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第弐拾捌話-御祭
御祭-28
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「噓よね。噓と言って」国巳母は国巳にすがりつく。
「噓じゃないよ。母さん」
国巳はそう言って、すがりつく母親を突き放す。
「彼女を殺した動機は?」佐藤田警部補の問いかけに「彼女が寝たきりになってつまらないなと思ったから」
「清々しいまでのクズだな」長四郎は思わず感心してしまう。
「探偵さん。感心しない」
「ごめん」
遊原巡査に注意され、長四郎は謝罪する。
「彼女の殺害を自供したんで、爆破事件の方に話を戻しても」
「どうぞ」
佐藤田警部補は長四郎に話を譲った。
「じゃあ、話を戻して。国巳君はさ、ホッバーを使って爆弾の材料集めたでしょ?」
「どうですかね」
先程まではスラスラと自供していた国巳が途端に否認し始めた。
「ここからは、俺の推理だから黙って聞いてね」長四郎がそう言うのだが、国巳は返事することはなかった。
「ホッバーを使って、君は爆弾の材料を手に入れた。方法は、報酬を餌に爆弾の材料を購入させる。上手いこと考えたよ。足が付かないようにしているんだから」
国巳は黙ったまま腕を組み、長四郎の話に耳を傾ける。
「報酬の資金源は、株でしょ? 凄いよね。高校生ながら、株でかなりの富を築いている。だから、金で全てが解決できるって考えているんでしょ?」
国巳は鼻で笑うと「そんな訳ないでしょ」と答えた。
「噓だよ」
燐がそう言いながら、明野巡査と共に姿を現した。
「ラモちゃん・・・・・・」
「全く、急に埼玉まで来ないでよね」
「すいません」佐藤田警部補が長四郎に変わって謝罪するが燐は無視して話し始めた。
「あんた、保釈金ちらつかせて無銭飲食をして自分のバイクで逃げるよう指示させたのは知っているんだからね!」
「無銭飲食? ラモちゃん、なんの話をしているの?」
「そんな事はどうでもよいから」
「いや、良くないでしょ」
「そんで、そいつに送った指示書がこれ」
燐は無銭飲食した男の下に届いた手紙を突きつけた。
「それを僕が彼に送ったっていう証拠は?」
「はい。引っかかったぁ~ 誰も男とは言ってないですぅ~」
厭味ったらしく燐は言った。
「要は、替え玉を用意していたという訳か。さ、この男のように学校でホッバーでアルバイト経験をした生徒から話を聞き出せば材料の裏は取れそうだな」
ここまで無言を貫いていた国巳は目を右往左往させ始める。
その時、国巳母が地面に落ちたナイフを拾い上げて振り回し始めた。
「豹ちゃん! 逃げなさい!!!」
国巳母は長四郎達が国巳に近づけないようがむしゃらにナイフを振り回す。その隙に国巳は自身が乗ってきた車に乗り込み走り出せた。
「あいつ、免許持っているのか?」
国巳母と間合いを取りながら、走り出す車を見送る長四郎。
「言っている場合か!」
燐が車を追おうとするが、ナイフを振り回しながら国巳母が立ち塞がる。
「くっ!」
やけくそでナイフを振り回すので、捕まえようにも捕まえられない状況が続いていた。
長四郎はふと一人の姿が見えない事に気づいた。国巳母のナイフを避けながら、姿が見えない佐藤田警部補の姿を探すと佐藤田警部補は離れたところで段ボールで身を隠して様子を伺っていた。
「佐藤田さん、逃げ足早いなぁ~」長四郎が佐藤田警部補を羨ましそうに見ていると「探偵さん!!」遊原巡査が叫ぶ。
我に返ると同時に鼻先にナイフが掠める。
「うおっ!!」
間一髪で避けた長四郎は、燐達に目が向いていない隙に国巳を追うように手信号で燐に合図した。
燐は黙って頷き、自分たちが乗ってきたバイクに向かって走り出す。
「行かすかぁぁぁ!!」
国巳母の絶叫が倉庫に木霊し、燐と明野巡査を追いかけようとするが遊原巡査が前に出て制止させようとするが、ナイフを突き立てて差し迫って来るのですぐに避ける。
「ラモちゃん。私が運転するから、しっかり捕まっててね」
ヘルメットを付けた明野巡査がバイクのエンジンを始動させる。
「待てェェェェェ!!!」
もう少しで倉庫から出てくるタイミングで明野巡査が運転するバイクは走りだし国巳を追尾し始めた。
「噓じゃないよ。母さん」
国巳はそう言って、すがりつく母親を突き放す。
「彼女を殺した動機は?」佐藤田警部補の問いかけに「彼女が寝たきりになってつまらないなと思ったから」
「清々しいまでのクズだな」長四郎は思わず感心してしまう。
「探偵さん。感心しない」
「ごめん」
遊原巡査に注意され、長四郎は謝罪する。
「彼女の殺害を自供したんで、爆破事件の方に話を戻しても」
「どうぞ」
佐藤田警部補は長四郎に話を譲った。
「じゃあ、話を戻して。国巳君はさ、ホッバーを使って爆弾の材料集めたでしょ?」
「どうですかね」
先程まではスラスラと自供していた国巳が途端に否認し始めた。
「ここからは、俺の推理だから黙って聞いてね」長四郎がそう言うのだが、国巳は返事することはなかった。
「ホッバーを使って、君は爆弾の材料を手に入れた。方法は、報酬を餌に爆弾の材料を購入させる。上手いこと考えたよ。足が付かないようにしているんだから」
国巳は黙ったまま腕を組み、長四郎の話に耳を傾ける。
「報酬の資金源は、株でしょ? 凄いよね。高校生ながら、株でかなりの富を築いている。だから、金で全てが解決できるって考えているんでしょ?」
国巳は鼻で笑うと「そんな訳ないでしょ」と答えた。
「噓だよ」
燐がそう言いながら、明野巡査と共に姿を現した。
「ラモちゃん・・・・・・」
「全く、急に埼玉まで来ないでよね」
「すいません」佐藤田警部補が長四郎に変わって謝罪するが燐は無視して話し始めた。
「あんた、保釈金ちらつかせて無銭飲食をして自分のバイクで逃げるよう指示させたのは知っているんだからね!」
「無銭飲食? ラモちゃん、なんの話をしているの?」
「そんな事はどうでもよいから」
「いや、良くないでしょ」
「そんで、そいつに送った指示書がこれ」
燐は無銭飲食した男の下に届いた手紙を突きつけた。
「それを僕が彼に送ったっていう証拠は?」
「はい。引っかかったぁ~ 誰も男とは言ってないですぅ~」
厭味ったらしく燐は言った。
「要は、替え玉を用意していたという訳か。さ、この男のように学校でホッバーでアルバイト経験をした生徒から話を聞き出せば材料の裏は取れそうだな」
ここまで無言を貫いていた国巳は目を右往左往させ始める。
その時、国巳母が地面に落ちたナイフを拾い上げて振り回し始めた。
「豹ちゃん! 逃げなさい!!!」
国巳母は長四郎達が国巳に近づけないようがむしゃらにナイフを振り回す。その隙に国巳は自身が乗ってきた車に乗り込み走り出せた。
「あいつ、免許持っているのか?」
国巳母と間合いを取りながら、走り出す車を見送る長四郎。
「言っている場合か!」
燐が車を追おうとするが、ナイフを振り回しながら国巳母が立ち塞がる。
「くっ!」
やけくそでナイフを振り回すので、捕まえようにも捕まえられない状況が続いていた。
長四郎はふと一人の姿が見えない事に気づいた。国巳母のナイフを避けながら、姿が見えない佐藤田警部補の姿を探すと佐藤田警部補は離れたところで段ボールで身を隠して様子を伺っていた。
「佐藤田さん、逃げ足早いなぁ~」長四郎が佐藤田警部補を羨ましそうに見ていると「探偵さん!!」遊原巡査が叫ぶ。
我に返ると同時に鼻先にナイフが掠める。
「うおっ!!」
間一髪で避けた長四郎は、燐達に目が向いていない隙に国巳を追うように手信号で燐に合図した。
燐は黙って頷き、自分たちが乗ってきたバイクに向かって走り出す。
「行かすかぁぁぁ!!」
国巳母の絶叫が倉庫に木霊し、燐と明野巡査を追いかけようとするが遊原巡査が前に出て制止させようとするが、ナイフを突き立てて差し迫って来るのですぐに避ける。
「ラモちゃん。私が運転するから、しっかり捕まっててね」
ヘルメットを付けた明野巡査がバイクのエンジンを始動させる。
「待てェェェェェ!!!」
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