Battle Royal ～神の能力者～

第2話「ドライヴ」

パイロとヴェノムは研究所を出て、彼らを作りあげた博士を探す旅に出て１週間がたった。
「クソっあの白衣ピエロめ、あの不気味な笑顔を思い出すだけで虫酸が走るぜ」ヴェノムはその握り拳をハンドルに叩きつけながら運転していた。

その横でパイロは窓の外を眺めながらブツブツ独り言を呟いていた。
「やつは俺たちを作った3日後すぐにいなくなった…各地の研究所で俺達みたいな化け物を作っているのか？」
「だとしたらやべえな！世界中がバイオハザードだぜ！」
ヴェノムの地獄耳にパイロは思わず驚き、顔をひきつらせた。
「バイオに出てきそうなお前がそういうと滑稽だな」
パイロは嘲笑うかのようにそう言った。

車を猛スピードで走っていると目の前に、人の形をした白いなにかがヴェノムに目を合わせてきた。
「うわっあぶねぇ！」ヴェノムは自分の意思よりも先にハンドルを回す動きをした。その瞬間にヴェノムは自分の体の動きに違和感を感じた。
ブレーキをかけようするが、なぜか体が言うことを聞かず、足も腕も動かせない。目の前には崖が迫ってきている。
「おいおい何やってんだその先は崖だぞ！」しかしパイロが警告してもヴェノムは操られているかのように、アクセルを踏み続けている。

「クソっこうなったら！」パイロは身を乗りだし、剛腕な掌でヴェノムの腕を掴み、オープンカーから脱出した。

オープンカーは崖の下に落ちていき、黒い木の群衆を照らしていった。
 パイロは後ろの敵に気付き、鋼鉄の腕で敵の攻撃を受け止めた。
パイロは宙に火を灯した。暗闇から見えたのはヴェノムだった。ヴェノムは異常に甲高いトーンの声でこう言った。
「ｷｷｷ､僕は操り骨人形の､パペット｡3番目の能力者だ。」