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第2章・のんびりまったりスローライフ?

大丈夫、そばに居るよ①

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『なるほどね、そんな事があったんですか……。それは確かに、サーチートくんが言う通り、今のユリウスの状態は、何者かが仕掛けた罠にはまってしまった結果なのだと思いますよ』

 シルヴィーク村を出てからユリウスが倒れた今現在までの事を、私はアルバトスさんに説明した。

「あの、アルバトスさん、私、どうしたらいいですか? ユリウスを連れて、一度そっちに戻った方がいいですか?」

 この毒が罠だというのなら、単純に毒を消すために異常回復呪文のリカバーをかけていいのかがわからなかった。
 だから、直接ユリウスの容態を、アルバトスさんに見てもらった方がいいのではと思ったんだけど、アルバトスさんは首を横に振った。

『いいえ、それには及びませんよ。聖女であるあなたがリカバーをかければ、毒は消えるはずです。オリエさん、かけてみてください』

「はい、わかりました!」

 私はユリウスの傍に行くと、どす黒く変色した左肩にそっと手をかざし、異常回復呪文のリカバーを唱える。
 すると、どす黒く変色していた左肩は、少しずつ元の褐色へと戻っていった。
 だけどユリウスは目を覚まさず、まだ苦しそうで、熱も下がっていないようだった。

「ユリウス! ユリウス、起きて! アルバトスさんっ!」

 リカバーをかければすぐに回復し、目を覚ましてくれると思っていた私は、ショックを受けた。
 そんな私にアルバトスさんの冷静な声が届く。

『落ち着いてください、オリエさん。ユリウスが目を覚まさないのは、想定内の事です。まずは毒を取り除いた事で、命の危険はなくなったと思ってい大丈夫ですよ』

「想定内?」

 聞き返すと、スマホ画面に映し出されたアルバトスさんは、はい、と頷いた。

『次は、巨大熊に突き刺さっていたという、黒い魔結晶が気になりますね。もしかするとその黒い魔結晶は、魔族が作ったものかもしれません。だとすると、毒のようにまだ何かの罠が仕掛けられている可能性も、ある……』

「罠?」

『えぇ、罠です。例えば……そうですね、呪い、とか……』

「の、呪い?」

 毒は取り除いたけれど、どんどん物騒になっていく。
 呪いと聞いてパニックしかけた私に、オリエさん、とアルバトスさんの冷静な声が届く。

「オリエさん、落ち着きなさい。まず発熱ですが、それは一晩眠ったら治まる可能性が高いです。そして、目覚めない原因が発熱なら、明日の朝にはユリウスは目を覚ますと思います。あの子は体力のある子ですから」
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