373 / 770
第弐拾弐話-結社
結社-8
しおりを挟む
長四郎達四人は、難波塚児が殺害された現場へと来た。
「ここで、死んでたんだ」燐は辺りをきょろきょろと見回しながら、事件の手掛かりになりそうな物を探す。
「そう。少し目を離してしまってな。その間にやられたらしい」
「なんで、目を離したの?」
「それはぁ~ 疲れてたのもあるしぃ~ 人混みの中で見失ったのぉ~ そんでぇ~ 浮気相手であろう女も見失ったのぉ~」
「その女の正体は掴めているんですか?」絢巡査長の質問に首を振り、否定する長四郎。
「そうですか。女の写真は?」
長四郎は黙ったままスマホを取り出し、塚児と一緒に映った女の写真を見せた。
塚児と腕を組み楽しそうに歩いている所の写真であった。
「この女性ですか?」絢巡査長の問いかけに長四郎は黙って頷く。
塚児と共に歩いている女はロングの髪で、童顔な顔が特徴の女であった。
「へぇ~ これが浮気相手」燐は興味深い顔をして、長四郎のスマホの写真を覗き込む。
「それより、この女が組織に関わっているって事ありません?」
「絢ちゃん。あたしもそれを言おうと思っとったばい」
一川警部は嬉しそうに絢巡査長の意見に賛同する。
「じゃあ、それは、そっちで調べてください」
「はいよ。長さんはどうすると?」
「奥さんの方を」
『なんで、奥さん?」
命捜班の二人が声を揃えて質問する。
「実は、かくかくしかじかで」
「成程。かくかくしかじかね。成程。成程」
「いや、分かるんかい!」
納得する一川警部にツッコミを入れる燐。
「あたしと長さんの長い付き合いやけんね。分かると」
「一川さん。BL物じゃないから、そう言い方しないで」
「ま、兎に角、私達は浮気相手を。長さん達は、奥さんの方を追うってことで。何か情報があれば即共有ということで」
絢巡査長のこの提案に、残りの三人は「ラジャー」と敬礼しながら返事をする。
こうして、一川警部達と別れた長四郎と燐は塚児の妻・桑子が居る葬儀場へと移動する電車の中で、燐は事件について長四郎に質問をしていた。
「ねぇ、犯人は組織の人間だと思う?」
「おう」
「あんた的にはさ、奥さんの桑子さんが組織の人間だって思っているの?」
「おう」
「警察内部にもデモンみたいな奴がいるって思っている?」
「おう」
「ねぇ、さっきから空返事ばっかりじゃん。何、考えてんの?」
「色々」
「色々ねぇ~」
燐は不服そうに窓の向こうの景色を見る。
「うん? ああ、いや、ダメだ」
「何がダメなの?」
燐の問いにも答えず、長四郎はぶつぶつと呟きながら考えごとを張り巡らされているのはよく分かったので、燐は質問をぶつけるのを止めた。
そして、ぶつぶつと呟く長四郎を気味悪がり、乗客達は長四郎と燐から距離を取り始めるのだった。
「ここで、死んでたんだ」燐は辺りをきょろきょろと見回しながら、事件の手掛かりになりそうな物を探す。
「そう。少し目を離してしまってな。その間にやられたらしい」
「なんで、目を離したの?」
「それはぁ~ 疲れてたのもあるしぃ~ 人混みの中で見失ったのぉ~ そんでぇ~ 浮気相手であろう女も見失ったのぉ~」
「その女の正体は掴めているんですか?」絢巡査長の質問に首を振り、否定する長四郎。
「そうですか。女の写真は?」
長四郎は黙ったままスマホを取り出し、塚児と一緒に映った女の写真を見せた。
塚児と腕を組み楽しそうに歩いている所の写真であった。
「この女性ですか?」絢巡査長の問いかけに長四郎は黙って頷く。
塚児と共に歩いている女はロングの髪で、童顔な顔が特徴の女であった。
「へぇ~ これが浮気相手」燐は興味深い顔をして、長四郎のスマホの写真を覗き込む。
「それより、この女が組織に関わっているって事ありません?」
「絢ちゃん。あたしもそれを言おうと思っとったばい」
一川警部は嬉しそうに絢巡査長の意見に賛同する。
「じゃあ、それは、そっちで調べてください」
「はいよ。長さんはどうすると?」
「奥さんの方を」
『なんで、奥さん?」
命捜班の二人が声を揃えて質問する。
「実は、かくかくしかじかで」
「成程。かくかくしかじかね。成程。成程」
「いや、分かるんかい!」
納得する一川警部にツッコミを入れる燐。
「あたしと長さんの長い付き合いやけんね。分かると」
「一川さん。BL物じゃないから、そう言い方しないで」
「ま、兎に角、私達は浮気相手を。長さん達は、奥さんの方を追うってことで。何か情報があれば即共有ということで」
絢巡査長のこの提案に、残りの三人は「ラジャー」と敬礼しながら返事をする。
こうして、一川警部達と別れた長四郎と燐は塚児の妻・桑子が居る葬儀場へと移動する電車の中で、燐は事件について長四郎に質問をしていた。
「ねぇ、犯人は組織の人間だと思う?」
「おう」
「あんた的にはさ、奥さんの桑子さんが組織の人間だって思っているの?」
「おう」
「警察内部にもデモンみたいな奴がいるって思っている?」
「おう」
「ねぇ、さっきから空返事ばっかりじゃん。何、考えてんの?」
「色々」
「色々ねぇ~」
燐は不服そうに窓の向こうの景色を見る。
「うん? ああ、いや、ダメだ」
「何がダメなの?」
燐の問いにも答えず、長四郎はぶつぶつと呟きながら考えごとを張り巡らされているのはよく分かったので、燐は質問をぶつけるのを止めた。
そして、ぶつぶつと呟く長四郎を気味悪がり、乗客達は長四郎と燐から距離を取り始めるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
『お兄ちゃんのオタクを卒業させてみせるんだからね❤ ~ブラコン妹と幼馴染オタク姫の果てしなき戦い~』
本能寺から始める常陸之介寛浩
青春
「大好きなはずなのに……! 兄の『推し活』が止まらない!?」
かつて、私は信じていた。
優しくて、頼もしくて、ちょっと恥ずかしがり屋な──
そんな普通のお兄ちゃんを。
でも──
中学卒業の春、
帰ってきた幼馴染みの“オタク姫”に染められて、
私のお兄ちゃんは**「推し活命」**な存在になってしまった!
家では「戦利品だー!」と絶叫し、
年末には「聖戦(コミケ)」に旅立ち、
さらには幼馴染みと「同人誌合宿」まで!?
……ちがう。
こんなの、私の知ってるお兄ちゃんじゃない!
たとえ、世界中がオタクを称えたって、
私は、絶対に──
お兄ちゃんを“元に戻して”みせる!
これは、
ブラコン妹と
中二病オタク姫が、
一人の「兄」をめぐって
全力でぶつかり合う、果てしなき戦いの物語──!
そしていつしか、
誰も予想できなかった
本当の「大好き」のカタチを探す、
壮大な青春ストーリーへと変わっていく──。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる