探偵は女子高生と共にやって来る。

飛鳥 進

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第拾捌話-美味

美味-7

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 一川警部は頼まれたことを調べ終え、長四郎達を探していた。
「どこ、行ったんやろ?」
 一川警部は事件現場を行ったり来たりしながら長四郎達を探していると、「何しているんですか?」絢巡査長に声を掛けられる。
「あ、絢ちゃん。長さん達がどこ行ったか。分かる?」
「そう言えば、居ませんね」
「絢ちゃんは、なんばしよったと?」
「実は、料理の鑑識作業が終わったそうで、取り皿に分けられた料理の一部からテトロドトキシンが検出されたそうです」
「はいたぁー無差別殺人かいね」一川警部がスキンヘッドの頭をペチペチと叩きながら驚く。
「テトロドトキシンってことは、ふぐ毒か」
 一川警部の真後ろから声を掛けたので、「うわっ!!」と驚き身体をピンっと跳ね上がらせる。
「そんなに驚かなくても・・・・・・」
「いや、ごめん。ごめん」一川警部は申し訳なさそうに謝罪する。
「何も謝らなくても、それより俺が頼んだことはどうでした?」
「ああ、一応参加者リストと現状残っている人物の中で帰っておった人は10人。いずれも連絡が取れたばい」
「そうですか」
「ねぇ、帰った人の中に犯人が居るの?」燐がそう聞くと「居ないな」とだけ答える長四郎。
「じゃあ、どうして調べてもらった訳?」
「いや、犯人が現場から離れる事もあるかなって。でも、その可能性はなさそうだな」
「何で言い切れるのよ」
「それは、犯人が目的の人物を殺すからでしょ」
「ちょっと待ってください」絢巡査長が待ったをかけ自分の疑問をぶつける。
「長さんの推理だと、今回の事件は無差別殺人ではなく特定の人間を狙った事件。そういう事ですか?」
「ま、そういう事になるわな。ラモちゃんの当てずっぽうの推理もあながち間違いではなかったと言う訳だ」
「なんか、褒められているのか、けなされているのかよく分かんないんだけど」
「あら、やだわ。この私がラモちゃんの事を褒めているのに」
 突然、女言葉になる長四郎に苛立ちを覚えた燐の鉄拳制裁がお見舞いされる。
『ナイス、パンチ』
 命捜班の2人は、燐の繰り出した華麗なるストレートパンチを見て拍手する。
「なぁ、長さん。被害者の瞳さんは標的やったと?」一川警部の問いに「そうですよ。もう1人は谷原雄一ですよ」と長四郎は燐に殴られた所を抑えながら答える。
「確かに、谷原雄一が食べた料理からもテトロドトキシンが検出されました」
「じゃあ、臭いだけで危機を感じ取っていたって事?」
「ラモちゃん、そんな訳ないじゃん。あのおっさんの場合、味が合わず吐き出しただけのラッキーだったっていうのが俺の考え」
「そう」素っ気ない反応を見せる燐。
「んだよ」
「長さん、という事は犯人の目星がついとうと?」
「ついとうとよ。一川さん」
「誰なんです?」
「簡単な答えでしょ。じゃ、俺は帰るから。ラモちゃん後は宜しく」
 長四郎はそう言って、去っていった。
「マジで帰るの?」
 燐は長四郎の前に立ちはだかり行く手を阻むのだが、「カエルが鳴くから帰~る」と言って燐の横をすり抜けて帰った。
 燐もこれ以上引き留めても無駄だと思い、自力で事件を解決する覚悟を決めた。
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