199 / 277
第2章・のんびりまったりスローライフ?
スタイリッシュ・アーマーの店主①
しおりを挟む「あぁ、リュシーさん、お帰りなさい……って、あんたたちは昼間の……」
「おやまぁ、お知り合いでしたか?」
お店に入ると、店主であるリュシーさんを、ガレアスさんとソフィーさんが出迎えに出て来て、私たちを見てびっくりしていた。
「ううん、街でさっき初めて会ったんだ。この子たち、昼間、ここに来たんだって?」
「えぇ。ズボンや武器をたくさん買ってくださいました」
「という事は、アンタ、アタシの店の商品が気に入ったって事だよね! ねぇ、アタシのお願い、聞いてよ~」
ユリウスの肩に腕を廻し、リュシーさんが言う。
ユリウスは渋い顔をしてため息をつき、仕方ないとと呟いた後、言った。
「内容による。とりあえず、聞こう」
「ありがと。あのね、モデルっていうか、トルソー替わりっていうか、アンタにアタシの作る服を着てもらいたいんだよ。なかなかイメージが固まらなくてさ」
「は? なんで俺なんだよ」
うん、確かに、どうしてユリウスに着てもらいたいんだろう。
リュシーさんは、デザイナーって事だから、当然トルソーも持っているだろうし……でも、どんな服なんだろうな。
ユリウスをさらにカッコよくするような服なら、着ているところを見てみたいなぁと思う。
「あの、それって、どんな服なんですか? ユリウスじゃないと駄目なんですか?」
私がそう言うと、リュシーさんは綺麗な笑顔で、元気に頷いた。
「そう、この子じゃないと駄目なんだ。だってその服は、ルリアルーク王の衣装、だからね」
「え? それ、どういう事だ?」
目を見開き、息を呑むユリウス。
もちろん、私も驚いた。今の話、どういう事なんだろう?
ただサーチートだけが、「ルリアルーク王の服かぁ~。どんな服だろうねぇ~」と、呑気に喜んでいる。
「ほら、今、オブルリヒトのジュニアス王子が、ルリアルーク王じゃないかって言われているだろう? あの王子、近々それを他国に向けて宣言するらしいんだ。ジュニアス王子は、ルリアルーク王の色を全て纏っているわけではないけど、父王の方はルリアルーク王の色を全て纏っていて、ステータスには、ルリアルーク王の父と記載されているって噂だ。だから、色は違えど、ジュニアス王子は本当に現世のルリアルーク王だと言われている」
「へ、へぇー、そ、そうなんだ」
ユリウスは口元がひくひくさせながら言った。
私も、王様のステータスの事までが世間に広まっている事には驚いた。
私は以前アルバトスさんに教えてもらったけど、これ、ユリウスは知っていたのかな。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
189
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる