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第二幕 神凪 響詩郎
神凪 響詩郎の事情(前編・下の巻)
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「くっそぉ……あのナマグサ坊主。ふざけやがって。痛ぇなぁもう……」
徐々に東の空が白みがかりつつある夜明け前。
響詩郎は仕事帰りの道すがら立ち寄った公園のベンチに座り、しこたま殴られて腫れ上がった左頬をさすりながら水道で濡らしたハンカチで血の滲む唇を拭った。
あれから僧侶は満足するまで響詩郎を殴りつけると「また御贔屓に」と捨てゼリフの残して意気揚々と引き上げていった。
その後、牛男は窃盗犯として警察の専門部署に引き渡され、妖魔専門の警察官に事情を話した響詩郎は現場を後にしたのだった。
「はぁ。契約額から2割減額。ありえねえぞ。あのクソ坊主」
そう言うと響詩郎は悔しげな表情でタブレットに表示された金額を見つめた。
僧侶は契約金額を勝手に減額してサインしたのだ。
高校に入学してから2年間、この仕事を続けてきた響詩郎だが、こうして不当に代金を減額されてしまうことは、ままある。
もともと無法な世界における稼業であるため、こうした時に裁判やらの法的措置を訴えることは難しい。
もちろん契約違反の訴えを受け付けてくれる専門の組織は存在する。
だが、まったく金を支払わない、あるいは半額などの大幅減額をされてしまう場合を除いて、あまり訴えが実ることはない。
結局は弱肉強食の実力主義がまかり通る世界なのだ。
依頼側と請負側の力関係にもよるが、契約額から1~2割ほどの増減額は悪しき慣例として少なからず行われている。
響詩郎はまだ駆け出しの若手であるため、なおさらだった。
妖魔退治の鉄火場を主戦場とする業界で、戦闘能力のない響詩郎が足元を見られてしまうのは仕方のないことだった。
「忌々しいが、8割残ったことを良しとするしかねえか。はぁ……」
響詩郎は腹を立てながらも大きく息をつくと、気分を切り替えて家路につく事にした。
いちいちそれを訴え出ていては、業界内で面倒な奴だと思われて依頼そのものが減ってしまう。
そのほうがデメリットが大きい。
こういう苦汁を舐めながらも仕事をこなして実績を積み重ねれば、いずれは信頼ある顧客から確かな仕事をもらえるようになるのだ。
響詩郎はこの仕事を始める前にある人物からそう言い聞かされている。
そのことを思い返し、自分を納得させることにした。
公園を出て自分の愛車たるマリンブルー色のバイクに跨ってしばらく走り、夜風を浴びるうちに火照っていた気持ちが冷えてきて、自宅に到着する頃には気分も幾分か落ち着いていた。
響詩郎の自宅は工場の立ち並ぶ区画の一角にあり、そこには二階建てのバスが止まっている。
それはすでに現役を終えて老後を迎えたような車両であり、車輪が全て外されてその代わりに鉄筋の土台で地面に固定されていた。
一階の入り口近くに赤く簡素な郵便受けが設置されているそれは、廃車となったバスを改造して作られた二階建ての住居であった。
響詩郎がこのバスハウスに住むようになってから2年が過ぎた。
響詩郎はそのバスハウスの脇にバイクを停車してエンジンを切り、入口へと向かう。
するととそこでは一人の女性が彼を待ち構えていた。
「お疲れさん。響詩郎」
そこに立っていたのは美しい金色の髪を持つ妙齢の女性だった。
その髪の間からは動物の耳と思しきものが、そして腰の下からは二股に分かれた金色の尾が見えている。
彼女の名前は趙香桃。
妖狐という狐の妖魔だった。
「桃先生」
響詩郎は彼女を先生と呼んだ。
それは彼にとって香桃は霊能力の師匠にして親代わりとも呼べる恩人であるためだ。
響詩郎は紛れもなく人間だったが、生まれたのは魔界だった。
彼の両親が人の身でありながら魔界に身を置いていたからだ。
香桃は響詩郎の赤く腫れた頬や切れた唇に目をやった。
「どうやら苦労してるようだね」
「ええ。まあ……」
魔界で生まれた彼は生まれながらにして強い霊力をその身に秘めていた。
そのため妖魔らにとっては格好の餌であり、その身を狙われることを心配した彼の両親が知人である香桃に彼の身柄を預けたのだった。
以来、響詩郎は15歳になるまでに香桃の元で育てられた。
高校に進学してからは香桃の元を離れて一人で暮らすようになったが、それからも彼女は一定の距離を保ちながらも色々と響詩郎の面倒を見てくれていた。
「夜が明ける前に帰ってきてくれて良かった。おまえに治療の依頼だ」
そう言う香桃の背後から一人の人物が現れた。
それは老人の男性であり、背は低かったが鼻が異様に大きかった。
ヘチマほどもある大きなその鼻は顎の下まで垂れ下がっていた。
すっかり禿げ上がった頭とは正反対に、顎からは立派な長髭を垂らしている。
彼を見た途端、響詩郎は笑顔を見せ、その老人も嬉しそうに目を細めた。
「久しいのぉ。響詩郎」
「じいさん! 元気そうじゃないか。今日はどうしたんだ?」
老人の名は禅智内供。
響詩郎とは旧知の間柄にある妖魔だった。
内供は大きな鼻をさすりながら言った。
「ここのところ鼻の調子が悪くてのぅ。響詩郎に診てもらいたいんじゃ。もうそろそろ引退が近いのかのぅ」
「何言ってんだよ。じいさん。自慢の嗅覚は魔界随一だろ? じいさんが引退したら困る人がたくさんいるだろうに」
「心配ない。最近、孫娘が仕事を手伝ってくれるでのう。有能な孫なんじゃ」
「へぇ。お孫さんがいるのか」
久しぶりの再会に思わず会話が弾む二人だったが、香桃が横から口を挟む。
「世間話はそのくらいにしてさっさと治療行為を始めてくれ。もう夜明けまで30分もないぞ」
夜が明けてしまえば内供の妖魔としての力は失われてしまい、そうなれば治療の効果も薄くなってしまう。
香桃の言葉に内供はニッと笑みを見せた。
「そうじゃったの。仕事帰りでお疲れのところ悪いが、頼めるかの?」
「じいさんの頼みならいつでも歓迎さ」
そう言うと響詩郎は勘定丸を呼び出した。
灰色の仮面と黒衣が特徴的な勘定丸は響詩郎の背後から浮かび上がると、片手を響詩郎の額に当て、もう一方の手を内供の大きな鼻に添えた。
途端に響詩郎の体から霊力が湧き出し、勘定丸の体を通して内供の鼻へと注入されていく。
するとまるで糸のように細い内供の目が精一杯、見開かれた。
「ふぇぇぇぇぇぇぇ。こりゃあ極楽だわい。どんな湯治や鍼灸よりも体の芯に効きよる」
「長年使い続けてきた鼻だから、しっかりケアしてやらないとな」
響詩郎はそう言うと数十秒に渡って己の霊力を内供に注入し続ける。
彼の霊力はまるで無限に湧き出る泉のようで枯れることを知らない。
内供はその霊力が鼻に注入されるごとに、まるで若返っていくような感覚を覚えた。
鼻腔の中を流れる空気が澄んだ清流のように感じられ、鈍くなっていた嗅覚が戻ってくる。
まるで地球の裏側に咲く花の香りまで嗅ぎ取れるのではないかと思うほど、内供の鼻はスッキリしてきた。
これが響詩郎が持つ罪科換金以外の能力のうちの一つ『霊力分与』だった。
彼はこうして自分の豊富な霊力を相手に分け与えることで、相手の持つ治癒力を奇跡的に向上させ、病気や怪我などの症状を回復に向かわせることが出来る。
響詩郎は業務の一環として時折、顧客に対してこうした治療行為を行っていた。
「この世の何が幸せかって、鼻が通っていくらでも匂いを嗅ぎ取れることに限るわい。感謝するぞい。響詩郎」
ほどなくして治療行為が終わると、内供はすっかり具合の良くなった鼻をさすりながら礼の言葉を述べた。
そんな内供の姿に響詩郎は満足げに頷いた。
先ほどまでのささくれ立った気分がすっかり消えてなくなっていくようで、彼も嬉しかったのだ。
「さて響詩郎。実はもう一件、治療してほしい相手がいるんだ。今夜のスケジュールは空いてるかい?」
そう言ったのは治療行為の一部始終を見守っていた趙香桃だった。
まだ駆け出しで仕事も決して多くない響詩郎はスケジュールが空いている日のほうが圧倒的に多い。
香桃の気遣いとも意地悪ともとれる発言に苦笑いを浮かべながら響詩郎は頷いた。
「分かりました。今夜ですね。以前にも治療したお客さんですかね?」
「いや。ご新規さんだよ。これがなかなか面白い案件になりそうなんだ」
香桃の金色に輝く目は楽しげな光を宿している。
幼少の頃から彼女に育てられた響詩郎は知っている。
彼女がそういう目をする時は、一筋縄ではいかないハイリスク&ハイリターンの出来事が待ち受けていると。
ちょうどその時、日の出の時刻を迎え、空が明るくなると同時に妖魔たちの姿に変化が訪れた。
香桃の耳や尻尾は引っ込んで消え、内供の鼻も常識の範囲内に収まる程度の大きさに縮んでいく。
「じゃあ午後4時には私の店に来てくれ」
「世話になったの。響詩郎。今度、孫娘を紹介するから、気に入ったら嫁にでももらってくれい」
そう言って二人の妖魔は朝焼けに染まる空の下、各々帰路につき、これを見送った響詩郎は疲れ切った顔でバスハウスへと入っていくのだった。
徐々に東の空が白みがかりつつある夜明け前。
響詩郎は仕事帰りの道すがら立ち寄った公園のベンチに座り、しこたま殴られて腫れ上がった左頬をさすりながら水道で濡らしたハンカチで血の滲む唇を拭った。
あれから僧侶は満足するまで響詩郎を殴りつけると「また御贔屓に」と捨てゼリフの残して意気揚々と引き上げていった。
その後、牛男は窃盗犯として警察の専門部署に引き渡され、妖魔専門の警察官に事情を話した響詩郎は現場を後にしたのだった。
「はぁ。契約額から2割減額。ありえねえぞ。あのクソ坊主」
そう言うと響詩郎は悔しげな表情でタブレットに表示された金額を見つめた。
僧侶は契約金額を勝手に減額してサインしたのだ。
高校に入学してから2年間、この仕事を続けてきた響詩郎だが、こうして不当に代金を減額されてしまうことは、ままある。
もともと無法な世界における稼業であるため、こうした時に裁判やらの法的措置を訴えることは難しい。
もちろん契約違反の訴えを受け付けてくれる専門の組織は存在する。
だが、まったく金を支払わない、あるいは半額などの大幅減額をされてしまう場合を除いて、あまり訴えが実ることはない。
結局は弱肉強食の実力主義がまかり通る世界なのだ。
依頼側と請負側の力関係にもよるが、契約額から1~2割ほどの増減額は悪しき慣例として少なからず行われている。
響詩郎はまだ駆け出しの若手であるため、なおさらだった。
妖魔退治の鉄火場を主戦場とする業界で、戦闘能力のない響詩郎が足元を見られてしまうのは仕方のないことだった。
「忌々しいが、8割残ったことを良しとするしかねえか。はぁ……」
響詩郎は腹を立てながらも大きく息をつくと、気分を切り替えて家路につく事にした。
いちいちそれを訴え出ていては、業界内で面倒な奴だと思われて依頼そのものが減ってしまう。
そのほうがデメリットが大きい。
こういう苦汁を舐めながらも仕事をこなして実績を積み重ねれば、いずれは信頼ある顧客から確かな仕事をもらえるようになるのだ。
響詩郎はこの仕事を始める前にある人物からそう言い聞かされている。
そのことを思い返し、自分を納得させることにした。
公園を出て自分の愛車たるマリンブルー色のバイクに跨ってしばらく走り、夜風を浴びるうちに火照っていた気持ちが冷えてきて、自宅に到着する頃には気分も幾分か落ち着いていた。
響詩郎の自宅は工場の立ち並ぶ区画の一角にあり、そこには二階建てのバスが止まっている。
それはすでに現役を終えて老後を迎えたような車両であり、車輪が全て外されてその代わりに鉄筋の土台で地面に固定されていた。
一階の入り口近くに赤く簡素な郵便受けが設置されているそれは、廃車となったバスを改造して作られた二階建ての住居であった。
響詩郎がこのバスハウスに住むようになってから2年が過ぎた。
響詩郎はそのバスハウスの脇にバイクを停車してエンジンを切り、入口へと向かう。
するととそこでは一人の女性が彼を待ち構えていた。
「お疲れさん。響詩郎」
そこに立っていたのは美しい金色の髪を持つ妙齢の女性だった。
その髪の間からは動物の耳と思しきものが、そして腰の下からは二股に分かれた金色の尾が見えている。
彼女の名前は趙香桃。
妖狐という狐の妖魔だった。
「桃先生」
響詩郎は彼女を先生と呼んだ。
それは彼にとって香桃は霊能力の師匠にして親代わりとも呼べる恩人であるためだ。
響詩郎は紛れもなく人間だったが、生まれたのは魔界だった。
彼の両親が人の身でありながら魔界に身を置いていたからだ。
香桃は響詩郎の赤く腫れた頬や切れた唇に目をやった。
「どうやら苦労してるようだね」
「ええ。まあ……」
魔界で生まれた彼は生まれながらにして強い霊力をその身に秘めていた。
そのため妖魔らにとっては格好の餌であり、その身を狙われることを心配した彼の両親が知人である香桃に彼の身柄を預けたのだった。
以来、響詩郎は15歳になるまでに香桃の元で育てられた。
高校に進学してからは香桃の元を離れて一人で暮らすようになったが、それからも彼女は一定の距離を保ちながらも色々と響詩郎の面倒を見てくれていた。
「夜が明ける前に帰ってきてくれて良かった。おまえに治療の依頼だ」
そう言う香桃の背後から一人の人物が現れた。
それは老人の男性であり、背は低かったが鼻が異様に大きかった。
ヘチマほどもある大きなその鼻は顎の下まで垂れ下がっていた。
すっかり禿げ上がった頭とは正反対に、顎からは立派な長髭を垂らしている。
彼を見た途端、響詩郎は笑顔を見せ、その老人も嬉しそうに目を細めた。
「久しいのぉ。響詩郎」
「じいさん! 元気そうじゃないか。今日はどうしたんだ?」
老人の名は禅智内供。
響詩郎とは旧知の間柄にある妖魔だった。
内供は大きな鼻をさすりながら言った。
「ここのところ鼻の調子が悪くてのぅ。響詩郎に診てもらいたいんじゃ。もうそろそろ引退が近いのかのぅ」
「何言ってんだよ。じいさん。自慢の嗅覚は魔界随一だろ? じいさんが引退したら困る人がたくさんいるだろうに」
「心配ない。最近、孫娘が仕事を手伝ってくれるでのう。有能な孫なんじゃ」
「へぇ。お孫さんがいるのか」
久しぶりの再会に思わず会話が弾む二人だったが、香桃が横から口を挟む。
「世間話はそのくらいにしてさっさと治療行為を始めてくれ。もう夜明けまで30分もないぞ」
夜が明けてしまえば内供の妖魔としての力は失われてしまい、そうなれば治療の効果も薄くなってしまう。
香桃の言葉に内供はニッと笑みを見せた。
「そうじゃったの。仕事帰りでお疲れのところ悪いが、頼めるかの?」
「じいさんの頼みならいつでも歓迎さ」
そう言うと響詩郎は勘定丸を呼び出した。
灰色の仮面と黒衣が特徴的な勘定丸は響詩郎の背後から浮かび上がると、片手を響詩郎の額に当て、もう一方の手を内供の大きな鼻に添えた。
途端に響詩郎の体から霊力が湧き出し、勘定丸の体を通して内供の鼻へと注入されていく。
するとまるで糸のように細い内供の目が精一杯、見開かれた。
「ふぇぇぇぇぇぇぇ。こりゃあ極楽だわい。どんな湯治や鍼灸よりも体の芯に効きよる」
「長年使い続けてきた鼻だから、しっかりケアしてやらないとな」
響詩郎はそう言うと数十秒に渡って己の霊力を内供に注入し続ける。
彼の霊力はまるで無限に湧き出る泉のようで枯れることを知らない。
内供はその霊力が鼻に注入されるごとに、まるで若返っていくような感覚を覚えた。
鼻腔の中を流れる空気が澄んだ清流のように感じられ、鈍くなっていた嗅覚が戻ってくる。
まるで地球の裏側に咲く花の香りまで嗅ぎ取れるのではないかと思うほど、内供の鼻はスッキリしてきた。
これが響詩郎が持つ罪科換金以外の能力のうちの一つ『霊力分与』だった。
彼はこうして自分の豊富な霊力を相手に分け与えることで、相手の持つ治癒力を奇跡的に向上させ、病気や怪我などの症状を回復に向かわせることが出来る。
響詩郎は業務の一環として時折、顧客に対してこうした治療行為を行っていた。
「この世の何が幸せかって、鼻が通っていくらでも匂いを嗅ぎ取れることに限るわい。感謝するぞい。響詩郎」
ほどなくして治療行為が終わると、内供はすっかり具合の良くなった鼻をさすりながら礼の言葉を述べた。
そんな内供の姿に響詩郎は満足げに頷いた。
先ほどまでのささくれ立った気分がすっかり消えてなくなっていくようで、彼も嬉しかったのだ。
「さて響詩郎。実はもう一件、治療してほしい相手がいるんだ。今夜のスケジュールは空いてるかい?」
そう言ったのは治療行為の一部始終を見守っていた趙香桃だった。
まだ駆け出しで仕事も決して多くない響詩郎はスケジュールが空いている日のほうが圧倒的に多い。
香桃の気遣いとも意地悪ともとれる発言に苦笑いを浮かべながら響詩郎は頷いた。
「分かりました。今夜ですね。以前にも治療したお客さんですかね?」
「いや。ご新規さんだよ。これがなかなか面白い案件になりそうなんだ」
香桃の金色に輝く目は楽しげな光を宿している。
幼少の頃から彼女に育てられた響詩郎は知っている。
彼女がそういう目をする時は、一筋縄ではいかないハイリスク&ハイリターンの出来事が待ち受けていると。
ちょうどその時、日の出の時刻を迎え、空が明るくなると同時に妖魔たちの姿に変化が訪れた。
香桃の耳や尻尾は引っ込んで消え、内供の鼻も常識の範囲内に収まる程度の大きさに縮んでいく。
「じゃあ午後4時には私の店に来てくれ」
「世話になったの。響詩郎。今度、孫娘を紹介するから、気に入ったら嫁にでももらってくれい」
そう言って二人の妖魔は朝焼けに染まる空の下、各々帰路につき、これを見送った響詩郎は疲れ切った顔でバスハウスへと入っていくのだった。
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