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自分で触れて気持ち良さを覚える
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あら? エクトル様ってば後ろに首をぐりんと回してこちらを見ている。そんなに目ん玉まんまるにしていたら目玉が転げ落ちちゃうのでは?
いつもはクールガイだと言わんばかりの彼からすると、今日は随分と表情筋が活躍しているみたい。
あんまりにもみたことのない表情だったものだから、おかしくて笑ってしまった。
「なっ、何がおかしいんだ!」
「だって、お尻丸出しですよ、エルー様」
「え、え、え、え、エルー様って呼ぶな!」
きらりと光を反射するほどハリのあるお尻を指差してひーひー笑ったら怒られました。
まぁ、確かにエクトル様としか呼んだことがないので、多分エルー様呼びはそこにいる白い足の君にだけ許された特別な呼び名なのでしょう。
「あらまぁ、それは失礼いたしました。エクトル様」
……
………
…………
?
黙って見つめていたら先に目を逸らしたのはあちら様で、更に見つめ続けているとモジモジし始めました。
「頼むから帰ってくれないか……」
お尻丸出しエクトル様は我々に背中をむけたままで、とても小さく感じました。
「あら、まぁ」
それは大変失礼いたしました。
顔色が尋常でないほどに白いマシューお兄様は、「よく考えて行動するように」と言うと、私を連れて家路についた。
空気だったわ。
限りなく透明に近い存在になってたわ。
馬車の中ではお兄様から漂う悲壮感に同情心が湧く。
「お兄様、私よく考えて行動したのですけど」
同情はするけれど、ほんのちょっぴり納得していないので口を尖らせて抗議してみた。
驚いた顔をしたお兄様は少し考えた後に「ああ」と何か思いついたようだった。
「あの"良く考えて行動するように"はエクトルに対しての言葉だよ」
ふむ、それなら納得してあげましょう。
でも引っかかるのよね。色々と。
「エクトル様は私のことを硬いとか気持ち良くないとか冷たいとか気持ち悪いとか仰っていたけれど、私そんなに固いのかしら」
でも自分で服の上から胸を揉み揉みする限り柔らかい気がするけど。
「ぶーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
「あらまぁ、マシューお兄様汚い」
何も脈絡もなく唾を飛ばしたお兄様はそのまま頭を抱えてうずくまった。
汚いわ。
最近縫い上げたばかりのお気に入りのハンカチしか持ってなかったのだけど、気前よく貸してあげた。
チラリとこちらを見て素直に受け取ってくれて良かったわ。
「いいかい、マリエナ。あの男の言うことは、間に受けてはいけないよ」
後その胸を人前で揉むのははしたないからやめなさい。と口を拭き拭き、顔を引き攣らせてこちらに言い聞かせてくるお兄様。
あの男と呼んでいますが、お兄様お友達でしたよね?
ふむふむと頷いて考えるけど、よくわかったような分かってないようなあやふやな気分になった。
「……ところでなぜ今日は僕を連れてエクトルの家に行こうと思い立ったのだい?」
先ほどまでの雰囲気から打って変わって、やさーしく聞いて下さるので少し安心しました。
「昨日痛いことをされたので、もうしないで欲しいとお願いしたかったの。でも1人だと怖いから……」
あいつと2人っきりになるのは真平ゴメンだったので正直に話してみた。
あら?今度はお兄様の顔が赤くなりましたよ?
さっきから青、透明感の強い白、赤と変化して、まるでカメレオンみたいで面白いですね。
「昨日?」
あらやだ、えらい力が込められた“昨日”ですわね。
むしろ「ぎのゔ」って聞こえそうな勢いなので少し困惑する。
こくんと私が頷くと、深呼吸をするお兄様。
ぱくぱく口を動かして何か言おうとしているけど、言葉が出てこないみたい。
真似してぱくぱく口を同じように動かしてみた。
ん?これは「何を」って言いたいのかしら?
「胸を噛まれて、痛いって言うのに私を舐めて、股間を押し付けてきたの。痛いからソレを手で押し返したらヌルッとしたのをつけられたわ」
思い出したらムカムカしてきた。
なんだか最初は「私を必要としてくれている」「私が彼を興奮させている」という上擦った気持ちが心地良かったの。
でも私の意思を無視して焦るようにされて、今考えたらすごくいやだったのだと気付いた。
そして手についた粘ついたものは、拭いてもずっとついたまま拭いきれず気持ち悪かった。手をぐっぱーぐっぱーして感触を思い出してしまう。
エクトル様からも私の事は固くて気持ち良くなかったとの評価で、私は自分にがっかりしているのだ。
先ほどのアリス?さんは柔らかくて気持ち良かったと言われていた。
あんあん高い声出して気持ち良さそうにしていたわ。自分がするのは嫌だけど、気持ち良さそうなアリスさんが少し羨ましく感じた。
でもこのままエクトル様と結婚したところで、あの痛い事をされ続ける事を考えると憂鬱だなぁ。
お兄様からは何か言いたそうにしては黙るを繰り返して、それきり何も言わず、家に着いてから部屋に居なさいとの指示をもらった。
部屋に入り、服で傷口が擦れて痛いことが気になった。
軽く湯浴みをし、少し早いけど寝る時にいつも着るネグリジェに着替える。
そしてベットの上でアデラールに貰った可愛い薬壺を開けた。それはとてもいい香りがして幸せな気持ちになった。
ゆったりとした首元をずらして胸を出す。
そこには昨日よりは少しマシになったけれど赤黒くなった皮膚とか噛み跡とかがまだ残っていた。
薬を指先に少し多めに取る。
舐められたせいで荒れて瘡蓋のようになった乳首に少し塗り広げる。
塗り込めていく中で乳首が少しずつ芯を持ちはじめた。
薬に触れると不思議と痛みを感じなくなった。
逆に触れる心地よさが増した気がする。
最初は塗るだけだったのに何度も薬の滑りやすさで指で表面を撫でる度に少しずつ息が上がってきた。
今まで乳首をこんな風に刺激した事なんてなかった。
指の動きによって乳首が横向きになるのに、指が乳首の上を通り過ぎたらぴょこんと元の位置に戻る。
その刺激が気持ち良くて、薬を塗る行為なのに辞められずにしばらく指で触っていた。
私のおっぱいは硬くないどころかとても柔らかくて気持ちいいよね?
思い出すのは気持ち良いと喜んでいたアリスさん。(足だけしか見えなかったけど)
あの時、気持ち良い、気持ち良いって彼女思っていたわ。エクトル様も私の時より興奮していたわ……。
想像してみる。
私も気持ち良いって思われたい。
その相手はエクトル様じゃなかった。
アデラールなら、どんな顔で私のことを触れてくれるかしら。
急に胸が刺激を強く感じた。
右手で両胸の乳首を触る。
「ん、んっ……」
どうしても触りたくなって左手でネグリジェの裾を捲り、ショーツ越しに触れる。
エクトル様が執拗に触ってきたところを撫でる。
ここに、アデラールは薬を塗ってくれたわ。
もっと触れて欲しかったのに、すぐに終わってしまった。
もっと彼に触れられていたら、私もアリスさんみたいに気持ち良くなれたのかな?
「あっ」
ショーツの脇から指を少し入れる。
そこは今までなったことの無いくらい濡れていた。
自分から出た体液はすごくヌルヌルで夢中になって指で表面をなぞる。
「アデラール、アデラール……」
名前を呼ぶ度に彼がそこに居るような気分になる。
彼が、エクトル様じゃなくて、アデラールが、私に興奮してくれていたら……。
今朝、腕の中にいた距離感を思い出す。
そのまま抱きしめられていたら……。
どんな表情で私を抱き締めてくれるのか。
彼の体温を感じたい。
赤くなったエクトル様がアデラールの顔に置き換えられる。赤くなったアデラールが脳内にありありと浮かぶ。
彼に乳首を吸われたらどうなってしまうのだろう。
乳首を少し摘むと衝撃が走る。
「んっ!んっ!」
擦っていた指が止まる。
心臓がバクバクして身体が痙攣する。
少しだけ休憩してまだ、その先があるのかと左手で更に表面をなぞる。
頭がおかしくなるくらい気持ち良くて、しばらく辞められそうにない。
✴︎アデラールは初対面の時、「アデラールとお呼びください」と自己紹介をしています。
なので彼だけ呼び捨てにされています。
いつもはクールガイだと言わんばかりの彼からすると、今日は随分と表情筋が活躍しているみたい。
あんまりにもみたことのない表情だったものだから、おかしくて笑ってしまった。
「なっ、何がおかしいんだ!」
「だって、お尻丸出しですよ、エルー様」
「え、え、え、え、エルー様って呼ぶな!」
きらりと光を反射するほどハリのあるお尻を指差してひーひー笑ったら怒られました。
まぁ、確かにエクトル様としか呼んだことがないので、多分エルー様呼びはそこにいる白い足の君にだけ許された特別な呼び名なのでしょう。
「あらまぁ、それは失礼いたしました。エクトル様」
……
………
…………
?
黙って見つめていたら先に目を逸らしたのはあちら様で、更に見つめ続けているとモジモジし始めました。
「頼むから帰ってくれないか……」
お尻丸出しエクトル様は我々に背中をむけたままで、とても小さく感じました。
「あら、まぁ」
それは大変失礼いたしました。
顔色が尋常でないほどに白いマシューお兄様は、「よく考えて行動するように」と言うと、私を連れて家路についた。
空気だったわ。
限りなく透明に近い存在になってたわ。
馬車の中ではお兄様から漂う悲壮感に同情心が湧く。
「お兄様、私よく考えて行動したのですけど」
同情はするけれど、ほんのちょっぴり納得していないので口を尖らせて抗議してみた。
驚いた顔をしたお兄様は少し考えた後に「ああ」と何か思いついたようだった。
「あの"良く考えて行動するように"はエクトルに対しての言葉だよ」
ふむ、それなら納得してあげましょう。
でも引っかかるのよね。色々と。
「エクトル様は私のことを硬いとか気持ち良くないとか冷たいとか気持ち悪いとか仰っていたけれど、私そんなに固いのかしら」
でも自分で服の上から胸を揉み揉みする限り柔らかい気がするけど。
「ぶーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
「あらまぁ、マシューお兄様汚い」
何も脈絡もなく唾を飛ばしたお兄様はそのまま頭を抱えてうずくまった。
汚いわ。
最近縫い上げたばかりのお気に入りのハンカチしか持ってなかったのだけど、気前よく貸してあげた。
チラリとこちらを見て素直に受け取ってくれて良かったわ。
「いいかい、マリエナ。あの男の言うことは、間に受けてはいけないよ」
後その胸を人前で揉むのははしたないからやめなさい。と口を拭き拭き、顔を引き攣らせてこちらに言い聞かせてくるお兄様。
あの男と呼んでいますが、お兄様お友達でしたよね?
ふむふむと頷いて考えるけど、よくわかったような分かってないようなあやふやな気分になった。
「……ところでなぜ今日は僕を連れてエクトルの家に行こうと思い立ったのだい?」
先ほどまでの雰囲気から打って変わって、やさーしく聞いて下さるので少し安心しました。
「昨日痛いことをされたので、もうしないで欲しいとお願いしたかったの。でも1人だと怖いから……」
あいつと2人っきりになるのは真平ゴメンだったので正直に話してみた。
あら?今度はお兄様の顔が赤くなりましたよ?
さっきから青、透明感の強い白、赤と変化して、まるでカメレオンみたいで面白いですね。
「昨日?」
あらやだ、えらい力が込められた“昨日”ですわね。
むしろ「ぎのゔ」って聞こえそうな勢いなので少し困惑する。
こくんと私が頷くと、深呼吸をするお兄様。
ぱくぱく口を動かして何か言おうとしているけど、言葉が出てこないみたい。
真似してぱくぱく口を同じように動かしてみた。
ん?これは「何を」って言いたいのかしら?
「胸を噛まれて、痛いって言うのに私を舐めて、股間を押し付けてきたの。痛いからソレを手で押し返したらヌルッとしたのをつけられたわ」
思い出したらムカムカしてきた。
なんだか最初は「私を必要としてくれている」「私が彼を興奮させている」という上擦った気持ちが心地良かったの。
でも私の意思を無視して焦るようにされて、今考えたらすごくいやだったのだと気付いた。
そして手についた粘ついたものは、拭いてもずっとついたまま拭いきれず気持ち悪かった。手をぐっぱーぐっぱーして感触を思い出してしまう。
エクトル様からも私の事は固くて気持ち良くなかったとの評価で、私は自分にがっかりしているのだ。
先ほどのアリス?さんは柔らかくて気持ち良かったと言われていた。
あんあん高い声出して気持ち良さそうにしていたわ。自分がするのは嫌だけど、気持ち良さそうなアリスさんが少し羨ましく感じた。
でもこのままエクトル様と結婚したところで、あの痛い事をされ続ける事を考えると憂鬱だなぁ。
お兄様からは何か言いたそうにしては黙るを繰り返して、それきり何も言わず、家に着いてから部屋に居なさいとの指示をもらった。
部屋に入り、服で傷口が擦れて痛いことが気になった。
軽く湯浴みをし、少し早いけど寝る時にいつも着るネグリジェに着替える。
そしてベットの上でアデラールに貰った可愛い薬壺を開けた。それはとてもいい香りがして幸せな気持ちになった。
ゆったりとした首元をずらして胸を出す。
そこには昨日よりは少しマシになったけれど赤黒くなった皮膚とか噛み跡とかがまだ残っていた。
薬を指先に少し多めに取る。
舐められたせいで荒れて瘡蓋のようになった乳首に少し塗り広げる。
塗り込めていく中で乳首が少しずつ芯を持ちはじめた。
薬に触れると不思議と痛みを感じなくなった。
逆に触れる心地よさが増した気がする。
最初は塗るだけだったのに何度も薬の滑りやすさで指で表面を撫でる度に少しずつ息が上がってきた。
今まで乳首をこんな風に刺激した事なんてなかった。
指の動きによって乳首が横向きになるのに、指が乳首の上を通り過ぎたらぴょこんと元の位置に戻る。
その刺激が気持ち良くて、薬を塗る行為なのに辞められずにしばらく指で触っていた。
私のおっぱいは硬くないどころかとても柔らかくて気持ちいいよね?
思い出すのは気持ち良いと喜んでいたアリスさん。(足だけしか見えなかったけど)
あの時、気持ち良い、気持ち良いって彼女思っていたわ。エクトル様も私の時より興奮していたわ……。
想像してみる。
私も気持ち良いって思われたい。
その相手はエクトル様じゃなかった。
アデラールなら、どんな顔で私のことを触れてくれるかしら。
急に胸が刺激を強く感じた。
右手で両胸の乳首を触る。
「ん、んっ……」
どうしても触りたくなって左手でネグリジェの裾を捲り、ショーツ越しに触れる。
エクトル様が執拗に触ってきたところを撫でる。
ここに、アデラールは薬を塗ってくれたわ。
もっと触れて欲しかったのに、すぐに終わってしまった。
もっと彼に触れられていたら、私もアリスさんみたいに気持ち良くなれたのかな?
「あっ」
ショーツの脇から指を少し入れる。
そこは今までなったことの無いくらい濡れていた。
自分から出た体液はすごくヌルヌルで夢中になって指で表面をなぞる。
「アデラール、アデラール……」
名前を呼ぶ度に彼がそこに居るような気分になる。
彼が、エクトル様じゃなくて、アデラールが、私に興奮してくれていたら……。
今朝、腕の中にいた距離感を思い出す。
そのまま抱きしめられていたら……。
どんな表情で私を抱き締めてくれるのか。
彼の体温を感じたい。
赤くなったエクトル様がアデラールの顔に置き換えられる。赤くなったアデラールが脳内にありありと浮かぶ。
彼に乳首を吸われたらどうなってしまうのだろう。
乳首を少し摘むと衝撃が走る。
「んっ!んっ!」
擦っていた指が止まる。
心臓がバクバクして身体が痙攣する。
少しだけ休憩してまだ、その先があるのかと左手で更に表面をなぞる。
頭がおかしくなるくらい気持ち良くて、しばらく辞められそうにない。
✴︎アデラールは初対面の時、「アデラールとお呼びください」と自己紹介をしています。
なので彼だけ呼び捨てにされています。
応援ありがとうございます!
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