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第一章 闇の魔女
第12話 激突! 光と闇の攻防!
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ミランダは黒鎖杖を構えて尼僧と対峙した。
そのまま二人は互いに睨み合うと、ついに動き出した。
ミランダは下位魔法黒炎弾を駆使して尼僧に攻撃を仕掛けていく。
ミランダの両手から発せられる漆黒の火球が尼僧の体を焼き尽くそうと襲い掛かる。
だが、尼僧が錫杖を振り払うと光の帯が空中でしなり、黒い火球を次々と打ち落としていく。
「生意気っ!」
ミランダはそう叫ぶと間髪入れずに次々と『黒炎弾』を繰り出す。
だけど尼僧は冷静な顔で錫杖を振り上げた。
「闇の炎を消し去りたまえ。清光霧」
尼僧の錫杖から光り輝く霧が噴出し、それが防御網となってミランダの黒炎弾の効果を薄めてしまう。
ミランダが攻め、尼僧が守る。
しばらくはそうした攻防が続いたけれど、徐々に尼僧が光の霧の神聖魔法でミランダへ反撃を仕掛けていく。
「鬱陶しいわね!」
ミランダは自分に降りかかる光の霧を黒鎖杖で振り払いながら後退して距離を取る。
そして大きく息を吸い込むと呪文を唱え始めた。
「闇に巣食う悪の神よ。愚かな子羊に食らいつけ! 悪神解放」
ミランダの求めに応じて、尼僧のすぐそばの地面から黒い影が盛り上がっていく。
これって確か、その土地に宿る悪の神を目覚めさせるっていうミランダの上位魔法だ。
あれよあれよという間に現れたそれは漆黒の体を持つ信じられないほど巨大な牛の姿だった。
巨岩のようなその体から生える四肢は、人の体を軽く踏み潰せるほどの大きさだ。
「ペチャンコになっちゃえ!」
ミランダは嬉々として命令を下した。
途端に巨大な魔牛は地面を踏み鳴らすようにして尼僧を踏みつけにかかる。
尼僧が巧みにその足を避けると、魔牛はさらに激しくほとんど地団駄踏むように躍起になって尼僧を踏み潰そうとした。
しかし尼僧は軽やかなステップを踏みながら巨大な魔牛の足元で錫杖を天に向けてかざした。
「神の裁きよ。天より来たれ! 断罪の矢」
尼僧の持つ錫杖の先端で輝く銀色の宝玉が眩い光を放った。
でも実際には頭上は固い岩盤に覆われた天井であって空は見えない。
ミランダも鼻を鳴らして笑みを浮かべている。
「フン。馬鹿ね。ここは光の届かない闇の底よ。神の御加護とやらは……」
「いいえ。神はたとえ地の底であろうと全てを見透かし、必ず声を届けるのです」
尼僧はきっぱりとそう言い切った。
その目には信じて疑わぬ固い意志を宿している。
そして彼女の言葉通り、すぐに天井の岩盤が光り輝いたかと思うと、そこから無数の光の筋が舞い降りた。
あまりに速すぎて僕にはそれが何であるのかすぐには分からなかったけど、ミランダは咄嗟に身を翻して後方へ大きく跳び退る。
光の筋は魔牛の背中に何百何千と突き立った。
漆黒の魔牛は大きな悲鳴を上げ、それを見て僕は初めて光の筋が天井から無数に落下してきた光り輝く矢であることが分かった。
魔牛はそれでもブルブルと体を震わせて刺さった矢を振り払うが、そこで力尽きて消滅した。
す、すごい……。
あまりに大迫力の戦闘を前に、僕は呆然と立ち尽くすしかなかった。
だけどすぐに僕はミランダのうめき声を聞いて我に返った。
「ミランダ!」
ミランダは地面に倒れ込んでいる。
見ると降り注いだ光の矢のうち一本が彼女の左足のふくらはぎを貫いて地面に突き刺さっていた。
か、完全には避け切れなかったんだ。
地面に縫い付けられたような格好になりながらも、ミランダは気丈に黒鎖杖を振り払ってこの矢をへし折り、体の自由を得る。
だけどその顔は苦痛に歪んでいて、額にはじっとりと脂汗が滲んでいた。
ミランダ。
相当痛いんだろうな……。
僕は彼女の痛みを想像して思わず唇を噛み締めていた。
尼僧は間髪要れずに清光霧を放つ。
体にまとわりつく光の霧に苦しめられながら、ミランダは闇の魔力を全開にしてこれを振り払った。
そしてミランダは一歩前に踏み出ると、疲労の滲む表情ながらも尼僧を毅然と睨みつけた。
ミランダと尼僧の戦いはそこから十数分に渡って続いた。
それはまさに光と闇の対決だったが、徐々に光が優勢になりつつあった。
いつの世も闇は光に敗れるのが物語の常道だ。
だけど、僕は胸の内で闇を応援していた。
ミランダのプレイヤーとの戦いを幾度と無く見てきたけど、ミランダの本領が発揮されるのはいつも戦いの後半だ。
彼女の逆転劇が訪れるその瞬間を僕は心待ちにしている。
ミランダ。
もうすぐキミの時間だ。
いつものようにやってやれ。
僕は拳を握り締めたまま戦況を見つめ続けた。
そしてついにミランダの体力は残り半分を切り、彼女にとっての緊急モードが発動した。
僕は思わず歓声を上げそうになるのをグッとこらえ、ミランダの動きを目で追った。
そしてミランダは黒鎖杖を自分の目の前の地面に突き立てると、両手を頭上に掲げる。
その口から言葉にならない呪詛のようなつぶやきが漏れ、ミランダはこれこそ我が本懐とばかりに特殊魔法である死の呪文死神の接吻を炸裂させんとする。
その顔はいつにも増して輝いていて、ミランダは活き活きとした声を張り上げる。
「くらいなさいっ!」
彼女が前方に突き出した両手の間から、黒い霧が空間の揺らぎとなって現れる。
その霧はすぐに黒く巨大なドクロを象っていき、それはほとんど一瞬で空気を伝わって尼僧に襲い掛かった。
そのまま二人は互いに睨み合うと、ついに動き出した。
ミランダは下位魔法黒炎弾を駆使して尼僧に攻撃を仕掛けていく。
ミランダの両手から発せられる漆黒の火球が尼僧の体を焼き尽くそうと襲い掛かる。
だが、尼僧が錫杖を振り払うと光の帯が空中でしなり、黒い火球を次々と打ち落としていく。
「生意気っ!」
ミランダはそう叫ぶと間髪入れずに次々と『黒炎弾』を繰り出す。
だけど尼僧は冷静な顔で錫杖を振り上げた。
「闇の炎を消し去りたまえ。清光霧」
尼僧の錫杖から光り輝く霧が噴出し、それが防御網となってミランダの黒炎弾の効果を薄めてしまう。
ミランダが攻め、尼僧が守る。
しばらくはそうした攻防が続いたけれど、徐々に尼僧が光の霧の神聖魔法でミランダへ反撃を仕掛けていく。
「鬱陶しいわね!」
ミランダは自分に降りかかる光の霧を黒鎖杖で振り払いながら後退して距離を取る。
そして大きく息を吸い込むと呪文を唱え始めた。
「闇に巣食う悪の神よ。愚かな子羊に食らいつけ! 悪神解放」
ミランダの求めに応じて、尼僧のすぐそばの地面から黒い影が盛り上がっていく。
これって確か、その土地に宿る悪の神を目覚めさせるっていうミランダの上位魔法だ。
あれよあれよという間に現れたそれは漆黒の体を持つ信じられないほど巨大な牛の姿だった。
巨岩のようなその体から生える四肢は、人の体を軽く踏み潰せるほどの大きさだ。
「ペチャンコになっちゃえ!」
ミランダは嬉々として命令を下した。
途端に巨大な魔牛は地面を踏み鳴らすようにして尼僧を踏みつけにかかる。
尼僧が巧みにその足を避けると、魔牛はさらに激しくほとんど地団駄踏むように躍起になって尼僧を踏み潰そうとした。
しかし尼僧は軽やかなステップを踏みながら巨大な魔牛の足元で錫杖を天に向けてかざした。
「神の裁きよ。天より来たれ! 断罪の矢」
尼僧の持つ錫杖の先端で輝く銀色の宝玉が眩い光を放った。
でも実際には頭上は固い岩盤に覆われた天井であって空は見えない。
ミランダも鼻を鳴らして笑みを浮かべている。
「フン。馬鹿ね。ここは光の届かない闇の底よ。神の御加護とやらは……」
「いいえ。神はたとえ地の底であろうと全てを見透かし、必ず声を届けるのです」
尼僧はきっぱりとそう言い切った。
その目には信じて疑わぬ固い意志を宿している。
そして彼女の言葉通り、すぐに天井の岩盤が光り輝いたかと思うと、そこから無数の光の筋が舞い降りた。
あまりに速すぎて僕にはそれが何であるのかすぐには分からなかったけど、ミランダは咄嗟に身を翻して後方へ大きく跳び退る。
光の筋は魔牛の背中に何百何千と突き立った。
漆黒の魔牛は大きな悲鳴を上げ、それを見て僕は初めて光の筋が天井から無数に落下してきた光り輝く矢であることが分かった。
魔牛はそれでもブルブルと体を震わせて刺さった矢を振り払うが、そこで力尽きて消滅した。
す、すごい……。
あまりに大迫力の戦闘を前に、僕は呆然と立ち尽くすしかなかった。
だけどすぐに僕はミランダのうめき声を聞いて我に返った。
「ミランダ!」
ミランダは地面に倒れ込んでいる。
見ると降り注いだ光の矢のうち一本が彼女の左足のふくらはぎを貫いて地面に突き刺さっていた。
か、完全には避け切れなかったんだ。
地面に縫い付けられたような格好になりながらも、ミランダは気丈に黒鎖杖を振り払ってこの矢をへし折り、体の自由を得る。
だけどその顔は苦痛に歪んでいて、額にはじっとりと脂汗が滲んでいた。
ミランダ。
相当痛いんだろうな……。
僕は彼女の痛みを想像して思わず唇を噛み締めていた。
尼僧は間髪要れずに清光霧を放つ。
体にまとわりつく光の霧に苦しめられながら、ミランダは闇の魔力を全開にしてこれを振り払った。
そしてミランダは一歩前に踏み出ると、疲労の滲む表情ながらも尼僧を毅然と睨みつけた。
ミランダと尼僧の戦いはそこから十数分に渡って続いた。
それはまさに光と闇の対決だったが、徐々に光が優勢になりつつあった。
いつの世も闇は光に敗れるのが物語の常道だ。
だけど、僕は胸の内で闇を応援していた。
ミランダのプレイヤーとの戦いを幾度と無く見てきたけど、ミランダの本領が発揮されるのはいつも戦いの後半だ。
彼女の逆転劇が訪れるその瞬間を僕は心待ちにしている。
ミランダ。
もうすぐキミの時間だ。
いつものようにやってやれ。
僕は拳を握り締めたまま戦況を見つめ続けた。
そしてついにミランダの体力は残り半分を切り、彼女にとっての緊急モードが発動した。
僕は思わず歓声を上げそうになるのをグッとこらえ、ミランダの動きを目で追った。
そしてミランダは黒鎖杖を自分の目の前の地面に突き立てると、両手を頭上に掲げる。
その口から言葉にならない呪詛のようなつぶやきが漏れ、ミランダはこれこそ我が本懐とばかりに特殊魔法である死の呪文死神の接吻を炸裂させんとする。
その顔はいつにも増して輝いていて、ミランダは活き活きとした声を張り上げる。
「くらいなさいっ!」
彼女が前方に突き出した両手の間から、黒い霧が空間の揺らぎとなって現れる。
その霧はすぐに黒く巨大なドクロを象っていき、それはほとんど一瞬で空気を伝わって尼僧に襲い掛かった。
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