探偵は女子高生と共にやって来る。

飛鳥 進

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第参拾玖話-引導

引導-4

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「見てないですか。どうも」

 長四郎は北条恒邸近くの豪邸に務める家政婦に礼を述べる。

 今、長四郎は葛城唯奈の目撃情報を得るために、聞き込みして回っていた。

 だが、芳しくない成果であった。

「参ったな・・・・・・・」

 目撃してそうな家は一通り周り、目撃情報は何一つ得られなかった。

 長四郎は肩を落としながら、帰路につく。

「疲れたぁ~」長四郎は首をゴリゴリ鳴らし、その隙に振り返ると背広を着る人間が尾行していた。

「下手な尾行・・・・・・・」

 長四郎は山手線に乗り、最寄り駅の五反田駅ではなく手前の大崎駅で降車した。

 そして、駅から暫く歩き人通りの少ない路地に入ると、一台のワンボックスカーが長四郎の前に止まった。

 車の中から、分かりやすいぐらいの男達が出てきた。

「まぁ、分かりやすいご登場で」

「あ? んだ、おめぇ~」一人の男が因縁をつけてくる。

「口の利き方がなってないなぁ~」

「言っている意味が分からないなぁ~」

 男はメリケンサックを手に付け長四郎に殴りかかる。が、長四郎は寸での所で躱し男の足を引掛けこかす。

「てめぇ!!」仲間の男が長四郎を襲う。

 長四郎は華麗に躱しては倒し、倒していく。

「俺、急いでいるからぁ~ じゃ~ねぇ~」長四郎はそう言って、全速力で逃げ出す。

 そのまま一駅分走って逃げ切り、事務所へと帰宅した。

「はぁ~ 疲れたぁ~」

 長四郎は息を切らしながら、ソファーに寝転がる。

「どうしたの? そんな息切らして」燐は血相を欠いて帰ってきた長四郎に声を掛ける。

「切らすよ。そりゃ、命狙われたんだから」

「命、狙われた? いつ?」

「今、さっき」

「ヤバいじゃん。てか、警察には?」

「言ってないよ。命からがら逃げ出したばかりだから」

「北条恒の差し金?」

「分かんない。それより、飲み物頂戴」

「ああ、ごめん」

 燐は事務所の冷蔵庫に飲み物を取りに行く。

 その間、長四郎は考えていた。

 何故、あんなにも早く連中が襲ってきたのか。原因は自分を尾行していた背広の男。

 ワンボックスカーが来た時には姿はなかった。

「はい。これ」燐はミネラルウォーターのペットボトルを差し出す。

「オぅ、サンキュー」

「ね? これからどうするの?」

「うん?」飲み干しながら返事をする長四郎は「ま、何とかするよ」とだけ答える。

「何とかって・・・・・・・ ああ、それよか聞いてよ」

 燐は塾でトォォルンを売りさばいていた男子学生を捕まえた話を長四郎にした。

「成程ね・・・・・・・」

 飲み干したペットボトルを机に起き、長四郎は覚悟が座った目をする。

「どう思う?」

「うん? そうだなぁ~ ラモちゃんはよくやったよ」

「そうじゃなくてさ」

「何よ」

「北条恒とどうやり合っていくのかでしょう?」

「まぁ、大事にならないよう気を引き締めていくだけだね」と吞気な事を言う長四郎にがっくりと肩を落とす燐であった。
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