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第1章・異世界転移と異世界転生
ジュニアス来襲②
「え?」
どういう事だろう?
今、ジュニアス王子は、私も聖女の可能性があるって言った。
この言い方って、もう一人のあの女の子も、私も、二人とも聖女という可能性があるっていう事?
「彼女は、違いますよ。それに、兄上にしてオブルリヒトにしても、あの若く美しい聖女殿が居れば、それで良いのではないですか? 兄上はこの人を、王宮から追い出したではないですか」
ユーリの言葉に、あぁ、とジュニアス王子は頷いた。
「確かにそうだ。認めよう。俺自身も、オブルリヒトも、金の獣の衣を纏い、この世界に召喚された、若く美しいジュンが居ればそれで良かったし、その女は召喚に巻き込まれただけの年増女のはずだった……。だが、そうではない可能性がでてきたのだ」
あの若くて綺麗な子は、ジュンって名前だったのか。
ジュニアス王子のは、ジュンって子の事を、かなり気に入っているようだった。
二人はやっぱり、そういう関係なのだろうか。
「兄上、その可能性って、何ですか?」
「それは、確かめれば済む事だ。そのために俺たちはここに来たのだからな。ノートン!」
ジュニアス王子がノートンへ合図を送ると、ノートンは頷き、腰に下げている鞄の中から何かを取り出した。
ノートンが取り出したものは、卓球のラケットくらいの大きさの手鏡で、それを見たアルバトスさんが、
「それは、時空の鏡……」
と呟いたのが聞こえた。
そのアルバトスさんの声はノートンにも聞こえたらしく、「あぁ、そうだ」と頷いた。
「さすがは、アルバトス、これが何かを知っているな!」
ノートンはそう言うと、持っていた手鏡を私へと向けた。
鏡の中に映る私は、前にサーチートがスマホで見せてくれたものと同じ、包帯を巻かれ、いろんな管を体につけた、元の世界の私の姿だった。
「なるほど、やはりあなたは元の世界で、まだ生きているわけですね」
鏡に映った私の姿を見たノートンはそう言うと、ジュニアス王子へと顔を向け、言った。
「ジュニアス様、この者は転生者ではなく、転移者です。しかも、同時に二つの世界に存在している、まれなケースです」
「なるほど……だから、まだその姿なのか」
ジュニアス王子はノートンの解説を聞いて頷いていたが、私にはさっぱりわからない。
転生者とか転移者とか、一体どう違うのだろう?
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