七不思議をつくろう

真山マロウ

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第六の不思議

冥利につきる

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 放課後。みんなに昼間のことを伝える。夏木くん以外は、香西さんたちのやり方に不快感を抱いた。

「約束を破るなんてありえないよ。断っていいと思う」
「ああ。そこまで協力してやる義理はない」
「ほんとですよ。最悪ですね、あの人。大嫌いです!」

 三者三様ご立腹。夏木くんだけは「中垣の好きにしたらいい」と本題そっちのけで、さしいれのアマンドショコラに夢中だ。羨ましい。私だって、のんきにおやつ食べたいよ。

 話しあったすえ、木島さんの要求は拒否することに決めた。香西さんについても、こちらからは二度とかかわらない結論になった。みんな(一名除く)が同意見だったのを後押し、かねてより考えていたことを吐露する。

「もし迷惑じゃなければ、少しのあいだでいいから七不思議を休みたいんだけど……」
 机の嫌がらせからずっとショックを引きずっていて、気持ちをリセットしたいと説明。

「いいんじゃないか、期限もないことだし。立て続けだったからな。小休止にしよう」
 志倉くんをはじめ全員が快諾してくれて、ひとまず一週間は集まるのもやめることにした。

「理事長には俺から言っとく」
 夏木くんが、みずから動いてくれる。めったにない気づかいが嬉しくて、ありがたい。

 解散後、まっすぐ家に帰る気になれず。だからといって、賑やかなところに寄り道もしっくりこず。なんとなく図書室に足をむける。入学以来、三回しか訪れたことがない場所。人がいるのに静かで、今の気分にぴったりに思えた。

 体裁をたもつため適当に本をとり、窓際の椅子に腰かける。まわりの生徒たちは読書したり勉強したり、それぞれに集中している。ささやかに耳に届く、ページをめくるのや文字を書く音が心地いい。のどかな時間、久しぶりかも。放課後は集まってばかりだったし。

 七不思議、最初は年内を目標にしていたけれど、夏休み前には終わりそうな勢いだ。ちょっと急ぎすぎたのかもしれない。本来の自分のペース、思いださないと。

 ぼんやり外を見ていると近くで気配がした。見覚えのない女子。たぶん一年生だ。目があうと紙片がさしだされた。

〈七不思議の人ですよね。いつも動画楽しみにしてます。頑張ってください〉

 最初なにがなんだかわからなかった。そのうち書かれている意味を把握して、「ありがとう」と小声で伝えた。

 その子は頬を赤らめほほえむと、ぺこんとお辞儀をして図書室をでていった。すごい宝物をもらったようで、鼻の奥がじんと痛んだ。
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