探偵は女子高生と共にやって来る。

飛鳥 進

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第弐拾捌話-御祭

御祭-13

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 長四郎達は独自で調べると言って、警視庁を後にした。
 そして、長四郎からの依頼に答えるべく深中都姫の調査をしていた遊原巡査が命捜班・第二班の部屋に戻ってきた。
「班長。どうしましょう?」
 戻ってきた遊原巡査がそう告げた。
「なんか、あったのか?」
 佐藤田警部補は、読んでいた雑誌から目を離し話を聞こうとする。
「あったも何も話、聞けそうにないですよ」
「どういうこと?」
「深中都姫って子、一ヶ月前に死んでいるんですよ」
「ありゃりゃ。ご愁傷様です」
 場面は変わり、深中都姫の家に命捜班の刑事二人は訪ねていた。
「ありがとうございました」
 線香をあげ終えた刑事二人に、両親は礼を言う。
「いえ。それで、今日お伺いしたのはお嬢さんの交友関係についてお聞きしたいことがありまして」
 遊原巡査が尋ねた理由を話した。
「都姫の交友関係ですか? それが娘の事件に関係あるんですか?」
 都姫母は驚いた様子で、逆質問してきた。
「娘の事件って、どういう事です?」遊原巡査の不躾な問いかけに佐藤田警部補は、咳払いして注意する。
「今日は、娘の事件で来たんじゃないんですか?」
 都姫父も唖然とした表情で質問してきた。
「申し訳ございません。私共、別の事件の捜査をしておりまして」佐藤田警部補のその言葉に落胆する両親であったが「ですが、もし宜しければ我々にも話して頂けませんか? 事件解決にお役立てることもあるかもしれませんから」という言葉に俯いた顔を上げ、都姫父が事件の内容を話し始めた。
 事件は、一ヶ月前に起きた。
 父はその日、出張で沖縄に来ていた。取引先を周り、そのまま接待への流れになっていた時に一報が入ってきた。娘が危篤状態に陥ったと。
 都姫は余命宣告を受けていた。三ヶ月前、突然学校で倒れた都姫が病院に担ぎ込まれ、診断を受けた結果、進行性のガンであり年齢が若い為、進行が早く末期に近い状態であった。
 両親は娘を救う為、日本でも有数のガン治療に強い病院に入院させ治療をしている最中の事であった。
 大急ぎで病院に駆けつけると、 都姫は息を引き取っていた。
 どこかで、覚悟を持っていたはずなのに。
 だが、突きつけられた現実を受け入れられなかった。
 確かにここ数日、都姫は昏睡状態であったものの山は越え意識の回復を待っている最中の事で急に死ぬということが不可思議で仕方なかった。
「ねぇ、あれって事故なの?」
 看護師のその一言が偶々、聞こえたのだ。
 両親は病院に説明を求めたのだが、病院はそのような事はないと言い張った。
 噂話をしていた看護師から話を聞き出そうと探したが、病院を辞めており行方しれずで両親は取り敢えず、弁護士をたて医療裁判の準備をしているとの事であった。
「成程。それで、被害届は?」
 ここまでの話を聞いた佐藤田警部がそう聞くと都姫父は首を横に振った。
「受理してくれませんでしたよ」
「そうですか。分かりました。一応、捜査してみましょう」
「え? 班長!」
 遊原巡査の言いたい事は分かるといった感じで、佐藤田警部補は手をかざしそれ以上言うなという意思表示をする。
「本当ですか!!」
 都姫父の目が輝き、都姫母は泣き始める。
「ま、捜査してみて事件性がない時は、覚悟してくださいね」
「はいっ! 私達は真相が知りたいだけなので」
「じゃ、結果を待っていてください。行くぞ、遊原」
「はい」
 こうして、深中家を後にした刑事二人は都姫が入院していた病院へと向かっていた。
 その車内で遊原巡査は佐藤田警部補の真意を探ろうとする。
「班長。爆破事件の捜査をしなくて良いんですか?」
「うん? 少し寄り道して見るのも悪くないと思うけどな。遊原、あの両親見てどう思った?」
「可哀想だなと思いましたけど」
「それだけか?」
「じゃあ、正直に言いますけど少々クレーマーに近いのかなと思いました。子供を失った悲しみは俺には分かりません。でも、あの両親を見ているとその悲しみを別のものにぶつけて解決しようとしているとしか」
「思えないってか。そう思うのは自然だけどな。遊原、刑事としてのお前に聞く。あの話を聞かされてどう思った」
「刑事として・・・・・・」
 少し考えた後に、遊原巡査が口を開いた。
「例の看護師の話ってのは、気になります」
「そうだな。じゃあ、調べよう」
 佐藤田警部補は、遊原と上手くやっていけそうだなと感じながら窓から見える美人に目を向けるのだった。
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