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第参拾伍話-都市
都市-10
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「ここで、シリアルキラーが殺人事件を」
燐達が居るのは最初に起きた事件の場所であった。
「そう。フリーターの女の子が殺されてる」絢巡査長の解説が入る。
「で、手掛かりは髪の毛か・・・・・・」
「男の毛髪だって事までは分かっている」
「あれっすもんね。帆場とは一致しないんですよね?」
「ええ、一致しなかった」
「次の現場に行きましょうか」
次の現場は、マンション群がひしめく住宅街の一角に場所を移した。
「ここで専業主婦の人が殺されているね」
捜査資料に書かれていることを読み上げる絢巡査長に燐は「専業主婦。なんか、弱い人ばっかり狙ってません?」と言う。
「そうね」
「なんか、ムカつきません?」
「ムカつくね」
「ですよね? ムカつきますよね? 絶対、許せない!!」
「許せないのは分かったけど、何か分かった?」
「分かりませぇ~ん」
困ったぁ~みたいな顔をする燐に絢巡査長ははぁ~ とため息をつくのだった。
そんな頃、長四郎は文京区内の病院へと来ていた。そこの病院に勤める事務長と話をすることができた。
「探偵さんが何の御用でしょうか?」事務長は本題を切り出した。
「はい。実は取引先の方について、お聞きしたいんですよ」
「取引先ですか?」
「はい。取引先です。特に手術器具を扱う業者なんですが」
「はぁ」
「具体的に申せば、株式会社オクサンとシャチョサン株式会社の両社の社員さんなんですが・・・・・・」
「オクサンとは取引しておりますが、シャチョサンとは取引はしておりません」
「では、オクサンの社員についてお聞かせください」
「構いませんが・・・・・・」
「では、こちらを担当している方の名前は?」
「塾さんです」
「塾。学習塾の塾ですか?」
「はい。そうです」
「男性ですか? 女性ですか?」
「男性です」
「男性っと」長四郎はスマホにメモしながら「年齢はどのくらいの方ですか?」と質問した。
「三十代ぐらいですかね?」
「三十代。風体はどんな感じですか?」
「ごく一般的なサラリーマンみたいな見た目ですかね」
「要は特徴がない。言い方は悪いですが」
「まぁ、そう捉えてもらっても構いません」
「どういった方ですか? その人柄とか」
「そうですね。勤勉で真面目といったところでしょうか?」
「勤勉で真面目。病院内での評判はどうでしょうか?」
「悪くはないと思いますよ」
「悪くはないですか・・・・・・」
長四郎はつまらなさそうに、メモを取る。
「これで、宜しいでしょうか? この後に会議があるものですから・・・・・・」
「あ、どうもすいません。お時間を取らせてしまって」
「いえ、失礼します」
事務長は会議へと消えていった。
「はぁ~ 塾さんか・・・・・・」
長四郎は天井を見上げ考え込む。
「塾。塾、塾ぅ~」長四郎は口ずさみながら病院を出た。
そして、別の病院を訪れた。そして、今度はシャチョサン社の担当者について聞き出した。
シャチョサン社の担当者の名前は、桐谷という男で年齢は40代。勤務態度は、塾と変わらない評価であった。
そして、長四郎は考えていた。
犯人はこのどちらかの人間だ。だが、それに基づく根拠は何一つない。
シリアルキラーの考え方がよく分からず、困っているとスマホに着信が入る。
「しもしも?」
「しもしも? じゃない。今、どこにいるの?」
勿論、電話の相手は、燐だ。
「どこか」
「そのどこから、私の元へ来て」
「へい。仰せのままに」
朝のやり取りは一体、何だったのか? そう思いながら長四郎は燐の元へと向かった。
燐達が居るのは最初に起きた事件の場所であった。
「そう。フリーターの女の子が殺されてる」絢巡査長の解説が入る。
「で、手掛かりは髪の毛か・・・・・・」
「男の毛髪だって事までは分かっている」
「あれっすもんね。帆場とは一致しないんですよね?」
「ええ、一致しなかった」
「次の現場に行きましょうか」
次の現場は、マンション群がひしめく住宅街の一角に場所を移した。
「ここで専業主婦の人が殺されているね」
捜査資料に書かれていることを読み上げる絢巡査長に燐は「専業主婦。なんか、弱い人ばっかり狙ってません?」と言う。
「そうね」
「なんか、ムカつきません?」
「ムカつくね」
「ですよね? ムカつきますよね? 絶対、許せない!!」
「許せないのは分かったけど、何か分かった?」
「分かりませぇ~ん」
困ったぁ~みたいな顔をする燐に絢巡査長ははぁ~ とため息をつくのだった。
そんな頃、長四郎は文京区内の病院へと来ていた。そこの病院に勤める事務長と話をすることができた。
「探偵さんが何の御用でしょうか?」事務長は本題を切り出した。
「はい。実は取引先の方について、お聞きしたいんですよ」
「取引先ですか?」
「はい。取引先です。特に手術器具を扱う業者なんですが」
「はぁ」
「具体的に申せば、株式会社オクサンとシャチョサン株式会社の両社の社員さんなんですが・・・・・・」
「オクサンとは取引しておりますが、シャチョサンとは取引はしておりません」
「では、オクサンの社員についてお聞かせください」
「構いませんが・・・・・・」
「では、こちらを担当している方の名前は?」
「塾さんです」
「塾。学習塾の塾ですか?」
「はい。そうです」
「男性ですか? 女性ですか?」
「男性です」
「男性っと」長四郎はスマホにメモしながら「年齢はどのくらいの方ですか?」と質問した。
「三十代ぐらいですかね?」
「三十代。風体はどんな感じですか?」
「ごく一般的なサラリーマンみたいな見た目ですかね」
「要は特徴がない。言い方は悪いですが」
「まぁ、そう捉えてもらっても構いません」
「どういった方ですか? その人柄とか」
「そうですね。勤勉で真面目といったところでしょうか?」
「勤勉で真面目。病院内での評判はどうでしょうか?」
「悪くはないと思いますよ」
「悪くはないですか・・・・・・」
長四郎はつまらなさそうに、メモを取る。
「これで、宜しいでしょうか? この後に会議があるものですから・・・・・・」
「あ、どうもすいません。お時間を取らせてしまって」
「いえ、失礼します」
事務長は会議へと消えていった。
「はぁ~ 塾さんか・・・・・・」
長四郎は天井を見上げ考え込む。
「塾。塾、塾ぅ~」長四郎は口ずさみながら病院を出た。
そして、別の病院を訪れた。そして、今度はシャチョサン社の担当者について聞き出した。
シャチョサン社の担当者の名前は、桐谷という男で年齢は40代。勤務態度は、塾と変わらない評価であった。
そして、長四郎は考えていた。
犯人はこのどちらかの人間だ。だが、それに基づく根拠は何一つない。
シリアルキラーの考え方がよく分からず、困っているとスマホに着信が入る。
「しもしも?」
「しもしも? じゃない。今、どこにいるの?」
勿論、電話の相手は、燐だ。
「どこか」
「そのどこから、私の元へ来て」
「へい。仰せのままに」
朝のやり取りは一体、何だったのか? そう思いながら長四郎は燐の元へと向かった。
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