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15:仮面舞踏会
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「妃陛下、近々我がアンシュル伯爵が主催する仮面舞踏会が開かれるんです。息抜きに参加してはどうですか?」
若い侍女たちが楽しげに話した。
若者の享楽的はパーティーに参加したことなど一度もなく、あまり興味もなかった。
「私も参加します」
「噂では王太子殿下も参加するらしいですよ」
「ジャレアン公爵令嬢と一緒なのかしら」
「それはないと思うわ。ジャレアン公爵令嬢は人好きする人柄ではないもの」
若い侍女たちは王太子やセリーヌ嬢と歳が近く、社交界にもよく出入りしている。
そんな彼女たちからしてもセリーヌ嬢はあまりいい性格ではなく、王太子にも距離を置かれているようだ。
「きっとゲレ子爵の養女と共にいらっしゃるのでは」
「ジャレアン公爵令嬢の肩を持つつもりはありませんが、私、アンナ嬢がどうも好きになれませんわ」
「わかります。様々な殿方に近づいて、はしたないですわ」
今日はリゼットがおらず、若い彼女たちの軽率な発言を嗜めるものはいない。
だが、王妃の侍女に選ばれるほどの家柄や礼儀を身につけた彼女たちの目から見てもアンナ嬢は不満の種らしい。
「面白そうね。一度くらい参加してみましょうか」
クラウディアがそういうと、侍女たちは嬉しそうな顔をした。
「招待状をお送りしますわ」
「妃陛下なら華やかなドレスもお似合いになりますが、異性装も素敵ですわ」
「仮面を特注しますか?」
「最近は無産階級の扮装も流行りなのですよ」
侍女たちは畳み掛けるように話しかける。
彼女たちはクラウディアが抑圧された王宮から一時でも解放され楽しむことを望んだ。
しかし、クラウディアの目的はアンナ嬢との接触ないし調査だ。
「まあ、どんな格好をするか言ってしまったら仮装する意味がないじゃない」
侍女たちは確かにそうだと楽しそうに笑った。
そうして仮面舞踏会の参加が決まった。そのことを知ったリゼットにお小言をくらったが、気分転換になるのならと送り出された。
アルフレッドに報告がいったのかどうかはわからないが、クラウディア自身の口からそのことを言うつもりはなかった。
招待状はチケットのようなもので匿名性が保たれたものであり、会場に入ってもクラウディアが王妃であることに気付く者はいなかった。
「ムッシュ、よろしければ私とおどりませんか?」
仮面をつけた、デコルテを過度に強調したドレスを着た令嬢がクラウディアに話しかけた。
今のクラウディアは男装をしており、入場してからいくつかの熱い視線をおくられていた。
「麗しいマダムのお誘いを断ることはできません」
差し出された令嬢の手をとって男役をこなす。
仮面舞踏会という場がいかに無秩序なのかを体感した。
女から男をダンスにさそい、階層ごとの作法もなく、酒をのみ、大きな笑い声をあげて、秘めるべき内心を吐露する。
仮面でも隠しきれない下卑た視線に、男も女も公然と身体接触をはかってくる。
クラウディアが女であるとわかっていても近寄ってくる女たちも多く、王太子とアンナを探す前に疲れてしまう。
「息抜きにもなりはしないわ」
逃げるようにテラスに入り、一息つく。
皆、ホールで享楽にふけており、ここには誰もいない。
男装をしているため、コルセットをしておらず、下着をしていないような不安感がある。胸を潰すことはリゼットに猛反発され、シルエットが大きく見える服装にリボンやヒールでごまかしている。
「ムッシュ、飲み物はいかがですか?」
誰もいないと思っていたテラスに男が一人あらわれた。
男は両手にグラスを持っており、片方をクラウディアに差し出した。
「マダムと呼んだ方がよろしかったですか?」
警戒してグラスを受け取らないクラウディアをからかうように男は言った。
男の声にどこか聞き覚えがあった。
それにその瞳の色も知っている。だが、髪色だけが、明るく金色であり確証が持てなかった。
「今はこの格好ですから、ムッシュと呼んでください」
クラウディアはグラスを受け取って中の酒で喉を潤した。
「ムッシュはダンスの名手であらせられる。ぜひ、俺とも踊っていただきたい」
「貴方がリードしてくださるの?」
「もちろん。思う存分楽しめるようお手伝いさせていただきます」
クラウディアはダンスが好きだった。
幼い頃は嫁ぎ先で恥をかかないようにと必死に身につけたが、いざアルフレッドとファーストダンスを踊ったときはとても楽しかった。それ以降、ダンスは義務から楽しみになった。
だが、この場では男役として、そしてアンナを探すために神経を使っていて楽しめていなかった。
「いいでしょう。お手並み拝見させてもらいます」
男の手をとって再びホールに戻り、ダンスを踊る。
ホールで踊る中で圧倒的な実力でまわりを圧巻とさせた。なぜか黄色い歓声があがりクラウディアは困惑した。
「やはりお上手だ」
「貴方こそ、ついてこれるなんて思っていませんでしたわ」
巧みなステップも軽やかなターンも、まるでクラウディアの癖まで全てを知っているかのように男はリードしてくれた。
「どうしてこのパーティーに? 先ほども疲れている様子でしたし、苦手なのでは?」
「あら、案外いいものだわ。貴方みたいなダンスのお上手な人と出会えたもの」
「それは光栄だ。貴方に認めてもらえるだなんて」
男は心底嬉しそうに言った。
仮面をつけているというのに、表情がすけてみえてきそうだ。
「今笑いましたか?」
「失礼。貴方が純真そうだったから。貴方みたいな人は珍しいから。可愛らしくって」
男は不服そうな顔をした。
言った側から素直に表情があらわれている。
「かわいいなんて言わないでください。これでも男ですから。有能なところを見せましょう」
男は耳元でささやいた。
「お探しの人物はカナリアイエローのドレスを着て、パンタローネのマスクをつけたレンヌシー侯爵令息と談笑しています」
「……なぜそのことを?」
「秘密です。王太子殿下はまだアンナ嬢を見つけられていないようだ」
男は視線を入り口近くにおくると、王太子らしき人物がいた。
「これで俺とのダンスに集中してくれますね」
男は急に抱き寄せて距離を詰めてきた。
仮面からアンバーの瞳がじっとクラウディアを捉える。
その瞳にのみこまれそうになって、男をおしのけて逃げ出した。
控え室に駆け込み扉を閉める。
なぜ会場にベッドが一つおかれた部屋がいくつもあるのかだとか、そんなことを考える余裕はなかった。
かつて、愛そうとした男に似た男がいた。限りなく近いその男は優しくそしてあつく溶けてしまう視線でクラウディアを見ていた。
「アルのはずがないじゃない」
アルフレッドはこのパーティーには参加していない。
けれども、似ていたのだ。かつての彼に。
顔形やダンスのリードのやり方、そしてクラウディアを見つめるアンバーの瞳までもそっくりだった。
若い侍女たちが楽しげに話した。
若者の享楽的はパーティーに参加したことなど一度もなく、あまり興味もなかった。
「私も参加します」
「噂では王太子殿下も参加するらしいですよ」
「ジャレアン公爵令嬢と一緒なのかしら」
「それはないと思うわ。ジャレアン公爵令嬢は人好きする人柄ではないもの」
若い侍女たちは王太子やセリーヌ嬢と歳が近く、社交界にもよく出入りしている。
そんな彼女たちからしてもセリーヌ嬢はあまりいい性格ではなく、王太子にも距離を置かれているようだ。
「きっとゲレ子爵の養女と共にいらっしゃるのでは」
「ジャレアン公爵令嬢の肩を持つつもりはありませんが、私、アンナ嬢がどうも好きになれませんわ」
「わかります。様々な殿方に近づいて、はしたないですわ」
今日はリゼットがおらず、若い彼女たちの軽率な発言を嗜めるものはいない。
だが、王妃の侍女に選ばれるほどの家柄や礼儀を身につけた彼女たちの目から見てもアンナ嬢は不満の種らしい。
「面白そうね。一度くらい参加してみましょうか」
クラウディアがそういうと、侍女たちは嬉しそうな顔をした。
「招待状をお送りしますわ」
「妃陛下なら華やかなドレスもお似合いになりますが、異性装も素敵ですわ」
「仮面を特注しますか?」
「最近は無産階級の扮装も流行りなのですよ」
侍女たちは畳み掛けるように話しかける。
彼女たちはクラウディアが抑圧された王宮から一時でも解放され楽しむことを望んだ。
しかし、クラウディアの目的はアンナ嬢との接触ないし調査だ。
「まあ、どんな格好をするか言ってしまったら仮装する意味がないじゃない」
侍女たちは確かにそうだと楽しそうに笑った。
そうして仮面舞踏会の参加が決まった。そのことを知ったリゼットにお小言をくらったが、気分転換になるのならと送り出された。
アルフレッドに報告がいったのかどうかはわからないが、クラウディア自身の口からそのことを言うつもりはなかった。
招待状はチケットのようなもので匿名性が保たれたものであり、会場に入ってもクラウディアが王妃であることに気付く者はいなかった。
「ムッシュ、よろしければ私とおどりませんか?」
仮面をつけた、デコルテを過度に強調したドレスを着た令嬢がクラウディアに話しかけた。
今のクラウディアは男装をしており、入場してからいくつかの熱い視線をおくられていた。
「麗しいマダムのお誘いを断ることはできません」
差し出された令嬢の手をとって男役をこなす。
仮面舞踏会という場がいかに無秩序なのかを体感した。
女から男をダンスにさそい、階層ごとの作法もなく、酒をのみ、大きな笑い声をあげて、秘めるべき内心を吐露する。
仮面でも隠しきれない下卑た視線に、男も女も公然と身体接触をはかってくる。
クラウディアが女であるとわかっていても近寄ってくる女たちも多く、王太子とアンナを探す前に疲れてしまう。
「息抜きにもなりはしないわ」
逃げるようにテラスに入り、一息つく。
皆、ホールで享楽にふけており、ここには誰もいない。
男装をしているため、コルセットをしておらず、下着をしていないような不安感がある。胸を潰すことはリゼットに猛反発され、シルエットが大きく見える服装にリボンやヒールでごまかしている。
「ムッシュ、飲み物はいかがですか?」
誰もいないと思っていたテラスに男が一人あらわれた。
男は両手にグラスを持っており、片方をクラウディアに差し出した。
「マダムと呼んだ方がよろしかったですか?」
警戒してグラスを受け取らないクラウディアをからかうように男は言った。
男の声にどこか聞き覚えがあった。
それにその瞳の色も知っている。だが、髪色だけが、明るく金色であり確証が持てなかった。
「今はこの格好ですから、ムッシュと呼んでください」
クラウディアはグラスを受け取って中の酒で喉を潤した。
「ムッシュはダンスの名手であらせられる。ぜひ、俺とも踊っていただきたい」
「貴方がリードしてくださるの?」
「もちろん。思う存分楽しめるようお手伝いさせていただきます」
クラウディアはダンスが好きだった。
幼い頃は嫁ぎ先で恥をかかないようにと必死に身につけたが、いざアルフレッドとファーストダンスを踊ったときはとても楽しかった。それ以降、ダンスは義務から楽しみになった。
だが、この場では男役として、そしてアンナを探すために神経を使っていて楽しめていなかった。
「いいでしょう。お手並み拝見させてもらいます」
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ホールで踊る中で圧倒的な実力でまわりを圧巻とさせた。なぜか黄色い歓声があがりクラウディアは困惑した。
「やはりお上手だ」
「貴方こそ、ついてこれるなんて思っていませんでしたわ」
巧みなステップも軽やかなターンも、まるでクラウディアの癖まで全てを知っているかのように男はリードしてくれた。
「どうしてこのパーティーに? 先ほども疲れている様子でしたし、苦手なのでは?」
「あら、案外いいものだわ。貴方みたいなダンスのお上手な人と出会えたもの」
「それは光栄だ。貴方に認めてもらえるだなんて」
男は心底嬉しそうに言った。
仮面をつけているというのに、表情がすけてみえてきそうだ。
「今笑いましたか?」
「失礼。貴方が純真そうだったから。貴方みたいな人は珍しいから。可愛らしくって」
男は不服そうな顔をした。
言った側から素直に表情があらわれている。
「かわいいなんて言わないでください。これでも男ですから。有能なところを見せましょう」
男は耳元でささやいた。
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「……なぜそのことを?」
「秘密です。王太子殿下はまだアンナ嬢を見つけられていないようだ」
男は視線を入り口近くにおくると、王太子らしき人物がいた。
「これで俺とのダンスに集中してくれますね」
男は急に抱き寄せて距離を詰めてきた。
仮面からアンバーの瞳がじっとクラウディアを捉える。
その瞳にのみこまれそうになって、男をおしのけて逃げ出した。
控え室に駆け込み扉を閉める。
なぜ会場にベッドが一つおかれた部屋がいくつもあるのかだとか、そんなことを考える余裕はなかった。
かつて、愛そうとした男に似た男がいた。限りなく近いその男は優しくそしてあつく溶けてしまう視線でクラウディアを見ていた。
「アルのはずがないじゃない」
アルフレッドはこのパーティーには参加していない。
けれども、似ていたのだ。かつての彼に。
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