143 / 370
第2章・のんびりまったりスローライフ?
出発②
しおりを挟む街道沿いは、相変わらずオブルリヒトの兵士が毎日交代で見張っていた。ジュニアスも、結構しつこいよね。
なので、結界を出て外に向かうには、やはり森を突っ切る事になる。
どこから出るのが一番見つからないだろうと考えた結果、シルヴィーク村とアルバトスさんの家の中間あたりから出る事になって、そこが待ち合わせ場所になった。
モネちゃんとジャンくん、そしてモネちゃんのお父さんのマルコルさんと、ジャンくんのお父さんであるドルスさんは、待ち合わせ場所に先に来ていた。
「モネちゃん、ジャンくん、結構な大荷物だね!」
二人はぱんぱんに膨れ上がった、大きなリュックを背負っていた。
中には今後の資金となる、ハロン商店が買い取った、ユリウスが仕留めた獣や魔物の素材が入っているんだろうけど……。
「それ、アイテムバッグだろ? それなのに、そんなにいっぱいになるのか?」
大荷物のモネちゃんたちに驚いたユリウスが聞いたけど、私も驚いていた。
商人であるマルコルさんが使うバッグは、特殊な鞄だと聞いていたのに、あんなにいっぱいになるなんて。
「そちらは、身軽でいいですねぇ」
モネちゃんは私たちを見ると、ため息をついた。
確かに私たちは、持っている荷物は各自バッグが一つだけの、身軽な恰好だ。
「アイテムバッグと言っても、これは魔力がない者でも使える既製品ですからね。そちらのように、自分が持つ魔力に比例した保管能力はないんですよ。それでも俺のこの鞄は、三十のアイテムを入れられるようになっている、商人御用達の優れものなんですよ」
マイコルさんの説明を聞いて、モネちゃんとジャンくんが背負っている、ぱんぱんに膨れ上がったリュックサックの中には、六十のアイテムが入っているというわけかと、ざっと計算をした。
そうか、そんなに売り物が入っているのか……まぁ、この二か月の間、ユリウスは森に出るたびに何匹か狩ってくるから、数も増えるよね。
マルコルさん、途中から買い取りたくても買い取る資金がないって言ってたもんなぁ。
だから、ハロン商会に無料で提供したものもあるけれど、途中からは私が解体して、自分で素材を取るようにしてたんだよねぇ。
この二か月……私もいろんな事ができるようになったなぁ。
狩った獣や魔物の解体とか、野外での料理とか、魔法を使った便利な生活とか……元の世界のアニメや漫画みたいな娯楽なないけど、この世界での生活が楽しくて仕方がない。
「モネちゃん、ジャンくん、私の鞄の中に、そのリュック入れてあげようか? まだ空きがあるから、入ると思うよ」
私やユリウスの鞄は、マジックアイテムバッグだ。
特殊な魔法、マジックバッグの魔法をかけてあるので、さっきマルコルさんが説明してくれたように、持っている魔力に比例した保管能力がある。
どのくらいあるかというと……サーチートで五、ユリウスで五十、私の場合は無制限の保管能力があるんだけど……これは内緒にしておこう。
「え? いいの? じゃあ……」
「こら、モネ!」
モネちゃんとジャンくんは、瞳を輝かせて背負っていたリュックを降ろそうとしたけれど、マルコルさんに怒鳴られて震え上がった。
「オリエさん、こいつらを甘やかさんでください! モネ! お前は俺の代わりに仕入れに行くんだぞ! 遊びに行くんじゃないんだ! お前が背負っている荷物は、うちの大事な商品だ! そのリュックは、俺の商人としてのプライドそのものだ! 遊びに行くつもりなら、今すぐ俺と代われ!」
「ジャン、お前もそうだ! お前はモネちゃんの手伝いで行くんだ! 遊びのつもりなら、俺が行く!」
モネちゃんとジャンくんは、まだ村から出てもいないのに、それぞれのお父さんに怒られて、ぐったりしながらわかりましたと何度も頷いた。
そして私とユリウスは、モネちゃんとジャンくんを絶対に甘やかさないようにと、何度も何度も念を押されたのだった。
47
あなたにおすすめの小説
裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~
あかる
ファンタジー
私、異世界から転生してきたみたい?
とある田舎町にダンジョンが出来、そこに入った美優は、かつて魔法学校で教師をしていた自分を思い出した。
犬と猫、それと鶏のペットと一緒にダンジョンと、世界の謎に挑みます!
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
孤児による孤児のための孤児院経営!!! 異世界に転生したけど能力がわかりませんでした
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はフィル
異世界に転生できたんだけど何も能力がないと思っていて7歳まで路上で暮らしてた
なぜか両親の記憶がなくて何とか生きてきたけど、とうとう能力についてわかることになった
孤児として暮らしていたため孤児の苦しみがわかったので孤児院を作ることから始めます
さあ、チートの時間だ
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。
[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します
mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。
中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。
私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。
そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。
自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。
目の前に女神が現れて言う。
「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」
そう言われて私は首を傾げる。
「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」
そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。
神は書類を提示させてきて言う。
「これに書いてくれ」と言われて私は書く。
「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。
「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」
私は頷くと神は笑顔で言う。
「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。
ーーーーーーーーー
毎話1500文字程度目安に書きます。
たまに2000文字が出るかもです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる