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第弐拾伍話-対決
対決-18
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長四郎と勇仁の二人は今、インターコンチネンタルホテルのパーティー会場に来ていた。
サングラスを掛けた男二人が何食わぬ顔で堂々とした様子でパーティー会場に入ろうとするが、当たり前の如く中に入れることもなく入口に居るセキュリティーに止められた。
「お客様。失礼ですが、招待状をお持ちでしょうか?」
「招待状? 長さん、持ってる?」
「招待状なんていらないだろう。主催者の前尾さんにこう伝えてもらえます? 「前尾さんにあんたがもっとも恐れるあぶ探が出向いてやったぞ」って」
長四郎はサングラスを外してセキュリティーを睨みつける。
あまりの眼力に凄んだセキュリティーは「わ、分かりました」と言いながら、パーティー会場に入って交渉しに行った。
「あの子、無線マイクつけてたよね?」
勇仁がそう言うと、「あ、ホントだ」と長四郎は睨みを効かせ過ぎたかなと思うのだった。
それから五分程して、セキュリティーが戻ってきて二人をパーティー会場に通した。
今回のパーティーは、金星創業が運営管理する商業施設の建設記念パーティーであった。
「飲み物は如何でしょうか?」
飲み物の配膳係に尋ねられた長四郎と勇仁は二人揃って「結構」と言って断る。
「長さん。脅して入るのは如何なものなの?」
「別に脅してはいないでしょ。あぶない探偵が来たって伝えてって言っただけじゃない」
「でも、あぶない探偵っていうのは、どうなのよ」
「事実なんだから、しょうがないだろ。特に今回は、あぶない事しているじゃない」
「そんな事はねぇよ」
「あなた達ですか? パーティーに無理矢理押し入ってきたというのは」
そう声を掛けられた二人が振り向くと、目的の人物、金星創業代表取締役社長の前尾 誠が立っていた。
「ほらぁ~ 長さんが脅したりするから、こういう言われかたするんだよ」
「そぉ?」
「で、どのような用件でしょうか?」
「いや、前にお宅の会社にお話を聞きに行ったんですけどね。海外旅行に行かれていたようだったので」と少し喧嘩口調の長四郎。
「海外出張ですよ。全く、内の社員によく言い聞かせておかないと」
長四郎の挑発には引っかからないといった様子で、前尾は受け答えする。
「海外出張? テロの打ち合わせじゃなくて?」
勇仁が別の切り口から吹っ掛けると、あからさまに眉をひそめる。
「テロ? 何で私達が?」
「私達? 何か組織的なものを感じるな」長四郎が嫌味ったらしく言った。
「何ですか? 私を茶化しにいらっしゃったんですか?」
「茶化すなんて、とんでもない。俺らはいつだって、マジですから」
「マジ、ですか・・・・・・」
何で、セキュリティーはこんな奴らを通したのかと思う前尾は、段々とイラついてきた。
「ま、何でも良いや。取り敢えず、お宅のせいでこっちはとんでもない目に遭ったのでね。今度は容赦しないぞってご挨拶しに来ただけだから」長四郎はしたり顔で前尾を見る。
「それ、脅迫ですよ」と長四郎を思いっきり睨みつける前尾。
「脅迫か・・・・・・ 仕方ない。勇仁、帰ろう」
「なんか、ごめんね。相棒が嫌な思いさせたみたいで」
勇仁は謝罪しながら、前尾のスーツジャケットの胸ポケットに名刺を入れる。
「じゃ」
二人は綺麗に踵を返すと、パーティー会場を後にした。
「どうされましたか?」
すぐに前尾の秘書が飛んできて声を掛ける。
「いや、何でもない。六本木で始末出来なかったみたいだな」
前尾はそう言って、勇仁に入れられた名刺を取り出すとそれは名刺ではなくメッセージカードだった。
そこには、次のように書かれていた。
“売られた喧嘩は買う主義”
それを見てすぐに前尾はメッセージカードをくしゃくしゃに潰し、秘書に言う。
「ヤンに早くあの二人を消すように伝えておけ」
前尾の目は怒りに満ち満ちていた。
サングラスを掛けた男二人が何食わぬ顔で堂々とした様子でパーティー会場に入ろうとするが、当たり前の如く中に入れることもなく入口に居るセキュリティーに止められた。
「お客様。失礼ですが、招待状をお持ちでしょうか?」
「招待状? 長さん、持ってる?」
「招待状なんていらないだろう。主催者の前尾さんにこう伝えてもらえます? 「前尾さんにあんたがもっとも恐れるあぶ探が出向いてやったぞ」って」
長四郎はサングラスを外してセキュリティーを睨みつける。
あまりの眼力に凄んだセキュリティーは「わ、分かりました」と言いながら、パーティー会場に入って交渉しに行った。
「あの子、無線マイクつけてたよね?」
勇仁がそう言うと、「あ、ホントだ」と長四郎は睨みを効かせ過ぎたかなと思うのだった。
それから五分程して、セキュリティーが戻ってきて二人をパーティー会場に通した。
今回のパーティーは、金星創業が運営管理する商業施設の建設記念パーティーであった。
「飲み物は如何でしょうか?」
飲み物の配膳係に尋ねられた長四郎と勇仁は二人揃って「結構」と言って断る。
「長さん。脅して入るのは如何なものなの?」
「別に脅してはいないでしょ。あぶない探偵が来たって伝えてって言っただけじゃない」
「でも、あぶない探偵っていうのは、どうなのよ」
「事実なんだから、しょうがないだろ。特に今回は、あぶない事しているじゃない」
「そんな事はねぇよ」
「あなた達ですか? パーティーに無理矢理押し入ってきたというのは」
そう声を掛けられた二人が振り向くと、目的の人物、金星創業代表取締役社長の前尾 誠が立っていた。
「ほらぁ~ 長さんが脅したりするから、こういう言われかたするんだよ」
「そぉ?」
「で、どのような用件でしょうか?」
「いや、前にお宅の会社にお話を聞きに行ったんですけどね。海外旅行に行かれていたようだったので」と少し喧嘩口調の長四郎。
「海外出張ですよ。全く、内の社員によく言い聞かせておかないと」
長四郎の挑発には引っかからないといった様子で、前尾は受け答えする。
「海外出張? テロの打ち合わせじゃなくて?」
勇仁が別の切り口から吹っ掛けると、あからさまに眉をひそめる。
「テロ? 何で私達が?」
「私達? 何か組織的なものを感じるな」長四郎が嫌味ったらしく言った。
「何ですか? 私を茶化しにいらっしゃったんですか?」
「茶化すなんて、とんでもない。俺らはいつだって、マジですから」
「マジ、ですか・・・・・・」
何で、セキュリティーはこんな奴らを通したのかと思う前尾は、段々とイラついてきた。
「ま、何でも良いや。取り敢えず、お宅のせいでこっちはとんでもない目に遭ったのでね。今度は容赦しないぞってご挨拶しに来ただけだから」長四郎はしたり顔で前尾を見る。
「それ、脅迫ですよ」と長四郎を思いっきり睨みつける前尾。
「脅迫か・・・・・・ 仕方ない。勇仁、帰ろう」
「なんか、ごめんね。相棒が嫌な思いさせたみたいで」
勇仁は謝罪しながら、前尾のスーツジャケットの胸ポケットに名刺を入れる。
「じゃ」
二人は綺麗に踵を返すと、パーティー会場を後にした。
「どうされましたか?」
すぐに前尾の秘書が飛んできて声を掛ける。
「いや、何でもない。六本木で始末出来なかったみたいだな」
前尾はそう言って、勇仁に入れられた名刺を取り出すとそれは名刺ではなくメッセージカードだった。
そこには、次のように書かれていた。
“売られた喧嘩は買う主義”
それを見てすぐに前尾はメッセージカードをくしゃくしゃに潰し、秘書に言う。
「ヤンに早くあの二人を消すように伝えておけ」
前尾の目は怒りに満ち満ちていた。
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