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第3章・冒険者デビュー

また大金を手に入れた!②

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「ではユリウスさん、これがCランクに更新したギルドカードと、依頼達成の代金です」

 受付の女の子が、ユリウスに新しくなったギルドカードとお金を差し出した。
 麻袋が八つと、バラで置かれた金貨が三十八枚。つまり、八十三万八千ルドであり、日本円にすると、八百三十八万円である。

「すごい金額だね、ユリウス……」

「そうだね。やっぱりサーベルタイガーが大きかったんじゃないかな」

 どこかのお金持ちの人が、サーベルタイガーの剥製が欲しいという事で出した依頼だったらしいんだけど、これだけで金貨四百枚なんだよね。

「確かにすごい金額だが、嬢ちゃんだってすごいぜ。これ、さっきの聖水の代金だ。ローレンスから預かってるぜ」

「え? こんなに?」

 ゴムレスさんが渡してくれたのは、麻袋が六つ。金貨六百枚で、六十万ルド。日本円にすると、六百万円?
 こんなに貰っていいの?

「特級聖水、一本六万ルドだ。嬢ちゃんたちのおかげで、街や近隣の村を守る準備を進められる。本当に助かったよ。だからこれは嬢ちゃんの正当な報酬だ」

 私、聖水、結構簡単に作れちゃったから、申し訳ない気持ちになっちゃうんだけど、ここまで言ってもらえるのなら、お言葉に甘えて貰っちゃおうかな。
 それにしても、ポーションとか聖水とか、ものすごく高額で買い取りしてもらっているよね。濡れ手に粟とはまさしくこの事だ。おかげで大金持ちだよ。

「嬢ちゃん、ずいぶん稼いたな。だいぶ貯まっただろう。何か買うのか?」

 ゴムレスさんに聞かれて、私は考え込む。
 一応、リュシーさんに素敵衣装を作ってもらうつもりだったから、お金を貯めようとしていたんだけど、あんな事があったから、その話も流れちゃうかもしれないしなぁ。

「とりあえず、貯金しておこうかな」

 と答えると、ゴムレスさんは銀行に預ける事を提案してくれた。
 この異世界にも銀行がある事に驚いた。異世界の銀行は、商業ギルドに設置されているらしい。
 私とユリウスは、貰ったお金を銀行に預ける事にして、商業ギルドに向かう事にした。


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