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違う世界②
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「貴方は一体何者なの?」
困惑するアールヴヘイムの代表として天音天葉が一ノ瀬真昼に問いかける。その色は警戒の色を帯びていて、しかしやはり困惑しているようだ。
戦闘態勢を取らず、無警戒のまま、対話を始めようとしている。ラプラス01の一ノ瀬真昼の世界では有り得ない。
もし理解を超えることが起きたらまずは逃げるか防御の体制を取るのが当たり前だ。かなり平和的な思想に基づいて行動しているように見受けられた。
「私も、正直こちらがどの世界なのかわかっていません。しかし確実に言えることは私は別世界の一ノ瀬真昼であって人造衛士や、デストロイヤーの擬態ではないということ」
「別世界の、真昼さん」
「あとは天葉ちゃんとくすみちゃんもいるはず。後この血の雨と壊れたアーマードコアの塊も私の世界のものだと思う。アストラ級のデストロイヤーが現れて、この世界に来たから」
「別世界の……本当に?」
「別世界は存在します。そしてそれに因果律とかそういうのが影響し合う世界がこの次元の外側に存在していたというのも解っておいてください。この話における大前提ですから」
「うん、解った」
天葉は一瞬だけ茶化そうかとも思ったが、少なくとも先ほど自分が直面した現象は、とてもだが自分の脳味噌で理解できる範囲を超えていた。一回、完全に騙されたものだと思って少女の―――一ノ瀬真昼の言う事を完全に聞いてみる事にした。それを信じるかどうかは、その完全な証明がなされた時でいい。それまでは話半分に聞いて、とりあえずは知識にしておくことがいい。その為、言葉を挟まずに話を聞き続ける。
「簡単に言うとパラレルや異世界とは厳密に違うけど似た構想、壁を超えた向こう側に次元の海が存在し、世界の一つ一つがそこに漂う島だと想像しておいてください。これが次元世界構造であり、基本的に私達が存在するマルチバースです。で、この次元世界には私の世界ではその世界特有の技術と文明が存在していました」
ですが、まぁ、と真昼が言う。
「この文明が絶滅しました」
「んん??」
「というか技術概念そのものが大体滅びました」
「んー??」
流石にマテ、と言葉をそこには挟み込むしか出来なかった。
「今のはちょっと理解出来なかった。脳みそ赤ちゃんにも通じる言葉でお願い」
「これ以上なく悲惨な言葉のチョイスに逆にこちらが困るんですけど」
「天葉お姉様は、赤ちゃんだった……? つまり私が天葉お姉様を産める? 孕める?」
「こっちの世界のくすみちゃんはかなりぶっ飛んでるね!」
「いや、貴方の話の方がぶっ飛んでますけど」
「なに阿頼耶ちゃん私の話信じないとぶっ飛ばすよ」
軽く茶番を挟み込みつつ、天葉は真昼にもうちょっとわかりやすい様に説明を求める。それに真昼がそうだね、と言葉を挟み込む。少し悩んでからもう一度そうですね、と小さく呟きながら首をかしげる。
「簡単に、と説明されると少々難しいものでして。説明しようとすればするほど専門用語を使う必要になるので。なので文明と技術がほとんど全て死滅した上で、唯一生き延びる事に成功した私達の世界でデストロイヤーとの戦争の話とかを話した所で通じるかどうか怪しいんだよね」
「まぁ、確かにいきなり細かい設定を語られても困るな」
「今、完全に設定って言い切った」
「まぁ、確かに設定と言われてもしょうがない話よね」
衣奈が頷いている。まぁ、細かい話は分かりづらいという事で省いてくれているので、解りやすく話を求めれば、
「このウィザーディングワールドが消えて」
「イギリスにホグワーツはないからね」
文明が消えた、という言動をまともに受けるのであれば、その文明に関して一ノ瀬真昼が深く関わっていたというのであれば、つまり文明の消失に合わせて世界も綺麗にデリートされた、という話なのだろうと思える。荒唐無稽だが一応は話が通る、ほとんど妄想染みた内容である事さえ意識しなければ。
「それに横浜衛士訓練校も消えた。そして、真昼さんの世界? だけは何とか残った」
「本当に残っているだけ、の状態けどね。デストロイヤーも強くなってやばいし」
天葉が腕を組みながら視線を此方へと向けて来る。だがそれに対する答えは両手を広げてさあ? としか答えることが出来なかった。知っているから知っているとしか答えようがなかった。そもそも異世界とか、ファンタジーな要素はここ2年間の人生の中でしか起きてないのだから、それにこの世界はそういうことを受け入れるのに悩むということは初めてなのかもしれないので、疑われても仕方がない。
「じゃあなぜ真昼さんはこちらの世界へ?」
「私もわからない。普通にデストロイヤーと戦ってたら別世界に飛ばされた方の身にもなって」
「まぁ、確実に被害者側だよね」
「たぶんデストロイヤーが全部悪い」
「そうだね、全部デストロイヤーのせいで良いのかな。話を聞く限りこの世界来る前にアストラ級のデストロイヤーが姿を見せたって言うし」
腕を組みながら空を見上げる様に、考えを巡らせる。結局の所、
「真昼さんは何がしたいの?」
「私がいた世界への帰還。確実にいるメンバーは私とくすみちゃんと天葉ちゃんと衣奈ちゃん」
「―――さて、話も大体できた所でしょ?。一旦頭を切り替える為に横浜衛士訓練校に帰還しましょう」
衣奈が空気を一瞬で切り替える様に手を叩いた。天葉も軽く深呼吸をして空気を入れ替えた。
「とりあえず、何か複雑な事情があるってのは理解しておく」
「まぁ、それぐらいでいいと思う」
「全部教えても理解されるかどうかわからないしね」
違う世界での横浜衛士訓練校で、それとなく騒がしい日常が始まる。
横浜衛士訓練校に着くと、武装解除を指示され、真昼はそれに従って、検査や状況説明、その他諸々を受けた。
最終的に戦術機の魔力クリスタルコアに残されていたデータが決め手となり、真昼は横浜衛士訓練校で保護される形となった。
残りのメンバーも捜索してくれる手筈になった。
用意された部屋で、一ノ瀬真昼は考える。これからどうしたら良いのか、という問題についてだ。
「まずは仲間を探して、元の世界に帰る準備を整えて、帰還する。仲間を探すのはこの世界の人達にもやってもらってるし、元の世界に帰る準備っていうのも私は技術屋じゃないからわからないしなぁ」
そう考えると、自分は戦ってばかりの2年間だったな、と思ったりする。そもそも人類全体が脅かされている状況で、戦う道を選んだのは真昼なのだから仕方がないが、それでも、あまりに絶望的な世界な気がする。
暇つぶしに横浜衛士訓練校を探索してみると、驚くほど穏やかだった。デストロイヤーとの戦いはついでで、普通に学生生活を楽しんでいるように見えた。
真昼の知ってる世界は常に物資や戦術機の点検、即時出撃できるように警戒態勢が決められていた。
装飾にしてもそうだ。
真昼の元いた世界では装飾する暇があるなら少しでも費用を抑えるべき、もしくは性能を上げるべきだとガチガチに効率重視の建築構造になっていた。掃除だって最低限、とにかく生き延びるためにリソースが割かれていた。
この世界は奇麗な窓に、奇麗な衣服。この場合の奇麗というのは、清潔うんぬんではなくて不必要な見栄え重視であることだ。
「この世界は、平和だな」
憎憎しいほどに平和だ。見ていると、少し惨めな気分になってくる。どうしてこんなに違うのだろうか。
その時だった。
談笑しながら歩いてくる集団が前からやってくる。
桃色の髪にクローバーの髪留め。
この世界の一ノ瀬真昼と、そのレギオンメンバーたちだ。
「はれ? 貴方は……? もしかして別世界の私さんですか!?」
困惑するアールヴヘイムの代表として天音天葉が一ノ瀬真昼に問いかける。その色は警戒の色を帯びていて、しかしやはり困惑しているようだ。
戦闘態勢を取らず、無警戒のまま、対話を始めようとしている。ラプラス01の一ノ瀬真昼の世界では有り得ない。
もし理解を超えることが起きたらまずは逃げるか防御の体制を取るのが当たり前だ。かなり平和的な思想に基づいて行動しているように見受けられた。
「私も、正直こちらがどの世界なのかわかっていません。しかし確実に言えることは私は別世界の一ノ瀬真昼であって人造衛士や、デストロイヤーの擬態ではないということ」
「別世界の、真昼さん」
「あとは天葉ちゃんとくすみちゃんもいるはず。後この血の雨と壊れたアーマードコアの塊も私の世界のものだと思う。アストラ級のデストロイヤーが現れて、この世界に来たから」
「別世界の……本当に?」
「別世界は存在します。そしてそれに因果律とかそういうのが影響し合う世界がこの次元の外側に存在していたというのも解っておいてください。この話における大前提ですから」
「うん、解った」
天葉は一瞬だけ茶化そうかとも思ったが、少なくとも先ほど自分が直面した現象は、とてもだが自分の脳味噌で理解できる範囲を超えていた。一回、完全に騙されたものだと思って少女の―――一ノ瀬真昼の言う事を完全に聞いてみる事にした。それを信じるかどうかは、その完全な証明がなされた時でいい。それまでは話半分に聞いて、とりあえずは知識にしておくことがいい。その為、言葉を挟まずに話を聞き続ける。
「簡単に言うとパラレルや異世界とは厳密に違うけど似た構想、壁を超えた向こう側に次元の海が存在し、世界の一つ一つがそこに漂う島だと想像しておいてください。これが次元世界構造であり、基本的に私達が存在するマルチバースです。で、この次元世界には私の世界ではその世界特有の技術と文明が存在していました」
ですが、まぁ、と真昼が言う。
「この文明が絶滅しました」
「んん??」
「というか技術概念そのものが大体滅びました」
「んー??」
流石にマテ、と言葉をそこには挟み込むしか出来なかった。
「今のはちょっと理解出来なかった。脳みそ赤ちゃんにも通じる言葉でお願い」
「これ以上なく悲惨な言葉のチョイスに逆にこちらが困るんですけど」
「天葉お姉様は、赤ちゃんだった……? つまり私が天葉お姉様を産める? 孕める?」
「こっちの世界のくすみちゃんはかなりぶっ飛んでるね!」
「いや、貴方の話の方がぶっ飛んでますけど」
「なに阿頼耶ちゃん私の話信じないとぶっ飛ばすよ」
軽く茶番を挟み込みつつ、天葉は真昼にもうちょっとわかりやすい様に説明を求める。それに真昼がそうだね、と言葉を挟み込む。少し悩んでからもう一度そうですね、と小さく呟きながら首をかしげる。
「簡単に、と説明されると少々難しいものでして。説明しようとすればするほど専門用語を使う必要になるので。なので文明と技術がほとんど全て死滅した上で、唯一生き延びる事に成功した私達の世界でデストロイヤーとの戦争の話とかを話した所で通じるかどうか怪しいんだよね」
「まぁ、確かにいきなり細かい設定を語られても困るな」
「今、完全に設定って言い切った」
「まぁ、確かに設定と言われてもしょうがない話よね」
衣奈が頷いている。まぁ、細かい話は分かりづらいという事で省いてくれているので、解りやすく話を求めれば、
「このウィザーディングワールドが消えて」
「イギリスにホグワーツはないからね」
文明が消えた、という言動をまともに受けるのであれば、その文明に関して一ノ瀬真昼が深く関わっていたというのであれば、つまり文明の消失に合わせて世界も綺麗にデリートされた、という話なのだろうと思える。荒唐無稽だが一応は話が通る、ほとんど妄想染みた内容である事さえ意識しなければ。
「それに横浜衛士訓練校も消えた。そして、真昼さんの世界? だけは何とか残った」
「本当に残っているだけ、の状態けどね。デストロイヤーも強くなってやばいし」
天葉が腕を組みながら視線を此方へと向けて来る。だがそれに対する答えは両手を広げてさあ? としか答えることが出来なかった。知っているから知っているとしか答えようがなかった。そもそも異世界とか、ファンタジーな要素はここ2年間の人生の中でしか起きてないのだから、それにこの世界はそういうことを受け入れるのに悩むということは初めてなのかもしれないので、疑われても仕方がない。
「じゃあなぜ真昼さんはこちらの世界へ?」
「私もわからない。普通にデストロイヤーと戦ってたら別世界に飛ばされた方の身にもなって」
「まぁ、確実に被害者側だよね」
「たぶんデストロイヤーが全部悪い」
「そうだね、全部デストロイヤーのせいで良いのかな。話を聞く限りこの世界来る前にアストラ級のデストロイヤーが姿を見せたって言うし」
腕を組みながら空を見上げる様に、考えを巡らせる。結局の所、
「真昼さんは何がしたいの?」
「私がいた世界への帰還。確実にいるメンバーは私とくすみちゃんと天葉ちゃんと衣奈ちゃん」
「―――さて、話も大体できた所でしょ?。一旦頭を切り替える為に横浜衛士訓練校に帰還しましょう」
衣奈が空気を一瞬で切り替える様に手を叩いた。天葉も軽く深呼吸をして空気を入れ替えた。
「とりあえず、何か複雑な事情があるってのは理解しておく」
「まぁ、それぐらいでいいと思う」
「全部教えても理解されるかどうかわからないしね」
違う世界での横浜衛士訓練校で、それとなく騒がしい日常が始まる。
横浜衛士訓練校に着くと、武装解除を指示され、真昼はそれに従って、検査や状況説明、その他諸々を受けた。
最終的に戦術機の魔力クリスタルコアに残されていたデータが決め手となり、真昼は横浜衛士訓練校で保護される形となった。
残りのメンバーも捜索してくれる手筈になった。
用意された部屋で、一ノ瀬真昼は考える。これからどうしたら良いのか、という問題についてだ。
「まずは仲間を探して、元の世界に帰る準備を整えて、帰還する。仲間を探すのはこの世界の人達にもやってもらってるし、元の世界に帰る準備っていうのも私は技術屋じゃないからわからないしなぁ」
そう考えると、自分は戦ってばかりの2年間だったな、と思ったりする。そもそも人類全体が脅かされている状況で、戦う道を選んだのは真昼なのだから仕方がないが、それでも、あまりに絶望的な世界な気がする。
暇つぶしに横浜衛士訓練校を探索してみると、驚くほど穏やかだった。デストロイヤーとの戦いはついでで、普通に学生生活を楽しんでいるように見えた。
真昼の知ってる世界は常に物資や戦術機の点検、即時出撃できるように警戒態勢が決められていた。
装飾にしてもそうだ。
真昼の元いた世界では装飾する暇があるなら少しでも費用を抑えるべき、もしくは性能を上げるべきだとガチガチに効率重視の建築構造になっていた。掃除だって最低限、とにかく生き延びるためにリソースが割かれていた。
この世界は奇麗な窓に、奇麗な衣服。この場合の奇麗というのは、清潔うんぬんではなくて不必要な見栄え重視であることだ。
「この世界は、平和だな」
憎憎しいほどに平和だ。見ていると、少し惨めな気分になってくる。どうしてこんなに違うのだろうか。
その時だった。
談笑しながら歩いてくる集団が前からやってくる。
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