王子達は公爵令嬢を甘く囲いたい

緋影 ナヅキ

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幼少期

愛し子③

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 「いいかい、2人とも。まず、前提としてだが普通、精霊や妖精をぼんやりとした光だとしか見ることができない。」


 ……は?
 いやでも、私たち普通に見えるし、喋れるし、その上触ることもできるよ。

 兄様も同じことを思ったのだろう、こちらを見て困惑している。

 お母様が、言葉を受け継いでさらに言う。

 「そして、近くに居ても感じ取ることすらままならない人も多くいるの。むしろ、それがほとんどね。……だけど例外があるわ。」

 「「例外?」」

 「あぁ、それは精霊や妖精に無条件に愛された存在…──愛し子だ。」

 「愛し子は何百年かに1人いるかいないかぐらい、希少なのよ。魔力量も特別多く、魔法を使う力にもたけていて、属性にないオリジナルを創り出し、操ることもできるそうよ。」

 「だからこそ、いろんな争いに巻き込まれてしまう。貴族間のや、国同士のに。愛し子が殺されたこともあったみたいだ。」

 「……まぁでも、愛し子が傷つけられると彼らは当然怒り、酷い時は大国が1つ消えたようだけれどね…」
 
 え、なにそれ怖っ。
 一体どんなことしたら国滅ぼされるようなことになるんだ…。…あっ、殺された場合か。

 っていうか、さっきのが衝撃過ぎてツッコミ忘れてたけど、愛し子は数百年に1人って言ったよね、お母様。

 愛し子の定義を当てはめた場合、私とザライド兄様、余裕で当てはまるよね。
 つまり、愛し子が2人になるわけだ。

 …うん。絶対におかしいよね。
 
 「父様、母様、つまり見える僕たちは愛し子ということになりますが、2人です。」

 兄様が両親に言ってくれた。
 だよね。変だよね。
 1人が2人だなんてさ、今までの愛し子についての定義崩壊ものだ。

 というか、愛し子チート過ぎない!?
 魔力量、魔法共に最高級で、属性範囲外のオリジナルを創り出し、使うって。
 むしろ、どうやって殺した?!
                  
 「そう、今回はそこが謎なのよ。」   

 こういう場合、何が原因だったけ…。考えろ。前世無駄に“こういうもの”系のラノベを読んできたんだ。それらから予測するに…

 「…もしかして、私たちが双子、だから?」 

 そう、私とザライド兄様は双子。それも、一卵性で、容姿も基本能力もほぼ同じ。
 とどのつまり、性質が似ているから2人して愛し子認定されてるのでは?っということ。

 「そうだね~。おそらくアンジュの言うとおりだと僕も思ってるよ。」

 お父様がのんびりとした口調で答えた。

 ……あれ?何かツッコミ忘れてることがまだあった気がする。

 そう、今回一番大切なこと。
 何だったけ………。

 …!
 そうだ、愛し子だよ、愛し子。
 兄様がさらっと言ってくれたけど、つまりさ、私たちは数百年に1人(今正しくは2人)の貴重な愛し子なわけで。──これ王家にバレたら…召し上げ(捕獲さ)れるのでは?

 「お、お父様、お母様。」

 「ん?何かしら。」

 「どうしたんだい?」

 「私と兄様は愛し子なんですよね…。」

 「えぇ、推測するにそうなるわね。」

 「もし…、これが王家にバレたら…?」

 顔を青ざめて、恐る恐る問う。

 すると理解出来たんだろう、兄様が「あっ…」と、声をもらした。

 「あぁ…。そうだねぇ、バレたら面d …大変なことになる。多分、王家に保護(捕獲)されてしまうだろうね。」

 あぁ、やっぱりか…。

 「うふふ。大丈夫よ、アンジュ、ザライド。」

 さっきまで真面目に話していたとは思えないほど、優雅に紅茶を飲みながら微笑むお母様。

 「貴方達はこの国の王家に無理矢理に捕獲されないし、させないわ。」

 「あぁ、そうだったね。アリス。君のおかげで、この子達は捕獲されないんだった。」
       
 え…。どゆこと?
 というか、保護が捕獲になってる(笑)

 「どういう事ですか?」

 兄様が代わりに聞いてくれた。

 「貴方達にはまだ言ってなかったわね。もう少し大きくなってから伝えるつもりだったのだけど…。心して聞きなさい。」

 なぜか、その態度には威厳があって。

 「私は、レクイエム帝国元第1王女です。」

 衝撃の事実を告げた。

 「そしてザライドはレクイエム帝国王位継承権第2位、アンジュは王位継承権第3位。それぞれ、レクイエム帝国の王子と王女です。」

 …は……?


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