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第参拾肆話-世界
世界-13
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「おはようございまぁ~す」
子安はテレビ局を行き交う人に挨拶しながら、歩を進める。
「おはようございます」
楽屋の前で張っていた長四郎が子安にそう挨拶した。
「うわっ! ビックリした!!」子安は当然の如く、驚いた。
「どうもぉ~」
「刑事さんが何の御用ですか?」
「あ、私、刑事じゃないんですよ。探偵なんです」
「探偵さん!? ドラマみたいですね」
「ええ、ドラマみたいでしょ? それで、事件の事なんですがね」
「ええ、はい」
ここで話すの? みたいな顔をする子安に長四郎は気にしないといった感じで話しを続ける。
「被害者宅で、何か変わった物音か何か聞きませんでしたか? 或いは、何か変わったことありませんでしたか?」
それはこの前、聞きに来ただろ? 子安はそう思いながら「いいえ、特に」と答えた。
「質問が悪かったようで、マンションに関して変わった事は?」
「ああ、そう言えば、上の階のダストシュートが壊れたとかで補修工事するからとか」
「それは、何時教えられたんですか?」
「え~っと、事件の三日前とかでしたかね?」
「そうですか。今日はどういった収録なんですか?」
「今日は、身体を張る系です。ロープ伝って壁を昇る的なあれです」
「ああ、あれですか。へぇ~ 凄いですねぇ~」
「あ、ありがとうございます」そう答える子安は早く帰ってくれみたいな顔をする。
「ちょっと」燐が長四郎を小突いて切り上げろみたいな顔をする。
「ああ、ごめんなさい。お仕事、頑張ってください」
長四郎はそう告げ、ペコリと頭を下げてその場を後にした。
テレビ局を出た二人。燐は「ねぇ、あの人が犯人なの?」と質問する。
「Yeah.」
「Yeah. って、軽いなぁ~」
「それが売りだからね」
「必要のない売りだこと。そんで、どうやって、犯人はあんただぁ~ をやる訳?」
「それを考えているの」
「それを考えているの、じゃないでしょ? 早くしないと逃げられるわよ」
「そだね~」
長四郎はそう言って、一人そそくさと消えていった。
「何よ、私だって偶にはやるんだから」
燐は踵を返し、テレビ局へと戻るのだった。
「失礼しまぁ~す」
スタッフのふりをして、スタジオに紛れ込む燐。
スタジオ内では収録が始まっていた。
「これは私が自衛隊で使用していたザイルです。と言っても、隊を辞めた後に購入したもの何ですけどね」
子安は番組出演者に説明しながら、ザイルの準備をする。
スタジオには高さ6m程の壁が設置されていた。
燐はその壁を見上げてうおぉ~ っと声を出す。
「では、これからこの壁を昇ってみたいと思います」
子安はザイルを壁のてっぺんに引っ掛けて、スルスルと昇り始める。それはまさしく猿のようであった。
演者、スタッフからも「お~」っという歓声を上げる。
燐はそれをコッソリ、カメラに収めてからスタッフに気づかれぬようスタジオを後にした。
子安はテレビ局を行き交う人に挨拶しながら、歩を進める。
「おはようございます」
楽屋の前で張っていた長四郎が子安にそう挨拶した。
「うわっ! ビックリした!!」子安は当然の如く、驚いた。
「どうもぉ~」
「刑事さんが何の御用ですか?」
「あ、私、刑事じゃないんですよ。探偵なんです」
「探偵さん!? ドラマみたいですね」
「ええ、ドラマみたいでしょ? それで、事件の事なんですがね」
「ええ、はい」
ここで話すの? みたいな顔をする子安に長四郎は気にしないといった感じで話しを続ける。
「被害者宅で、何か変わった物音か何か聞きませんでしたか? 或いは、何か変わったことありませんでしたか?」
それはこの前、聞きに来ただろ? 子安はそう思いながら「いいえ、特に」と答えた。
「質問が悪かったようで、マンションに関して変わった事は?」
「ああ、そう言えば、上の階のダストシュートが壊れたとかで補修工事するからとか」
「それは、何時教えられたんですか?」
「え~っと、事件の三日前とかでしたかね?」
「そうですか。今日はどういった収録なんですか?」
「今日は、身体を張る系です。ロープ伝って壁を昇る的なあれです」
「ああ、あれですか。へぇ~ 凄いですねぇ~」
「あ、ありがとうございます」そう答える子安は早く帰ってくれみたいな顔をする。
「ちょっと」燐が長四郎を小突いて切り上げろみたいな顔をする。
「ああ、ごめんなさい。お仕事、頑張ってください」
長四郎はそう告げ、ペコリと頭を下げてその場を後にした。
テレビ局を出た二人。燐は「ねぇ、あの人が犯人なの?」と質問する。
「Yeah.」
「Yeah. って、軽いなぁ~」
「それが売りだからね」
「必要のない売りだこと。そんで、どうやって、犯人はあんただぁ~ をやる訳?」
「それを考えているの」
「それを考えているの、じゃないでしょ? 早くしないと逃げられるわよ」
「そだね~」
長四郎はそう言って、一人そそくさと消えていった。
「何よ、私だって偶にはやるんだから」
燐は踵を返し、テレビ局へと戻るのだった。
「失礼しまぁ~す」
スタッフのふりをして、スタジオに紛れ込む燐。
スタジオ内では収録が始まっていた。
「これは私が自衛隊で使用していたザイルです。と言っても、隊を辞めた後に購入したもの何ですけどね」
子安は番組出演者に説明しながら、ザイルの準備をする。
スタジオには高さ6m程の壁が設置されていた。
燐はその壁を見上げてうおぉ~ っと声を出す。
「では、これからこの壁を昇ってみたいと思います」
子安はザイルを壁のてっぺんに引っ掛けて、スルスルと昇り始める。それはまさしく猿のようであった。
演者、スタッフからも「お~」っという歓声を上げる。
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