探偵は女子高生と共にやって来る。

飛鳥 進

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第弐拾伍話-対決

対決-14

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「羅猛さんの家、凄いね・・・・・・」
 燐の部屋を見て、啞然とする芽衣の目の前にはゴミ屋敷という言葉が相応しい光景が広がっていた。
 長四郎と勇仁がナイトクラブで格闘している頃、燐は自宅が荒らされていた芽衣を自宅マンションへと連れ帰った。
 芽衣を保護する為である。
「そう。気にせず、入って。入って」
 燐はそう言いながら、手招きをして招き入れようとする。
「お、お邪魔しまぁ~す」
 芽衣は掃除しようと思いながら、燐の部屋へと足を踏み入れるのであった。
 リビングへと通された芽衣は、玄関よりも足の踏み場もない部屋にゾッとする。
「どうしたの? あ、そのソファーに座って」
 燐が指さす方向にソファーの背もたれらしきものが見えた。
 芽衣は指示通りに従い、床に転がっているゴミ袋を蹴り飛ばしながらソファーに向かう。
 燐はそのままキッチンに行き、飲み物を用意する。
 ソファーの座面には、脱ぎ散らかされた服がこんもりと積まれており、芽衣は床のゴミ袋を蹴飛ばすと、カサカサと茶色い物体が床に転がっているゴミ袋の隙間に消えていった。
「もう無理ぃ~」芽衣は絶叫するのだった。
「それで、人の事務所にいる訳?」
 長四郎は自分のベッドで眠る芽衣を見ながら、朝食を用意する燐に告げる。
「そう。ここに居られないって」
 燐はそう言いながら、皿に目玉焼きを載せる。
「全く、俺に断りもなく入れるなよな」
「あんたに電話したけど、出なかっただけでしょ」
「え? 電話したの?」
 長四郎はすぐにスマホの着信履歴を確認しようとするが、スマホの画面はバキバキに割れており電源が落ちた状態であった。
「あ、ごめん。壊れてたわ」
 長四郎は昨晩の戦闘の時に壊れたのだと察した。
 ただでさえ、身体中のあちこち痛むのにスマホまで壊れるとは今回の事件は面倒くさいとも思う。
「さ、出来た。芽衣ちゃん。起きて」
 ベッドで眠りにつく芽衣の身体を揺さぶって起こす。
「う~ん。後、もう少し」
「ダメ。今日でテスト最終日なんだから。お兄さんの捜索どうするの?」
「分かった。起きる」
 芽衣はベッドから身体を起こして、燐が用意した朝食が置いてあるテーブルへと向かう。
「あ、探偵さん。おはようございます」
「おはよう」
「ご飯食べて、学校行くよ」
「はぁ~い」
 芽衣はそう返事して、燐が用意した朝ご飯を食べ始める。
 そして、長四郎は気づくのだった。自分の朝食が用意されていないことに。
 燐と芽衣は朝食を食べ終え、学校へと登校するのだった。
 一学期末テスト最終日、燐はそつなくテストをこなして行方不明の慶次の捜索について思案する。
 テストの終了を示すチャイムが鳴り、燐はすぐさま動き出した。
 芽衣の机に向かいこう告げた。
「これから、お兄さんの勤務先に行くよ」
「今から?」
「そう」
「いきなり、行ってもこの前みたいになるだけだよ」
「その点は心配ない。テストの間に案は思いついているから」
 燐はそう言って、ウインクする。
 二人は慶次が勤務する金星創業近くの紳士服店に来ていた。
「どうかな? 似合ってるかな?」
 試着室から出てきたオフィススーツに身を包んだ芽衣は、恥ずかしそうにする。
「似合ってるよ。出来るキャリアウーマンみたい」
 そう答える燐もスーツを着用していた。
「じゃ、行くよ。あ、支払いはこれで」
 燐は店員にブラックカードを渡す。
「ブラックカードって、本当にあるんだ」
 芽衣は本物のブラックカードを目にして、感心する。
 こうして、スーツを着込んだ女子高生二人は金星創業へと乗り込んでいく。
 燐は受付の人間が留守にしている隙を狙って、堂々と金星創業のビルへと入っていく。
 エレベーターに乗り込んで、慶次が配属されていた部署の営業課がある7階へと上がる。
 目的の階に着くと、そこにはビジネスデスクが置かれているだけで誰の姿もなかった。
「ここで、合ってるよね?」
「多分」
 芽衣もこの異様な光景にドキドキしながら、燐に付いて行く。
「ここで、何してる」
 背後から声がしたので、女子高生二人は恐る恐る振り返り「保険のセールスに参りましたぁ~」と返すのだった。
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