8 / 89
第一章 長身女戦士ヴィクトリア
第7話 アルフレッドのアイテム攻勢
しおりを挟む
槍と斧がぶつかり合って火花が舞い散り、硬質な金属音が鳴り響く。
緑銀色に輝く蛇竜槍を振りかざして竜人ノアが長身女戦士ヴィクトリアを攻め立てている。
幼い容姿と小さな背丈に合わず、ノアは槍を見事に操って実に多彩な攻撃を繰り広げていた。
彼女の持つ蛇竜槍は自在に伸縮し、その特性を利用したノアの攻撃は優雅かつ効率的だった。
一方のヴィクトリアは攻め立てられているものの、冷静にすべての攻撃を嵐刃戦斧で防いでいた。
とてもレベルの高い攻防だ。
だけど……。
「やっぱりヴィクトリアはノアを本気で攻撃できないんだ」
ヴィクトリアは防御こそ見事だったけれど、ノアへの攻撃にはイマイチ気迫が感じられない。
幼い容姿のノアへの攻撃を、ヴィクトリアの体が本能的にブレーキをかけているような感じだった。
さらにここでノアが次なる一手を打ってきた。
「縛竜眼」
そう言うノアの目から金色の光が照射されてヴィクトリアを包み込む。
途端にヴィクトリアの体の周囲にキラキラと輝く金色の糸が現れて彼女の肢体に次々と絡み付いていった。
「くうっ!」
ダメージはないけれどヴィクトリアは忌々しげに唇を噛んだ。
彼女の体にまとわりつく金色の糸はすぐに消えていったけれど、ヴィクトリアの能力値に異変が起きたんだ。
素早さを表す敏捷度が3割から4割近くまで下がってしまっている。
これによってヴィクトリアの動きが目に見えて鈍くなってしまった。
「くそっ!」
これは以前にも、ノアがよくヴィクトリアに対して使っていた戦法だった。
全体的に高いヴィクトリアの各種ステータス値の中で、スピード値だけはやや低めなんだけど、その数値をさらに下げられるのは辛いところだった。
動きが遅くなったヴィクトリアはそれでも経験と技術でノアの攻撃を懸命に防ぎ続けるけれど、明らかにその表情には余裕がなくなっている。
今までと同じパターンだ。
さっき見た映像だと、ここから戦いは長期戦になっていって攻め手に欠くヴィクトリアがジリジリと追い詰められ、最終的に敗北を喫することになるんだ。
今回もノアは同じパターンでヴィクトリアを追いこもうとしている。
それが彼女にとっての最も手堅い必勝パターンなんだろう。
だけど今日は今までとは違う。
僕がいる。
2対1となった数的有利なこの状況を活かすんだ。
ヴィクトリアとの接近戦が始まってからノアは僕には全く興味を示さなかったけれど、僕はそこで彼女の注意を引くべく行動を開始した。
僕がアイテム・ストックから取り出したのは、小瓶に入った竜酒と呼ばれる液体で、ドラゴンをおびき寄せる時に使うんだ。
世の中には竜殺しという危険極まりない職業の人たちがいて、彼らがよく使う薬品だった。
え?
そんなもの一体どうするのかって?
こうするんだ。
「えいっ!」
僕は決然と声を発し、小瓶の蓋を開けてその液体を思い切り頭からかぶった。
うひぃ~!
冷たい!
竜酒は酒とはいってもアルコールじゃないし、もちろん毒物や劇薬でもない。
人にとって無害な無色透明の液体だった。
この戦いに参加するにあたってアイテムの持参はチームで7個まで許されている。
だから僕はノアとの戦いに有効と思われるアイテムを城下町で吟味して買いそろえておいたんだ。
7種のアイテムのうちの一つ目。
竜酒。
水とは違ってすぐ気化して乾くけれど肌への刺激はない。
そして匂いはそれほどキツくなく、僕が動くとほんのわずかに甘い香りが漂う程度だ。
僕ら人間にとってはこれといって気になることのない液体だったけれど、僕がこれをかぶった途端にノアが明らかな反応を見せた。
さっきまで僕のことなんかまるで見向きもせずにヴィクトリアと戦っていた彼女だけど、今は僕のほうをチラチラと気にしている。
集中力が削がれたせいでヴィクトリアへの攻撃が甘くなっていて、防戦一方だったヴィクトリアに余裕が生まれ始めた。
これは思った以上に効果があるぞ。
でもヴィクトリアがノアに仕掛ける攻撃も相変わらず甘くて槍で簡単に払われてしまう。
よし。
ここで次の手だ。
「ノア!」
僕はそう叫ぶとノアの後方に回り込むように走り出した。
そんな僕をノアは目で追い続ける。
いいぞ。
僕は走りながら途中でクルクルと体を回転させ、竜酒の香りを振りまいた。
いや、端から見るとアホみたいだけど、僕のそんな姿に釘付けになっていたノアはとうとう踵を返して僕に向かってきた。
竜をおびき寄せる竜酒の香りに竜人であるノアの本能も抗えなかったんだ。
彼女にとっては非常に気になる匂いなんだろう。
「待てノア!」
ヴィクトリアはそんな彼女の背を追うけど、これも事前の打ち合わせ通りの行動だった。
ここからは上手くいくかどうか少し不安だったけど、やるしかない。
僕はアイテム・ストックから2番目のアイテムを取り出した。
変幻玉。
それはちょうど両手で持てる皿くらいの直径の球体で、虹色の不思議な光彩を放っている。
「ノア! これあげる」
陶器で出来ているため落としたら割れてしまいそうなそれを、僕は向かってくるノアの頭上に向けて投げた。
ノアはパッと反応し、頭上から落ちてくるそれを反射的に蛇竜槍で突いた。
ガチャンと陶器が破裂して粉々になると、その中から虹色に輝く粉が舞い落ちてきて、ノアはそれを頭から全身に浴びた。
濛々と立ち込める粉塵から逃れるように僕とヴィクトリアはそれぞれ後方に下がる。
そして僕らは並び立ってノアに目を向けた。
「うまくいったのか?」
「お、おそらく……」
粉塵はすぐに晴れていき、そこからノアが姿を現した。
その様子に僕は息を飲み、固唾を飲んで見守っていたヴィクトリアは両目を大きく見開いた。
「ノア……なのか? あれが?」
「ホッ。効果があったみたいだね」
晴れていく粉塵の中から現れたのは、先ほどまでのような幼女のノアではなく、スラリ長い四肢の美しい大人の女性だった。
体を覆う金色の鱗や綺麗な白い尾があるためそれがノアだと分かるが、胸の膨らみやお尻の丸みは先ほどまでのノアとは大きく異なり、すっかり成長した女性の姿に変わっている。
ノア自身、自分の変化に驚いているようで、動きを止めて己の体をしげしげと眺めていた。
そんな彼女にヴィクトリアは猛然と襲いかかった。
獲物を仕留めようとする肉食獣のようにヴィクトリアは吠える。
「オラァ!」
ヴィクトリアは嵐刃戦斧を振り上げて思い切りそれをノアの肩口に叩きつける。
その刃はノアの鱗に当たってガキィンと金属音を上げ、ノアはその勢いに大きく吹き飛ばされた。
「よっしゃあ!」
防御力の高いノアの鱗を傷つけることは出来ないけれど、その衝撃はノアにわずかなダメージを与えたようで、彼女の総ライフポイントの7が6に減った。
たった1だけどダメージを与えたという事実が僕とヴィクトリアを勇気づけてくれた。
「でかしたぞ! アルフレッド!」
ヴィクトリアは嬉々として斧を振るい、ノアへの攻勢に打って出る。
変幻玉は効果覿面だった。
それを浴びた相手がどんな姿になるのかはそのキャラクター次第なんだけど、大人の姿になったノアに対してヴィクトリアは遠慮することなく攻撃をすることが出来るようになったんだ。
よし。
ここで気を緩めず一気にペースを握るために次の手だ。
僕はすかさずアイテム・ストックから第3のアイテムを取り出した。
それは小さな透明のガラス瓶であり、蓋を開けると中から手の平サイズの小さな妖精が現れた。
風妖精だ。
フワフワとした真っ白な羽毛が特徴的なその妖精が持つ効果は単純明快。
投与したキャラクターのスピードをその戦闘中、一定量アップさせることが出来るんだ。
「風妖精。ヴィクトリアに力を与えてあげて」
僕の求めに応じて風妖精は文字通り風のように宙を舞い、ヴィクトリアの元にたどり着くとその首すじを羽でひと撫でしてすぐに消えてしまった。
「うひっ! くすぐった!」
ノアを攻め立てていたヴィクトリアは一瞬そのこそばゆさに首をすくめたが、その効果はすぐに表れた。
ノアの縛竜眼によって制限されていたヴィクトリアの動きが良くなった。
彼女のスピードが元に戻ったんだ。
「よしっ!」
スピードが元に戻ったことでヴィクトリアの攻撃に鋭さが増した。
これにはたまらずノアは交代しながら槍で防戦に追い込まれていく。
さっきまでとは真逆の展開だった。
形勢逆転だ!
白熱する戦いに僕はいつしか手に汗を握っていた。
緑銀色に輝く蛇竜槍を振りかざして竜人ノアが長身女戦士ヴィクトリアを攻め立てている。
幼い容姿と小さな背丈に合わず、ノアは槍を見事に操って実に多彩な攻撃を繰り広げていた。
彼女の持つ蛇竜槍は自在に伸縮し、その特性を利用したノアの攻撃は優雅かつ効率的だった。
一方のヴィクトリアは攻め立てられているものの、冷静にすべての攻撃を嵐刃戦斧で防いでいた。
とてもレベルの高い攻防だ。
だけど……。
「やっぱりヴィクトリアはノアを本気で攻撃できないんだ」
ヴィクトリアは防御こそ見事だったけれど、ノアへの攻撃にはイマイチ気迫が感じられない。
幼い容姿のノアへの攻撃を、ヴィクトリアの体が本能的にブレーキをかけているような感じだった。
さらにここでノアが次なる一手を打ってきた。
「縛竜眼」
そう言うノアの目から金色の光が照射されてヴィクトリアを包み込む。
途端にヴィクトリアの体の周囲にキラキラと輝く金色の糸が現れて彼女の肢体に次々と絡み付いていった。
「くうっ!」
ダメージはないけれどヴィクトリアは忌々しげに唇を噛んだ。
彼女の体にまとわりつく金色の糸はすぐに消えていったけれど、ヴィクトリアの能力値に異変が起きたんだ。
素早さを表す敏捷度が3割から4割近くまで下がってしまっている。
これによってヴィクトリアの動きが目に見えて鈍くなってしまった。
「くそっ!」
これは以前にも、ノアがよくヴィクトリアに対して使っていた戦法だった。
全体的に高いヴィクトリアの各種ステータス値の中で、スピード値だけはやや低めなんだけど、その数値をさらに下げられるのは辛いところだった。
動きが遅くなったヴィクトリアはそれでも経験と技術でノアの攻撃を懸命に防ぎ続けるけれど、明らかにその表情には余裕がなくなっている。
今までと同じパターンだ。
さっき見た映像だと、ここから戦いは長期戦になっていって攻め手に欠くヴィクトリアがジリジリと追い詰められ、最終的に敗北を喫することになるんだ。
今回もノアは同じパターンでヴィクトリアを追いこもうとしている。
それが彼女にとっての最も手堅い必勝パターンなんだろう。
だけど今日は今までとは違う。
僕がいる。
2対1となった数的有利なこの状況を活かすんだ。
ヴィクトリアとの接近戦が始まってからノアは僕には全く興味を示さなかったけれど、僕はそこで彼女の注意を引くべく行動を開始した。
僕がアイテム・ストックから取り出したのは、小瓶に入った竜酒と呼ばれる液体で、ドラゴンをおびき寄せる時に使うんだ。
世の中には竜殺しという危険極まりない職業の人たちがいて、彼らがよく使う薬品だった。
え?
そんなもの一体どうするのかって?
こうするんだ。
「えいっ!」
僕は決然と声を発し、小瓶の蓋を開けてその液体を思い切り頭からかぶった。
うひぃ~!
冷たい!
竜酒は酒とはいってもアルコールじゃないし、もちろん毒物や劇薬でもない。
人にとって無害な無色透明の液体だった。
この戦いに参加するにあたってアイテムの持参はチームで7個まで許されている。
だから僕はノアとの戦いに有効と思われるアイテムを城下町で吟味して買いそろえておいたんだ。
7種のアイテムのうちの一つ目。
竜酒。
水とは違ってすぐ気化して乾くけれど肌への刺激はない。
そして匂いはそれほどキツくなく、僕が動くとほんのわずかに甘い香りが漂う程度だ。
僕ら人間にとってはこれといって気になることのない液体だったけれど、僕がこれをかぶった途端にノアが明らかな反応を見せた。
さっきまで僕のことなんかまるで見向きもせずにヴィクトリアと戦っていた彼女だけど、今は僕のほうをチラチラと気にしている。
集中力が削がれたせいでヴィクトリアへの攻撃が甘くなっていて、防戦一方だったヴィクトリアに余裕が生まれ始めた。
これは思った以上に効果があるぞ。
でもヴィクトリアがノアに仕掛ける攻撃も相変わらず甘くて槍で簡単に払われてしまう。
よし。
ここで次の手だ。
「ノア!」
僕はそう叫ぶとノアの後方に回り込むように走り出した。
そんな僕をノアは目で追い続ける。
いいぞ。
僕は走りながら途中でクルクルと体を回転させ、竜酒の香りを振りまいた。
いや、端から見るとアホみたいだけど、僕のそんな姿に釘付けになっていたノアはとうとう踵を返して僕に向かってきた。
竜をおびき寄せる竜酒の香りに竜人であるノアの本能も抗えなかったんだ。
彼女にとっては非常に気になる匂いなんだろう。
「待てノア!」
ヴィクトリアはそんな彼女の背を追うけど、これも事前の打ち合わせ通りの行動だった。
ここからは上手くいくかどうか少し不安だったけど、やるしかない。
僕はアイテム・ストックから2番目のアイテムを取り出した。
変幻玉。
それはちょうど両手で持てる皿くらいの直径の球体で、虹色の不思議な光彩を放っている。
「ノア! これあげる」
陶器で出来ているため落としたら割れてしまいそうなそれを、僕は向かってくるノアの頭上に向けて投げた。
ノアはパッと反応し、頭上から落ちてくるそれを反射的に蛇竜槍で突いた。
ガチャンと陶器が破裂して粉々になると、その中から虹色に輝く粉が舞い落ちてきて、ノアはそれを頭から全身に浴びた。
濛々と立ち込める粉塵から逃れるように僕とヴィクトリアはそれぞれ後方に下がる。
そして僕らは並び立ってノアに目を向けた。
「うまくいったのか?」
「お、おそらく……」
粉塵はすぐに晴れていき、そこからノアが姿を現した。
その様子に僕は息を飲み、固唾を飲んで見守っていたヴィクトリアは両目を大きく見開いた。
「ノア……なのか? あれが?」
「ホッ。効果があったみたいだね」
晴れていく粉塵の中から現れたのは、先ほどまでのような幼女のノアではなく、スラリ長い四肢の美しい大人の女性だった。
体を覆う金色の鱗や綺麗な白い尾があるためそれがノアだと分かるが、胸の膨らみやお尻の丸みは先ほどまでのノアとは大きく異なり、すっかり成長した女性の姿に変わっている。
ノア自身、自分の変化に驚いているようで、動きを止めて己の体をしげしげと眺めていた。
そんな彼女にヴィクトリアは猛然と襲いかかった。
獲物を仕留めようとする肉食獣のようにヴィクトリアは吠える。
「オラァ!」
ヴィクトリアは嵐刃戦斧を振り上げて思い切りそれをノアの肩口に叩きつける。
その刃はノアの鱗に当たってガキィンと金属音を上げ、ノアはその勢いに大きく吹き飛ばされた。
「よっしゃあ!」
防御力の高いノアの鱗を傷つけることは出来ないけれど、その衝撃はノアにわずかなダメージを与えたようで、彼女の総ライフポイントの7が6に減った。
たった1だけどダメージを与えたという事実が僕とヴィクトリアを勇気づけてくれた。
「でかしたぞ! アルフレッド!」
ヴィクトリアは嬉々として斧を振るい、ノアへの攻勢に打って出る。
変幻玉は効果覿面だった。
それを浴びた相手がどんな姿になるのかはそのキャラクター次第なんだけど、大人の姿になったノアに対してヴィクトリアは遠慮することなく攻撃をすることが出来るようになったんだ。
よし。
ここで気を緩めず一気にペースを握るために次の手だ。
僕はすかさずアイテム・ストックから第3のアイテムを取り出した。
それは小さな透明のガラス瓶であり、蓋を開けると中から手の平サイズの小さな妖精が現れた。
風妖精だ。
フワフワとした真っ白な羽毛が特徴的なその妖精が持つ効果は単純明快。
投与したキャラクターのスピードをその戦闘中、一定量アップさせることが出来るんだ。
「風妖精。ヴィクトリアに力を与えてあげて」
僕の求めに応じて風妖精は文字通り風のように宙を舞い、ヴィクトリアの元にたどり着くとその首すじを羽でひと撫でしてすぐに消えてしまった。
「うひっ! くすぐった!」
ノアを攻め立てていたヴィクトリアは一瞬そのこそばゆさに首をすくめたが、その効果はすぐに表れた。
ノアの縛竜眼によって制限されていたヴィクトリアの動きが良くなった。
彼女のスピードが元に戻ったんだ。
「よしっ!」
スピードが元に戻ったことでヴィクトリアの攻撃に鋭さが増した。
これにはたまらずノアは交代しながら槍で防戦に追い込まれていく。
さっきまでとは真逆の展開だった。
形勢逆転だ!
白熱する戦いに僕はいつしか手に汗を握っていた。
0
あなたにおすすめの小説
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
ハズレスキル『自動販売機』を授かって婚約破棄されましたが、 実は回復薬も魔力食も出せる最強スキルでした
暖夢 由
ファンタジー
十八歳の成人儀式で授かったのは、誰も聞いたことのない《自動販売機スキル》。
役立たずと嘲られ、婚約者レオンには即座に婚約を破棄され、人生が崩れ落ちたように思えた。
だがそのスキルには、食べ物を作り、摂取すれば魔力を増やし、さらに“治癒効果”を付与できるという隠された力があった。
倒れた母を救い、王都の名門・ヴァルセイン伯爵夫人を救ったことで、カミーラは“呪詛”という闇の存在を知る。伯爵邸で出会った炎の力を持つ公爵家次男レグナスとの出会いが、彼女の運命を大きく変えていく。
やがて王都全体に“謎の病”が蔓延。カミーラは治癒スープの炊き出しを行い、人々を次々と回復へ導く。
一方、病の裏で糸を引いていたのは………。
“無価値”と嘲られたスキルが、いま世界を癒し、未来を照らす光となる――。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
欠席魔の公爵令嬢、冤罪断罪も欠席す 〜メイリーン戦記〜
水戸直樹
ファンタジー
王太子との婚約――それは、彼に恋したからでも、権力のためでもなかった。
魔王乱立の時代。
王も公爵も外征に出ている王都で、公爵令嬢メイリーンは“地味な婚約者”として王城に現れる。
だが、王太子は初顔合わせに現れなかった。
にもかかわらず、記録に残ったのは「公爵令嬢の欠席」。
抗議はしない。
訂正もしない。
ただ一つ、欠席という事実だけを積み上げていく。
――それが、誰にとっての不合格なのか。
まだ、誰も気づいていない。
欠席から始まる、静かなるファンタジー戦記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる