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第4章:ゴブリン・スタンピード
一緒に戦おう
しおりを挟む「オリエ、手伝ってくれるかい」
「もちろんだよ! 何だって言ってよ」
「ぼくも! ぼくも、もっと何か手伝うよ!」
ちっちゃな手を上げてサーチートが言った瞬間、私とユリウスは笑ってしまった。
「ありがとう、サーチート。でも、サーチートはもうすでに大活躍してくれたから、あとはここで俺たちを見守っていて欲しいんだ」
「そう? 本当にいいの? ぼく、頑張るよ?」
うん、大丈夫だよ、と頷いてあげると、わかったとサーチートは頷いた。
ユリウスの言う通り、サーチートはもう十分活躍してくれたもんね。
サーチートはゴブリンの大群に囲まれても、逃げずに必死に遠くに居るゴブリンたちを呼び寄せた。
ユリウスだってそう。たった一人で、一万体は居たはずのゴブリンを、ほとんどやっつけてしまった。
二人とも本当に大活躍だ。
だから、これから先は私が頑張る番だよね!
「ユリウス、私はどうしたらいい? なんでもやるよ? 任せてよ!」
「じゃあ、援護をお願いしたいな」
残りのゴブリンたちは、上位種とあのとびきりでかい奴――ゴブリンジェネラルだけだ。
ユリウスが言うには、あのゴブリンジェネラルを倒すために、集中したいらしい。
つまり、私は他のゴブリンたちを片付ければいいというわけだ。
「うん、わかった! 任せてよ!」
私は力いっぱい頷いたんだけど、何故かユリウスは困ったように私を見つめる。
「でも、俺としては、オリエに危ないことはしてほしくないんだよね」
「ん?」
「だから、オリエにはここから援護を頼みたい。オリエ、今俺が使っている魔法、試してみて」
「えーっと、この体を浮かせているやつ? 確か、フライだっけ?」
「うん、そう。自分や他者の体を浮かせることができる魔法なんだ。テレポートが使えたんだから、きっと使えると思うんだけど……」
うん、きっと使えるはずだ。
だって私のステータスには全ての魔法が使えるって書いてあったからね。
「フライ!」
自分の体が宙に浮くイメージを頭の中で固めて、呪文を唱える。
なんとなく体が軽くなったのを感じた私がユリウスを見て頷くと、彼はゆっくりと私を抱えていた腕を解いてくれた。
「浮いてる! オリエちゃん、すごいね! さすがだよ!」
少しフラフラしたものの、すぐに慣れた私は空中で仁王立ちできるようになった。
足場が欲しいな、と思うと、足元で空気が固まって立つことができるようになったのだ。
これなら安定するし、踏ん張れるよね!
「上出来だ」
と言って頷くと、ユリウスは下に居るゴブリンジェネラルを見下ろした。
彼は今から、ゴブリンジェネラルに集中する。
他のゴブリンに邪魔なんて絶対にさせない。
「ユリウス、他は任せて。絶対に邪魔させないから」
私は胸の前で手を合わせると、大きな炎をイメージした。
さっきアントニオにぶつけた小さなファイヤーボールではなく、もっともっと大きな……そう、突然ジュニアスの前に現れた、ホーンハットという魔物が放ったような、大きな炎。
あのホーンハットが放った大きなファイヤーボールは、空中で花火みたいに弾けて、王都オブリールへと降り注いだ。
今私は、それを下に居るゴブリンたちに浴びせようと思っている。
ぺたりと合わせていた手を少しずつ離すと、手のひらと手のひらの間にのファイヤーボールが少しずつ大きくなっていく。
私が腕を思い切り広げたところで、ファイヤーボールの大きさは一メートルくらい、そして、腕を真上に上げたところで、大きさは五メートルくらいに膨れ上がった。
「ゴブリン、みんな燃えちゃえっ!」
両腕を思いき振り下ろすと、下に居るゴブリンたちに向かって、五メートル級のファイヤーボールが分裂して落ちていく。
それは、逃げようとするゴブリンたちを追いかけて、ゴブリンたちに命中すると同時に大きさを取り戻し、炎の檻に閉じ込めた。
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