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第伍話-支援
支援-3
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「ねぇ、どう思います? 酷くないですか? 子供の頼みですよ」
「うんうん」
絢巡査長は燐の言葉に耳を傾ける。
燐は長四郎の事務所を出た後、警視庁本部にある命捜班の部屋を訪れていた。
目的は事件解決の為に、協力を仰ぎに来て今は長四郎の愚痴を聞いてもらっていた。
「ホント見損ないました」
「でもさ、理由があるんじゃない? ラモちゃんの依頼を引き受けない理由」
「私も理由を求めたんですよ」
「でも、回答は無かった」絢巡査長の言葉に頷く燐。
「いっつも、私には隠し事するんですよね」
出された煎餅を燐は食べ始める。
「男って隠し事したがるから。それに長さんってさ、そういうのがカッコイイとか思っているタイプじゃん」
「ふぉうでふ。ふぉうでふ(訳:そうです。そうです)」
「君達、男をなんやと思っとうと」
一川警部は捜査資料を持って、部屋に入ってきた。
「どうでしたか? やっぱり、事件性はありますよね?」
燐は意気揚々と一川警部に質問した。
「分からん」その一言だけ言い、一川警部は自分の席に着く。
「何でですか? 本人が冤罪って、言っていたんですよ」
「いや、ラモちゃんにそう言われて二課にも確認したけど、今の所、濃厚やって答えられたばい」
「そんなぁ~」
「それにね、ラモちゃん。長さんの言う通り、今回の件からは手を引いた方がええよ」
「何で?」
「それはねぇ~」
一川警部は遠い目をしながら、昔の出来事について話し始める。
10年前。
長四郎は、ある密室殺人事件の捜査に加わっていた。
事件は都内にある1ルームマンションで発生し、被害者その部屋の住人・土方 勲が刺殺体となって発見された。
部屋の鍵はかかっており、犯人の侵入経路が分からず警察は困り果てていた。
そして、犯人の候補も上がらず捜査は難航を極めていた。
一川警部は事件解決の為、長四郎に協力を仰いだ。
すぐに長四郎は密室トリックを暴き、犯人の目星までつけたのだ。
犯人は、被害者の恋人・沖部 耐子だった。
動機は、被害者からDVを受けており身の危険を感じそして、お腹の中にいる子供を守るために事件を起こした。
長四郎と一川警部は耐子が未成年であること、お腹の中の子供の事を考え、自首させようと動こうとしていた矢先の事であった。
ある週刊誌が、彼女が犯人であると事を記事にしたのだ。
実名報道で。
瞬く間にその情報は世間に浸透し、彼女はバッシングの嵐を浴びた。
その記事も酷いもので、耐子が勲の年収に不満を持ち殺害した金にがめつい女であるかのような事実無根の記事であった。
長四郎達はこの記事の情報源を探すと、情報源は所轄署の若い刑事であった。
犯人の情報を捜査員全員に共有していた。
しかし、その自首させるという情報は共有されておらず、今だに逮捕されないことに痺れを切らし週刊誌いや一人の記者に情報を売ったのだ。
その記者というのが、東正義である。
結果、その記事のせいで耐子はバッシングに耐え切れなくなり自殺をしてしまった。
これに長四郎は、怒り東に食ってかかった。
だが、東は我関せずといった感じで自分は正義を執行したと長四郎と一川警部に言い放ち、次の記事では長四郎が耐子を死に追いやったという記事を書いたのだ。
無論、でたらめな記事である。
長四郎が彼女に事件解決という目的のために、精神的苦痛を与えるような発言で追い詰めていったという事が書かれた。
長四郎もまた世間から非難の嵐を浴びる事となり、それをきっかけに推理する事を辞めた。
「という事があったと。だから、長さんはラモちゃんには今回の事件から手を引けと言っとうと」一川警部は苦いかおをしながら燐に忠告した。
「そんなんで、辞められるわけないじゃん! 第一さ、捏造記事だって言えばいいだけの話でしょ?」
「そう簡単にはいかないよ、ラモちゃん」
「何でですか? 絢さん」
「捏造記事の情報を鵜吞みにする人達は、一杯いるの。ラモちゃんだって、ニュースを見ていてそのニュースが噓だって思って見てないでしょ」
「まぁ」
「仮に、ニュースが噓でしたって世間一般に広まっても、噓のニュースを信じている人は必ずいる。それにね、そのニュースが噓ですっていう証拠がない限り、証明できる?」
「それは・・・・・・」
「いくら、自分が無実だって叫んでも世間は取り合ってくれないのよ」
燐は絢巡査長の発言に返す言葉が無くなり、黙ってしまう。
「なんにせよ、ラモちゃん。
相手が悪いから、今回の事件からは手を引きな」
「じゃあ、そのクズな記者に目をつけられないようにすれば良いだけだから。私、続けるから」
「止めても無駄みたいですね。一川さん」
絢巡査長は捜査資料に目を通す一川警部に視線を送る。
「若さゆえの過ちか。ラモちゃん、後悔せんようにね」
「分かった」
「じゃあ、絢ちゃん。宜しく」
「わ、私ですか!?」
絢巡査長は驚きながら、一川警部から捜査資料を渡される。
「絢さん、宜しくお願いします!!」燐は一礼する。
「分かりました。じゃあ、ラモちゃん。しっかりと言う事聞いてね」
「ラジャー(‘◇’)ゞ」
燐と絢巡査長は、林野 広自殺事件の再捜査に乗り出した。
「うんうん」
絢巡査長は燐の言葉に耳を傾ける。
燐は長四郎の事務所を出た後、警視庁本部にある命捜班の部屋を訪れていた。
目的は事件解決の為に、協力を仰ぎに来て今は長四郎の愚痴を聞いてもらっていた。
「ホント見損ないました」
「でもさ、理由があるんじゃない? ラモちゃんの依頼を引き受けない理由」
「私も理由を求めたんですよ」
「でも、回答は無かった」絢巡査長の言葉に頷く燐。
「いっつも、私には隠し事するんですよね」
出された煎餅を燐は食べ始める。
「男って隠し事したがるから。それに長さんってさ、そういうのがカッコイイとか思っているタイプじゃん」
「ふぉうでふ。ふぉうでふ(訳:そうです。そうです)」
「君達、男をなんやと思っとうと」
一川警部は捜査資料を持って、部屋に入ってきた。
「どうでしたか? やっぱり、事件性はありますよね?」
燐は意気揚々と一川警部に質問した。
「分からん」その一言だけ言い、一川警部は自分の席に着く。
「何でですか? 本人が冤罪って、言っていたんですよ」
「いや、ラモちゃんにそう言われて二課にも確認したけど、今の所、濃厚やって答えられたばい」
「そんなぁ~」
「それにね、ラモちゃん。長さんの言う通り、今回の件からは手を引いた方がええよ」
「何で?」
「それはねぇ~」
一川警部は遠い目をしながら、昔の出来事について話し始める。
10年前。
長四郎は、ある密室殺人事件の捜査に加わっていた。
事件は都内にある1ルームマンションで発生し、被害者その部屋の住人・土方 勲が刺殺体となって発見された。
部屋の鍵はかかっており、犯人の侵入経路が分からず警察は困り果てていた。
そして、犯人の候補も上がらず捜査は難航を極めていた。
一川警部は事件解決の為、長四郎に協力を仰いだ。
すぐに長四郎は密室トリックを暴き、犯人の目星までつけたのだ。
犯人は、被害者の恋人・沖部 耐子だった。
動機は、被害者からDVを受けており身の危険を感じそして、お腹の中にいる子供を守るために事件を起こした。
長四郎と一川警部は耐子が未成年であること、お腹の中の子供の事を考え、自首させようと動こうとしていた矢先の事であった。
ある週刊誌が、彼女が犯人であると事を記事にしたのだ。
実名報道で。
瞬く間にその情報は世間に浸透し、彼女はバッシングの嵐を浴びた。
その記事も酷いもので、耐子が勲の年収に不満を持ち殺害した金にがめつい女であるかのような事実無根の記事であった。
長四郎達はこの記事の情報源を探すと、情報源は所轄署の若い刑事であった。
犯人の情報を捜査員全員に共有していた。
しかし、その自首させるという情報は共有されておらず、今だに逮捕されないことに痺れを切らし週刊誌いや一人の記者に情報を売ったのだ。
その記者というのが、東正義である。
結果、その記事のせいで耐子はバッシングに耐え切れなくなり自殺をしてしまった。
これに長四郎は、怒り東に食ってかかった。
だが、東は我関せずといった感じで自分は正義を執行したと長四郎と一川警部に言い放ち、次の記事では長四郎が耐子を死に追いやったという記事を書いたのだ。
無論、でたらめな記事である。
長四郎が彼女に事件解決という目的のために、精神的苦痛を与えるような発言で追い詰めていったという事が書かれた。
長四郎もまた世間から非難の嵐を浴びる事となり、それをきっかけに推理する事を辞めた。
「という事があったと。だから、長さんはラモちゃんには今回の事件から手を引けと言っとうと」一川警部は苦いかおをしながら燐に忠告した。
「そんなんで、辞められるわけないじゃん! 第一さ、捏造記事だって言えばいいだけの話でしょ?」
「そう簡単にはいかないよ、ラモちゃん」
「何でですか? 絢さん」
「捏造記事の情報を鵜吞みにする人達は、一杯いるの。ラモちゃんだって、ニュースを見ていてそのニュースが噓だって思って見てないでしょ」
「まぁ」
「仮に、ニュースが噓でしたって世間一般に広まっても、噓のニュースを信じている人は必ずいる。それにね、そのニュースが噓ですっていう証拠がない限り、証明できる?」
「それは・・・・・・」
「いくら、自分が無実だって叫んでも世間は取り合ってくれないのよ」
燐は絢巡査長の発言に返す言葉が無くなり、黙ってしまう。
「なんにせよ、ラモちゃん。
相手が悪いから、今回の事件からは手を引きな」
「じゃあ、そのクズな記者に目をつけられないようにすれば良いだけだから。私、続けるから」
「止めても無駄みたいですね。一川さん」
絢巡査長は捜査資料に目を通す一川警部に視線を送る。
「若さゆえの過ちか。ラモちゃん、後悔せんようにね」
「分かった」
「じゃあ、絢ちゃん。宜しく」
「わ、私ですか!?」
絢巡査長は驚きながら、一川警部から捜査資料を渡される。
「絢さん、宜しくお願いします!!」燐は一礼する。
「分かりました。じゃあ、ラモちゃん。しっかりと言う事聞いてね」
「ラジャー(‘◇’)ゞ」
燐と絢巡査長は、林野 広自殺事件の再捜査に乗り出した。
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