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第拾参話-過去
過去-5
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「長さん、それはどういう事?」一川巡査部長が説明を求める。
「実は俺、入り口に置いてあるあの椅子にポツンと1人で座っていたんですよ」
長四郎は入り口に置いてある1人掛けの椅子を指差して答えた。
「それは、本当なの?」そう問う玲に「店員さんに聞いてもらえば分かりますよ」冷静に返答した。
一応、事実確認の為に一川巡査部長を確認に向かわした玲は話を続ける。
「どうして、そこに居たの?」
「どうしてって、親戚の集まりで来店したんすけど。それがあまりに退屈過ぎて、さっさと料理を食べてトイレ行くふりしてあそこで避難していただけですよ。因みに、俺がトイレを出た時、被害者の方とすれ違いました」
「そうなの」
長四郎の家庭には何か複雑な事情があると勝手に思い込み、玲はそれ以上深堀しないことにした。
「あのぉ~私は、もう良いでしょうか?」
「ああ、すいません。もう一度、話を聞かせて貰ってもどのタイミングで見られたんですか? 覆面の男を」
「ええ、確かに見ましたよ」稲垣は苦し紛れな顔で答える。
「と稲垣さん入っているけど、君の意見は?」
「う~ん。失礼ですが稲垣さん、身体検査をさせて頂いても?」
「はい?」
稲垣は男子高校生からの思わぬ提案に戸惑っていると、「そんな事をして何になるの?」と玲が助け舟を出した。
「犯人を特定する為ですよ。稲垣さんは、被害者とは面識がありかつ共に来店されたんですよね?」
「ええ、まぁ」
「でしたら、一番被害者を殺す理由があるのは貴方じゃないですか。それに、あなた以外から覆面男の目撃情報がないんですよね。普通は、1人ぐらい出て来てもおかしくないのに」
「そ、それは・・・・・・」
「ちょっと待って! 貴方の言い分だと、稲垣さんが犯人だという事?」
「さっきからそう話してますけど。どうです? ここで疑いを晴らすために、身体検査をして被害者の財布を持っていないとか食べ物に仕込んだ毒物の残りカス等を持っていないかを調べて疑いを晴らしませんか?」
長四郎がそう言った途端に稲垣は、長四郎を突き飛ばしてその場から走り逃げ出した。
「実は俺、入り口に置いてあるあの椅子にポツンと1人で座っていたんですよ」
長四郎は入り口に置いてある1人掛けの椅子を指差して答えた。
「それは、本当なの?」そう問う玲に「店員さんに聞いてもらえば分かりますよ」冷静に返答した。
一応、事実確認の為に一川巡査部長を確認に向かわした玲は話を続ける。
「どうして、そこに居たの?」
「どうしてって、親戚の集まりで来店したんすけど。それがあまりに退屈過ぎて、さっさと料理を食べてトイレ行くふりしてあそこで避難していただけですよ。因みに、俺がトイレを出た時、被害者の方とすれ違いました」
「そうなの」
長四郎の家庭には何か複雑な事情があると勝手に思い込み、玲はそれ以上深堀しないことにした。
「あのぉ~私は、もう良いでしょうか?」
「ああ、すいません。もう一度、話を聞かせて貰ってもどのタイミングで見られたんですか? 覆面の男を」
「ええ、確かに見ましたよ」稲垣は苦し紛れな顔で答える。
「と稲垣さん入っているけど、君の意見は?」
「う~ん。失礼ですが稲垣さん、身体検査をさせて頂いても?」
「はい?」
稲垣は男子高校生からの思わぬ提案に戸惑っていると、「そんな事をして何になるの?」と玲が助け舟を出した。
「犯人を特定する為ですよ。稲垣さんは、被害者とは面識がありかつ共に来店されたんですよね?」
「ええ、まぁ」
「でしたら、一番被害者を殺す理由があるのは貴方じゃないですか。それに、あなた以外から覆面男の目撃情報がないんですよね。普通は、1人ぐらい出て来てもおかしくないのに」
「そ、それは・・・・・・」
「ちょっと待って! 貴方の言い分だと、稲垣さんが犯人だという事?」
「さっきからそう話してますけど。どうです? ここで疑いを晴らすために、身体検査をして被害者の財布を持っていないとか食べ物に仕込んだ毒物の残りカス等を持っていないかを調べて疑いを晴らしませんか?」
長四郎がそう言った途端に稲垣は、長四郎を突き飛ばしてその場から走り逃げ出した。
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