は理想を掲げると決めたんです。人間性を保ったままデストロイヤーに勝利すると」

 優珂は相澤一葉の言葉に目を細める。そしてため息をつく。

「そういうところが嫌いなのよ。ガキみたいに自分を失わず突き進む姿が。絶対に苦難の道だとわかっているのに進む姿が見ていて気分が悪くなる。まぁいいわ、アンタは好きにやりなさい。どうなろうが知ったこっちゃないわ。今はこの東京のデストロイヤーを片づけましょう」
「ですが、私たちに合流するはずの衛士が来ませんね。反応は近くまであるのに」

 その時、マップ上に表示されていた衛士のマーカーが消えた。

「え?」
「消えたってことは死んだか。金色一葉、準備しなさない。強い敵がいるわよ」
「了解です」

 ドシン、ドシン、と音を立てて、ビルの間から巨大な影が姿がを現した。これは例の特型デストロイヤーの一体だ。そして相澤一葉と松村優珂が倒すように命令されていた相手でもある。

「砦を築いているはずじゃ」
「外に出てきたか、もしくは二体いるか。どちらでも良いわ! 行くわよ!」
「はい! イェーガー代表相澤一葉、戦闘行動に移ります!!」
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

【完結】平凡な魔法使いですが、国一番の騎士に溺愛されています

空月
ファンタジー
この世界には『善い魔法使い』と『悪い魔法使い』がいる。 『悪い魔法使い』の根絶を掲げるシュターメイア王国の魔法使いフィオラ・クローチェは、ある日魔法の暴発で幼少時の姿になってしまう。こんな姿では仕事もできない――というわけで有給休暇を得たフィオラだったが、一番の友人を自称するルカ=セト騎士団長に、何故かなにくれとなく世話をされることに。 「……おまえがこんなに子ども好きだとは思わなかった」 「いや、俺は子どもが好きなんじゃないよ。君が好きだから、子どもの君もかわいく思うし好きなだけだ」 そんなことを大真面目に言う国一番の騎士に溺愛される、平々凡々な魔法使いのフィオラが、元の姿に戻るまでと、それから。 ◆三部完結しました。お付き合いありがとうございました。(2024/4/4)

ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主

雪奈 水無月
ファンタジー
魔物大侵攻《モンスター・テンペスト》で父を失い、十五歳で領主となったロイド。 荒れ果てた辺境領を支えたのは、幼馴染のメイド・リーナと執事セバス、そして領民たちだった。 十八歳になったある日、女神アウレリアから“祝福”が降り、 ロイドの中で《スキル職人ガチャ》が覚醒する。 ガチャから現れるのは、防衛・経済・流通・娯楽など、 領地再建に不可欠な各分野のエキスパートたち。 魔物被害、経済不安、流通の断絶── 没落寸前の領地に、ようやく希望の光が差し込む。 新たな仲間と共に、若き領主ロイドの“辺境再生”が始まる。

処理中です...