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第二章 闇の魔女ミランダ
第4話 新たなる力
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双子の妹・暗黒巫女のアディソンは吸血杖を僕に向かって振り下ろす。
僕は呪いの蛇剣タリオを振り上げてそれを受け止めた。
ガキンという硬質な音をたてて剣と杖がぶつかり合う。
アディソンの力は強かったけど、強弱逆転でステータス・アップしている僕はこれをしっかりと受け止めることが出来た。
だけどアディソンの杖の先端にあしらわれたドクロが突然、ポロッと杖の先から離れると僕の肩の上に落っこちてきたんだ。
そのドクロは大きく口を開けると、鋭い牙で僕の首すじに噛みついた。
うぐっ!
途端に刺すような強い痛みが襲ってきた。
「い、イタタタタタッ!」
僕は必死にドクロを振りほどこうとしたけど、ドクロの顎の力は強く、しっかりと僕の首すじに食い込んだ牙はまるで抜けることはない。
「無駄ですよ。脆弱で愚鈍な下級兵士。私の吸血杖はあなたの生気を吸い尽くすまで放しません」
アディソンがそう言った途端、ドクロは僕の体からライフを吸い始めた。
途端に全身に刺すような痛みが迸る。
「うああああっ!」
くっ。
僕のライフゲージが減少し始めた。
僕の首すじからライフが吸われているんだ。
だけど僕は必死に痛みを堪え、取り乱さないように努めた。
タリオは復讐の剣だ。
目には目を。
歯には歯を。
その原則に従って与えられたダメージを相手に返す。
それがタリオを装備した僕の能力だった。
だから僕のライフが減るのと同様に、アディソンのライフも減るはず。
……だけど状況は僕の予想を覆したんだ。
「フン。呪いの蛇剣タリオを装備した時のあなたの特性も当然調査済みです」
アディソンの言葉の通り、タリオの特性を考えれば僕の体から吸われた分のライフが同じように彼女のライフゲージから削り取られるはずだった。
だけとアディソンのライフは一向に減少する様子が見られない。
減っていくのは僕のライフばかりだ。
「な、何で?」
「この吸血杖は吸った相手のライフをワタクシのライフに充当するのです。あなたのライフはワタクシのライフに充当され、本当ならばタリオの特性によってこちらが受けるはずのダメージ分と相殺される。低スペックなあなたの思考回路で理解できますか? 即ちプラスマイナスゼロなのですよ」
そ、そういうことか。
アディソンのライフゲージが減らないのは吸収して充当した分とダメージが同じ量だからだ。
くっ。
このままじゃマズイぞ。
一方的に僕のライフだけが減っていく。
「さぁ。もうあきらめて早々に死になさい。アリアナは私たちがうんと大事にしてあげますから。ククク……」
アディソンは嘲るように喉を鳴らして笑った。
……まだだ。
このタリオにはまだ別の攻撃手段がある。
僕が念じるとさっそくタリオが反応を見せた。
アディソンの吸血杖とつばぜり合いを続けたまま、タリオの柄の部分でトグロを巻く白と黒の蛇が生き物のように動き出して首をもたげると、すばやくアディソンに襲い掛かったんだ。
「ムダです! その毒蛇攻撃も承知の上!」
そう言うとアディソンは口から緑色の霧・魔神の吐息を吐き出して蛇たちを溶かそうとする。
ああっ!
ヤバイヤバイヤバイッ!
だけど、そこでタリオの蛇たちは僕の予想外の動きを見せた。
白と黒の蛇はタリオの刀身から完全に離れると、独自の動きで宙に舞ったんだ。
アディソンの吐き出した緑の霧は蛇たちに当たらずに空中に雲散霧消する。
「な、何ですかっ?」
アディソンが動揺の声を上げた。
彼女にとっても予想外の出来事だったんだろう。
タリオが以前とは違う動きを見せた。
こんなことは初めてだった。
蛇たちは空中から素早く降下すると、鞭のようにしなりながらアディソンの体に絡みついた。
「な、何をっ? 離れなさい! 下賎のケダモノがこのワタクシに触れるなど……」
嫌悪感をむき出しにして僕を睨みつけるアディソンだったけど、蛇たちは構わずに彼女の体を締め上げていく。
そしてそのまま蛇たちはアディソンの首すじに左右から噛み付いた。
「きゃあっ!」
アディソンは僕の持つタリオに押し付けていた吸血杖を落としてしまい、蛇たちによって完全に体の自由を奪われてしまう。
すると僕の肩に喰らいついていたドクロの顎の力が格段に弱まった。
僕はドクロを手で掴むと、痛みを堪えて首すじからそれを引き剥がした。
「うぐっ! イッタタタタ……くそっ!」
ようやく僕の首から外れてくれたドクロを僕は思い切り遠くに投げ捨てた。
そしてその間も蛇たちはアディソンの首すじに噛み付いたまま放そうとしない。
タリオの蛇の能力は噛みついた相手に毒を投与することだった。
これを受けた相手は毒の影響でライフが時間の経過とともに少しずつ減少してしまうんだ。
以前にこの特性を利用して僕はリードという強敵と戦うことが出来た。
タリオの毒は呪術性の毒なので、このタリオを装備している僕を倒さなければその毒によるライフの減少は食い止められない。
アディソンは蛇の牙を肌に突き立てられる痛みに顔をしかめながらそれでも強気に言う。
「蛇の毒のことも対策済みです。ワタクシの体内には抗毒プログラムが……プ、プログラムが……」
ん?
アディソンの口調が急におぼつかなくなってきた。
見ると彼女の目はトロンとして眠そうだった。
「こ、これは……睡眠導入剤……」
僕は目を見張った。
アディソンのステータスウインドウにはステータス異常を示す『Sleepy』という文字が赤く表示されている。
今、彼女は猛烈な眠気に襲われて意識を失おうとしていた。
何でだ?
いつの間にタリオの蛇の特性が毒から誘眠に変わったんだろう。
予期せぬ事態に僕は戸惑ったけど、それ以上にアディソンは眠気のせいもあって呆然とした表情で唇を震わせながら言った。
「ことごとく、こちらの予想を外してくれますね。くっ……迂闊でした。あなた方の進化を考慮に入れておかなかったことがワタクシたちの敗因です。特に地味で平凡なあなたのことはどうでもいいと思って調べなかったワタクシの失敗です」
アディソンは悔しげに顔を歪める。
た、助かった。
僕の地味さが僕を救ったんだ。
「地味で平凡なあなたのことはどうでもいいと思って調べませんでした」
なぜ二度言うか!
「ですが……ただでは死にません。この私の執念深さを思い知りなさい」
そう言うとアディソンは再度口を大きく開けた。
その口から僕を狙って緑色の毒霧が噴出されようとしていた。
や、やば……。
だけど僕が咄嗟に身を伏せようとしたその瞬間、眩い光が瞬き、アディソンの頭を貫いて一閃する。
そしてアディソンはその場に膝を着くと、ガックリと頭を垂れて動かなくなった。
そのライフゲージが底をつき、彼女がゲームオーバーとなったことを示していた。
「へっ?」
驚いた僕がミランダのほうを見ると、彼女は新スキル・亡者の手でキーラを拘束したままこちらに指先を突きつけていた。
その指先から放った闇閃光がアディソンにトドメを刺したんだ。
「さて、妹もオネンネしたみたいだし、そろそろお別れの時間ね。あんたのかわいい犬っころたちはもう全滅したみたいよ。死ぬ前に言いたいことは?」
冷然とした表情でそう言うミランダに、キーラは悔しげな舌打ちを響かせた。
僕が周囲を見回すと、すでにキーラの放った魔獣である猟犬たちは2体の魔神に倒されて全滅していた。
「チッ。目的は果たせなかったか。正直、あんたを侮ってたよ。だけどこのままじゃ終わらねえ。アタシらはまた必ずあんたの前に現れるぜ。その時はこの屈辱を倍にして返してやる」
そう言うとキーラはニヤリと不適な笑みを浮かべる。
だけどそんな彼女の顔をミランダはつまらなさそうに見据え、肩をすくめた。
「あっそ。最後の強がりね。じゃあもうオシマイ」
ミランダはそう言うと闇閃光を放って容赦なくキーラの心臓を貫いた。
亡者の手の拘束から解かれたキーラの体は全てのライフを失って力なくその場に崩れ落ちた。
「フンッ。この私にケンカ売るには実力不足なのよ。おととい来やがれっつうの」
そう言うとミランダは黒鎖杖を地面にガツンと突き立て、傲然たる態度で腕組みをして鼻を鳴らすのだった。
僕はそんな彼女の姿を憧憬の眼差しで見つめたんだ。
闇の魔女ミランダの完勝だった。
僕は呪いの蛇剣タリオを振り上げてそれを受け止めた。
ガキンという硬質な音をたてて剣と杖がぶつかり合う。
アディソンの力は強かったけど、強弱逆転でステータス・アップしている僕はこれをしっかりと受け止めることが出来た。
だけどアディソンの杖の先端にあしらわれたドクロが突然、ポロッと杖の先から離れると僕の肩の上に落っこちてきたんだ。
そのドクロは大きく口を開けると、鋭い牙で僕の首すじに噛みついた。
うぐっ!
途端に刺すような強い痛みが襲ってきた。
「い、イタタタタタッ!」
僕は必死にドクロを振りほどこうとしたけど、ドクロの顎の力は強く、しっかりと僕の首すじに食い込んだ牙はまるで抜けることはない。
「無駄ですよ。脆弱で愚鈍な下級兵士。私の吸血杖はあなたの生気を吸い尽くすまで放しません」
アディソンがそう言った途端、ドクロは僕の体からライフを吸い始めた。
途端に全身に刺すような痛みが迸る。
「うああああっ!」
くっ。
僕のライフゲージが減少し始めた。
僕の首すじからライフが吸われているんだ。
だけど僕は必死に痛みを堪え、取り乱さないように努めた。
タリオは復讐の剣だ。
目には目を。
歯には歯を。
その原則に従って与えられたダメージを相手に返す。
それがタリオを装備した僕の能力だった。
だから僕のライフが減るのと同様に、アディソンのライフも減るはず。
……だけど状況は僕の予想を覆したんだ。
「フン。呪いの蛇剣タリオを装備した時のあなたの特性も当然調査済みです」
アディソンの言葉の通り、タリオの特性を考えれば僕の体から吸われた分のライフが同じように彼女のライフゲージから削り取られるはずだった。
だけとアディソンのライフは一向に減少する様子が見られない。
減っていくのは僕のライフばかりだ。
「な、何で?」
「この吸血杖は吸った相手のライフをワタクシのライフに充当するのです。あなたのライフはワタクシのライフに充当され、本当ならばタリオの特性によってこちらが受けるはずのダメージ分と相殺される。低スペックなあなたの思考回路で理解できますか? 即ちプラスマイナスゼロなのですよ」
そ、そういうことか。
アディソンのライフゲージが減らないのは吸収して充当した分とダメージが同じ量だからだ。
くっ。
このままじゃマズイぞ。
一方的に僕のライフだけが減っていく。
「さぁ。もうあきらめて早々に死になさい。アリアナは私たちがうんと大事にしてあげますから。ククク……」
アディソンは嘲るように喉を鳴らして笑った。
……まだだ。
このタリオにはまだ別の攻撃手段がある。
僕が念じるとさっそくタリオが反応を見せた。
アディソンの吸血杖とつばぜり合いを続けたまま、タリオの柄の部分でトグロを巻く白と黒の蛇が生き物のように動き出して首をもたげると、すばやくアディソンに襲い掛かったんだ。
「ムダです! その毒蛇攻撃も承知の上!」
そう言うとアディソンは口から緑色の霧・魔神の吐息を吐き出して蛇たちを溶かそうとする。
ああっ!
ヤバイヤバイヤバイッ!
だけど、そこでタリオの蛇たちは僕の予想外の動きを見せた。
白と黒の蛇はタリオの刀身から完全に離れると、独自の動きで宙に舞ったんだ。
アディソンの吐き出した緑の霧は蛇たちに当たらずに空中に雲散霧消する。
「な、何ですかっ?」
アディソンが動揺の声を上げた。
彼女にとっても予想外の出来事だったんだろう。
タリオが以前とは違う動きを見せた。
こんなことは初めてだった。
蛇たちは空中から素早く降下すると、鞭のようにしなりながらアディソンの体に絡みついた。
「な、何をっ? 離れなさい! 下賎のケダモノがこのワタクシに触れるなど……」
嫌悪感をむき出しにして僕を睨みつけるアディソンだったけど、蛇たちは構わずに彼女の体を締め上げていく。
そしてそのまま蛇たちはアディソンの首すじに左右から噛み付いた。
「きゃあっ!」
アディソンは僕の持つタリオに押し付けていた吸血杖を落としてしまい、蛇たちによって完全に体の自由を奪われてしまう。
すると僕の肩に喰らいついていたドクロの顎の力が格段に弱まった。
僕はドクロを手で掴むと、痛みを堪えて首すじからそれを引き剥がした。
「うぐっ! イッタタタタ……くそっ!」
ようやく僕の首から外れてくれたドクロを僕は思い切り遠くに投げ捨てた。
そしてその間も蛇たちはアディソンの首すじに噛み付いたまま放そうとしない。
タリオの蛇の能力は噛みついた相手に毒を投与することだった。
これを受けた相手は毒の影響でライフが時間の経過とともに少しずつ減少してしまうんだ。
以前にこの特性を利用して僕はリードという強敵と戦うことが出来た。
タリオの毒は呪術性の毒なので、このタリオを装備している僕を倒さなければその毒によるライフの減少は食い止められない。
アディソンは蛇の牙を肌に突き立てられる痛みに顔をしかめながらそれでも強気に言う。
「蛇の毒のことも対策済みです。ワタクシの体内には抗毒プログラムが……プ、プログラムが……」
ん?
アディソンの口調が急におぼつかなくなってきた。
見ると彼女の目はトロンとして眠そうだった。
「こ、これは……睡眠導入剤……」
僕は目を見張った。
アディソンのステータスウインドウにはステータス異常を示す『Sleepy』という文字が赤く表示されている。
今、彼女は猛烈な眠気に襲われて意識を失おうとしていた。
何でだ?
いつの間にタリオの蛇の特性が毒から誘眠に変わったんだろう。
予期せぬ事態に僕は戸惑ったけど、それ以上にアディソンは眠気のせいもあって呆然とした表情で唇を震わせながら言った。
「ことごとく、こちらの予想を外してくれますね。くっ……迂闊でした。あなた方の進化を考慮に入れておかなかったことがワタクシたちの敗因です。特に地味で平凡なあなたのことはどうでもいいと思って調べなかったワタクシの失敗です」
アディソンは悔しげに顔を歪める。
た、助かった。
僕の地味さが僕を救ったんだ。
「地味で平凡なあなたのことはどうでもいいと思って調べませんでした」
なぜ二度言うか!
「ですが……ただでは死にません。この私の執念深さを思い知りなさい」
そう言うとアディソンは再度口を大きく開けた。
その口から僕を狙って緑色の毒霧が噴出されようとしていた。
や、やば……。
だけど僕が咄嗟に身を伏せようとしたその瞬間、眩い光が瞬き、アディソンの頭を貫いて一閃する。
そしてアディソンはその場に膝を着くと、ガックリと頭を垂れて動かなくなった。
そのライフゲージが底をつき、彼女がゲームオーバーとなったことを示していた。
「へっ?」
驚いた僕がミランダのほうを見ると、彼女は新スキル・亡者の手でキーラを拘束したままこちらに指先を突きつけていた。
その指先から放った闇閃光がアディソンにトドメを刺したんだ。
「さて、妹もオネンネしたみたいだし、そろそろお別れの時間ね。あんたのかわいい犬っころたちはもう全滅したみたいよ。死ぬ前に言いたいことは?」
冷然とした表情でそう言うミランダに、キーラは悔しげな舌打ちを響かせた。
僕が周囲を見回すと、すでにキーラの放った魔獣である猟犬たちは2体の魔神に倒されて全滅していた。
「チッ。目的は果たせなかったか。正直、あんたを侮ってたよ。だけどこのままじゃ終わらねえ。アタシらはまた必ずあんたの前に現れるぜ。その時はこの屈辱を倍にして返してやる」
そう言うとキーラはニヤリと不適な笑みを浮かべる。
だけどそんな彼女の顔をミランダはつまらなさそうに見据え、肩をすくめた。
「あっそ。最後の強がりね。じゃあもうオシマイ」
ミランダはそう言うと闇閃光を放って容赦なくキーラの心臓を貫いた。
亡者の手の拘束から解かれたキーラの体は全てのライフを失って力なくその場に崩れ落ちた。
「フンッ。この私にケンカ売るには実力不足なのよ。おととい来やがれっつうの」
そう言うとミランダは黒鎖杖を地面にガツンと突き立て、傲然たる態度で腕組みをして鼻を鳴らすのだった。
僕はそんな彼女の姿を憧憬の眼差しで見つめたんだ。
闇の魔女ミランダの完勝だった。
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