異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!

明衣令央

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第1章・異世界転移と異世界転生

ジュニアス来襲①


「何者って、どういう意味ですか? 私の事は、みんなして、醜く太った豚女だとか、年増だとか、そんなふうに言っていたじゃないっ!」

 そう言うと、確かに、とジュニアス王子は頷いた。
 この人、本当に失礼な人だな。めちゃくちゃムカつく!

「だが、そうではない可能性がでてきたのだ」

「どういう事?」

 話を聞くふりをして、私はアルバトスさんの家の方へと、ちらりと視線を送った。
 アルバトスさんは魔法陣作成の作業中かもしれないけれど、ユーリは気づいてくれないかな。
 それに、サーチートだ。私の騎士だの、使い魔だのって言ってたじゃない。
 ねぇ、サーチート、今、私、すごくピンチみたいなの!
 私の魔力で動いているっていうのなら、お願いだから気づいて、助けに来て!
 その願いが届いたのか、

「オリエちゃん!」

 という、サーチートの可愛い声が聞こえた。
 声がした方に目を向けると、サーチートがこちらに走って来るのが見えた。
 その後ろを、ユーリとアルバトスさんが追いかけて来る。

「オリエちゃんっ!」

 サーチートは私の足元まで来ると、ジュニアス王子とノートンを見て、体の針を逆立てた。
 ユーリとアルバトスさんは、私とサーチートを庇うように、私たちの前に立つ。

「兄上、何か御用ですか?」

 低く緊張した声で、ユーリがジュニアス王子に問う。
 ジュニアス王子は唇の端をくいと引き上げてユーリを見ると、

「何か用、か……。お前の様子を見に来た、とでも言っておこうか。呪いの毒は消えたようで、良かったな。美しき我が妹よ」

 と言う。
 慌てて飛び出してきたのだろう、ユーリは仮面をつけていなかった。

「ユリアナ、呪いが解けたなら、父上に報告するべきだろう。それは、いつ治ったのだ? この女がやったのか?」

 ジュニアス王子は、私を指さして言った。
 だけどユーリは、私を背に庇い、首を横に振る。

「いいえ、違います。これは、伯父上が治してくれたのです」

「アルバトス殿が? 今までできなかったのに? それは、おかしいだろう?」

「いえ、先日、もう一度家にある書物を全て調べ直し、見つけたのです。あの呪いの毒の消す方法を!」

「ほう……」

 ユーリはそう言ったけど、ジュニアス王子もノートンも、疑っているのは明らかだった。

「まぁ、いい。さて、俺とノートンがここまで来た真の目的だが……その女に会いに来たのだ」

「何故?」

「それは、その女も、聖女である可能性がでてきたからな。それを確かめにきた」

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