探偵は女子高生と共にやって来る。

飛鳥 進

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第壱話-結成

結成-7

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 長四郎、燐はしかめっ面で、校長室前で録音した音声データを聞いていた。

 事の始まりは、お茶の水署で一川警部と別れた長四郎が事務所へ帰宅する途中に燐から電話がかかってきたのだ。

「今回の犯人が分かった」と。
 長四郎は燐から犯人関する証拠を手に入れたというので事務所に来るよう指示し、こうして顔を突き合わせて録音データを聞く。

「ね、こいつらが犯人でしょ」
 音声データが終了したと同時に燐が感想を求める。

「それはないだろう」

「なんでよ!」
 まさか、自分の手柄を否定されるとは思わず憤慨する燐。
「良いか、女子高生。仮にこいつらが犯人だとして、何で生徒にあらぬ噂を立てる必要があるの? いちゃもんつけて学校から追い出すなら、簡単に噓でっち上げて追い出せるだろう。
それになんで事件起こして、学校の評判を落とすようなことしなきゃならんの?」

「それは・・・・・・ 校長が学校の権利を売ろうとしているとか!」

「権利売るなら金になるよう算段取るのが一般的じゃないか?
評判落として売り払うなんて聞いたことねぇよ」

「ぐっ・・・・・・」
 燐は苦虫を嚙み潰したような顔をし、反論を辞める。

「でも、収穫が無かったわけじゃない。
校長とPTA会長は、犯人を知っているのかもな」

「どうして分かるの?」

「あの会話の中身から察しただけかな?」

「それってどういう所で察せるの?」

「さぁ?」

「さぁ? って」
「で、刑事の写真を撮ってくれたんでしょ。見してちょーよ」

 燐は長四郎の言葉を受けて、写真アプリを開き撮った写真を見せる。

 そこには、談笑しながら歩いている田中山校長と青山PTA会長そして、菅刑事が写っていた。

「お~ でかした。でかした」と言いつつ、長四郎は内心焦る。

 何故なら、対象に気づかれずかつ対象を正確に撮っている。

 正直に言うと、探偵業務の中で長四郎が最も苦手としているのが対象の写真撮影なのだ。

 それを素人の女子高生が、いとも簡単に写真を撮ってこれる。

 これが、ジェネレーションギャップなのかと思う。

 幼き頃から、スマホとか携帯カメラに親しんでいるので隠し撮りもお手の物なのかもしれない。

「この三人をマークする?」

 燐は今後の捜査方針を尋ねる。

「それより、ラモちゃんが率先して動いていたっていう噂話の流出元。
それを探してよ」

「え~」

「この三人を追っても出てくるまで、時間がかかりすぎるから」

「噂話の方を追う方が、時間かかると思うけど」

「あ~ そういう事かラモちゃん.。友達いないから調べられないのというわけか」
 長四郎が言ったと同時に燐の拳が長四郎の右頬を貫く。

「どういう意味!? ああっ!!」
 鬼の形相で、長四郎を睨みつける燐。

「ひっ酷い! 親父にもぶたれたことないのに!!!」
 涙目で訴える長四郎だったが燐の怒りは収まる気配を見せない。

「んなこと知るか! 可憐で儚い女子高生を「ラモちゃん」とか呼ぶ変態に発言権はない」
 燐はうずくまって震える長四郎を見下ろしながら、冷徹に言い放つ。

「せっかくなら「ラムちゃん」に次ぐ負けないヒロインとしての呼び名をだなぁ~」

「Shut Up!!!」

「ひっ、ひい!!!」身を丸めて震える長四郎。

 もう一発お見舞いされそうになっている所で、事務所のドアが開く。

「どうしたと?」
 一川警部は吞気に事務所に入ってきた。

「あっ、一川さん。助けてください!!」

 長四郎はすぐさま、一川警部に飛びつく。

「なんね。なんね」

「聞いてくださいよ。刑事さん」
 燐は事情を一川警部に説明する。

「なるほどねーそれは、長さんが悪いわ」

「そんなご無体な」へたり込んでしまう長四郎。

「でもさ、ラモちゃん。
長さんの作戦は理にかなっているから、引き受けてあげてよぉ~」

 一川警部は燐に手を合わせてお願いする。

「分かりました。やります」
 燐は了承すると共におっさん二人は何故、自分の事を「ラモちゃん」と呼ぶのか。

 これから先、注意しても直らなさそうなので半ば諦める燐であった。
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