【フリー台本】夜明けに咲く言の葉-短編小説集

きなこ

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片方だけの約束ー女性side

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あの日のこと、私は今でも忘れられない。あの夏、二人で公園に座っていたときのこと。夕日が沈みかけて、空がオレンジ色に染まって、私はふと思った。こんな穏やかな時間がずっと続けばいいのにって。

そのとき、隣に座っていたあなたが、突然言ったんだ。

「大人になったら、結婚しよう。」

その言葉が、心の中で何度も反芻された。あのとき、あなたは本気だったのだろうか、それともただの遊びだったのだろうか。私は、あなたが本気で言ったのだと信じていた。だから、私は心の中でその約束をずっと守り続けていた。

私たちはそれぞれの道を歩んで、時間が過ぎて、あなたと会うことが少なくなった。それでも、あの言葉を覚えている限り、私はずっとあなたを待ち続けていた。心のどこかで、「大人になったら、きっと私たちは結婚するんだ」と思っていたから。

でも、久しぶりに再会したあなたの顔を見て、何かが違うと感じた。あなたはあの日のことを覚えていないようだった。私がその話を持ち出すと、あなたは少し困ったように笑った。

「え?そんなこと言ったっけ?」

その一言が、私の胸を締め付けた。でも、同時に私は気づいた。あなたが覚えていなくても、私はずっとその約束を守り続けてきたんだと。それが、私の中での大切な思い出だったんだと。

私はその時、笑顔を作って言った。

「そうだよね、昔のことだし。」

でも、心の中で一度だけ、心からの本音を呟いた。

「私、まだ覚えてるよ。」
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