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第1章・異世界転移と異世界転生
箱庭の鍵①
しおりを挟む「ただし、結界の外は、危険な場所だという事を、みなさんには理解していただきたいのです。街道へと続く村の入り口には、今もオブルリヒト兵が見張っていますし、結界外の森の中には、害意を及ぼす動物、魔物たちが溢れているでしょう」
それを聞いた村の人たちは震え上がり、ざわめき始める。
「危なくないんですか?」
「えぇ、もちろん、危ないですよ」
「そんな危ないところ、私たちに行けるはずないじゃないですか」
「そうだそうだ! 鍵があっても、外に出たら殺されてしまう危険があるじゃないですか!」
村の人たちの意見は、もっともな事だった。
アルバトスさんは頷くと、
「そうなんです。危ないんですよ。だから、あなたたちにはできるだけ、結界内に居てほしいと思っています。ですが、どうしても外に出なければならない時が、あるかもしれませんね」
と続ける。
だけど、そんな殺される可能性もある危険な場所に、誰が向かおうというのか。
村の人たちはみんな首を横に振り、行けるはずがないだろうと言う。
そんな中、
「大丈夫だ、俺が行こう」
と言ったのは、ユリウスだった。
村の人たちは驚き、みんな首を横に振った。
「ダメですよ、ユリウス様に、そんな危険な事をさせるわけには行きません」
「そうですよ! 外に行かなくてもできる生活を送ればいいんです!」
そう言う村の人たちを、私は優しい人たちばかりだと思った。
ユリウスやアルバトスさんたちが、彼らを何としてでも守ろうとした気持ちがわかる。
だけどユリウスは深い息をつくと、首を横に振り言った。
「ありがとう。みんなの気持ちは、とても嬉しいよ。だけど、この件に関しては、伯父上はもともと、俺にやらせるつもりだから」
「え?」
「そうですよね、伯父上」
みんなの視線がアルバトスさんに集まり、その視線を受け、アルバトスさんは笑顔で頷いた。
「もちろんです。こんな危なそうな事、あなた以外にやらせるわけにはいきませんよ」
「だ、そうだよ」
ユリウスは苦笑し、自分を心配する村の人たちを見た。
「みんなが俺に優しくしてくれたみたいに、俺も、みんなのために何かをしたいって思っている……もしも結界の外に用事があるのなら、遠慮なく俺を使ってほしい」
「ユリウス様っ……」
みんな、ユリウスの言葉に感動しているようだった。
いいなぁ、こういうの。
互いが互いを想い合ってる感じが、すごくいい。
私もユリウスと一緒に、この優しい人たちの力になりたい。
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