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第1章・異世界転移と異世界転生
テレパシー②
しおりを挟む「サーチート、何かあった?」
『ううん、こっちは大丈夫だよー。アルバトス先生も少しずつ元気になってるし」
それは良かったなぁ。
サーチートによると、アルバトスさんは食事もしっかり摂っているらしい。
ゆっくり休んで、元気になってほしいな。
『でもね、オリエちゃんは戻って来ないし、連絡もないから、心配だなーって思って。アルバトス先生も、口にはしていないけど、ユーリちゃんの事を心配していると思うんだ。オリエちゃん、何かあった? 大丈夫? ぼく、そっちに行った方がいい?』
そう言えば、こっちに来てから連絡をしていなかった事を思い出す。
「大丈夫だよ、心配かけてごめんね。ユリ……ユーリの体調がね、まだあんまり良くないの。お熱があるから、私はもう少しこっちに居るね。明日には、私は一度そっちに戻るよ。アルバトスさんに、そう言っておいてくれるかな」
私がそう言うと、わかったとサーチートは答えてくれた。
『あのね、アルバトス先生から、オリエちゃんに伝えてって言われてる事があるんだ。オリエちゃんがこっちに戻ったら、鍵を作りたいから、協力してほしいんだって』
「え? わ、わかった……でも……」
でも、鍵って何だ? 何の鍵?
『この結界……箱庭の出入りが自由にになる鍵だよ』
「え? そんな事できるの?」
『そうみたいだよ~。ぼくもまだ、詳しい事は教えてもらっていないんだけどね。オリエちゃんが戻った時に、詳しい説明をするって言っていたよ』
でも、箱庭の結界の外には、オブルリヒトの兵士たちが居るんじゃないかな?
危なくないのだろうかという疑問が残るけど、アルバトスさんにはいろいろと考えがあるんだろう。
「わかった。じゃあ、戻ったらお手伝いするって、アルバトスさんに伝えてくれるかな?」
『うん、わかったー。じゃあぼくは、引き続き先生にいろいろと聞いて、オリエちゃんのために勉強しておくねー』
サーチートはそう言うと、テレパシーを終えた。
テレパシーか、本当に便利な呪文だなぁ。
それにしても、いろいろとやらなければならない事があるみたいだ。
できるだけの事はしたいし、頑張ろう。
きっとアルバトスさんも心配してるだろうし、ユリウスの体調、明日には良くなっていればいいんだけど。
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