486 / 770
第弐拾陸話-返金
返金-22
しおりを挟む
「もう、勘弁してくれ」
ピシャリは涙で顔を濡らして、奈緒に懇願する。
「嫌よ。あんたが、自白するまでは」
「俺は何も知らないんや!」
「噓。あんたは、人を殺している。少なくとも一人は確実に」
「なんかの間違いや!!」
奈緒は拳銃の撃鉄を降ろす。
「次、口答えすると死ぬことになるわよ」
奈緒の本気の目を見て、ピシャリはこのまま殺される。そう確信し、最後の抵抗として罵詈雑言を浴びせてやろうと口を開いたと同時に、奈緒の持つ拳銃のトリガーに指がかけられる。
あ、俺、死ぬんだ。とピシャリはそっと目を閉じる。
だが、一向に痛みを感じない。変に思いゆっくりと目を向けると頭上をブーメランが飛んでいた。
「ブーメラン?」
ブーメランが飛んでいった方に視線を移すと、あの変な探偵と若い女、禿げ頭のおっさんそして、涙を浮かべて奈緒を見つめる女性が立っていた。
「取り敢えず、人殺しにさせなくて良かった」長四郎は安堵した顔で言う。
「おい! 殺人未遂や!! 早く警察呼んでくれ!!!」
「その警察はここに居るばい」
一川警部はピシャリに警察手帳を見せると同時に、部屋にパシンッと乾いた音が響き渡る。
絢巡査長が奈緒を渾身の力で、平手打ちしたのだ。
「奈緒。自分が何をしたのか。分かってる?」
「・・・・・・」奈緒は絢巡査長から目を逸らして何も答えない。
「あいつ、あいつが俺を殺そうとしたんや!」
「見りゃ分かる」燐はそれだけ言うと、肩から血を流すピシャリの手当をする。
「さ、ピシャリさん。ようやくキチンとお話できますね」
「何も話すことはないし、俺は被害者なんや早く病院に連れてけ!!」
「そんなに怒鳴ると、傷に響くよ」
燐にそう言われ「うるさいわ!」と返事するがズキッと鈍い痛みが身体に走る。
「ま、そんなに長くなりませんから。救急車が来るまで話を聞いてください。奈緒ちゃんも」
そう前置きし、長四郎は話始めた。
「ピシャリさんいや、本名・佐谷田賢也さん。あんたは、詐欺というか悪徳商法会社の元締め。そうですね?」
長四郎の問いかけに黙秘するピシャリ。
「これについては、芋づる式に分かる事なので、その件は置いて以前に話をした殺人についてです。殺人事件は今、我々が居るこの場所で行われました」
「何を証拠に言うてんねん」
「証拠はここに落ちていた血痕です。そして、被害者はもう間もなく見つかるんじゃないでしょうか?」
長四郎はそう言って、一川警部に目で合図を送ったタイミングで一川警部のスマホが鳴る。
「はい。一川警部です。はいはい。どうもぉ~」
そう言って、電話をあっさりと切った。
「長さん。たった今、死体が見つかったって」
「だそうですよ。それより、誰が殺されたとか聞きませんね? 自分が何故、こういう目に合うのかとか」
「その刑事が勝手にやったことやろうが!!」
「それはそうなんですけど。動機? 知りたくありません?」
長四郎はニヤけた顔でピシャリに問うのだった。
ピシャリは涙で顔を濡らして、奈緒に懇願する。
「嫌よ。あんたが、自白するまでは」
「俺は何も知らないんや!」
「噓。あんたは、人を殺している。少なくとも一人は確実に」
「なんかの間違いや!!」
奈緒は拳銃の撃鉄を降ろす。
「次、口答えすると死ぬことになるわよ」
奈緒の本気の目を見て、ピシャリはこのまま殺される。そう確信し、最後の抵抗として罵詈雑言を浴びせてやろうと口を開いたと同時に、奈緒の持つ拳銃のトリガーに指がかけられる。
あ、俺、死ぬんだ。とピシャリはそっと目を閉じる。
だが、一向に痛みを感じない。変に思いゆっくりと目を向けると頭上をブーメランが飛んでいた。
「ブーメラン?」
ブーメランが飛んでいった方に視線を移すと、あの変な探偵と若い女、禿げ頭のおっさんそして、涙を浮かべて奈緒を見つめる女性が立っていた。
「取り敢えず、人殺しにさせなくて良かった」長四郎は安堵した顔で言う。
「おい! 殺人未遂や!! 早く警察呼んでくれ!!!」
「その警察はここに居るばい」
一川警部はピシャリに警察手帳を見せると同時に、部屋にパシンッと乾いた音が響き渡る。
絢巡査長が奈緒を渾身の力で、平手打ちしたのだ。
「奈緒。自分が何をしたのか。分かってる?」
「・・・・・・」奈緒は絢巡査長から目を逸らして何も答えない。
「あいつ、あいつが俺を殺そうとしたんや!」
「見りゃ分かる」燐はそれだけ言うと、肩から血を流すピシャリの手当をする。
「さ、ピシャリさん。ようやくキチンとお話できますね」
「何も話すことはないし、俺は被害者なんや早く病院に連れてけ!!」
「そんなに怒鳴ると、傷に響くよ」
燐にそう言われ「うるさいわ!」と返事するがズキッと鈍い痛みが身体に走る。
「ま、そんなに長くなりませんから。救急車が来るまで話を聞いてください。奈緒ちゃんも」
そう前置きし、長四郎は話始めた。
「ピシャリさんいや、本名・佐谷田賢也さん。あんたは、詐欺というか悪徳商法会社の元締め。そうですね?」
長四郎の問いかけに黙秘するピシャリ。
「これについては、芋づる式に分かる事なので、その件は置いて以前に話をした殺人についてです。殺人事件は今、我々が居るこの場所で行われました」
「何を証拠に言うてんねん」
「証拠はここに落ちていた血痕です。そして、被害者はもう間もなく見つかるんじゃないでしょうか?」
長四郎はそう言って、一川警部に目で合図を送ったタイミングで一川警部のスマホが鳴る。
「はい。一川警部です。はいはい。どうもぉ~」
そう言って、電話をあっさりと切った。
「長さん。たった今、死体が見つかったって」
「だそうですよ。それより、誰が殺されたとか聞きませんね? 自分が何故、こういう目に合うのかとか」
「その刑事が勝手にやったことやろうが!!」
「それはそうなんですけど。動機? 知りたくありません?」
長四郎はニヤけた顔でピシャリに問うのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる