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ギルドマスターに依頼した

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あれ!なぜベッドの中で寝てるんだ。
ガバッと起き上がった。

「痛たたた」急に頭痛がしてきた。

この部屋は見覚えがある。そうだ!宿屋だ。
まだ頭痛がするが歩き回って何が起きたか必死に考えた。
そうだ。くらくらして倒れたんだ。急に鮮明にドラゴン討伐を思い出した。

誰かがここまで運んでくれたに違いない。

あ!予備のナイフは机の上あった。その横にはポーチもあった。
中身を確認すると、木札もギルドの銅メダルも金もあった。

盗まれてなかった。
物騒な世界だと思っていたのに・・・

体に異常がないか触りまくった。どこも出血などなかった。

黒い渦を思い浮かべた。
目の前に現れた黒い渦からペットボトルを取り出した。
ゴクゴクと一気飲みをした。冷たくて美味しいお茶だ。
木窓から日が差込んでいるから、昼間だな。
木窓を開くと涼しい風が吹き抜けた。

下が騒がしい。
なぜだ!往来もせずに人々が大声で話し合ってるぞ。
この言語通訳は、注意力が散漫《さんまん》だと聞き取りにくいから内容も分からない。
気を静めて集中だ。
たまにドラゴンって言葉が聞こえてきた。

なにやら荷馬車の周りには人だかりだ。徐々にこっちまで移動して来たぞ。
荷馬車の載ってるのは、ドラゴンの頭だ。

「ドラゴンだ!討伐が成功したぞ!!」

「あの大きさは、凄いぞ」

「やーい、やーいドラゴンだ」子供の声がはっきりと聞こえる。

その後ろから肉が積まれた荷馬車がやって来た。


「あんた、目が覚めたのかい。2日も寝てたから心配したよ」

後ろを見るとおばさんだ。

「2日も寝てた・・・俺が」

「ドラゴン討伐の知らせと一緒に、あんたも運ばれたんだよ」

「そんな事があったのか・・・」

「そうだ、使いの人が来てね。起きたらギルドに来てくれって伝言があったよ。行くのかい」

「うん、行くよ」

「まだ休んだ方がいいと思うけど・・・頑張って行きな」



俺がギルドに入った途端に、ギルド内はざわついた。
俺が列に並ぼうとしたら、受付のおっさんが大声で話し出した。

「あんた、2階奥のギルドマスターの部屋に行きな」

皆に見られながら2階に上がった。

ドアをノックした。

「入れ」

入るとギルドマスターが、デスクに向かって何かを書いてた。

「イサムか、良く来たな。イサムの報酬だ。金貨100枚が入ってるぞ」

デスクにジャラと袋が置かれた。

「ドラゴンの魔石が欲しいのですが」

「魔石ってなんだ」

魔石を知らないのか・・・なぜなんだ。
ポーチからゴブリンの魔石を出して見せた。

「なんだ魔物の石か・・・それが欲しいのか・・・そんなものを・・・」

なにか考え込んでいた。

「ドラゴンの討伐部位として、国王に送ろうと手紙を書いてたところだ。イサムが欲しいなら持ってけ」

デスクの引き出しから、大きな魔石を出して来た。
15センチの魔石だ。ダンジョン産は最大で5センチだ。
それに赤と言うより真っ赤だ。こんな色濃い赤は見た事がない。

「討伐部位は、どうするのですか?」

「心配するな。ドラゴンの頭を送る事が領主さまの考えで決まったから・・・別に問題ないはずだ」

「それなら安心しました。ありがとう御座います」

そう言って魔石をもらって、ポーチに無理やり押し込んだ。
でか過ぎだ・・・

「教えてくれ。最後に使った魔法はなんなんだ」

「あれは、光魔法と雷魔法の融合魔法です」

「光魔法も使えるのか・・・その話はあまりしない方がいいぞ。教団に知られたら強制的に連れて行かれるだろう」

「教団って評判が悪いのですか?」

「大っぴらには言えないが、王国の影の実力者だよ。だから無闇に悪口も言えないのが現状だよ」

デスクにあった金貨の袋から半分を出した。

「マスター、それで魔物の石の買取依頼をお願い出来ませんか」

「買取るって事か・・・出来るよ」

そう言って、紙にササッと書いた物を俺に差出した。

「そこにサインしたら依頼受理だ」

買取る値段は、魔物の討伐報酬の2割で買うらしい。
そしてギルドは、1割の手数料を取って3割が支配金額だ。
まあ悪くないのでサインして手渡した。

「明日から買取を始めるよ」

「お願いします」

軽くなった金貨袋を持って部屋を出た。
出た途端に黒い渦をだして収納した。
そろそろ帰るか・・・


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