リア充VS非リア『ブサイク達の大逆転』 ――名前の壁は超えてやる!

雪見だいふく

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美少女多すぎ!!

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 皆の顔が激変した後日。火曜日の朝。
 何か、普通のクラスになったなー。
 素直にそう思っていた。いや、このクラスになった直後は顔のインパクトに驚きが隠せなかった。だが、今では見れるものになっている。……いや、むしろ見たくなっているくらいだ。

「おーはよっ!」
「お、おはようっ!?」

 俺は驚きのあまり裏声を上げてしまう。
 いやいやいや! もう色々とおかしいだろ! つい先週まで「おっはよー!」や「おーはよっ!」は、失礼ながら塗り壁に潰されるという恐怖しか出なかった。
 それが何だ? この美少女からの挨拶は! 声が良いだけに天使すぎるだろ?!
 声優にでもなったらどうだ!? しかも、挨拶の時に顔を近づけてくるのは変わらないからヤバい!! 俺のハートがブレイクされるぞ?!
 しかも、世の中の男子(モテてないやつ)は美少女に顔を近づけられて挨拶なんてされたら勘違いして、股間を……しかねないんだぞ? よって、その行為は犯罪級! 卑怯だァ!!

「今までに無い反応だねー! ふふっ」
「う、うるせぇ!!」
「教室でこんな美少女とイチャイチャして大丈夫? 男子に妬まれちゃうぞー!」
「今まで化け物みたいだったやつが急につけ上がると、お前が女子に嫌われかねないから辞めとけ……」

 俺は両手を上げて「やれやれ……」と呆れたようなポーズをする。まぁ、正直に話したけどこいつならしっかりと受け止めてくれるだろう。
 これは美少女と絡みまくってる俺にも言える事なんだけどな。

「……確かにそれはあるかもね。ははー……」
「だろ? 気を付けろよ?」
「うんっ! ありがと!」

 彼女はそう言うと他の女友達の所へ話しに行った。
 お調子者なんだか……。まぁ、それはあいつの良い部分でもあるけどなー。一人でそんな事を考える。

「……ずるい」

 後ろから、そんな愛らしい台詞を呟く美少女がいた。
 それは、昨日俺に抱きついてきた更に可愛くなった鼻くそマシンガン(女神様)だった。

「どうした?」
「ずるいって言った」

 ずるい? どういう事だ。俺は何かしてしまったか?!

「だ・か・ら」

 すると彼女は突然俺の顔の前に唇を近づける。
 吐息やリップ? のような輝きまで感じられるほどの近さだった。

「お、おはよ」

 彼女は自分から近付いたのにも関わらず、頬を林檎のように赤くして目線を逸らして挨拶をした。

「うん。おはよ」
「……ありがとう」

 彼女はそう呟くと少し不思議な歩き方をしながら自席へ戻っていた。
 その姿がとても愛らしく素直に守りたいと思った。
 すると、今度は後ろからとんでもない威圧を感じる。

「おーまーえ! ってやつはァ!!!!」

 後ろから突然首を絞められる。
 腕の太さからいって男だろう。いや、女子で突然締め付けてきたら恐怖でしかないけど。

「痛い! 痛い!」
「おい、お前。こっち来い」

 すると後ろの襟をしっかりと掴まれ引っ張られる。
 この声を冷静に聞いたところ豚人間というのはすぐに分かった。
 引っ張られるがまま廊下に連れられる。そして、腕を取ったかと思うと、そのまま廊下の壁に押しのけられた。リア充的単語で言うと『壁ドン』ってところだ。
 いや、これは男にされても全然嬉しくないんですが。キュンキュンしないんですが。心が乙女にはならないんですがァ?!

「正直に話せよ」

 顔をめちゃくちゃ近付けられる。これをクラスメイトや赤の他人が見たら、どう思うんだろう。
『クラスにガチホモがいたんだが……助けてくれ』とかのスレを立てられるのかなぁ?! 死んでも嫌だ。

「な、な、何をですか」
「ぶっちゃけた話いくぞ?」
「お、おう」

 そんな時、階段近くから何かを落とすような音と「ガチホモだー!!」という声が聞こえる。
 あの声、しかも聞いたことがあるんですけどぉ?! 少し遠くだから分かりにくかったけど分かるんですが?

「……死ね」
「違うわ! ホモとかじゃなくて!」

 そこで壁ドンから解放されて、豚人間は後ろで手を組む。

「ぶっちゃけ。どっちが好きなの?」

 もう一度顔を近づけられ、問いかけられた。
 その顔はいつものおちゃらけた感じではなく、真剣な表情だった。

「どっちって……?」
「とぼけんな。お前はラノベ主人公か何かか? 気づいていないとは言わせないぞ。『あの』二人」

 そういうと、壁越しに鼻くそマシンガンと柳の二人を指差す。

「お前に好感があるのなんて誰から見ても分かるだろ」

 まぁ、確かに鼻くそマシンガンの好意はどんなラノベ主人公でも多分分かる。
 でも柳もか……?

「俺は別にそういうのは……」
「そうか。ありがとう」

 豚人間はニッコリ笑って、教室へ戻っていった。
 何だ? あいつ。
 俺はそう思いながら教室へ戻った。
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