異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!

明衣令央

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第4章:ゴブリン・スタンピード

ユリウスの元へ②

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「まさか、それ、伯父上と伯母上じゃないよね?」

「違うよ! レイリーさんとエリザベス様は、私のことを心配してくれてたもん!」

「じゃあ……アントニオか」

 正解。だけど、私はあえて頷かなかった。だって、ユリウスがものすごく冷たい視線を、ガエールの方向へと向けたからだ。
 もしかして……ガエールの街に何かをしようなんて……思ってないよね?

「とにかく私が言いたいことは、私のことを大事だって思ってくれているのなら、私が一番安全なのはユリウスのそばだっていうことだよ! 一緒に居たら、ユリウスは絶対に私のことを守ってくれるでしょ?」

 そしてユリウス自身も、私のそばが一番安全だって思ってほしい。
 ただ守られているだけなのは嫌なんだもん。私だってユリウスのことを守りたいんだから。

「あ、危ないっ!」

「おっと!」

 地上から上空に居る私たちに向かって、上位種のゴブリンたちが攻撃を仕掛けてくる。
 上位種ともなると、武器の扱いが上手い奴とか強力な魔法を使う奴が居て、私とサーチートを庇ったユリウスが傷を負ってしまった。

「ユリウス、大丈夫?」

 ユリウスの傷を癒しながら、私は地上に居るゴブリンたちを睨みつけた。
 くそう、私のユリウスを傷つけやがって……と、怒りが込み上がってくる。
 怪我をした彼が、ずっと一人で戦っていたユリウスが、先ほどすごい頭痛がしたときに見た、髪の長い彼の姿と重なる。
 ユリウスを、あの彼のような目に遭わせたくなかった。
 そしてその流れで思い出してしまったアントニオ。
 あぁ、イライラする! あの男、本当に腹が立つな!

「ゴブリン、ぶっ飛ばす!」

 うん、そうしよう。
 イライラ解消のためにも、ゴブリンを思い切りぶっ飛ばそう。
 そう決意して叫ぶように言うと、そうだね、とユリウスが頷いた。

「オリエからいろいろと話を聞かなきゃ行けないんだけど、今はあいつらを片付ける方が先だね」

「うん。もう、早く家に帰って、ゆっくりしたいよ」

 そう言うと、ユリウスとサーチートは笑いながら、自分たちもそうだと頷いた。

「じゃあ、残ったあいつらをさっさと片付けて、家に帰ろう。そして、後のことは……もう知らない」

 もう知らない、と言ったユリウスの金色の瞳が、ものすごく冷たく感じたのは気のせいではなかったと思う。
 だけど、私も同じ気持ちだった。
 ユリウスを利用する人たちなんて、もう知らない。


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