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第参拾話-将軍
将軍-23
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ゲネラールに逃亡された翌日、長四郎は事務所のソファーでぐっすりと眠っていた。
当のゲネラールを見つけるのは警察の仕事だという事で、長四郎はそそくさと自宅兼事務所に帰ってきて今に至るのだ。
あれからすぐに検問が引かれたが、ゲネラールはパトカーをすぐに乗り捨て検問に引っかかることはなかった。光浦はこれに業を煮やし、自身が現場に出て無駄な陣頭指揮を執り現場の捜査員達の意見に耳を傾けることもなく、捜査員達のフラストレーションが溜まっていくばかりで結局、ゲネラールを逮捕することはできなかった。
そんな事を知らない長四郎は疲れを癒すように睡眠をむさぼっていたが、それを邪魔する着信メロディーがスマホから流れ始める。
「あ! はい、はい」
ソファーから身体を起こし、着手相手を確認する。そこに書かれていた名前は不登校高校生。ここまでお付き合いの読者の方は察せると思う。ここまで読んで頂き本当にありがとう。
では、お話に戻ろう。
「しもしも?」長四郎は不機嫌そうな口調で電話に出た。
「しもしも? じゃないでしょ。ま、良いや。ちょっと、顔貸しなさいよ」
「え~ 嫌だよぉ~」
「子供みたいな事を言わないで」
「精神年齢は5歳だから、無理」
長四郎がきっぱりと言うと、電話の向こうに居る燐の溜息が聞こえてきた。
「今、甘木田さんと居るの?」
「はい?」
甘木田はゲネラールとの対峙した後、警察へその身柄を保護されたのだった。それが今は燐と居る。長四郎はまた面倒くさい事になったな。そう思いながら口を開いた。
「ラモちゃんさ。どうして自ら危ないことに首を突っこむの?」
「楽しいから」その一言が全てを語っていた。
付き合わされるこっちの身にもなれよ。そう思う長四郎は頭を掻きむしり覚悟を決めた顔つきとなり、「どこに行けば、良いの?」と告げた。
燐に指定された場所は、更利満の遺体が発見された渋谷の再開発地区であった。
「なんでここなんだよ?」
場所に着いた長四郎の第一声はそれであった。
「なんで、って。それをこれから話すんじゃない!」燐は両手を腰に当てムスッとする。
「熱海さん実はですね」甘木田が話し始めた。
警視庁にその身柄を保護された後、事情聴取が行われた。
ゲネラールについてあれこれ聞かれたが、甘木田は知らぬ存ぜぬと答えるしかなく四時間の間中、この押し問答が繰り返されもう狙われる事もなかろうと判断され保護は行われない事となり解放された。
解放されたとはいえ、命を狙われているかもしれない身。甘木田は、警視庁庁内に居座ろうと食堂に向かい、そこで朝食を食べていた燐と遭遇し、燐に身柄の保護を依頼したのだ。
「女子高生に依頼するかね。普通」
ここまで話を聞いた長四郎は毒を吐いた。
「いや、熱海さんの助手だって言うので」甘木田はお恥ずかしいみたいな顔をする。
「ツッコむところはそこじゃないでしょ? なんで、私達がここに居るのか?」
「ラモちゃん。それはさ、おおよその検討は付いているんだよ」
長四郎は呆れ口調で燐に言った。
「ムカッ! あんたの検討は当たっているはずよ」
「で、奴さんからなんて連絡が来たんだい?」長四郎が本題を切り出した。
「ここに甘木田さんを連れてこい。それだけよ」
依頼を引き受けた燐は一言文句を言ってやろうと思いたち、甘木田を命捜班の部屋で暇そうにテレビを見ていた一川警部に預け一人、捜査本部に乗り込んだ時の事であった。
燐が捜査本部に足を踏み入れたその瞬間、ゲネラールから着信が入った。
そこで、ゲネラールからの指示は最初の事件現場に甘木田照悟を連れてこいというもので次の指示はそこから追って知らせるという内容であった。
大慌てで、甘木田の行方を捜索し始める捜査員達を出し抜き、燐はひっそりと甘木田を警視庁庁舎から連れ出して今、ここに居るのだった。
「ラモちゃんの行動力には感心するけど、ゲネラールからの指示はどうやって受けるつもりだったの?」
「どうやって? あ、ホントだ」
捜査本部に預けている長四郎のスマホにゲネラールからの指示が来るが、この場所にはない。燐は詰めが甘かった。そう反省した。
「ホントだ。じゃないよ。ったく、どうせ次の指示はご本人から発せられるんじゃないか?」
長四郎が言った瞬間、「その通りだよ。探偵さん」そう言いながら、ゲネラールは姿を現した。
当のゲネラールを見つけるのは警察の仕事だという事で、長四郎はそそくさと自宅兼事務所に帰ってきて今に至るのだ。
あれからすぐに検問が引かれたが、ゲネラールはパトカーをすぐに乗り捨て検問に引っかかることはなかった。光浦はこれに業を煮やし、自身が現場に出て無駄な陣頭指揮を執り現場の捜査員達の意見に耳を傾けることもなく、捜査員達のフラストレーションが溜まっていくばかりで結局、ゲネラールを逮捕することはできなかった。
そんな事を知らない長四郎は疲れを癒すように睡眠をむさぼっていたが、それを邪魔する着信メロディーがスマホから流れ始める。
「あ! はい、はい」
ソファーから身体を起こし、着手相手を確認する。そこに書かれていた名前は不登校高校生。ここまでお付き合いの読者の方は察せると思う。ここまで読んで頂き本当にありがとう。
では、お話に戻ろう。
「しもしも?」長四郎は不機嫌そうな口調で電話に出た。
「しもしも? じゃないでしょ。ま、良いや。ちょっと、顔貸しなさいよ」
「え~ 嫌だよぉ~」
「子供みたいな事を言わないで」
「精神年齢は5歳だから、無理」
長四郎がきっぱりと言うと、電話の向こうに居る燐の溜息が聞こえてきた。
「今、甘木田さんと居るの?」
「はい?」
甘木田はゲネラールとの対峙した後、警察へその身柄を保護されたのだった。それが今は燐と居る。長四郎はまた面倒くさい事になったな。そう思いながら口を開いた。
「ラモちゃんさ。どうして自ら危ないことに首を突っこむの?」
「楽しいから」その一言が全てを語っていた。
付き合わされるこっちの身にもなれよ。そう思う長四郎は頭を掻きむしり覚悟を決めた顔つきとなり、「どこに行けば、良いの?」と告げた。
燐に指定された場所は、更利満の遺体が発見された渋谷の再開発地区であった。
「なんでここなんだよ?」
場所に着いた長四郎の第一声はそれであった。
「なんで、って。それをこれから話すんじゃない!」燐は両手を腰に当てムスッとする。
「熱海さん実はですね」甘木田が話し始めた。
警視庁にその身柄を保護された後、事情聴取が行われた。
ゲネラールについてあれこれ聞かれたが、甘木田は知らぬ存ぜぬと答えるしかなく四時間の間中、この押し問答が繰り返されもう狙われる事もなかろうと判断され保護は行われない事となり解放された。
解放されたとはいえ、命を狙われているかもしれない身。甘木田は、警視庁庁内に居座ろうと食堂に向かい、そこで朝食を食べていた燐と遭遇し、燐に身柄の保護を依頼したのだ。
「女子高生に依頼するかね。普通」
ここまで話を聞いた長四郎は毒を吐いた。
「いや、熱海さんの助手だって言うので」甘木田はお恥ずかしいみたいな顔をする。
「ツッコむところはそこじゃないでしょ? なんで、私達がここに居るのか?」
「ラモちゃん。それはさ、おおよその検討は付いているんだよ」
長四郎は呆れ口調で燐に言った。
「ムカッ! あんたの検討は当たっているはずよ」
「で、奴さんからなんて連絡が来たんだい?」長四郎が本題を切り出した。
「ここに甘木田さんを連れてこい。それだけよ」
依頼を引き受けた燐は一言文句を言ってやろうと思いたち、甘木田を命捜班の部屋で暇そうにテレビを見ていた一川警部に預け一人、捜査本部に乗り込んだ時の事であった。
燐が捜査本部に足を踏み入れたその瞬間、ゲネラールから着信が入った。
そこで、ゲネラールからの指示は最初の事件現場に甘木田照悟を連れてこいというもので次の指示はそこから追って知らせるという内容であった。
大慌てで、甘木田の行方を捜索し始める捜査員達を出し抜き、燐はひっそりと甘木田を警視庁庁舎から連れ出して今、ここに居るのだった。
「ラモちゃんの行動力には感心するけど、ゲネラールからの指示はどうやって受けるつもりだったの?」
「どうやって? あ、ホントだ」
捜査本部に預けている長四郎のスマホにゲネラールからの指示が来るが、この場所にはない。燐は詰めが甘かった。そう反省した。
「ホントだ。じゃないよ。ったく、どうせ次の指示はご本人から発せられるんじゃないか?」
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