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没話集
全てを諦めた場合
しおりを挟む「もう、いいよな」
独りボソッと呟く。
その者は、銀の髪と赤と碧のオッドアイをもつ美青年だった。
整った顔には哀しみや諦め、絶望…そして安堵の色があった。宝石のような瞳に光は無く、ただ黒く淀んでいる。
彼は最強だった。
決して痛みに膝をつく事も、傷付く事もなかった。
常に人前では、完璧な“彼”を演じ続けていた。
何故なら彼は知らなかったから。彼は幼少期、1度も愛されたことがなかった。周囲の人間から与えられたモノは、蔑むような目と一方的な暴力だけだった。
何故なら彼は忘れていたから。彼にとって大切だったあの人を。好意を受け取ったことの無い彼を優しく包み込んでくれた、唯一の人間を。
故に知ってしまった、思い出してしまった彼は、己の生きてる意味を見いだせなくなった。何もかもがどうでもよくなった。
「ねぇ、なんで俺は死んでないの?あの人の世界なんて、無意味でしかないのに。なんで俺は忘れていた?このクソみたいな世界に居た、唯一の光のようなあの人を」
「あの人を守る肉の壁になれば良かったのに」
「あの人を守れなかったこの生に価値など有りはしないのに」
「俺が死ねば良かったのに」
「どうして俺が生きてるんだろう」
「…そもそも、どうして俺は生まれてきてしまったんだろう」
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閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
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2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
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