行き遅れ錬金術師の私ですが、初彼とよりを戻して年齢逆転制服えっちしてもいいですか?

かんのななな

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ちょ、ちょっと我に返らないでくださいよ。私だって恥ずかしいのに頑張っているんですよ!

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 私はファリ。
 王都でちいさな錬金工房を経営している。
 開業して四年、おかげさまで経営はおおむね順調。

 王国歴二百六十三年の、ある朝のこと。
 ほうきを手に裏口から表通りにまわる。
 開店前、店先を掃除するのが私の日課。

 軒下におおきな旅行鞄を抱えた男がうずくまっている。
 朝の職人街に酔漢でもないだろう。
 行き倒れだったらどうしよう。などと考える。

 男が顔をあげて私を認め、あわてたように立ちあがる。
 背が高く痩せぎすの男。私好みの顔の男。

 あらまあ。
 元彼のグルナだった。
 初彼でもある。

 ずいぶんとやつれていて、目のしたに隈ができている。
 髪はぼさぼさで顎から頬にかけて無精ひげが生えている。
 服はよれよれで、袖口にほつれが目立つ。

 声が、喉をついて出る。
 だって、一度は好いた男だもの。

「あらまあ、グルナさん! グルナさんじゃありませんか!」
「先輩……」

 男――グルナは王立魔術学院の後輩だった。
 私が創部したポーション研究部に在籍していた。
 最後に会ったのは七年前、学院を卒業した年だったはず。

 憔悴し、困憊しているグルナの姿に、胸がしめつけられる思いがする。
 同情や憐憫というよりも、この感情は未練に近い。

「いったいどうしたのです。ひとまず店の奥にいらっしゃい」
「失礼します……」

 私の工房は職人街の一般的な店舗兼住居を賃借していて、一階を店舗、二階を自宅、地下室を作業場にしている。
 店舗奥の倉庫兼休憩室に案内する。
 グルナは旅行鞄を抱えてついてくる。

 椅子をすすめて茶をいれる。
 グルナは背筋を伸ばして腰かけ、握った手を腿に乗せて、緊張した面持ちで棚に並ぶ在庫を眺めている。
 蜂蜜漬けのナッツを皿に盛る。

「どうぞ。おつかれのようだからハーブティーにしました」
「ありがとうございます」

 一口飲むと、こわばっていたグルナの表情がいくらかやわらぐ。
 むさぼるように茶請けを平らげる。
 その差しむかいに座る。

「おひさしぶりです、グルナさん。そんなにやつれはてて……」
「ごぶさたしておりました」

 グルナは頭をさげる。
 顔をあげて、しぼりだすように言う。

「あの、突然ですが、その……俺を雇ってくださいませんか?」

 グルナは懐から経歴書を取りだしてテーブルに広げる。

 王立魔術学院を中の上の成績で卒業。
 専門は大型魔道具、最大手の工房で修行後、中規模の工房で開発に従事。

 私の知らない七年が要約されていた。

 最後に勤務していた工房の名前に見おぼえがある。
 協会の公報に破産公告が出ていた。

「……先日倒産した工房にお勤めでしたか」
「はい、給料未払いのまま寮からも追いだされて、実家への仕送りや奨学金の返済で貯金もなく、住む場所もない男を雇ってくれる工房はなくて、お腹も空いてふらふらになって……」

 グルナは言葉を詰まらせる。
 私は溜め息を吐く。

「どうして! どうして、もっとはやく私を頼らないんですか!」
「それは、その……」

 グルナはうつむいて、言葉を濁す。
 そういう男の子だった。
 ややこしくて莫迦で、そのくせ単純な男の子。

 私は棚からパンとチーズを取りだして、切りわけて皿に盛った。
 茶も注ぎたす。

「とりあえず召しあがれ。話はそれからです」
「いただきます……」

 グルナはがつがつと食べる。
 涙を流しながらパンとチーズを口に詰めこむ。
 せきこんで、茶で流しこむ。
 あっという間に完食する。

「ごちそうさまでした」

 涙をぬぐおうと、ついと手を伸ばす。
 その手を、がばっとグルナの手が包みこむ。
 あのころと変わらず、おおきな手だった。

「先輩、このご恩はけっして忘れません」

 私はグルナの手を振りほどく。
 にらみつける。

「未婚の女の手をそのようにつかむものではありません」
「……ごめんなさい」
「彼女さんにも失礼ですわ」
「先輩、俺、彼女いません」
「わかっています。こんなに甲斐性がない人に彼女がいたらびっくりです」
「はい」

 グルナはどこかさびしそうに、それでいてうれしそうに返事をする。
 大型の犬みたいな、そういうところはかわいい男の子のままだ。
 不精ひげまみれで、洗っていない犬みたいな匂いもちょっとする。
 お風呂にほうりこまないと。

「うちでは大型魔道具の開発はできませんよ」
「それでは……!」

 グルナは期待に満ちた目で私を見る。
 私は金庫から袋を取りだしてテーブルに載せる。

「ここに金貨三十枚あります。給料の前貸しだと思ってください。まずは住むところをなんとかする。それから、ごはんをちゃんと食べて、お風呂にもちゃんとはいること。貧すれば鈍するといいますからね」
「はい、ありがとうございます!」
「明日、正式な契約をかわしましょう。今日はゆっくり休むんですよ」
「はい、よろしくおねがいします!」

 グルナは立ちあがって深々と頭を下げた。

◇◇◇

 翌朝、二階の寝室で爽快な目覚めをむかえる。
 窓のそとを見おろすと、グルナが店のまえに立っている。
 旅行鞄を足元に置き、サンドイッチをぱくついている。

 肌着をまとい、ゆったりとした黒のローブをひっかぶる。
 髪をうしろでくくり、かるく化粧をして、窓から呼びかける。

「グルナさん、裏口にまわってください」

 一階に降り、裏口の鍵を開け、グルナを迎えいれる。

「おはようございます。いつから店のまえにいたんですか?」
「三十分ほどまえからです」
「私なんて、今、起きたばかりですよ」
「屋台で朝飯を買って歩いてきました。よければ先輩もどうですか」
「いただきましょう。お茶をいれますね」

 休憩室で湯をわかし、茶をいれる。
 グルナは棚から皿を出してサンドイッチを盛る。

「ずいぶん早起きなんですね」
「昨日は宵の口に寝てしまいました。明日に不安がないというだけで、こんなにぐっすり眠れるんですね」
「顔も昨日よりよほどましですよ」

 髪も整えられ、無精ひげも剃られている。
 隈はまだ消えておらず、こけた頬も戻っていない。
 それでも、顔色は良くなり、目に力が宿っている。

「どこに住むことにしたんですか?」
「冒険者御用達の貧乏長屋です。風呂は公衆浴場に行きました」

 朝食を食べおえて、茶を喫しながら契約の話をする。

「お給料は月に金貨三十枚、グルナさんの経歴からすると少なくてもうしわけありません」
「とんでもないです」
「そうかしら、この額ではご実家に仕送りできないでしょう?」
「ぜんぜんできます。もっと少なくてもいいくらいです」
「グルナさん、あなたも良い歳でしょうに」
「二十六になりました」

 ちいさくうなずく。
 私に告白してくれた三歳年下の男の子のことを忘れてはいない。

「お仕事ですが、魔道具の商品開発をお願いしようと思います。価格があまり高くない一般向けの魔道具を考えています。グルナさんの専門の大型魔道具でなくてごめんなさい」
「だいじょうぶです。小型魔道具も得意ですから」
「たのもしいですね。ほかに雑用をお願いすることもあります」
「なんでもやります。品出しや掃除もまかせてください」

 昨晩つくっておいた契約書を出す。
 グルナは読まずに署名しようとする。

「そういうところですよ、グルナさん! そんなことでは、いつか邪悪な魔女の邪悪な弟子にだまされてしまいますよ」
「本望です……!」
「だめです。ちゃんと読まないと、ちゃんとしたおとなになれません」
「……ちゃんと読みます」

 契約書を熟読するグルナを眺める。
 学生時代の三歳差は大きかった。
 今はどうなのかと考えて答えは出ない。
 グルナは二通のそれぞれに署名する。

「いまからグルナさんはうちの従業員です」
「はい、よろしくおねがいします」
「さっそくひとつお願いがあります」
「はい、なんなりと」
「先輩と呼ぶのはやめてください」
「……ファリさんと呼ぶのはどうですか」
「それでお願いします」

 私は茶を飲みほして応諾する。
 本当はなんと呼ばれたいんだろう。
 本当はなんと呼びたいんだろう。
 答えは出ない。

「接客は近所に住むおばさまたちにお願いしています。あとで紹介しますが、そのときにですね……」
「錬金術師らしくローブを着て、学院の同窓だと自己紹介します」

 私は空になったカップに目を落とす。

「それでお願いします。迂闊なことを話せば井戸端会議の肴になるばかりです」
「……はい」
「早いですが開店準備をはじめましょう。逐一説明しますから時間がかかります」

 グルナは帳面を取りだしてうなずく。

「はい、ファリさん」

◇◇◇

 営業時間のあいだ、私は地下室に引きこもってポーションを調合する。
 整理整頓清掃も実施した。

 グルナは店に立ち、店番のおばさまたちと世間話をしていた。
 おばさまたちは近所の職人の内儀だから街場の事情に詳しい。
 市場調査と称して冒険者たちにも積極的に話しかけていた。
 店舗を閉めたあと、休憩室で帳面になにやら書きつけている。

「グルナさん、地下に机を用意しました」
「ありがとうございます。機材を持ちこんでいいですか?」
「もちろん、ご自由にどうぞ」

 グルナを地下室に案内する。
 部屋の中央に大きな机がふたつある。
 休憩用のソファーとテーブルもある。
 おやつ完備だし、値が張る恒温魔道具も備えている。

 私は自分の机で経理処理にとりかかる。

 グルナは旅行鞄から三十冊におよぶ帳面を取りだす。
 書きためてきた研究の記録だろう。
 そういうところはちゃんとしている。
 帳面の束と工具箱を机に乗せる。

 グルナは椅子の背に身体をあずけ、天井を見あげる。

「ファリさん、商品は表に出しているものだけではないですよね?」
「グルナさん、私がどこに遊学していたか知らないわけではないでしょう?」
「忘れました。文のひとつも返してくれない先輩のことなんか」

 グルナはすねた顔をしてみせる。
 かわいい。
 無精髭をあたったグルナはとてもかわいい。

 『森州、不帰かえらずの森番外地、偉大なる魔女様方、ファリ様』と宛名された手紙。
 純情で莫迦で、やりたいざかりの男の子の恋文。

 私は返事を書きあぐね、書きあげられなかった。
 文箱に仕舞いこんで思いださないようにした。
 無理だったけれど。

「逓信局が遠すぎたのです。ごめんなさい」

 不帰の森は王国辺境に広がる大森林だ。
 神代より生きる大魔女ダリアが統べる魔境である。
 その神域で、私は大魔女様から魔法薬の真髄を授かった。

「大魔女様と販売店契約を結んでいます。ゴブリンの媚薬とスライムの分泌液を卸してもらって、富裕層や娼館に販売するのです。商売としては、この事業に注力するのがいちばん儲かるのですが……」
「ファリさんは錬金術師だから……」
「ええ、そうですね。きっと、そういうことなんでしょう。でも、グルナさんだって似たようなところがありますよ。その工具を質に入れれば、当座の生活費くらいは工面できたでしょう?」
「ファリさんに拾ってもらえなかったら手ばなしていましたね、きっと」

 愛おしそうに工具箱をなでるグルナの指先を見る。

「媚薬はともかく、スライムの分泌液も性行為に使うのですか?」
「潤滑剤として利用されます。男女の営みでも使いますが、衆道者の需要が大きいですね」
「そんなのデンプンを水で溶いて使えば良いのでは」
「具合がたいへんよろしいそうですよ。グルナさんも試してみますか?」
「俺はそちらは不勉強なもので」
「そちらでないほうは勉強家だという口ぶりですね」

 見つめあう。
 どちらからともなく目をそらす。

「スライムの分泌液を使わせてもらうことはできますか?」
「あら、興味が出てきましたか?」
「金属加工の潤滑剤に使えないか試してみたいです。素材としても興味があります」
「グルナさんは根っからの魔道具士ですね。用意しておきます」
「おねがいします。きっとおもしろいものを作ります」

 グルナは帳面に向かい、猛然と走り書きを連ねていく。
 一段落つくのを待つ。
 グルナが顔を上げる。

「グルナさん、終業時間を過ぎていますよ」
「すみません、もうそんな時間でしたか」

 私の机の脇に来て、グルナは頭を下げる。
 その頭に手を伸ばそうとして、なんとか自制する。

「今日はこれで失礼します」

 鍵を手渡す。
 指先と指先がふれあう。
 どきどきする。
 これじゃまるで生娘みたい。

「裏口の鍵です。明日からは勝手に入っていてください。それから、ちゃんとお風呂に行って、ちゃんと夕ごはんを食べて、ちゃんと寝るんですよ」
「はい、わかりました。失礼します」
「はい、おつかれさまでした」

◇◇◇

 帳簿をつけおえて、二階の自宅にあがる。
 手ばやく夕食をこしらえて、ひとりで食べる。
 食器を片づけて風呂に入る。

 湯船のなかで伸びをして、ぼんやりと天井を見つめる。
 肩を叩いて凝りをほぐす。
 腹の贅肉をつまんで溜息をつく。

 風呂からあがり、化粧水をつけて、風魔術で髪をかわかす。
 下着で寝台に横になる。
 身体は疲れているのに眠れない。
 抱き枕にしがみついて、ちいさく名前を呼ぶ。

「グルナくん……」

 あのころの呼びかたでつぶやく。
 抱き枕に胸をおしつけ、足をからませ、腰をこすりつける。
 ゆっくり腰を動かすと、快楽がじんわり広がっていく。
 息が荒くなるが、声は出さない。

 学生時代の寮生活で声を我慢する癖がついた。
 工房を開き、ひとり暮らすようになっても変わらない。

 グルナは私に声を出させようとした。
 男性一般がそういうものなのか、それとも彼の性質だったのか、私にはわからない。

 卒業直前に一度だけ出会茶屋ラブホテルに泊まったことを思いだす。
 船宿の二階の座敷で、まるで密会する男女みたいに。
 お金があったら屋形船を借りられたかもしれないけれど、そんな贅沢はできなかった。
 それでも、そこは、声を出していい場所だった。

 思いだしてしまって、こらえられなくなる。

「グルナくん……グルナくん……っ」

 抱き枕にまたがり、腰を前後に動かす。
 あの日、グルナに乳を吸われながら騎乗位で腰を振った。
 その夜を思いだして、手を頭のうしろで組む。
 腋のしたをねぶられたことを思いだす。

 脳裏に浮かべたのは、現在のグルナの顔だった。

「わたし、いきます……あ、いく……」

 静かに絶頂に達して、脱力して倒れこむ。
 寝返りを打って抱きしめた枕の重さを感じる。
 目を閉じて、唇を押しつけて、そっとささやく。

「グルナくん、おやすみなさい」

◇◇◇

 日の出とともに目を覚ます。
 肌着と黒のローブを身につけ、窓を開けて空気を入れかえる。

 街路を掃除しているグルナを眺める。
 窓辺で眺めていると、顔をあげたグルナが私に気づいて手を振った。

「グルナさん、おはようございます。朝ごはんは?」
「ファリさん、おはようございます。買ってきました」
「したくしますから待っていてください」

 窓を閉めて髪をまとめる。
 眉毛を剃り、すこし念入りに化粧をする。
 思いだして下着を履きかえる。

 納戸からスライムの分泌液が入ったガラス容器を取りだし、抱えて階下におりる。
 休憩室のテーブルにグルナが買ってきた肉まんが置いてある。
 隣にガラス容器を置いて、茶をいれはじめる。

 ほどなくグルナが戻ってきてほうきを壁に立てかける。
 手を洗い、椅子に腰をおろす。
 茶を運び、向かいに座る。

 グルナは私の顔を見つめて動かない。
 首をかしげて問いかける。

「どうしました?」
「お化粧されているんですね」
「昨日もしていましたよ」
「昔は……」
「学生時代はすっぴんでしたよ。化粧するようになったのは王都に戻ってからです」
「今も昔もおきれいなので気づきませんでした」
「口がうまくなりましたね」

 肉まんはまだあたたかい。
 食べながらガラス容器を示す。

「スライムの分泌液です」
「ありがとうございます。不純物が見当たりませんね、こんなに澄んでいるとは」
「そこが苦労したところだそうです。足りなくなったら言ってください」
「原価はいくらですか?」
「一升で金貨四枚です」
「安すぎませんか?」
「金貨十枚で小売に流しています」

 グルナは肉まんをぱくつきながら帳面に覚え書きをする。
 茶を飲みほして告げる。

「客入りが落ちついたら出かけてこようと思います。知人の工房や販売店をまわって情報収集をしてきます」
「わかりました。いってらっしゃい」

◇◇◇

「ただいま、もどりました」

 グルナが地下室に降りてきて、荷物を自分の机に置く。
 調合の手を休めて挨拶をかえす。

「おかえりなさい、グルナさん。大荷物ですね」
「いろいろと買ってきました」

 手を差しのべる。
 グルナは私の手を両手で握る。

「未婚の女にそういうことをするなと言ったでしょう」
「すみません」

 グルナは握りしめた手を離さない。
 指と指がからみあう。
 これではまるで恋人同士のてつなぎだ。
 びりびりする。

「グルナさん?」
「はい」
「領収書を出せという意味です。手を握れとは言っていません」
「……ごめんなさい」

 グルナは名残りおしそうに手を離し、懐から紙片をとりだして渡す。

「精算してしまいましょう。合計で銀貨三十七枚ですね」

 小口現金の財布から金貨三枚と銀貨七枚を出す。

「払ってくださるんですか? まだ実験計画も立てていませんし、まずは思いつきを試したいというか、どちらかといえば私的な実験の材料なんですが……」
「私、そんなけちな女だと思われていたんですね。すこし悲しくなってきました」

 目頭を押さえて、泣き真似をする。

「俺は学生時代、材料費を部費で落としてもらった記憶がありません」
「雀の涙ほどの部費なのに監査が厳しかったんですよ。裏帳簿から補填したでしょう」
「悪事の片棒を担がされました」
「昔の話です。もう学生ではないのですから、経費はちゃんと申請してください」
「はい、わかりました」

 グルナは荷物を広げながら返事をする。
 木炭と硫黄を目にして訊ねる。

「火薬でも作るつもりですか?」
「そうではありません。まあ、そう見えるように購入したんですが」
「意図を読まれないように?」
「職人街で話題になっているんです。霊薬のファリが魔道具開発に乗りだしたって」
「あらまあ。ほどほどにがんばりましょうね、グルナさん」

◇◇◇

 翌日は休息日である。
 家事をかたづけようと決めた。
 牛の肉と骨、野菜を鍋にぶちこんで、ことこと煮て出汁をとる。
 鍋の灰汁をとる合間に部屋を掃除する。

 衣類にくわえて、シーツと枕カバーも洗濯する。
 昨晩も、グルナの名前を呼びながら自分を慰めた。
 裏窓に干しながら、思いだして赤面する。

 完成した出汁でスープパスタを作る。
 単純ながら芳醇な味わいだと自画自賛する。
 食べおえて皿を洗う。

 掃除をするために納戸を開ける。
 祭壇に木箱が出現していた。
 大魔女様の王配からの手紙が添えられている。

『焼けぼっくいに火がつくとはめでたいことじゃ、と、慈悲深き大魔女様ことのほかことほぎにけり。ゴーレムどもこぞりて金鉄を精錬せり。寸志なれど納め候え』

 目録を見て頭を抱える。
 金、銀、銅、プラチナ、オリハルコン、ミスリルの詰め合わせである。
 木箱を開ければ、長さ一尺の延べ棒が並んでいる。

「火ついてませんから、まだ」

 祭壇に釈明する。
 おざなりに掃除をすませ、居間に戻って礼状をしたためる。
 裏口が開閉される気配がする。

「グルナさんですね……おやすみだというのにしようのないひとです。雇用主として、ひとこと言わなければなりません」

 私の独り言はどこか弾んでいる。
 我ながら、単純なものだと思う。
 礼状を書きあげて祭壇に置く。

 チュニックにキュロットを合わせる。
 眉をまっすぐに描き、頬紅は抑えて、唇に桜色の紅をさす。
 ブーツに足を入れて紐を結ぶ。

「いっちょうまいりましょう」

 鼓舞するように鏡に告げる。
 大徳利に葡萄酒を満たし、堅パンを皿に盛る。
 酒器とともに木箱に載せて、足音を立てないように静かに階段をおりる。
 なんどか深呼吸をしてから、地下室の扉を開く。

「もう、グルナさん、今日はおやすみですよ」

 グルナは溶液に魔導回路を浸し、慎重に魔力を流している。
 顔をあげずに言う。

「すみません、長屋にいてもやることがなくて……」
「きりのいいところでお説教ですからね」

 休憩用のソファーにしどけなく座る。
 葡萄酒を猪口に酌んでなめながら待つ。
 しばらくしてグルナは魔導回路を引きあげる。
 溶液を金属皿ごと恒温魔道具に入れる。

「おまたせしました」

 手を洗ったグルナはソファーに腰をおろす。
 猪口を渡し、葡萄酒を注ぐ。

「おやすみの日に仕事をするのは感心しません。心身を休めるための休息日ですよ」
「俺は女神教徒ではないですから」
「私もです。むしろ反女神主義者です」

 ふたり、猪口を目の高さに掲げる。
 飲み干して、グルナが問う。

「これは?」
「固めの盃です」

 グルナの口に堅パンを放りこむ。

「お説教はまだ終わっていませんよ」
「先輩に会いたくなったんです」
「赦しましょう。酔ってます?」
「先輩の色香に酔っているかもしれません」
「それでは、酔いを覚ましてさしあげましょう」

 木箱を開けて、グルナの膝に乗せる。
 延べ棒がつややかに光る。

「魔道具製作に使ってください。それぞれ二百匁の地金です」
「ちょっと待ってください。一財産ありますよ、これ」

 グルナは木箱をテーブルに移す。
 じっと眺めて、ミスリル棒を手に取る。
 両端に薬指を当てて魔力を流す。

「しかも、限りなく純粋なミスリルだ。こんなものどこで……」

 私は木箱の蓋を引っくり返す。
 大魔女の御璽が押されている。
 ミスリル棒を箱に戻し、グルナが嘆息する。

「不帰の森のゴーレムは、体内で金属を精製するそうです」
「冶金術もなにもあったもんじゃないですね」
「酔いは覚めました?」
「覚めましたが、しかし、これほどのものを仕入れてくださったのですか?」
「いいえ、有能な魔道具士を雇用したお祝いに大魔女様が贈ってくださったのです」

 経緯を端折って説明する。

「そういう次元のものではないと思うのですが」
「そのまま市場に出すわけにはいきません。グルナさんが魔道具の材料に使うしかないのです」
「ありがたいですが、この品質に慣れてしまったらと思うと怖気をふるいます」
「私の盃を干したのですから逃げられませんよ。いえ、逃しません」

 グルナは手酌で葡萄酒を注ぐ。

「逃げるつもりは毛頭ありませんが、会計処理はどうします?」
「頭が痛いです。なにか名案はありませんか?」
「金貨二千枚はくだらない資産が忽然と出現してしまったわけですよね」
「そうなります。うちの資本金より多いです」
「それだ! 出資してもらったことにしましょう」

 手を組んで考えをまとめる。

「妙案だと思います。新事業展開のための増資という筋書きでいきましょう。新株の議決権を制限するにしても、私の出資額を増やさなければなりませんね。そうだ、グルナさんも出資してください」
「出資する金がありません」
「グルナさんが持ちこんだ機材を現物出資する態はどうでしょう」
「そこまで言ってもらえるなら、賭けますよ。ちゃんとしたおとなになるために」

 グルナの言葉にこめられた力こぶに気づかないふりをする。

「決まりです。今日はお祝いに飲んじゃいましょう」
「そのまえに、お宝を保管庫にしまって施錠します。こんなのが目の前にあったら、酔うに酔えません」
「おねがいします。私はお酒を持ってきます」

◇◇◇

 ソファーに片あぐらをかいて、私はゆらゆらと揺れている。
 白湯の入った茶碗が差しだされる。
 正直、ガードがゆるんでいたのは否定できない。

「ありがとうございます、グルナくん」

 わざと昔の敬称で呼んでみる。
 グルナは片眉をあげて、気づかなかったふりをする。
 恒温魔道具に向かい、取りだした金属皿を自分の机に置いて、私の隣に戻ってきた。

「今日はもう研究しちゃだめですからね」
「しませんよ。俺もだいぶん酔っています」

 私はくすくす笑ってグルナに寄りかかる。

「まるで部室で酒盛りしていたころに戻ったようです」

 グルナは手を組んで前を見つめる。
 私がくっついているのに意に介さない。

「先輩、今日は雰囲気がちがいますよね」
「いつもの黒ローブ姿ではありませんからね」
「落ちついたおとなの粧いと感じました」
「そういった方向性を模索いたしました」

 端々に硬さを感じて、グルナの顔を見あげる。

「どこかにお出かけかと思いました。デートとか」
「そんな相手は絶えてひさしくおりません」
「俺は、その、先輩には良いひとがいるだろうと……」
「いませんよ。十年前に三歳年下の男の子に言い寄られたきり、とんとごぶさたです」

 グルナは唇をかみ、濁した言葉のつづきを探し、とつとつと話す。

「ちゃんとしたおとなになって、先輩との約束を果たしたくて……俺は莫迦だからうまくできなくて……会うのを我慢してたのにどうしようもなくなって……こんな俺にも先輩は優しくて……」

 グルナの瞳に光るものがある。

「約束なんて忘れました」
「そうですか……」

 グルナの声は落ちこんでいて、私はなにかを伝えたくて、告げるつもりのなかった言葉を口にしてしまう。

「明日はグルナくんが会いに来てくれるかもしれない。工房を開いてすぐのころ、毎晩そんなことを夢見て枕を濡らしました。あきらめて思いきって忘れてしまわないと、みじめじゃないですか。あのころの私は、あなたが奥さんと子供を連れて来店しても、ちゃんと笑えるように鏡のまえで練習していたんですよ」
「先輩、俺は……」
「ちゃんとしたおとなになんて、なれなくていいじゃないですか」

 グルナの顔がくしゃくしゃにゆがんで、涙が頬を伝う。
 それをぬぐおうと手をのばす。
 濡れた頬をなでる。

「ごめんなさい、あなたを縛る呪詛になっていたんですね」
「謝らないでください。俺が悪いんです。莫迦なままで、変われなくて……」
「約束しなおしましょう。グルナくんが三十路を迎えて、おたがい他に相手がいなかったら、結婚しませんか」
「……はい、先輩」

 頬に両手を添える。
 これは約束。
 どうしようもなく幼くて、ちゃんとしたおとなになれなかった私たちの、こどものあそびみたいな契約。

「約束をやぶったら魔女の呪いで蛙にしますからね」
「四年ですよね。それくらい我慢できます」
「なにを我慢するんですか?」
「告白したり、求婚したり、ですかね」

 帳面を引きよせて約束を書きしるして、グルナに示す。

「ちゃんとしたおとなにはならなくていいですが、約束とか契約とかはちゃんと理解しましょうね。グルナくんが蛙にされるのはどんな場合ですか?」
「甲が満三十歳の誕生日を迎えて、甲乙ともに交際相手がいないにも関わらず、甲が婚姻の意思を示さなかった場合です」
「つまり、我慢する必要なんてないのです」

 グルナはおおきく息を吸って、告げる。

「先輩、好きです。ずっと好きです。俺と付きあってください」
「よろこんで」

 グルナの唇にむしゃぶりつく。
 帳面が床に落ちる。
 挑むように唇を重ねあわせて、ようやく離れる。

「紅がうつっちゃいましたね」

 ころころとかわいらしく笑ってみせる。

「これが口紅の味なんですね」

 唇をぬぐってグルナも笑う。

「先輩、その、婚前交渉がしたいです」
「やぶさかではありませんが、おなかが空きました」
「早いうちから飲みはじめましたもんね」
「あと、お風呂に入って身体を清めたいです。グルナくんは、その、好きだったでしょう、ぺろぺろするのが……」
「はい、大好きです。俺も公衆浴場で汗を流してきます。帰りに屋台で腹にいれるものを買ってきます」
「スープは用意しておきますから、お肉をお願いします」

 立ちあがり、キスをかわす。

♡♡♡

 グルナが寝台でくつろいでいる。
 私は鏡台の椅子に腰をおろし、髪をとかしながら言う。

「次の月のものは十二日後と予想されます。現在、妊娠する可能性がかなり高い時期にあります」
「はい、今日はやめておきますか?」

 櫛を卓に置き、白い干物のようなものをつまみあげてグルナに示す。

「そこでこれです」
「なんですか、それは?」
「羊の盲腸です。水で戻して男性器に装着します。当世流行の避妊具です」

 深皿に入れて水をそそぐ。
 乾物を戻すのと同じ要領だ。
 グルナは寝台をおりて、私の脇に立つ。
 興味津々で避妊具をいじくりまわす。

「おもしろいですね、これは。薄くて柔らかくて、ああ、盲腸だから袋なわけですか」
「花街の小間物屋で金貨二枚で売っています。実験用に経費で買った余りです」
「さっそく着けてみていいですか?」
「いいですけれど、もう、その……勃起しているのですか?」
「はい、拙者の愚息は合戦準備完了しています」

 私は吹きだして立ちあがり、脱いだガウンを椅子の背にかける。
 腹筋に力を入れて、おなかをひっこめる。
 グルナに寄りそって、下着のうえから怒張をなでる。

「装着前後の手触りを比較したいです」
「はい、どうぞ、先輩」

 グルナの下着に手をしのびこませて、掌で先端をこねくりまわす。
 指先で茎部をなぞり、睾丸をくすぐる。
 グルナは私の腰を抱き、耳朶に軽く歯を立てる。

「グルナくんの、濡れてきました……」
「先輩のせいですよ」
「装着してみせてください」

 グルナは下着を脱ぎ捨てて裸になり、避妊具を手に取る。
 私は寝台に腰をおろし、装着の様子をしげしげと観察する。
 グルナは自分のものに覆い被せていく。

「だいぶ余裕があるようです。俺のがちいさいのかな」
「もともとそういう作りなんでしょう」
「そうですね、なんだかなじんできました」

 グルナは自分で触りながら、しげしげと見つめる。

「先端だけでなく、根本まで粘膜になったような感触です」
「私にも触らせてください」
「手をきれいにしてからのほうがよいかと」
「そうですね。グルナくんのがついてるんでした」

 ぺろりと掌をなめて、布で拭う。
 グルナを手招きする。
 両手でやわやわと触る。

「手触りはすこし違う気がします。しっとりしているせいでしょうか。匂いもほとんどしません」
「先走りがちゃんと遮断されているようです」
「ちょっとくわえてみてもいいかしら?」

 亀頭に口づけして、舌を這わす。
 口に含んで、ちゅぽんと音を立てて離す。

「先輩の口のなか、あたたかいです」
「味がしません。腸詰をなめているような感じです」
「そのまんまですね」

 腰をかがめたグルナが、私の顎をくいっともちあげてキスする。

「今度は俺がなめさせてもらいますよ」
「……はい」

 寝台のまんなかに移動して仰向けになる。
 グルナが下着に手をかけるから、腰を浮かせて脱がせるのを手伝う。
 枕を腰のしたに差しこまれる。

「もぉ、恥ずかしいです……」
「先輩、足を開いてもらえますか」

 膝をたてて、おずおずと左右に開く。

「もっとおおきく開いてください」
「だって、身体の奥まで見えてしまいます……」
「見たいんです」

 開いた股を押さえられて、指で付け根を揉みほぐされる。
 グルナの顔が近づいて、ふうと息を吹きかけられる。

「きれいです。それに、とてもいやらしい匂いがします」
「ねんいりに洗ったつもりですが、くさいですか……?」
「いいえ、良い匂いです。興奮します」

 陰唇にそって舌先がゆっくり這いまわる。
 割れ目を開かれてなめあげられる。
 陰核の手前で帰っていく。

「んっ……、ふぅ……っ」

 声をこらえて吐息を漏らす。
 あたたかい舌がぬるぬる往復する。
 陰核のまわりを舌でねぶられて、足を閉じそうになる。
 グルナの手が腿をつかんで、割り開かれてしまう。

「足閉じちゃだめですよ、先輩」
「だって……おねがい、じらさないで……」

 陰核がグルナの口に含まれる。
 包皮のうえから舌でなめられて、ぐにぐにほぐされる。
 とろとろに蕩けた膣口に指がもぐりこんでくる。

「グルナくん……っ、あっ、そこぉ……すきぃ」

 指先が膣のなかをまさぐる。
 とんとんと襞を叩かれて、きゅうっと締めつけてしまう。
 愛液をかきだすように指の腹でこすられる。

「あっ、あっ、それっ、だめ、だめです……っ」

 陰核を吸われて、いよいよ余裕がなくなる。
 ちゅうちゅうと吸われる。
 ちろちろとなめあげられる。

「もう……っ、だめだから……っ、こえっ、でちゃう」

 中と外を刺激されて、身体のなかを快楽がはねまわる。
 背中が反って、腰が浮く。

「お゙っ、あ゙っ、あ゙ーっ、だめ……っ、もぅむり……、い、ぐぅっ」

 身体がびくんとふるえる。
 力が抜けておしりが枕に沈みこむ。
 グルナは抜いた指をぺろりとなめる。
 うらみがましく言ってやる。

「はしたなく気をやってしまいました」
「とても素敵でした」
「起こしてください」

 手を引いて起こされる。
 寝台のうえで膝立ちで向かい合う。
 グルナに抱きついて押したおす。

「今度は私がせめます」

 鏡台に手を伸ばし、小瓶を取る。
 グルナにおしりをなでられて、にらみつける。
 蓋を開けて、小瓶から液体を垂らす。
 グルナの陰茎を握り、ぬちゃぬちゃと音を立てて塗りひろげる。

「我が工房の人気商品です。スライムの分泌液を薄めて、ゴブリンの媚薬をブレンドしました。男も女もいちころだと生産者が豪語する逸品です」
「生産者ってどっちですか?」
「ゴブリンです。スライムはしゃべりません」

 グルナにまたがり、亀頭を膣口にみちびく。
 ゆっくり腰を沈めて、グルナを迎えいれる。

「ちょっときついような……こんなだったような……」
「あったかくて、ぬるぬるして、きもちいいです」
「良かったです」

 グルナに抱きついて、ゆっくり腰を動かす。
 強く抱きしめられて、肺から空気がもれる。
 身動きができなくて、もどかしくて腰だけをくいくいと揺らしてしまう。

「媚薬が効いてきたような気がします……」
「先輩、考えてみると、媚薬成分は避妊具にはばまれるのでは……」
「ん……っ、そういえば、そう、ですね……っ」

 腰をおしつけて、くっつけたまま、お尻で円を描く。
 グルナにお尻のへこみをくすぐられる。
 触れあった肌のぬくもりに頭がほわほわする。
 しあわせ。

「あれっ、ちょっとまって。わたし、もう、えっ、うそ……っ」

 股間をこすりつけるようにぐりぐりと動かす。
 すすりなくような声がもれてしまう。
 身体がぶるぶるふるえる。
 グルナの胸に手を置いて身体を起こす。

「私、いってしまいました……」

 余韻に浸りながら呟く。

「とてもかわいかったですよ」

 ささやきながら、グルナが脇腹からなであげてくる。
 腰をゆするように前後に動かす。

「グルナくんも気持ちよくなってほしいです」
「気持ちいいです。なんか奥がこりこりして、すごいです」
「心だけでなく身体も、あなたをおしたいしているということです」

 グルナが乳首に吸いついてくる。
 ちゅぱちゅぱと音をたててしゃぶられる。

「先輩、両手を頭のうしろで組んで……」
「あれ、恥ずかしいから、やだって言ったじゃないですか」

 羞恥に顔を赤くしながら、従ってしまう。
 腋をさらし、顔をそむけて、にらみつける。

「そんなに見ないでください。グルナくんのへんたい!」
「きれいです」

 腋のしたをくすぐられて、身をよじる。
 腰を上下に動かして、グルナに打ちつける。
 えいっ、えいっ。
 グルナは呼吸を合わせて、腰を突きあげてくる。
 乳房をもてあそばれて、わけがわからなくなる。

「おくっ、いじめないで……っ、ふかいの、こわいですからぁ……」
「俺、もう、いきそうです……」
「はいっ、いってください……、わたし、もう、あーっ、くるぅ、きちゃうぅ、グルナくん……すきぃ……」

 腰をつかんだグルナがひときわ奥に押しつけてくる。
 のけぞった身体を支えられ、抱きしめられる。
 グルナの脈動を感じる。
 荒い息が耳をくすぐる。

 グルナは私をそっと横たえて、避妊具を押さえながら陰茎を引きぬく。

「やぶれたりはしていないようです」
「途中からすっかり忘れていました」

 グルナは避妊具をはずして、ちり紙で陰部をぬぐう。
 ちり紙を渡されて、私も股間をふく。
 横向きに寝転がって、見つめあう。
 グルナが訊く。

「どうして四年後なんですか?」
「教えてあげません。他愛のない理由です」

 グルナの腕に頭を乗せる。
 抱きよせられて、胸に顔を埋める。

「俺、寝てしまいそうです」
「いいじゃないですか。ちゃんとした寝台で朝までいっしょにいたこと、なかったですよね」
「貧乏でしたからね。でも、あらぬ噂が立ってしまうかも……」
「手遅れです。本当のことにしてしまえばいいのです」

 グルナはあくびまじりに応える。

「はい。おやすみなさい、先輩」
「グルナくん、おやすみなさい」

 おでこにキスされて、首筋にキスをしかえして、眠りに落ちる。

◇◇◇

 七日後、私は挽肉パイを焼いている。
 グルナは麦酒を氷で冷やしている。
 私たちは休息日の地下室に集合した。

 グルナは真面目な顔で、背筋をのばしてソファーに浅く座る。
 テーブルにお尻を乗せて、遣り手の女社長っぽく、にっこり笑ってみせる。

「これより臨時株主総会を開会します」

 グルナもにやりと笑う。
 私が株式の十割を保有している以上、茶番でしかない。
 出席者もふたりきりである。

「第一号議案は役員選任です。こちらのグルナさんを魔道具開発担当取締役に選任します。奨学金の代理返還をもって役員報酬といたします。賛成します。決議が承認されました」
「ただいま、ご紹介にあずかりましたグルナでございます。ファリ錬金工房の発展のためにほどほどにがんばりますので、よろしくお願いもうしあげます」

 グルナが立って挨拶する。
 ぱちぱちぱち、拍手する。

「第二号議案は定款変更です。無議決権株式を発行できるようにします。賛成します。承認されました」
「現在の資本金は金貨九百枚、ファリさんが九十株を保有しています」

 グルナは株主名簿を広げる。

「第三号議案は新株の発行です。普通株式を七十株発行して、私に二十株、グルナさんに十株、大魔女様に四十株を割り当てます。賛成します。承認されました」

 グルナはさらさらと株主名簿に三行書きくわえる。

「第四号議案も新株の発行です。無議決権株式を百六十株発行して大魔女様に割り当てます」

 グルナが拍手して賛意を示す。

「三分の二以上の賛成により、承認されました。以上をもちまして閉会といたします」

 グルナは株主名簿に五行めを追記して閉じる。
 あらかじめ作成しておいた議事録とともに書類棚にしまい、酒器を取って戻る。

 そのあいだに恒温魔道具から挽肉パイを取り出す。
 ぐい呑みを掲げて、ふたりで乾杯する。

「おつかれさまでした、休息日なのに」
「従業員としての俺は出勤していませんから」
「ここからは、取締役でも従業員でもないグルナくんじゃなきゃ嫌ですよ」
「実験結果を報告しようと思ったんですが……」
「しようのないひとですね。聞きますから、冷めるまえに一切れはめしあがれ」

 取り分けたパイを勧める。

「さっくりとしていて、おいしいです」
「冷やした麦酒もよいものですね」

 グルナは自分の机から金属皿を持ってくる。
 半透明の皮膜と金属の細線が乗っている。

「スライムの潤滑液に硫黄を混ぜて、錬金術でごにょごにょして、加熱して皮膜を作りました。柔軟で伸縮性があり、水はおろか空気も通しません。配合や術式を工夫すれば、さらに高機能な資材が作れそうです」

 パイを食べる手を止めて、額を手でおさえる。

「実験を始めて、まだ一週間ですよね? なんで、そんなものが作れてしまうんです……」
「不帰の森の素材が傍若無人に高品質なせいです」
「自分は常識人だとおっしゃりたいようですが、グルナくんもたいがいですよ」

 グルナは金属の細線を摘まみあげる。

「次はこちらです。先輩は金属線の製法をご存じですか?」
「存じません。薬学は腕におぼえがありますが、金属加工はさっぱりです」
「塑性変形する材料を穴に通すと、穴の形を断面とする棒や線が得られます。穴に押しこむのを押出加工、引っぱりだすのを引抜加工と呼びます」
「はい。なんだかえっちですね」

 グルナは唇の端を吊りあげる。

「その比喩は正確です。穴に出し入れするとき、いつだって摩擦が問題になるのです。スライムの分泌液に植物油を混ぜて潤滑剤にしました。いやはや、万能すぎて不安になりますね。これまでにない品質の極細線がらくらく製造できてしまいました。ところで手元に純粋なミスリルの地金がありまして……」
「不安しかありません。抱きしめてください」

 グルナは私の頭を抱き、髪をくすぐる。

「高品質かつ高精度なミスリル極細線によって、魔導回路の微細化と複雑化が可能になります」
「聞きたくないですが、どれくらいですか?」
「すくなく見積もって十倍の集積度です。百倍までは道筋が見えています。その集積度では、魔道具という概念自体が質的に変化します」
「そういうのは破壊的な、いえ、破滅的な変化というのです。グルナくんが私をもてあそぶ詐欺師だったら良かったのに」

 頭をめぐらせて甘える。

「市場に出せない素材を混ぜあわせたら、市場に出せない材料ができあがる道理です」
「道理はいりません。必要なのは無理を通す遣り手です」
「要約すると、我々の強みは反則的な品質の材料を反則的な価格で利用できる点にあります」

 グルナの芒洋たる目を覗きこむ。

「弱みでもあると理解できていれば、その要約でかまいません。続けてください」
「社長の業務指示を咀嚼して、使い捨て魔道具という発想に昇華しました」
「使い捨て、ですか。魔力貯蔵用の晶石はどうするのですか? んーっ、ちょっと待ってください、そういうことですか。まだ隠していることがあるんですね。それが、それこそが――」
「そんなに格好いいものじゃありませんよ」

 グルナは目を閉じて、開く。
 私はそこにこめられたものを見ようとする。

「魔導数理学のちょっとした秘儀にすぎません。魔力代謝の数式を量産して、魔道具ごとに固有の術式を埋めこみます」
「そんなことができるのですか?」
「王都では俺にしかできないという自負があります」
「そんなに有能なのに、どうしてこんなにぽんこつでかわいいのでしょう」
「有能さを示さないと……、俺だって、先輩に捨てられないように必死なんです」

 莫迦で単純でせっかちで、かわいい男の子。

「莫迦……」

 泣きながら、ぽかぽか叩く。
 おとなの女だから、身体強化はしない。

「莫迦、有能かどうかなんて知ったことではありません。そんなのどうだっていいんです。私をそのような女だと、つゆほども思ったというのであれば、一生赦しません。覚悟していただきます」

 抱きしめる。
 ぎゅっと抱きしめる。

「ごめんなさい、先輩。ごめんなさい……」

 抱きしめた服にグルナの涙が染みこむ。

「先輩だってぽんこつじゃないですか……いつだって肝心なことは話してくれないし……年上ぶって俺のこと餓鬼あつかいするし……」
「年上ですよ。年上だから……でも、そうですよね。グルナくん、たくさんお話ししませんか。私もあなたも口下手で考えすぎてしまうところがあります」
「……はい」
「遠慮して訊きませんでしたけど、本当は、どんな魔道具を作ってきたのかとか、知りたいです。七年ぶん、いっぱい話しましょう。まじめな話もくだらない話も」

 胸にうずめていた顔を離し、グルナは涙の跡をぬぐい、微笑する。

「最後に開発していたのは魔導バリスタ、対龍決戦兵器です。王都鎮台の技研と共同開発していたんですが、予算打ち切りで開発は頓挫、工房はばたんきゅーです」
「なるほど……?」

 グルナの髪をなでながら思案する。
 なにか裏があるように思われる。

「俺も訊きたいです。どれほどの魔法薬を調合すれば、霊薬のファリなんてふたつ名で呼ばれるんですか?」
「エリクサーを作っただけですよ」
「よくもまあ、ひとのことを非常識呼ばわりできますね」

 ぎゅっと抱きつかれる。
 グルナの股間をぎゅっとしてやる。

「さっきまで泣いていたのに、ここをこんなにたくましくして……」
「ぱふぱふされて、拙者の愚息は意気軒昂にござる」
「話といえば、そちらのほうも希望とかあったりしますか?」
「拙者、学院の制服にて営みを所望いたす」
「口調がおかしいままですよ。私、制服まだ持ってますけど、グルナくんは持ってますか?」
「処分してしまいました」
「私だけ制服だと、いかがわしさがいやましますね。そういえば、歳の差逆転プレイをしてみたかったのです」

 わざとらしく手をぽんと叩いてみせる。

「ふむふむ、俺が卒業生で、先輩が在学中の後輩という設定ですか……」
「まあ、今の私が制服を着るとどうなるかという問題があるのですが……」
「そこが、いいんではないかと愚考いたします」

♡♡♡

 寝室で、ふたり、向かい合う。

「グルナくんのことを先輩と呼ぼうと思います」
「俺はファリと呼び捨てにさせてもらいますね」
「ひぁっ……もういっかい呼んでもらえますか?」
「ファリ」

 寝台のかたわらに立ち、腕をさしかわす。

「いちおう『清浄』をかけましたけど、しまっておいた服の匂いとかしませんか……?」
「だいじょうぶだよ、ファリ」

 ためぐちで呼び捨てにされると、想像していたより頭がくらくらする。

「に、似合ってないですよね……」
「似合っているかどうか論評は避けるとして、すごくかわいい」
「先輩のへたれ! もっと粋な科白をお願いします」
「こんなにスカート短かったっけ……膝出てるじゃん……」

 身体を離して、でこぴんする。

「野暮天! わざとです」
「じゃあさ、スカートめくってみせて」
「なにがじゃあなのかわかりませんが、わかりました」

 寝台のはしに腰かけるグルナのまえで、スカートの裾に手をかける。
 ゆっくりたくしあげていく。

「鼻息が荒いですよ、先輩。なんども見ているでしょう?」
「そうなんだけど……、うん……」
「もう、いいですか? 見えちゃいます……」
「ファリ、もっと見せて」
「うぅ……」

 手がふるえる。
 顔が熱くなる。
 下着どころか、もっと奥まで見られたことがあるけど、これはこれで恥ずかしい。

「すごくかわいい……」
「かわいいって言っておけばいいと思ってません?」
「だって、かわいいんだもん。ややっ、なんかやらしい下着だ」
「そこはかわいい下着でお願いしますよぅ……」
「ファリは、こんなすけすけでえっちな下着はいちゃうんだね」
「ふにゃあ……、だってぇ……」

 声が甘くなる。
 グルナが内腿に手をさしこんでくる。

「ファリ、足を開いて……」
「むりぃ……立ってられなくなる……」
「ファリ」
「ふぁい、先輩……」

 おずおずと開いた腿をなであげられる。
 下着の上から指がなでてくる。

「汗かいてるね」
「そんなことないです……」
「ちょっと腰を落として」
「え、こうですか……?」

 言われるままに腰を下げ、つまさきを外に向ける。
 ガニ股で開脚して、なんだかどすけべな格好になってしまっている。
 脚の付け根をなぞられる。

「えっちな格好だね、ファリ」
「先輩がさせたんじゃないですかぁ……」
「欲情した顔になってるよ。期待してるのかな?」
「ちがいますよぉ……」

 焦らすようにやさしく触れてくる。
 息が乱れる。

「ん……っ、先輩……」
「どうしたの?」
「いじわるしないでくださいよぅ……」
「ちゃんと言わないとわからないよ」
「ううぅ……」

 奥歯を噛みしめる。
 潤んだ目でにらみつける。

「ちょくせつ、さわってほしいです……」
「どこを?」
「なかと……そとを……いっしょに……」

 恥ずかしい。
 膝がふるえる。
 くずれおちかけた身体を、立ちあがったグルナに抱きとめられる。
 下着のなかに手が入ってくる。

「ファリ、好きだ」
「私も……、あっ、先輩の指、入ってきた……」

 耳元でささやかれる。

「しかし、これ、だいぶ不健全な権力構造じゃないですか?」
「ちょ、ちょっと我に返らないでくださいよ。私だって恥ずかしいのに頑張っているんですよ!」

 くちゅくちゅと音をたてて、かきまわされる。

「こう、なんていうか、嗜虐的な欲望がかきたてられてしまってですね」
「あなた、もともと、私をはずかしめて楽しんでたじゃないですか!」
「粘膜の摩擦だけでなんとかなれるほど人間は複雑じゃないんだよ、ファリ」
「そうですね、そんな唯物論者みたいなことはできません」

 グルナの親指が陰核のまわりを円を描くように撫でる。
 膣内の二本の指が裏側から押しあげるように圧迫してくる。

「ふぁあっ……せんぱい……そこだめぇ……」
「自分でおねだりしたくせに……」
「だめなんです、すぐいっちゃうから……」
「ファリがかわいすぎるのが良くない」
「責任転嫁!? あと、私、そろそろ本当にやばいです……」

 グルナの肩に頭を押しつける。
 我慢できなくなる。
 曲げていた脚をぴんと伸ばして、身体をあずける。
 痙攣しながら達する。

「先輩……わたし、いっちゃいました……」
「ファリ、手を挙げて」

 制服の上着を脱がされて、ブラウスを剥ぎとられる。
 スカートと下着だけにされる。

「スカート、まいてみじかくしてたんだ……」
「ちょいちょい現実挟んでくるのやめてもらえます?」
「ファリ、よつんばいになって」
「ひゃい……」

 言われたとおりにする。
 下着をおろされる。
 交互に膝を浮かせて、脱がされるにまかせる。

「なめるよ」

 後ろから割れ目をなめあげられる。
 会陰をなめられ、肛門をくすぐられ、嗚咽のような嬌声が出てしまう。
 舌がなかまではいってくる。
 指先が陰核をつまみあげる。

「ファリ、とってもおいしい」
「やぁ、せんぱいっ、だめぇ……」
「だめなの?」
「そこでしゃべらないでぇっ……!」

 お尻を高くあげて、顔をシーツに押しつける。
 媚びるようにお尻を振ってしまう。

「先輩、しようよぉ……いれて……」
「どうしようかなあ」
「禁欲期間は明けてますから……大丈夫だから、おねがい……いれてください」

 懇願してしまう。
 ぞくぞくと背筋を駆けあがるものがある。
 頭も身体もぐずぐずに蕩けている。

「ファリ……いれるよ」

 腰をつかまれて、亀頭が膣口にあてがわれて、壁をこすりながら入ってくる。

「あ、あぁ……奥まで来たぁ……」

 グルナが腰を前後に動かす。
 ちゅぷちゅぷといやらしい音がする。
 わざと音を立てられている気がする。
 わざと弱いところをひっかかれている気がする。

「あ゙ーっ、あ゙っ、あ゙っ」

 声にならない嬌声をあげる。
 肘にも膝にも力が入らなくて、寝台に突っ伏す。
 グルナは背中から抱きしめて、深くさしこんだ肉棒を小刻みに動かしてくる。
 抱きしめた手が下腹部をぎゅっぎゅっと押さえる。

「あ゙っ、せんぱぁい、わたし……お゙っ、お゙ひっ、あ゙ーっ」
「ファリ、あいしてる……」
「ゔーっ、わたしも、わたしもしゅきぃ……あ゙ぁ、だめっ、もう……」

 身体がびくびくふるえる。
 はあはあと荒い息をつく。
 頭をめぐらせて、動きを止めたグルナを見る。

「せんぱい、まだですよね……どうしたらいいですか?」
「このまま、動いてもいい?」
「はい、私のなかで気持ちよくなってください……」

 その科白はどうだろう、と言ってから思う。
 グルナは激しく腰を打ちつけてくる。
 寝台がぎしぎし軋む。

「はっ、はーっ、しぇんぱいっ、はげしっ」

 身体の奥まで揺さぶられて、我慢できなくなる。

「あ゙っ、あ゙っ、あ゙っ、きもひっ、いいれすかぁ?」
「ああ、ファリのなか、すごくえっちで、きもちいいよ」
「えへへ……んっ、ゔ、あっ」
「ファリ、でる」
「ひゃい……」

 後ろから唇を吸われる。
 グルナのものが脈動しているのがわかる。
 びくびくとふるえながら、精をもらしていく。
 繋がったまま、ときどきしめつけてみる。

「いっぱいでました?」
「うん、七日ぶん。いや、うん、七年ぶん、たまってたわけでして……」
「えへへ。ばかぁ」

 はなれられないまま、キスをする。

◇◇◇

 王国歴二百六十四年、ファリ錬金工房は廉価な使い捨て魔道具を発売する。
 なかでも避妊具が好評を博した。
 腸膜よりも目が細かいスライム皮膜は、性病の感染防止に有効だった。
 当初は衆道者に人気があったが、すぐに異性愛者にも広まっていく。

 王国歴二百六十五年、ファリ錬金工房はさらに高品質なスライム皮膜を開発する。
 殺菌効果と保温能力にすぐれた水袋が飛ぶように売れた。
 同時期に殺精子剤を塗布した避妊具を販売開始するが、ポーション単品の引き合いのほうが強かった。

 王国歴二百六十六年、財務基盤を強化したファリ錬金工房は、大型魔道具の開発に進出した。
 大容量の魔力キャパシタを自社開発し、軍や民間に納入している。

◇◇◇

「四年って、そういうことだったんですね……」

 奨学金の繰上返還完了通知書を眺めながら、グルナが言う。

「邪悪な魔女の邪悪な弟子はこういう魔法が得意なのです。からめとられるまえに逃げておけばよかったのに」

 ようやく眠ったリーシャを眺めながら応える。
 昨年産まれた愛娘だ。

「本望だと言ったじゃないですか」

 やさしい顔で我が子を見つめるグルナの頬にキスをする。
 リーシャの夜泣きがはじまるまでのみじかいあいだ、私たちはいちゃいちゃした。

(おしまい)
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