陽だまりのかくしごと

かんな

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第一章

プロローグ

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日曜の昼下がり。
暖かい陽射しが差し込むリビングで
テレビを見ながらうとうとしていた。

「ねぇ、パーパ!」

どしっと飛び込んできた重たいものに
一気に目が覚める。

千笑ちえみどうしたの?」

「あのね、パパのお部屋でこれみつけた!」

「ん?」

飛び込んできた娘の手には無くしたと思ってたファイル。
ファイルの中にはたくさんのちぎられたノートが入っていた。

「千笑、これどこで見つけたの?」

「パパとママのお部屋のね、本がいっぱいあるとこ!」

「本棚?」

「そう!ほんだなのうしろに落ちてたの!」

どうして本棚の後ろなんて見たんだか。
髪に埃をつけた娘は楽しそうに笑っていた。

「これね、パパの宝物なんだ。無くしたと思ってたから千笑が見つけてくれてすごく助かったよ」

頭を撫でてやると娘は嬉しそうな表情を見せた。

ファイルの中を見るとあの頃の思い出が蘇る。

「懐かしいなぁ」

「パーパ!それ、なぁに?」

「知りたい?」

「知りたい!」

「じゃあ、見つけてくれたお礼に千笑にだけ教えてあげる」

娘の頭をくしゃくしゃしながら、俺はファイルの中身を見せた。

「読めない字がいっぱいだぁ」

「ママにもお兄ちゃんにも内緒だよ?約束できる?」

「うん!約束できる!」

娘の笑った顔は妻にそっくりだ。
時計を見ると14時過ぎていた。
妻と息子はまだ帰ってこないだろう。

「これはね、パパが大切な人にもらったものなんだ」

娘は丸い目を輝かせている。
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