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第伍話-支援
支援-5
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長四郎達一行は、丸の内にある東正義の事務所へと来ていた。
オフィスはビルの最上階にあり従業員も50人は超えている大手事務所となっていて、先程まで訪れていた寂れた雑居ビルとは大きく変わっていたので驚きを隠せない3人。
広すぎる応接室で待つよう指示をされた三人は、東が姿を現すのを待った。
「ねぇ、めちゃくちゃ羽振り良くない?」
燐はキョロキョロと辺りを見ながら、長四郎に話を投げかける。
「そうだな」
そう答えながら長四郎は反対の方向を向き、窓からの景色を眺める。
窓からは東京駅のホームが見えた。
「このビルは、あれだな。シン・ゴジラが来たら真っ先に潰されるビルだな」
そう言って一人、うんうんと頷く長四郎。
「言っている意味わかんない。てか、2年でここに引っ越せるってどういう事なんだろう」
「確かに、気になるわよね」絢巡査長は、燐の意見に賛成する。
「それは、言い掛かりですよ」
そう言いながら、東は部屋に入ってきた。
「盗聴でもしていたの?」燐は眉を上げ、東を睨みつける。
「とんでもない。あんな大きな声で話していたら外まで聞こえますよ」
東はそう答えると自分の席に着く。
「初めまして。私、警視庁捜査一課命捜班の絢と申します」
絢巡査長が名刺を差し出すと、東は雑に受け取り名刺を見て鼻で笑う。
「良く存じてますよ。ここ最近、目覚ましい活躍をしている部署ですよね」
「そうですけど。それが何か?」
答えたのは、絢巡査長ではなく燐であった。
「失礼ですが、あなたは?」
「私は、超絶怒涛の美人女子高生探偵!! 羅猛燐でぇ~す」
燐はギャルピースを決め、自己紹介をする。
「探偵さんですか」
「その娘の言う事は真に受けないでください。東さん」長四郎は東の方に椅子を向ける。
「失礼ですが、あなたは?」
燐にしたのと同じ質問をすると長四郎は一瞬、顔を歪めるが気にせず東の質問に答える。
「私は、探偵の熱海 長四郎です」
名刺を差し出すと、東はこれまた雑に受け取る。
「どこかで聞いたような名前だな。熱海・・・・・・熱海・・・・・・」
東は記憶を引き起こそうとする。
「思い出さなくて結構ですよ。それより、本題に入っても?」
「え、ああ。どうぞ」
「では、あなたが記事にした林野広さんが自殺したことはご存じですよね?」
長四郎の質問に、そんな事かといった顔をしながら東は答える。
「知っていますよ。残念なでしたね」
「残念な事って。あんたがあんな記事を書いたから、自殺したんでしょ!!」
燐が机をバンッと叩く。
「全く、探偵が聞いてあきれる。探偵と仰るのなら、何か証拠でもあるんですか? 私が書いた記事のせいで自殺したという証拠が。ええっ!!」
「そ、それは・・・・・・」燐は長四郎に助けを求める視線を送る。
だが、長四郎は燐の視線に目を向けず、そっぽを向く。
「で、刑事さんもその件でこちらに見えられたんですか?」
「はい。そうですけど」
「あなた方、よっぽど暇と見受けられる。
私、こう見えて忙しいんですよ。
これからも取材に行かなきゃいけないんでね」
それだけ言うと、東は部屋を退室した。
「あ~あ。話、聞きそびれちゃった」長四郎は隣に座る燐を見る。
「私のせいだっていうの?」
「うん」と即答する長四郎。
「違いますよね。絢さん」
「それは・・・・・・」返答に困る絢巡査長。
確かに、燐があそこで余計な事を言わなければもう少し話を聞けたのかもしれないと思う所もあった。
「おい、絢ちゃんを困らせんなよ」
「困らせてませぇ~ん」
「取り敢えず、帰りましょう」
絢巡査長は立ち上がりながら、口喧嘩する2人にそう言われた長四郎と燐は東の事務所を後にした。
3人が出ていくのを確認した事務所の従業員・北西は駆け足で東の元へ報告に向かう。
「今、エレベーターに乗って退散しました」
「そうか。早速、この3人の調査を開始しろ」
東は北西に長四郎と絢巡査長の名刺そして、燐のフルネームが書かれたメモを渡す。
「分かりました。一つ聞いても?」
「何だ」
「あの人達は、何か不正をしているのですか? ウチが挙げたスクープについて調べていたようですが」
「お前、聞いていたのか?」
「も、申し訳ありません!!」
長四郎達が居た応接間に、盗聴器が仕掛けられていたのだ。
「いや、謝る必要はない。それで、奴らは俺が出ていった後に何か言っていなかったか?」
「いえ、何も」
「あいつら、俺たちの記事にいちゃもんをつけたいだけだ。とはいえ、出る芽は潰しておきたい。叩けば人間、必ず埃は出てくるわけだし、正義はこちらにある」
「直ちに、調べます」
「頼む」という東の言葉と同時に、北西は長四郎達の調査に向かった。
北西が出ていくのを見送ると、東は机の中の引き出しから林野の記事が載った雑誌を取り出し該当のページを開く。
そして、東はこの記事を世に出した時の事を思い出す。
この仕事をしてきた中で、一番大きな反響と絶賛を浴びた。
賞を取るのではないかと話が上がっているらしい。
ここまで来るのに苦労した。
「ペンは剣よりも強し」この言葉を胸に自分の正義否世の正義を実行してきた自負がある。
それを邪魔する奴は、誰であろうと許さない。
東はそう決意するのであった。
オフィスはビルの最上階にあり従業員も50人は超えている大手事務所となっていて、先程まで訪れていた寂れた雑居ビルとは大きく変わっていたので驚きを隠せない3人。
広すぎる応接室で待つよう指示をされた三人は、東が姿を現すのを待った。
「ねぇ、めちゃくちゃ羽振り良くない?」
燐はキョロキョロと辺りを見ながら、長四郎に話を投げかける。
「そうだな」
そう答えながら長四郎は反対の方向を向き、窓からの景色を眺める。
窓からは東京駅のホームが見えた。
「このビルは、あれだな。シン・ゴジラが来たら真っ先に潰されるビルだな」
そう言って一人、うんうんと頷く長四郎。
「言っている意味わかんない。てか、2年でここに引っ越せるってどういう事なんだろう」
「確かに、気になるわよね」絢巡査長は、燐の意見に賛成する。
「それは、言い掛かりですよ」
そう言いながら、東は部屋に入ってきた。
「盗聴でもしていたの?」燐は眉を上げ、東を睨みつける。
「とんでもない。あんな大きな声で話していたら外まで聞こえますよ」
東はそう答えると自分の席に着く。
「初めまして。私、警視庁捜査一課命捜班の絢と申します」
絢巡査長が名刺を差し出すと、東は雑に受け取り名刺を見て鼻で笑う。
「良く存じてますよ。ここ最近、目覚ましい活躍をしている部署ですよね」
「そうですけど。それが何か?」
答えたのは、絢巡査長ではなく燐であった。
「失礼ですが、あなたは?」
「私は、超絶怒涛の美人女子高生探偵!! 羅猛燐でぇ~す」
燐はギャルピースを決め、自己紹介をする。
「探偵さんですか」
「その娘の言う事は真に受けないでください。東さん」長四郎は東の方に椅子を向ける。
「失礼ですが、あなたは?」
燐にしたのと同じ質問をすると長四郎は一瞬、顔を歪めるが気にせず東の質問に答える。
「私は、探偵の熱海 長四郎です」
名刺を差し出すと、東はこれまた雑に受け取る。
「どこかで聞いたような名前だな。熱海・・・・・・熱海・・・・・・」
東は記憶を引き起こそうとする。
「思い出さなくて結構ですよ。それより、本題に入っても?」
「え、ああ。どうぞ」
「では、あなたが記事にした林野広さんが自殺したことはご存じですよね?」
長四郎の質問に、そんな事かといった顔をしながら東は答える。
「知っていますよ。残念なでしたね」
「残念な事って。あんたがあんな記事を書いたから、自殺したんでしょ!!」
燐が机をバンッと叩く。
「全く、探偵が聞いてあきれる。探偵と仰るのなら、何か証拠でもあるんですか? 私が書いた記事のせいで自殺したという証拠が。ええっ!!」
「そ、それは・・・・・・」燐は長四郎に助けを求める視線を送る。
だが、長四郎は燐の視線に目を向けず、そっぽを向く。
「で、刑事さんもその件でこちらに見えられたんですか?」
「はい。そうですけど」
「あなた方、よっぽど暇と見受けられる。
私、こう見えて忙しいんですよ。
これからも取材に行かなきゃいけないんでね」
それだけ言うと、東は部屋を退室した。
「あ~あ。話、聞きそびれちゃった」長四郎は隣に座る燐を見る。
「私のせいだっていうの?」
「うん」と即答する長四郎。
「違いますよね。絢さん」
「それは・・・・・・」返答に困る絢巡査長。
確かに、燐があそこで余計な事を言わなければもう少し話を聞けたのかもしれないと思う所もあった。
「おい、絢ちゃんを困らせんなよ」
「困らせてませぇ~ん」
「取り敢えず、帰りましょう」
絢巡査長は立ち上がりながら、口喧嘩する2人にそう言われた長四郎と燐は東の事務所を後にした。
3人が出ていくのを確認した事務所の従業員・北西は駆け足で東の元へ報告に向かう。
「今、エレベーターに乗って退散しました」
「そうか。早速、この3人の調査を開始しろ」
東は北西に長四郎と絢巡査長の名刺そして、燐のフルネームが書かれたメモを渡す。
「分かりました。一つ聞いても?」
「何だ」
「あの人達は、何か不正をしているのですか? ウチが挙げたスクープについて調べていたようですが」
「お前、聞いていたのか?」
「も、申し訳ありません!!」
長四郎達が居た応接間に、盗聴器が仕掛けられていたのだ。
「いや、謝る必要はない。それで、奴らは俺が出ていった後に何か言っていなかったか?」
「いえ、何も」
「あいつら、俺たちの記事にいちゃもんをつけたいだけだ。とはいえ、出る芽は潰しておきたい。叩けば人間、必ず埃は出てくるわけだし、正義はこちらにある」
「直ちに、調べます」
「頼む」という東の言葉と同時に、北西は長四郎達の調査に向かった。
北西が出ていくのを見送ると、東は机の中の引き出しから林野の記事が載った雑誌を取り出し該当のページを開く。
そして、東はこの記事を世に出した時の事を思い出す。
この仕事をしてきた中で、一番大きな反響と絶賛を浴びた。
賞を取るのではないかと話が上がっているらしい。
ここまで来るのに苦労した。
「ペンは剣よりも強し」この言葉を胸に自分の正義否世の正義を実行してきた自負がある。
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